0148 驚きの東弁回答書

悪徳弁護士トリオプラスワン」「悪徳弁護士詐欺集団」「在日コリアン弁護士プラス反日弁護士集団」「諸悪の根源日弁連」......。

 神原元、佐々木亮、北周士、嶋﨑量君、みなさん、おはよう。元気かね。

 それにしても、和解者に謝罪させ、金を取った上に提訴とは、まさに鬼畜、法匪のなせるわざである。この件、一歩間違えば、戦後最大のスキャンダル、造船疑獄レベルまで発展しかねない。安倍総理の指揮権発動が楽しみだね。

 訴訟において、原告が犯罪を犯した場合に、その代理人の責任がどこまで及ぶか非常に興味がある。訴因に関与している場合の割合である。

 今般、和解金詐欺事件が発生した。直接には「令和元年(ワ)第16126号損害賠償事件」であるが、代理人に嶋﨑量がおり、この関係には「和解のご提案」なる怪文書を送付している西川治、山岡遥平のような弁護士がいる。刑法犯であることは間違いないが罪状の特定が難しい。

 すでに、代理人弁護士を含めて、全員が告発済みである。

佐々木亮、北周士、嶋﨑量、神原元、金竜介、宋恵燕、姜文江、西川治、山岡遥平、兒玉浩生、倉重公太朗、田畑淳、向原栄大朗、山田祥也。

告発という以上、もちろん刑法犯であるが、それぞれの行為に合った罪状で告発している。

事実証拠で固めており、法のプロとはいえ、逃げるのは難しいだろう。

コメント1  調査嘱託申し立ての回答

10月8日目を疑うような回答があった。一連の佐々木亮と北周士が提訴した裁判が根底から覆されるインパクトを持った回答である。

冒頭にあるように、現状、検察への告発は11件あり、日付けが白紙で、偽筆の問題は有印私文書偽造行使として刑事告発しているものがある。この回答は、その証拠として大変重要である。とりあえず末尾に原本を貼り付けておいた。

詳細な解説と今後の方針は次稿から扱うことにする。

東弁2019綱第75号

2019年10月8日

東京地方裁判所民事第37部合C係

裁判所書記官 石塚 敬一 殿

東京弁護士会会長   篠塚 力

貴職からの調査嘱託について

貴職からの令和元年9月27日付け調査嘱託につき、以下のとおり回答いたします。

第1 別紙1について

1 調査事項(1) について

年月日の記載の無い懲戒請求書が提出された場合、会が当該書面を受け付けた日を「懲戒請求日J として取り扱う運用としている。

よって、年月日を補充して出し直すよう指示し懲戒請求書を返送することはしていない。

2 調査事項(2)について

当会が、懲戒請求書の日付を懲戒請求者本人が記入したのか、取り縫め団体が記入したのかを判別することは不可能である。年月日の記載のない懲戒請求書の取扱いは、上記1のとおりであり、当会で年月日を記入することはない。

3 調査事項(3)について

懲戒請求を受理し調査開始する以前に、懲戒請求書を被懲戒請求者に開示することはない。

第 2 別紙2について

受理した懲戒請求書について、当会が保管する懲戒請求書には受付印を押印する。

以上

584e0a_33f8b1ac9b3142c0a7e4afecb6fc6740_mv2_d_2977_4210_s_4_2

0147 北海道第1671号訴状

悪徳弁護士トリオプラスワン」「悪徳弁護士詐欺集団」「在日コリアン弁護士プラス反日弁護士集団」「諸悪の根源日弁連」......。

 神原元、佐々木亮、北周士、嶋﨑量君、みなさん、おはよう。元気かね。

 それにしても、和解者に謝罪させ、金を取った上に提訴とは、まさに鬼畜、法匪のなせるわざである。この件、一歩間違えば、戦後最大のスキャンダル、造船疑獄レベルまで発展しかねない。安倍総理の指揮権発動が楽しみだね。

 訴訟において、原告が犯罪を犯した場合に、その代理人の責任がどこまで及ぶか非常に興味がある。訴因に関与している場合の割合である。

 今般、和解金詐欺事件が発生した。直接には「令和元年(ワ)第16126号損害賠償事件」であるが、代理人に嶋﨑量がおり、この関係には「和解のご提案」なる怪文書を送付している西川治、山岡遥平のような弁護士がいる。刑法犯であることは間違いないが罪状の特定が難しい。

 すでに、代理人弁護士を含めて、全員が告発済みである。

佐々木亮、北周士、嶋﨑量、神原元、金竜介、宋恵燕、姜文江、西川治、山岡遥平、兒玉浩生、倉重公太朗、田畑淳、向原栄大朗、山田祥也。

告発という以上、もちろん刑法犯であるが、それぞれの行為に合った罪状で告発している。

事実証拠で固めており、法のプロとはいえ、逃げるのは難しいだろう。

<(2) ヘイト・スピーチ(憎悪扇動表現)は、段階を踏んで侵害の程度が深まる。当初は民事的にも違法性を伴わないものであるが、段階を経て民事的違法性を帯び、刑事的違法性を帯び、最終的には虐殺に繋がる。>

<なお、仮に本件大量懲戒請求が共同不法行為と認められない場合、

個別の懲戒請求について、それぞれ単独不法行為が成立することとなる。

その場合であっても、既述のとおり、個別の懲戒請求がそれぞれ人種差別目的でなされたことにかんがみれば、それぞれによって原告らに生じた精神的苦痛及び名誉毀損について、これを慰謝するに相当な金額は 、どのように控えめに見積もっても50万円を下ることはない 。>

<「徹底して隠蔽されてきた戦後の彼らの蛮行の歴史」、

「あぶり出された日本国民の敵」、

「在日朝鮮人に組みするものは日本人ではない。有事には熾滅を念頭に対処されたい。」

といった極めて強い憎悪扇動表現が用いられていた。

そして、本件大量懲戒請求における懲戒事由として具体的に摘示 された事実も、原告らが本件声明に賛同したこと、また原告らが人種差別に反対する活動を行うことを目的とする団体の代理人として行動したこと、の2つであり、要するに、原告らが人種差別の根絶を目指す活動を行っていることをターゲットにしたものであった。

以上の事実関係からすると、本件大量懲戒請求は、人種差別目的のものではないと理解することのほうが著しく困難であり、明白に、在日朝鮮人に対する人種差別目的で行われたものといわなければならない。>

<(イ)しかしながら 、まず本件大量懲戒請求において懲戒事由として挙げられているところの「ツィッター・ジャパンに対する通知書代理人については国際テロリストとして告発されている弁護士が含まれており」との記載部分については、そもそも相代理人中のどの弁護士を指しているのかすらも明らかではなく、また実際にそのような告発がなされたのか否かも不明である。

なお付言するに、既述のとおり本件ブログにおいては繰り返し外患誘致罪等の罪名による告発の呼び掛けがなされていたため、相代理人中に、このような告発の対象とされた弁護士がいる可能性はある。>

<そうした中で、あえて原告らが本訴を提起し、御庁の判断に期待をするのは、本件大量懲戒請求が 、差別的意図に基づくマイノリティ支援者への攻撃であることを明快に認定していただくことにある。>

<本訴提起は、原告ら及び原告ら代理人にとって、新たな懲戒請求の原因となる可能性がある。本訴を担当する裁判官もまた、厳しい攻撃の対象となりうるかもしれない。しかし、だからこそ、目の前にある差別に徹底して向き合わなければならない。毅然とした司法の対応を望むものである。>

.....まあ、二言目には「虐殺」なんて言葉が出てくる。少なくとも日本人的発想ではない。被害妄想もここまでくると薬では治らない。入院治療をお勧めする。

全体に、腰が引けており、すり替え理論も中途半端である。

正しいことをやっているんなら裁判所に期待する必要はあるまい。何かうしろめたいことをやっている意識があるんだな。

<本訴提起は、原告ら及び原告ら代理人にとって、新たな懲戒請求の原因となる可能性がある。本訴を担当する裁判官もまた、厳しい攻撃の対象となりうるかもしれない。>

訴 状

2019年(令和元年)8月23日

札幌地方裁判所民事部御中

原告ら訴訟代理人弁護士 佐藤哲之

同 長野順一

同 佐藤博文

同 川上有

同 小野寺信勝

同 山田佳以

同 橋本祐樹

同 桝井妙子

その他は稿末に掲載。

令和元年(ワ)第1671号

事者の表示 別紙当事者目録及び別紙代理人目録記載のとおり

損害賠償請求事件

訴訟物の価額 8 5 8 0 万 円

貼用印紙額 2 7 万 8 0 0 0 円

       訴状趣旨

(主位的請求)

1 被告らは、原告池田賢太に対し、連帯して金550万円及びこれに対する2018 年(平成30年)3月22日以降支払済みまで年5分の割合による金員を支払え

2 被告らは、原告島田度に対し、連帯して金550万円及びこれに対する2018年(平成30年)3月22日以降支払済みまで年5分の割合による金員を支払え

3 被告らは、原告皆川洋美に対し、連帯して金550万円及びこれに対する2018年(平成30年)3月22日以降支払済みまで年5分の割合による金員を支払え

4 訴訟費用は被告らの負担とする

との判決並びに仮執行の宣言を求める。

(予備的請求)

1 被告らは、原告池田賢太に対し、それぞれ金55万円及びこれに対する2018年(平成30年)3月22日以降支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え

2 被告らは、原告田度に対し、それぞれ金55万円及びこれに対する2018年(平成30年)3月22日以降支払済みまで年5分の割合による金員を支払え

3 被告らは、原告皆川洋美に対し、それぞれ金55万円及びこれに対する2018年(平成30年)3月22日以降支払済みまで年5分の割合による金員を支払え

4 訴訟費用は被告らの負担とする

との判決並びに仮執行の宣言を求める。

請求の原因

第1 はじめに(事案の概要)

1 本件は、弁護士である原告らが、960名もの大人数からいわれのない懲戒請求を受けたことについて、懲戒請求者らに対して損害賠償請求を行うものである。

2 2017年(平成29年)11月、「余命三年時事日記」と題するインターネット上のウェブサイト(以下「本件ブログ」という)による扇動の下、960名の者が、弁護士である原告らに対して、懲戒請求を行うという事態が発生した(以下、これらを総称して「本件大量懲戒請求」という)。

3 本件大量懲戒請求の大きな特徴の一つは、インターネット上のウェブサイトの主導の下に、960名もの大人数の人間が実際に懲戒請求を行ったという点にある。これら960名は、日本各地に居住している者らであり、特に相互に人的なつながりもないようであるが、そうであるにもかかわらず、本件ブログの呼び掛けに呼応して本件大量懲戒請求を行ったということになる。

なお、実際の本件大量懲戒請求の懲戒請求書の文面の作成、作業、懲戒請求書のとりまとめ、送付作業については、いずれも本件ブログの運営者(以下「本件ブログ運営者」という)が行った。

4 本件大量懲戒請求のもう一つの大きな特徴は、本件大量懲戒請求が、明白な人種差別目的で行われているということである。これは、基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命とする弁護士の活動に対する攻撃そのものである。人種差別に抗することや被差別者に対する支援活動は、まさに基本的人権の擁護活動そのものだからである 。

後述するとおり、本件ブログは、在日朝鮮人に対する差別的投稿を繰り返し行っている。

また、そもそも原告らが本件大量懲戒請求の対象として選定された理 由も、後述するとおり、原告らが弁護士として人種差別に抗する活動をしていたことにあるものであり、本件大量懲戒請求の文面中においても、原告らの業務活動が懲戒事由として摘示されている。

このように、本件大量懲戒請求には、在日朝鮮人等のマイノリティの権利擁護を目指す弁護士の活動を攻撃する意図に基づくものであることが明白である。

5 原告らとしては、本件大量懲戒請求が、原告らへの業務妨害という攻撃であり、懲戒請求という形を取りながら、その実、弁護士の基本的人権の擁護活動、具体的には日本におけるマイノリティである在日朝鮮人の人権擁護活動を攻撃しようとしたものであること、さらにこれが日本全国の約1000名もの大人数により行なわ れたものであるということについて、大きな危機感を抱いたため、提訴に至ったものである。

なお、既に述べたとおり懲戒請求者らは960名もの大人数であるところ、本件においては北海道在住の者のみを被告としている。

第2 当事者等

1 原告ら

原告らはいずれも札幌弁護士会に所属する弁護士である。

2 被告ら

被告らはいずれも、札幌弁護士会に対し 、原告らにかかる弁護士法58条1項に基づく懲戒請求を行った者のうち、本件大量懲戒請求を行った当時北海道内に居住していた者たちである。

3 その他(本件ブログについて)

(1) 本件ブログの特徴

本件ブログは、次のような特徴を有している。

すなわち、本件ブログにおいては、いわゆる「コメント欄」(ブログ閲覧者が自由にブログ記事についてのコメントを書き込むことができるスペース)は設けられていないが、閲覧者が本件ブログ運営者に宛ててコメント投稿の送付を行うことができる様式になっていた。そして、本件ブログ運営者は、自身に送付されたこうした閲覧者のコメント投稿について、ブログ記事内にこれらのコメント投稿を数多く引用した上で必要に応じてコメント投稿への回答等をも記載する、という形式のブログ記事を多く作成していた。

このような形式であるため、本件ブログ閲覧者が送付したコメント投稿の内容は、そのまま本件ブログ記事の一部となり、他のブログ閲覧者に読まれることとなった。

そして、本件ブログにおいて引用されるコメント投稿の件数は著しく多く、本件ブログにおいては、コメント投稿の引用自体が重要なコンテンツの一部を形成していたと評価できる。場合によっては、コメント投稿とこれに対する回答を掲載するだけといった形式の記事すらも数多く作成されていたものである。

(2) 本件ブログは本件ブログ運営者と閲覧者が一体となって作成していたものであること

このように、本件ブログの記事は、本件ブログ運営者自身の記事に加えて、本件ブログの閲覧者の大量のコメント投稿も欠くべからざる重要な 構成要素となっていたものであるから、本件ブログの一連の記事は、本件ブログ運営者を中心としつつ本件ブログの閲覧者が一体となって作成していたものと評価できるものであり、そのように評価すべきである。

そして、本件ブログ記事がこのような構成であることから、本件ブログは、本件ブログ運営者と本件ブログ閲覧者、あるいは本件ブログ閲覧者相互間において、情報交換、意見交換等を密に行うことができる特異なプラットフォームとして機能していた 。

本件大量懲戒請求の行為についても、本件ブログ運営者と本件ブログの閲覧者がこの行為について相互に強い賛同の意を繰り返し表明することによって、お互いに動機を強め合った結果として行われたものであるといえる。

(3) 本件ブログが現在は閉鎖されていること

なお、本件ブログは現在は閉鎖されており、一般には閲覧できなくなっている 。これは、本件ブログが利用している サーバーを運営する企業において、本件ブログ内の記事(おそらくは本件大量懲戒請求等を扇動した記事など)が不法行為を構成すると判断されたために閉鎖されているものと思料される。

ただし、本件ブログに掲載されていた一切のブログ記事については、バックアップサイトが作成されておりそちらに全く同内容の記事が保存されているので、本訴状においては、このバックアップサイトに掲載されている記事を書証として提出することとしている 。

第3 事実経過

1 2016年(平成28年)7月29日、日本弁護土連合会は「朝鮮学校に対する補助金停止に反対する会長声明」(以下「本件声明」という )を発表した(甲1 ) 。

2 2017年(平成29年)2月ころ、本件ブログ運営者は 、「第四次告発」と称して、各都道府県知事、在日コリアン弁護士協会会員弁護士等を対象に、外患誘致罪、外患援助罪、内乱罪等 の罪名における告発状提出の呼びかけを行った(「1537 告発状ダウンロード」と題する投稿、甲 2 ) 。

本件ブログの記載によればこれに呼応して約3万5000通もの告発状が本件ブログ運営者に送付され、本件ブログ運営者により、各地方検察庁に提出されたが、全て、罪となるべき事実の特定がなされていないといった理由により受理されず返送されたとのことである(甲3 ) 。

3 2017年(平成29年)6月ころ、本件ブログ運営者は、「第五次告発」と称して、本件声明と同趣旨の内容の声明等を発表した各地弁護士会の当時の理事者(会長及び副会長)に対し、懲戒請求をするよう呼 びかけを行った (「1641 告発状第五次までの資料」と題する投稿、甲4) 。

本件ブログの記載によればこれに呼応して本件ブログの読者による懲戒請求がなされたが、同年11月頃までに、全て懲戒委員会に事案の審査を求めない旨の議決がなされたとのことである。

4 2017年(平成29年)9月25日、原告らは、人種差別に反対する活動を行うことを目的とする権利能力なき社団である(「Counter-R acist Action Collective」(以下「C.R.A.C.」と いう)の代理人と して、C.R.A.C.のツィッターアカウントが凍結されたことに抗議する内容証明郵便をツィッター・ジャパン社に送付した。

この内容証明郵便送付の事実は、C.R.A.C.のホームページにおいても公開された(甲5 ) 。

5 2017年(平成29年)9月29日、本件ブログにおいて、本件ブログ運営者は、「1921 第六次告発確定概要」と題する記事の投稿を行った(甲6 ) 。

当該記事の末尾には「240 札幌弁護士会3名懲戒請求書」と記載されており、これは原告らに対する懲戒請求を呼び掛ける趣旨であった。

6 2017年(平成29年)10月22日、原告らは、札幌市内で開催されたヘイトスピーチの根絶を目指すイベント「SAPPORO AGAINST RAC ISM~タウンミーティング Vo1. 0 ヘイト スピーチのない札幌へ」にパネリストとして参加した。

7 翌23日、本件ブログにおいて、本件ブログ運営者は、上記イベントについての記事 (「1976 2017/10/23 アラカルト」と題するもの)を投稿し、当該記事中において、「この方たちは余命ブログを読んでいないようだね。

180 札幌弁護士会懲戒請求書

220 野間易通テロリスト告発状

共謀罪が成立しているから、テロリストの仲間はテロリストだからな。札幌地検で告訴されなくても外圧があるからね。要ご注意!!」

と記載した(甲7) 。

8 2017年(平成29年)10月下旬から12 月上旬にかけて、被告らを含む960名の者が、原告らに対して懲戒請求を行った(本件大量懲戒請求)。

懲戒請求書の文面は全て同一の文面であった(甲 8 ) 。

各被告ごとの懲戒請求の日付は、訴状添付別紙一覧表記載のとおりである。

なお、本件大量懲戒請求の懲戒請求書は、懲戒請求者が{固々に札幌弁護士会に提出したものではなく、①懲戒請求者らが 、それぞれ作成した懲戒請求書を本件ブログ運営者の指定した郵送先に郵送する 、②本件ブログ運営者において 懲戒請求書を取りまとめ、960名分を一括して札幌弁護士会に郵送する、という手順で提出がなされたものであった。

9 2018年(平成30年)3月22日、原告らのもとに、本件大量懲戒請求の調査開始通知書が送付された。

1 0  2018年(平成30年)4月23日、原告ら3名は本件大量懲戒請求に対する弁明書を提出した。

1 1 本件ブログにおいて、本件ブログ運営者は、2018年(平成30年)5月16日から同年7月27日までの間に、「日本人と在日朝鮮人の戦いが始まった」と題する投稿を50回以上行った。

その最初の投稿である「2519 日本人と在日朝鮮人の戦いが 始まった」において、本件ブログ運営者は、「5 月16 日 は在日朝鮮人と 反日勢力が日本人に対して宣戦布告した記念すべき日となる。徹底して隠蔽されてきた戦後の彼らの蛮行の歴史が暴かれ、あぶり出された日本国民の敵が公に姿を現す日である。」

「すでに外患罪で告発している在日や反日勢力が相手であるから、有事には単純に敵となる。在日朝鮮人に組みするものは日本人ではない。有事には繊滅を念頭に対処されたい。」

といった記載を行った(甲9) 。

1 2 2018 年(平成30年)6月29日、札幌弁護士会綱紀委員会は、原告らについて懲戒委員会に事案の審査を求めないことを相当とする旨の議決を行った。

第 4 本件大量懲戒請求が原告らに対する不法行為に該当すること

1 懲戒請求が不法行為を構成する基準

弁護土法58条1項は、「何人も、弁護士又は弁護士法人について懲戒の事由があると思料するときは、その事由の説明を添えて、その弁護士又は弁護士法人の所属弁護士会にこれを懲戒することを求めることができる。」と規定する。

これは、広く一般の人々に対し懲戒請求権を認めることにより、自治的団体である弁護士会に与えられた自律的懲戒権限が適正に行使され、その制度が公正に運用されることを期したものと解される。

しかしながら、他方、懲戒請求を受けた弁護士は、根拠のない請求により名誉、信用等を不当に侵害されるおそれがあり、また、その弁明を余儀なくされる負担を負うことになる。

そして、同項が、請求者に対し恣意的な請求を許容したり、広く免 責を与えたりする趣旨の規定でないこと は明らかであるから、同項に基づく請求をする者は、懲戒請求を受ける対象者の利益が不当に侵害されることがないように、対象者に懲戒事由があることを事実上及び法律上裏付ける相当な根拠について調査、検討をすべき義務を負うものというべきである。

そうすると、弁護士法58条1項に基づく懲戒請求が事実上又は法律上の根拠を欠く場合において、請求者が、そのことを知りながら又は通常人であれば普通の注意を払うことによりそのことを知り得たのに、あえて懲戒を請求するなど、懲戒請求が弁護士懲戒制度の趣旨目的に照らし相当性を欠くと認められるときには、違法な懲戒請求として不法行為を構成する (最高裁平成19年4月24日判決)。

2 本件へのあてはめ

(1) 懲戒請求書の前段について

ア 懲戒請求の内容

本件大量懲戒請求の懲戒請求書の前段の記載は、「日本弁護士連合会会長 中本和洋名で発出された、違法である朝鮮人学校補助金支給要求声明に賛同し、その要求活動の実現を推進する行為は、傘下弁護士の確信犯的犯罪行為である」(別紙⑨ 、 原文ママ)というものである。

イ あてはめ

(ア)原告らは、日本弁護士連合会の役員ではなく、あるいは本件声明の作成に携わる所管委員会に所属していたこともないので、本声明の実際の作成作業自体には一切関与はしていない。しかし、本件声明で謳われている内容については強く賛同する立場にあり、一弁護士として、本件声明への賛意は随時表明してきたものである。

この点、そもそも朝鮮学校に通う在日朝鮮人に対して様々な差別が行われてきた歴史的経緯に鑑みれば、原告らが本件声明への 賛意を表明したとしても、当該行為が、基本的人権の擁護と社会的正義を実現することを使命とする弁護士個人の行動として許容され、法の下の平等の実現に資することは明らかである。

したがって、本件大量懲戒請求が事実上又は法律上の根拠を欠くことは明らかである。

(イ) 本件と同種訴訟の判決である平成31年4月12日東京地裁判決も、これと同様の争点について、「被告ら(略) は、本件声明が憲法89条、13条、14条、26条に違反するものであり、本件訴訟は良心の自由に基づいて行動した被告らの権利を侵害するものであると主張する。

しかしながら、東京弁護士会の会長は、本件声明において、文部科学省が出した本件通知に対し、生徒の学習権や教育を受ける権利の観点から意見を述べ、朝鮮学校への補助金交付に関して文部科学省及び地方公共団体に対する要望を述べたものであるところ、かかる声明を出すこと自体が憲法に違反することとなる余地はないというべきである。また、本件声明に対する意見の表明は自由であるとしても、それを当該弁護士会に所属する弁護士に 対する懲戒請求という手段で行うことが正当化されるものではない。したがって、被告らの主張を採用することはできない。」と判示し、結論として懲戒請求の不法行為該当性を認めている。

ウ) そして、既述のとおり、被告らは、本件ブログが「第五次告発」と称して 、本件声明と同趣旨の声明を出した各単位会の理事者らに対する懲戒請求の取りまとめを行ったが、結果として全て懲戒委員会に事案の審査を求めない議決がなされていたことも当然に知っていたか、少なくとも容易に知り得たものである。

したがって、本件大量懲戒請求についても、これが事実上又は法律上の根拠を欠き不相当であることについては、当然に知り得たものである。

(エ) 以上のとおりであるから、本件大量懲戒請求の懲戒請求書前段記載の懲戒事由については、これが不法行為を構成することは明らかである。

(2) 懲戒請求書の後段について

ア 懲戒請求の内容

本件大量懲戒請求の懲戒請求書の後段の記載は、「また、任意団体「Counter-Racist Action Collective」(対レイシスト行動集団。

「C.R.A.C.」のツィッター・ジャパンに対する通知書代理人については国際テロリストとして告発されている弁護士が含まれており、公序良俗に反する品行のみならず、テロ等準備罪に抵触する可能性まであると思量する。(」原文ママ)と いうものである。

イ あてはめ

(ア)既述のとおり、原告らがツィッター・ジャパンに対して C.R.A.C.の代理人として通知文を送ったことは事実である。

(イ)しかしながら 、まず本件大量懲戒請求において懲戒事由として挙げられているところの「ツィッター・ジャパンに対する通知書代理人については国際テロリストとして告発されている弁護士が含まれており」との記載部分については、そもそも相代理人中のどの弁護士を指しているのかすらも明らかではなく、また実際にそのような告発がなされたのか否かも不明である。

なお付言するに、既述のとおり本件ブログにおいては繰り返し外患誘致罪等の罪名による告発の呼び掛けがなされていたため、相代理人中に、このような告発の対象とされた弁護士がいる可能性はある。

しかし、このような告発が検察庁において全て不受理の扱いとなっていることもまた本件ブログには記載されているのであるから、いずれにせよ、この記載部分が懲戒事由となり得ないものであり、事実上又は法律上の根拠を欠くことは明らかである。

そして、被告らも当然にそのことを知っており、あるいは容易に知り得たものである。

(ウ)また、「公序良俗に反する品行のみならず、テロ等準備罪に抵触する可能性まであると思量する 。」との記載部分については、そもそも具体的に原告らのいかなる行為について指摘しているのかすらも全く明らかではない。

なお付言するに、ツィッター・ジャパンに対する通知文の記載内容については、文面をみれば明らかなとおり、至って常識的かつ穏当な内容であり、これをもって「公序良俗に反する品行」あるいは「テロ等準備罪に抵触する可能性まである」と評価することはおよそ不可能である。

そして被告らも、いかに法的知識を有しない一般人といえども、上記の限度であれば容易に理解し得たはずである。

(エ)以上のとおりであるから、本件大量懲戒請求の懲戒請求書後段記載の懲戒事由についても、やはりこれが不法行為を構成することは明らかである。

第 5 本件大量懲戒請求が共同不法行為であること(主位的請求)

1 本訴状冒頭でも述べたとおり、本件大量懲戒請求は、960名もの大人数で行われたこと、さらにこれらが人種差別的意図に基づくものであることが大きな特徴である。

とりわけ、懲戒請求者が1000名に迫る大人数であることは、それ自体が懲戒請求の対象弁護土にとっては極めて強い督威を感じさせるものである。そして本件ブログの各記載を見れば、懲戒請求者らも、まさにそのような効果を企図して本件大量懲戒請求を行ったことは明らかである。

以上からすると、各懲戒請求者の法的責任を、各懲戒請求者個人がそれぞれ行った個別の懲戒請求によって生じた責任の範囲のみに限定することは不相当であり、各懲戒請求者は、それぞれが、本件大量懲戒請求によって生じた損害の全部について連帯して賠償する責任を負うべきである。

2 この点、既述のとおり、本件大量懲戒請求は、本件ブログ運営者の「第六次告発概要」との記事の呼び掛けに呼応して行なわれたものであり、960件の懲戒請求書が、全く同一の文面であり、かつ、札幌弁護士会の郵送提出も、各懲戒請求者が個々に行ったのではなく、一旦本件ブログ運営者宛に郵送したうえで、本件ブログ運営者においてこれを取りまとめて札幌弁護士会に提出するという形式でなされたものであった。

以上の経緯からすると、たしかに被告らを含む本件大量懲戒請求の懲戒請求者らは、相互に住所氏名を把握しておらず、このため直接相互に連絡を取り合うような間柄では必ずしもなかったとしても、本件ブログの記事を読み、またそれぞれが本件ブログヘ投稿を行うといった行動を通じて、本件大量懲戒請求を行うことを共謀したと評価することは十分に可能であるから、主観的関連共同性が認められる。

また、仮に主観的関連共同性が認められないとしても、既述のとおり懲戒請求書の文面が全く同一であること、また札幌弁護士会への提出についても本件ブログ運営者の取りまとめによる960名一括提出の方法に拠っていることからすると、少なくとも客観的関連共同性は優に認められるものである。

3 以上からすると、本件大量懲戒請求は民法719条の共同不法行為を構成するというべきである。

そして、共同不法行為を構成する以上は、後述のとおり、本件大量懲戒請求の目的、行為の悪質性、損害の大きさ等の評価に際しては、本件大量懲戒請求が 行われるうえで不可 欠であった、本件ブログの一連の記事の記載内容をも踏まえて評価がなされなければならない。

第 6 損害

1 平穏な生活の侵害及び業務妨害について

(1) はじめに

これまでに弁護士に対する懲戒請求が不法行為に該当すると判示された裁判例において、多くの場合に損害として摘示されているのは、社会的評価の低下、弁明書の作成の負担、登録替え等ができなくなること、といったものである。

もちろん本件においてもこれらの損害は生じているものであるが、本件大 量懲戒請求においては、原告らの平穏な生活の侵害及びこれを原因とした弁護士としての業務妨害という要素がとりわけ重要であると思料されることから、まずはこの点について述べることとする。

(2) 弁護士の職務の特性

弁護士業務は、紛争処理という業務の本質的性格上、どうしても相手方等の事件関係当事者から反感を持たれる場面も生じうるも のであって、これが昂じて事務所への襲撃や名誉棄損行為などが行われることがあり、究極的には弁護士の殺害といった悲惨な結果が生じることもある。

弁護士として職務を行う以上、こういった事態に対処するため、当事者対応等に注意を尽くすこと、あるいは事務所の警備費用を支出すること等の負担については、ある程度は受忍せざるを得ないものといえる。

(3) 本件大量懲戒請求の特殊性

もっとも、これが通常業務に伴うものであれば、業務を行う上で事案の性質や当事者の属性、性格等についての情報をある程度は得られるものであるから、弁護士において、当事者への対応を工夫し、事務所内において要注意当事者についての情報を共有し、また時として警察に対する援助依頼を行うなど、一定の防衛策を講じることが可能である。

しかしながら、本件大量懲戒請求は、全国各地から960名という大人数で行われたものであり、原告らは懲戒請求者らと事件処理上の関わりが全くないため、懲戒請求者らの外見、年齢、職業、性格、行動様式等についての情報を全く持ちえない。

強いて言えば本件ブログによる扇動に呼応して、全く面識も関わりもない弁護士に対して安易に懲戒請求を行ってしまうような人物たち(すなわち、原告らに対して不法行為を行うか否かの予測可能性が全く担保されない人たち)が数多くいるということだけがわかっているにすぎない。

(4) 原告と被告らの非対称性

原告らはいずれも、職業上の必要性から、勤務先である法律事務所を公に明らかにし、また事務所のホームページで顔写真を公開している。

また原告らは弁護士業務の一環として社会的耳目を集める裁判等に関与することも多く(例えば原告島田については新卒看護師過労自死事件、原告池田については南スーダンPKO派遣差止訴訟、原告皆川についてはいわゆる同性婚訴訟など)、マスメディアの取材を受けることも比較的他の弁護士に比べて多いものであり、かかる活動に関連して、道内各地での講演を含む社会的活動にも従事している。

このため、被告らにとっては、街中で原告らと接した場合に、原告らであることを認識・把握することは極めて容易である。

他方で被告らについては、住所氏名こそ原告らに開示されているものの、外見、職業等の属性は、原告らには全く明らかにされていない。

このため、原告らが被告らに接することがあったとしても、原告らとしては、相手が本件大量懲戒請求の懲戒請求者らであることを認識・把握することは極めて困難である。

(5) 原告らの平穏な生活の侵害

これは、原告らにとっては、自分たちに違法な懲戒請求を行うような人物が数多く存在し、それらの人物が原告らの住居や勤務先周辺などの生活圏内にも容易に立ち入って原告らに接することが可能であるにもかかわらず、原告らからはこれらの者を判別できない、という状況に置かれたことを意味する。

懲戒請求者らは、原告らが接する医療従事者、あるいは飲食店の店員、あるいはタクシーの運転手、あるいは理容師等であるかもしれないし、また、原告本人ではなく原告らの配偶者や子ども等、原告の家族に密に接する立場の人間である可能性もある。

原告あるいは原告の家族の生命身体の安全に関することをゆだねざるを得ない人間が、同時に原告に対して躊躇なく不法行為を行う人間かもしれないという恐怖は、筆舌に尽くしがたいものである。

このような状況に置かれたとき、原告らとしては必然的に業務上のみならず私生活の全てにおいて、 接する人間に対して警戒的にならざるを得ず、常時切迫的かつ現実的な恐怖を感じざるを得ない立場に置かれたものである。

(6) 原告らに対する業務妨害

本件大量懲戒請求が行われた動機は、まさに原告らにこのような恐怖を感じさせることにこそあったものであることは明らかである。

本件ブログにおいても、「あぶり出された日本国民の敵」、「在日朝鮮人に組みするものは日本人ではない。有事には激滅を念頭に対処されたい。」といった、極めて攻撃的で対象者が強い恐怖を覚えざるを得ないような言辞が繰り返し用いられている。

本件大量懲戒請求の企図すると ころは、まさに「大量」の懲戒請求とすることによって、原告らに職務上のみならず私生活上においてまでも極めて強い恐怖を感じさせ、これによって、原告らの弁護士としての職務行為、とりわけ原告らが取り組んできた基本的人権の擁護と社会的正義を実現すべき職務行為を委縮させ、これらを行わせないようにすることにあったものと言わざるを得な い、

(7) 小括

以上にかんがみると、本件大量懲戒請求によって生じた平穏な生活の侵害及び業務妨害という損害は、極めて大きいものと評価せざるを得ないものである。

2 社会的評価の低下

本件ブログ運営者は、本件ブログにおいて、本件大量懲戒請求をブログで扇動したにとどまらず、さらにその後も、本件ブログヘの投稿を転載する形式において、懲戒請求の調査過程まで逐ーブログに記載している 。

そもそも弁護士が1000名に近い人数から懲戒請求を受けているという事実は、詳細な事情を知らない者を、当該弁護士側に何らかの問題があるのではないかと誤解させるに足りるものであるから、対象となった弁護士の社会的評価の低下の程度は、個別の懲戒請求とは比較にならないほど大きいというべきである。

加えてこのように本件ブログ上において繰り返し本件大量懲戒請求の事実を取り上げることにより、原告らの社会的評価はさらに毀損されたものである。

したがって、この点も本件大量懲戒請求によって生じた大きな損害の 一つというべきである。

3 利益相反についての確認作業の負担について

原告らは、本件大量懲戒請求を受けたことから、960名分の住所氏名について依頼者や相手方あるいは利害関係人がいないかどうかの確認作業を行うことを強いられた。

懲戒請求者の中に現在進行形の受任事件依頼者がいるとすれば、そもそも当該事件の進行に関する 信頼関係が 維持できるのか慎重に判断しなければならないし 、相手方が含まれる場合にはさらなる警備体制の強化を判断しなければならない。利害関係人が含まれる場合も同様である。

幸いにして、懲戒請求者及び被告らの中に、現時点での原告らの事件依頼者や相手方、利害関係人は存在しなかったものの、その確認作業には膨大な時間と労力を費やした。

そしてこれは、原告らが今後法律相談を受ける事件、あるいは受任する事件についても全て同様であり、その都度、利益相反についての確認作業を経なければならないものである。

このような膨大な事務作業が発生するのも、本件大量懲戒請求が「大量」であるがゆえの特殊性というべきであり、この業務負担も本件大量懲戒請求による損害というべきである。

4 弁明書の作成の負担

札幌弁護士会においては、懲戒請求がなされた場合は一律に綱紀委員会に事案の審査を求めており、仮に懲戒請求が請求者から取り下げの申し出があったとしても、綱紀委員会の結論が当該請求者に通知されない ことになるのみで、事案の審査は継続される。

そして、本件大量請求については併合されたため、原告らが作成した弁明書は各 1通の弁明書の提出にとどまっているものの、綱紀委員会からはその作成にあたり、紋切り型の認否ではなく具体的な事実の主張を求められたため、原告らにおいては、本件大量懲戒請求に対しても、紋切り型の弁明書ではなく、前段及び後段について、理由を付した弁明書を提出せざるを得なかった。

この弁明書の作成作業も本件大量懲戒請求による損害というべきである。

5 人種差別目的の不法行為について

(1) はじめに

本件大量懲戒請求により生じた損害のうち主要なものは以上に述べたとおりであるが、これに加えて、本件大量懲戒請求がなされた「目的」が人種差別目的のものであることも、損害の算定において大きく影響するので、本項ではこの点について述べる。

(2) 本件大量懲戒請求が人種差別目的のものであること

繰り返し述べているとおり、本件大量懲戒請求は本件ブログの呼び掛けに呼応して行われたものであるところ、本件ブログにおいては、本件大量懲戒請求よりも前に、朝鮮学校に対する補助金停止に抗議する趣旨の声明を発表した各地弁護士会の理事者に対する懲戒請求の呼び掛けが行われていた。

また、本件大量懲戒請求の手続と相前後して、「日本人と在日朝鮮人の戦いが始まった」と題する投稿がわずか2か月程度の間に50回以上も行われ、その投稿中では、在日朝鮮人に対し、

「徹底して隠蔽されてきた戦後の彼らの蛮行の歴史」、

「あぶり出された日本国民の敵」、

「在日朝鮮人に組みするものは日本人ではない。有事には熾滅を念頭に対処されたい。」

といった極めて強い憎悪扇動表現が用いられていた。

そして、本件大量懲戒請求における懲戒事由として具体的に摘示 された事実も、原告らが本件声明に賛同したこと、また原告らが人種差別に反対する活動を行うことを目的とする団体の代理人として行動したこと、の2つであり、要するに、原告らが人種差別の根絶を目指す活動を行っていることをターゲットにしたものであった。

以上の事実関係からすると、本件大量懲戒請求は、人種差別目的のものではないと理解することのほうが著しく困難であり、明白に、在日朝鮮人に対する人種差別目的で行われたものといわなければならない。

(3) 不法行為が人種差別目的であることは損害認定に際して十分に勘案されるべきこと

この点、日本が批准している人種差別撤廃条約の第6条は「締約国は、自国の管轄の下にあるすべての者に対し、権限のある自国の裁判所及び他の国家機関を通じて、この条約に反して人権及び基本的自由を侵害するあらゆる人種差別の行為に対する効果的な保護及び救済措置を確保し、並びにその差別の結果として被ったあらゆる損害に対し、公正かつ適正な賠償又は救済を当該裁判所に求める権利を確保する。」と規定している。

かかる規定に従い、不法行為が人種差別目的である場合は、そのことが損害の金銭評価においても十分に反映されなければならない)

この点、ヘイトスピーチを不法行為と認定したリーディングケースである、京都朝鮮学校襲撃事件の高裁判決である大阪高裁平成26年7月8日判決も、「人種差別撤廃条約の趣旨は、当該行為の悪質性を基礎付けることになり、理不尽、不条理な不法行為による被害感情、精神的苦痛などの無形損害の大きさという観点から当然に考慮されるべきである。」と判示している 。

(4) 支援者に対する攻撃も人種差別目的の不法行為となり得ること

なお、原告らは日本人であり、本件大量懲戒請求において差別の対象とされているマイノリティには直接該当しない。

しかしながら、人種差別目的の不法行為の矛先が、マイノリティに限られず、その支援者に向けられることは、類型的によく見られることである。

歴史的に著名な事件としては、1964年、アメリカにおいて公民権運動に携わっていた3名の学生(うちアンドルー・グッドマン、ミッキー・シュワーナーの2名が白人)が、人種差別団体であるクークラックスクラウンに殺害されている。

また翌1965年3月には、いわゆるワシントン大行進の参加者であった白人牧師ジェームズ・リーブが、やはり白人の人種差別主義者によって殺害されている。

近年では、2017年8月にアメリカ・ヴァージニア州のシャーロッツビルにおいて、白人極右集団の集会に抗議する活動に参加していた白人女性ヘザー・ハイヤーが殺害されている。

このように、人種差別目的の不法行為が、マイノリティの支援者を ターゲットにして行われることは一般によく見られることであり、このような不法行為は、支援者を攻撃することによって、支援活動を委縮させ、ひいてはマイノリティに対する人種差別を維持・固定化することを目的としたものであることは明らかであるから、マイノリティを直接のターゲットとした不法行為と同様に、人種差別撤廃条約の趣旨が反映され、損害の金銭評価においてもその点が十分に甚斗酌されなければならない。

この点、いわゆる徳島県教組事件の高裁判決である高松高裁平成28 年4月25日判決は、マイノリティの支援活動を行う労働組合に対する不法行為について、

「人種差別撤廃条約は、国法の一形式として国内法的効力を有するものの、その規定内容に照らしてみれば、国家の国際責任を規定するとともに、憲法13条、14条1項と同様、もっぱら公権力と個人との関係を規律するものであり、私人相互の関係を直接規律することを予定するものではない。しかし、その趣旨は、本件事案において民法709条等の実定法を解釈適用するに当たっても、十分に留意、尊重しなければならない。即ち、人種差別を撤廃すべきものとする人種差別撤廃条約の趣旨は、条約が「人種差別」として禁止し終了させる措置を求める行為の悪質性を基礎付けることになり、当該不法行為の違法性、非難可能性の程度を評価するにあたって十分に考慮しなければならない。」

「第1審被告らの本件各示威行動等やその映像をインターネット上に公開する行為は、(2) のとおり、第1審被告らが差別の対象とする在日朝鮮人ら を支援する者は第1審被告らから攻撃を受け、様々な被害を蒙るということを広く知らしめ、その支援活動に萎縮効果をもたらすことを目的としたものであり、前記認定事実のとおり、本件各示威行動等が行われ、その映像がインターネット上で公開された後、第1審原告組合の事務所に嫌がらせ電話が殺到し 、Mにアップロードした動画には視聴者による賜しい数の第1審原告らを非難中傷するコメントが書き込まれたことからも、その目的に沿う効果があったことは容易に推認できるところであり、人種差別撤廃条約1条に定義する、少数者の「平等の立場で の人権及び基本的自由を認識し、享有し又は行使することを妨げ又は害する目的又は効果を有するもの」に該当し、強い非難に値し 、違法性の強いものというべきである。」

と判示しており、マイノリティの支援者に対する人種差別目的の不法行為についても、 人種差別撤廃条約の定義する人種差別行為に該当するものでありそれが損害算定にも反映されるべきことを判示している。

(5) 小括

以上のとおりであるから、本件大量懲戒請求も人種差別目的の不法行為であり、したがって、人種差別撤廃条約の趣旨が、損害の金銭的評価に際しても十分に反映されなければならない。

6 主位的請求についての損害評価

(1) 損害

既に述べたとおり、本件大量懲戒請求は共同不法行為であって被告らはこれによって生じた損害全てについて連帯して責任を負うべきであるところ、既に述べたとおり、このような大人数による懲戒請求は、大人数であることによって対象となった弁護士にとっては平穏な生活の侵害と業務妨害という重大な損害が生じている。

加えて、本件大量懲戒請求による原告らの社会的評価の低下、利害相反の確認作業、弁明書の作成作業等の事務負担の増加等の損害も生じている。

このような損害の大きさに加え、本件大量懲戒請求が先に述べた人種差別目的のものであることも考え合わせると、本件大量懲戒請求全体によって原告らに生じた精神的苦痛及び名誉毀損について、これを慰謝するに相当な金額は、どのように控えめに見積もっても500万円を下ることはない。

(2) 弁護士費用

原告らは弁護士ではあるが、本件のように自らが当事者となる事件について適切に権利を実現するには、別途代理人を選任せざるを得ないのであるから、弁護士費用50万円も因果関係のある損害となる。

(3) 小括

以上のとおりであるから、本件大量懲戒請求を共同不法行為と解した場合の損害は、550万円となる。

7 予備的請求についての損害

(1) 損害

なお、仮に本件大量懲戒請求が共同不法行為と認められない場合、個別の懲戒請求について、それぞれ単独不法行為が成立することとなる。

その場合であっても、既述のとおり、個別の懲戒請求がそれぞれ人種差別目的でなされたことにかんがみれば、それぞれによって原告らに生じた精神的苦痛及び名誉毀損について、これを慰謝するに相当な金額は 、どのように控えめに見積もっても50万円を下ることはない。

(2) 弁護士費用

原告らは弁護士ではあるが、本件のように自らが当事者となる事件について適切に権利を実現するには、別途代理人を選任せざるを得ないのであるから、個別の懲戒請求について、弁護士費用5万円が因果関係のある損害となる。

(3) 小括

以上のとおりであるから、本件大量懲戒請求をそれぞれ単独の不法行為と解した場合の損害は、55万円となる 。

第 7 まとめ

1 本訴提起の意義について

(1 ) 本訴は、原告らに対して行われた、「理由なき」懲戒請求に対する、損害賠償請求である。その意味で、弁護士業務に対する妨害に抗する訴訟である。

しかし、すでに明らかにした通り、原告らは、被告らが行った懲戒請求の背後には、明確な「理由」が存在するものと確信している。その明確な理由とは、自民族中心主義に根差した差別である。

(2) ヘイト・スピーチ(憎悪扇動表現)は、段階を踏んで侵害の程度が深まる。当初は民事的にも違法性を伴わないものであるが、段階を経て民事的違法性を帯び、刑事的違法性を帯び、最終的には虐殺に繋がる。

その意味で、この裁判は、単なる損害賠償請求ではなく、この社会における差別扇動を食い止める防波堤となりうる重要な訴訟である。

(3) 本件大量懲戒請求は、マイノリティの支援者に対する攻撃を通じた差別扇動を目的としたものであり、ヘイトスピーチの性格をも有している(もっとも、本件大量懲戒請求はそれ自体が不法行為を構成することから、ヘイトスピーチの次元を越えてヘイトクライムにまで達しているというべきである)。

ヘイト スピーチの本質はマイノリティに対する『差別、敵意又は暴カの扇動』(自由権規約20条)、『差別のあらゆる扇動』(人種差別撤廃条約 4条本文)であり、表現による暴力、攻撃、迫害である。

ヘイトスピーチは、単に人を不愉快にさせるというだけにとどまらない。被害者を打ちのめし、排除し、人としての尊厳や存在そのものを根底から否定する。併せて、全ての人が平等に共存する公正な社会をも根本的に破壊し、隣人に対する憎悪、さらには暴力やジェノサイドをも扇動する。

(4) 本件大量懲戒請求のような懲戒請求の対象とされた弁護士は、原告ら以外にも多く存するところ、全国各地の裁判所ではこれら大量懲戒請求の対象とされた弁護土らによる同種の損害賠償請求訴訟が数多く提起されており、それらのほとんどにおいて被害者である弁護士の請求を認容する判決が出ている。

そうした中で、あえて原告らが本訴を提起し、御庁の判断に期待をするのは、本件大量懲戒請求が 、差別的意図に基づくマイノリティ支援者への攻撃であることを明快に認定していただくことにある。

本件大量懲戒請求の意図を正しく認定することこそ、原告らの受けた損害の正しい評価につながるばかりではなく、日本における公正な社会の実現に寄与することになる。

本訴提起は、原告ら及び原告ら代理人にとって、新たな懲戒請求の原因となる可能性がある。本訴を担当する裁判官もまた、厳しい攻撃の対象となりうるかもしれない。しかし、だからこそ、目の前にある差別に徹底して向き合わなければならない。毅然とした司法の対応を望むものである。

2 よって書き

よって、原告らは、主位的に、被告らに対し、不法行為に基づく損害賠償金550万円及びこれに対する2018年(平成30年)3月22日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金を連帯して支払うこと、予備的に、被告らに対し、それぞれ不法行為に基づく損害賠償金55万円及びこれに対する2018年(平成30年)3月22日から支払済みまで年 5 分の割合による遅延損害金を支払うことを求めるものである。

                                  以上

原告

池田賢太 060-0042 札幌市中央区大通西 1 2 丁目 北海道合同法律事務所

島田 度 060-0061 札幌市中央区南 1 条西 9 丁目 1 番地 1 5

           井門札幌 S 1 0 9 ビル 5 階” きたあかり法律事務所

皆川洋美 060-0061 札幌市中央区南 1 条西 9 丁目 1 番地 1 5

           井門札幌 S 1 0 9 ビル 5 階” きたあかり法律事務所

代理人

佐藤哲之 060-0042 札幌市中央区大通西 1 2 丁目 北海道合同法律事務所

長野順一 060-0042 札幌市中央区大通西 1 2 丁目 北海道合同法律事務所

佐藤博文 060-0042 札幌市中央区大通西 1 2 丁目 北海道合同法律事務所

川上有 060-0042 札幌市中央区大通西 1 2 丁目 北海道合同法律事務所

小野寺信勝060-0042 札幌市中央区大通西 1 2 丁目 北海道合同法律事務所

山田佳以 060-0042 札幌市中央区大通西 1 2 丁目 北海道合同法律事務所

橋本祐樹 060-0042 札幌市中央区大通西 1 2 丁目 北海道合同法律事務所

桝井妙子 060-0042 札幌市中央区大通西 1 2 丁目 北海道合同法律事務所

安部真弥 064-0823 札幌市中央区南 1 条西 1 1 丁目 3 2 7 一条ビル 6 階

鳥井共同法律事務所

阿部竜司 060-0062 札幌市中央区南 2 条西 1 0 丁目1000-20

ダイメックス札幌南2条ビル4階B阿部竜司法律事務所

市毛智子 064-0823 札幌市中央区北 3 条西 3 0 丁目 4 – 1 0

弁護士法人パークフロント法律事務所

伊藤昌一 060-0042 札幌市中央区大通西10丁目南大通ビル9階ながた法律事務所

今橋直 001-0040 札幌市北区北 4 0 条西 5 丁目5-20石橋ビル 2階

札幌北部法律事務所

大賀浩一 060-0042 札幌市中央区大通 1 0 丁目 4 番地 南大通ビル 3 階

さっぽろ法律事務所

太田貴久 060-0042 札幌市中央区大通西14丁目 北日本南大通ビル7階

西川哲也法律事務所

小川里美 060-0042 札幌市中央区大通西 1 1丁目 4 番地大通藤井ビル9階

佐藤・小川法律事務所

川上麻里江060-0042 札幌市中央区大通 1 0 丁目 4 番地南大通ビル 3 階

さっぽろ法律事務所

岸田洋輔 060-0061 札幌市中央区南 1 条西 1 3 丁目プラザビル 4 階

岸田法律事務所

齋藤耕 060-0062 札幌市中央区南2 条西 9 丁目 1-2サンケン札幌ビル 4階

さいとう耕法律事務所

作間豪昭 060-0061 札幌市中央区南 l 条西 1 1 丁目コンチネンタルビル 4階

渡辺・作間法律事務所

清水智 060-0042 札幌市中央区大通西 14丁目1-13 北日本南大通ビル 3階

弁護士法人清水法律事務所

神保大地 060-0042 札幌市中央区大通 1 0 丁目 4 番地 南大通ビル 3 階

さっぽろ法律事務所

高木淳平 060-0002札幌市中央区北 2 条西9丁目1番地ウォールアネックス 4 0 1

北二条法律事務所

高田知憲 060-0042 札幌市中央区大通西 1 4丁目1-13 北日本南大通ビル3階

弁護士法人清水法律事務所

高橋健太 060-0061 札幌市中央区南 1 条西 9 丁目 1 番地 1 5井門札幌 S 1 0 9       ビル 2階 芝・高橋・上村法律事務所

多田真之介060-0061 札幌市中央区南 1 条西 1 0 丁目 4 南大通ビルアネックス

ユナイテッド・コモンズ法律事務所

田中健太郎060-0042 札幌市中央区大通西 1 0 丁目 6 番地 南大通ビル 9 階

八十島法律事務所

塚越朱美 060-0042 札幌市中央区大通西 1 4 丁目 1 番地 1 3北日本南大通ビル8階       ほりい綜合法律事務所

鳥井賢治 060-0061 札幌市中央区南 1 条西 1 1 丁目 3 2 7一条ビル 6階

鳥井共同法律事務所

中村憲昭 060-0061 札幌市中央区南 1 条西 1 0丁目 南一条法務税務センター 8階       中村憲昭法律事務所

成田悠葵 060-0061 札幌市中央区中央区 1条西10丁目 タイムスビル 8階

札幌協和法律事務所

西村武彦 060-0001 札幌市中央区北1条西1 0丁目 原田ビル 3 0 3号

ルピナス法律事務所

肘井博行 060-0002 札幌市中央区 2条西10丁目 植物園グランドハイツ 5階506号室       肘井博行法律事務所

平澤卓人 060-0042 札幌市中央区大通 1 0 丁目 4 番地 南大通ビル 3 階

さっぽろ法律事務所

望月宣武 160-0004 東京都新宿区四谷2-2-1 四谷フジビル4階

日本羅針盤法律事務所

山田暁子 060-0042 札幌市中央区大通西 1 2 丁目 ウエスト12ビル 4階

みなみ大通法律事務所

山本晋 060-0042 札幌市中央区大通西 1 4 丁目 1 – 1 3北日本南大通ビル 9階

山本晋法律事務所

吉田玲英 060-0042 札幌市中央区大通西 1 0 丁目 6 番地南大通ビル 9 階

八十島法律事務所

渡邊恵介 044-0011 虻田郡倶知安町南一条東2丁目4番地7ベルウッドビル 3階

ようてい法律事務所

0146 代理人弁護士大阪裁判

              訴   状

                      令和元年10月18日

大阪地方裁判所御中

                      原告代理人

                        弁護士 江 頭  節 子

損害賠償請求事件

当事者目録 別紙当事者目録のとおり

請求の趣旨

1 被告らは原告に対し、各々、金550万円及びこれに対する令和元年7月24日から支払い済みまで年5分の割合による金員を支払え。

2 訴訟費用は被告らの負担とする。

との判決ならびに仮執行宣言を求める。

請求の原因

第1 事案の概要

 本件は、いわゆる大量懲戒請求をされたとして、弁護士である訴外佐々木亮、訴外北周士、訴外嶋﨑量が、記者会見を開いたり通知書を送付するなどして、懲戒請求者を全員提訴すると宣言すると同時に、提訴前の和解を呼び掛け、被告らが訴訟代理人となって懲戒請求者らを順次提訴したため、提訴されることを恐れた原告が、反省謝罪文と和解の申出の手紙を送り、和解契約を締結し、所定の金員を支払ったところ、和解契約書には原告を提訴しない旨と原告の住所氏名を公表しない旨が約定されているにもかかわらず、(1)被告らのうち5名が、訴外佐々木と訴外北から委任を受けてその訴訟代理人となり、原告を提訴し、もって原告の住所氏名を公表したこと、(2)訴外佐々木と訴外北がその提訴を取り下げた後も、被告らのうち5名が、事件記録閲覧等制限の申立てをすることもなく、原告に自ら申立てするよう教示することもなく、59名の共同被告に対し訴状記載の原告の住所氏名を抹消するよう依頼することもなく、公表した原告のセンシティブな個人情報を公開状態のまま置き続けたこと、(3)被告らが、訴外嶋﨑から委任を受けてその訴訟代理人となり、第三者を相手方として提訴した6件の訴訟において、原告が懲戒請求した事実と原告の住所、氏名を公表したことにつき、不当提訴とプライバシー侵害の不法行為に基づき、損害賠償を請求する事案である。

      (目 次)

第1 事案の概要p1

第2 和解契約までの事実経過p4

1はじめにp4 /2当事者p4

3ブログ、大量弁護士会長声明問題、告発と懲戒請求運動p4

(1)本件ブログp4 (2)日本再生計画p4

(3)弁護士会の大量会長声明問題p5 (4)いわゆる大量懲戒請求運動p5

4 本件懲戒請求1p6 /5 本件懲戒請求2p6 /6 本件懲戒請求3p7

7 提訴予告と和解呼び掛けの記者会見、提訴、報道、予告通知p8

8 原告の焦燥と恐怖とうつp9

第3 和解契約の締結p10

1 反省・謝罪を述べ、許しと和解を請う手紙p10

(1)訴外北への手紙p10 (2)訴外佐々木への手紙p11(3)訴外嶋﨑への手紙p11

2 本件和解契約1 p12

(1)本件和解契約1の締結p12 (2)本件和解契約1の第2条所定の金員の支払いp13

(3)本件和解契約1に基づく訴外嶋﨑の債務p13

3 本件和解契約2 p14

(1)契約の締結p14 (2)本件和解契約の第2条所定の金員の支払いp15

(3)本件和解契約2に基づく訴外北と訴外佐々木の債務p16

第4 提訴と住所氏名の公表p16

1 訴外佐々木の提訴p16 (1)訴外佐々木の提訴p16 (2)被告山田らの受任と提訴p16

2 訴外北の提訴p16 (1)訴外北の提訴p16 (2)被告山田らの受任と提訴p17

3 住所氏名ほかの個人情報の公表p17 (1)訴状p17 (2)甲号証p17 (3)訴訟記録への編綴と公開p17 (4)59名の共同被告らへの公表p18

第5 提訴と公表が不法行為であることp18

1 最高裁判決の規範p18  2提訴の当事者としての不法行為p19

3 訴訟代理人としての不法行為p19  4訴訟物(不法行為)の個数p20

第6 住所氏名の公表後の措置の懈怠p20

第7 別件東京訴訟の提訴及び取下げ後の不処置による原告の損害 p21

1 はじめにp22 /2 被侵害利益―センシティブ情報を含むプライバシーp21

3 精神的苦痛p22

 (1)訴状を受け取った時の精神的苦痛p22

(2)別件東京訴訟の提起がミスではないこと(被告らの違法性の強さ、原告の慰謝料増額事由)p24 /ア 8人のプロの弁護士が同時に基本的ミスを犯すかp24 /イ チェックする機会と手段の豊富さp24 /ウ 1人1人の懲戒請求者が交通事故以上の被害の加害者p24 /エ ミスの後の措置をしていないことp25 /オ 8人のプロの弁護士が同時にミス後の措置を怠るかp26/ カ「お詫び」と題する紙による愚弄p26 /キ「お詫び」と題する紙による欺罔p28 /ク 一連の別件横浜訴訟における暴露行為p28/ケ 小結p28

(3)応訴の負担p29 (4)社会的名誉や信用を害するおそれp29

(5)プライバシーや家族の安全p31 (6)ファイル保管の場所と手間p31

第8 一連の別件横浜訴訟での公表p32

1 被告西川らの受任と和解契約についての認識p32 / 2 横浜地裁への6件の提訴p33

3 一連の別件横浜訴訟での公表の法的評価p34 /

3 一連の別件横浜訴訟での公表による原告の損害p35 (1)最高裁判決その他の判例p35

 (2)思想信条に基づく活動であり他人に知られたくない情報であることp36

(3)裁判所における不特定多数への公開p37 (4)全国60人に原告の個人情報を直接郵送p38 (5)現実の閲覧者の存在、ネットへのアップp39 (6)本件和解契約後の公表であることp39

(7)情報開示の必要性合理性が皆無なことp39(8)損害についてまとめp40

第9 被告らの不法行為の関係p40

第10 損害と請求のまとめp41

(1)被告山田らが各自支払うべき慰謝料p41 (2)被告西川と被告山岡が各自支払うべき慰謝料p42 (3)弁護士費用p42 (4)遅延損害金p42

第11 結語p42

第2 和解契約までの事実経過

1 はじめに

 和解契約までの事実経過は、和解契約を破った被告らの悪質性、違法性の強さに関連し、ひいては原告の精神的苦痛の大きさ、慰謝料の金額に直接関わる事実であるから、以下に詳細に主張する。

2 当事者

 被告らは全員、弁護士である。

 被告らのうち、被告山田、被告兒玉、被告倉重、被告田畑、被告向原の5名だけを指すときは、以下「被告山田ら」という。被告山田らは、後述する別件東京訴訟の訴訟代理人である。

 被告らの全員を指すときは、「被告ら」の外、「被告西川ら」ともいう。被告西川らは、後述する一連の別件横浜訴訟の訴訟代理人である。

訴外佐々木亮(以下「訴外佐々木」という)及び訴外北周士(きたかねひと。以下「訴外北」という)は、東京弁護士会所属の弁護士である。

訴外嶋﨑量(しまさきちから。以下「訴外嶋﨑」という)は神奈川県弁護士会所属の弁護士である。

 原告は弁護士その他の法曹ではない一般市民である。

3 ブログ、大量弁護士会長声明問題、告発と懲戒請求運動

(1)本件ブログ

 原告は、「余命三年時事日記」という、日本の主権、安全保障、その他の重大な国家的政治問題について情報を紹介したり論評を行うブログ(以下「本件ブログ」という)を愛読していた。本件ブログは、大手マスコミが敢えて報道しない事実を、情報源を摘示して正確に紹介しており、また広告を出さずに運営していることから、利益や圧力に屈しない信頼性の高いものであると判断したからであった。

(2)日本再生計画

本件ブログは、北朝鮮の核実験やミサイル発射や拉致、韓国による竹島の不法占拠のように、一方で、外国が武力を用いて日本の主権と日本人の人権を直接に侵害するという重大かつ深刻な事態があり、一方で、そのように反日的な外国の国民が日本に在留し日本の政治、経済、社会に強い影響力を及ぼし、さらに日本の参政権までも獲得しようと運動していることに強い危機感を表明し、日本を日本人の手に取り戻す日本再生計画を呼び掛けていた。

そのために一般の日本国民ができる適法な運動として、北朝鮮や韓国の武力行使事態に利益を与える行為を、刑法81ないし88条の外患罪で告発することを呼び掛けていた。告発対象者は、国籍を問わず(ただし大多数が日本人)、政治や経済やマスコミ等の多数の有力者であり、その中には弁護士も含まれていた。後に、弁護士については弁護士法に懲戒手続きが法定されていることから、懲戒請求も呼びかけられた。

(3)弁護士会の大量会長声明問題

弁護士について外患援助行為として問題とされたのは、“大量会長声明問題”である。

北朝鮮の核実験とミサイル発射と拉致問題を解決するために、国連安保理決議による経済制裁と日本独自の経済制裁を科しているそのさなかに、朝鮮学校に補助金を支給せよ、支給しないのは人種差別であるなどとする会長声明を、全国21もの弁護士会が世界中に向けて発信したのである。

日本はその資金が北朝鮮の核開発に流れないことを確保する国際法上の義務を負っているところ、朝鮮学校は北朝鮮と朝鮮総連の傘下にあり、補助金が確実に授業料に当てられる確証が得られなかったことから、支給対象から外された。しかし、一連の弁護士会長声明は、弁護士会として責任をもって、朝鮮総連と朝鮮学校の金の流れを調査し、補助金が確実に授業料に当てられるかどうかを確認したわけでもないのに、そのような朝鮮学校の問題を敢えて無視し、あたかも支給しない側が人種差別をしており問題であると、全世界に発信したのである。

弁護士会は、公共性が極めて強い強制加入団体であるから、このような政治的活動をすることは極めて問題であり容認できないと、多くの国民が考えていた。

(4)いわゆる大量懲戒請求運動

そこで本件ブログは、一連の外患罪告発と懲戒請求運動の中の一部として、初めは全国21の弁護士会の会長に対する懲戒請求を呼びかけた。しかし弁護士会による会長の処分が無いのはもちろん、会長声明についての何らの釈明、是正、撤回、謝罪も行われなかった。そこで次に弁護士会の役員や、影響力のある会員に対する懲戒請求が呼びかけられ、それでも効を奏さないので、最後は全弁護士に対する懲戒請求が呼びかけられた。

原告は、法律に則った方法で日本を取り戻すという本件ブログの理念に賛同し、市井の国民のボランティア活動として、一連の告発と懲戒請求に参加した。

告発状は検察庁へ、懲戒請求書は弁護士会に提出され、当該機関が法律に則って適切に処理する性質のものであり、捜査・調査の方法も、処分するしないの判断も、全面的に当該機関の裁量と権限によるものであった。

4 本件懲戒請求1

 原告は、平成29年初夏、本件ブログの呼びかけに賛同し、訴外佐々木を対象弁護士とする懲戒請求書に住所と氏名を記入し押印して(日付は空欄にして)、「日本再生大和会」に送った(甲7。以下「本件懲戒請求書1」という)。「日本再生大和会」がこれを、日付空欄のまま、東京弁護士会に送付したと聞いている(以下「本件懲戒請求1」という)。

 懲戒事由は「違法である朝鮮人学校補助金支給要求声明に賛同し、その活動を推進する行為は、日弁連のみならず当会でも積極的に行われている二重の確信的犯罪行為である。」というものである。

 東京弁護士会は、個人情報保護法や同会の個人情報保護方針(甲17)に違反して、原告の承諾なしに、原告の住所氏名が記載された本件懲戒請求書1を、マスキングもせずそのまま訴外佐々木に提供した。

5 本件懲戒請求2

 原告は、平成29年秋、本件ブログの呼びかけに賛同し、訴外北を対象弁護士とする懲戒請求書に住所と氏名を記入し押印して(日付は空欄にして)、運動主催者に送った(甲11。以下「本件懲戒請求書2」という)。運動主催者がこれを、日付空欄のまま、東京弁護士会に送付したと聞いている(以下「本件懲戒請求2」という)。

懲戒事由は、訴外佐々木が同年9月20日に発信したツイート「本件は、“保守派”の弁護士の先生たちも、私への懲戒請求には“ひどい”とおっしゃって下さっておりますよ。」に対し、同年9月21日に訴外北が「保守派といいますかささき先生とは政治的意見を全く異にする弁護士ですが、今回のささき先生に対する根拠のない懲戒請求は本当にひどいというか頭おかしいと思いますし、ささき先生に生じている損害の賠償は当然に認められるべきだと考えています。」とツイートしたことである。

 弁護士会の会員でありながら、問題のある弁護士会長声明に言及もせず「根拠のない懲戒請求」と決めつけ、「頭おかしい」と公然と侮辱し、しかも損害賠償の提訴をもって懲戒請求者らに脅威を与えるツイートであった。多くの懲戒請求者がこのツイートを脅迫であると感じ、原告もそのように感じた一人であった。

 東京弁護士会は、個人情報保護法や同会の個人情報保護方針(甲17)に違反して、原告の承諾なしに、原告の住所氏名が記載された本件懲戒請求書2を、マスキングもせずそのまま訴外北に提供した。

6 本件懲戒請求3

原告は、平成29年秋、本件ブログの呼びかけに賛同し、訴外嶋﨑を対象弁護士とする懲戒請求書(甲29の最後の1枚)に住所と氏名を記入し押印して(日付は空欄にして)送った。神奈川県弁護士会がこれを受理したのは同年11月頃のようである。(以下「本件懲戒請求3」という)。

懲戒事由は、訴外佐々木が平成29年9月19日、「事実無根で私のことを懲戒請求した人は、それ相応の責任をとってもらいますよ。当り前じゃないですか。大人なんですから。」とツイートしたのを受けて、訴外嶋﨑が「何で懲戒請求されてるのか、ほんと謎です。酷い話だ。」とツイートしたことであった。

懲戒請求の根本は、問題のある弁護士会長声明にあるにもかかわらず、「ほんと謎」「酷い話」と言って根本の問題を覆い隠すものであった。しかも「それ相応の責任」を追及すると宣言する訴外佐々木のツイートに同調して、懲戒請求者らに脅威を与えるツイートであった。

神奈川県弁護士会は、個人情報保護法や同会の個人情報保護基本方針(甲28)に違反して、原告の承諾なしに、原告の住所氏名が記載された本件懲戒請求書3を、マスキングもせずそのまま訴外嶋﨑に提供した。

7 提訴予告と和解呼び掛けの記者会見、提訴、報道、予告通知

 平成29年9月2日、訴外佐々木はツイッター上に懲戒請求者らについて「落とし前はつけてもらうからね」(甲22)「とりあえずランダムに訴えてみようかな」(甲21)等とツイートした。それに対し訴外嶋﨑が「良いですね。労働弁護士は、こんなお仕事が大好きな戦闘的な皆さまが多数。とりあえず何人か血祭りにあげてみましょう。」とツイートした(甲21)。

平成30年5月16日、訴外佐々木は訴外北とともに記者会見を開き、要旨「訴外佐々木は延べ3000件、訴外北は960件の不当な大量懲戒請求を受け、損害を被った。懲戒請求者を提訴する。謝罪と和解の申し入れがあれば応じる」旨を告知した。

同年5月19日、原告は訴外神原元、訴外宋惠燕、訴外姜文枝(いずれも懲戒請求された弁護士)から「通知書」を受け取った。内容は、合意するなら15万円支払え、和解しなければ提訴して250万円請求すると言うものであった。

同年10月29日、NHK「クローズアップ現代」が「なぜ起きた? 弁護士への大量懲戒請求」を放送した。内容は、懲戒請求を受けた弁護士と、自分が間違っていたと反省して和解した懲戒請求者のコメントが大きく取り上げられていた。

 訴外佐々木、訴外北、訴外嶋﨑は同年11月を皮切りに順次、多数の懲戒請求者らに対し、各自33万円の損害賠償を求める訴訟を提起した。

 同年12月25日、被告倉重、被告田畑、訴外佐々木、訴外北、訴外嶋﨑の計5名は記者会見を開き、期日報告をするとともに、あらためて順次、全員を訴えてサンクションをする旨宣言した。訴外嶋﨑は「和解すると名前が漏らされて、960人の中で攻撃されると恐れている人がいる。カルトそのものだ。私たち3人は誰が和解したという情報は出さない。秘匿します。それを和解の条件にしてあるので安心して下さい」「条件は真摯な謝罪をすること」と和解を呼び掛けた(甲39、記者会見動画とその反訳)。

 同日、訴外嶋﨑は「不当懲戒請求に対する提訴予告通知書 兼 提訴前和解のご提案」という文書(甲18)を原告に郵送し、原告は同月27日にこれを読んだ。内容は、原告を横浜地裁に提訴する、提訴されたくなければ「真摯な謝罪」「和解契約書の締結」「5万円の支払い」をするようにとのことであった。

 提訴や、認容判決が下されたことが、その後も逐次報道されるようになった。また訴外佐々木や訴外嶋﨑らは、逐次、提訴や認容判決の状況をツイッターで発信した。

8 原告の焦燥と恐怖とうつ

 原告は、本件各懲戒請求は、弁護士個人への嫌がらせ目的などではなく、日本をよくするために、本来ならば国や社会のリーダーがすべきことを彼らがやらないから、市井の民間人が、自分には1文の得にもならないが、純粋に公益目的だけで行ったものであり、方法も、弁護士法所定の手続きに則ったものであるから、何ら不法などと言われる筋合いではないという確信があった。そのため、訴外佐々木らが提訴をすると知ってからは、提訴されたら受けて立つつもりであった。

原告は、いつ誰から訴状が届くかと緊張して毎日郵便受けをのぞきながら、答弁書の書き方をインターネットで調べるなど、一人で準備をした。

朝鮮学校の補助金要求声明の違法性について、自分なりに色々調べた。平成30年11月28日最高裁判決で大阪朝鮮学園の敗訴が確定し、大阪府市が補助金を支給しないことが是認された。それ以外にも、朝鮮学校側の敗訴の流れは定着していることを確認した。やはり、補助金不支給は人種差別でも民族差別でもなかったのだ。それなのに、それを差別だと声高に世界中に発信した弁護士会長声明は、やはり許し難いものであり、公的団体として許されるものではないと強く確信した。

とはいえ、本件ブログが補助金支給は憲法89条違反であると指摘していたことが頭にあり、最高裁その他の裁判例では憲法89条違反が理由とはなっていないことが気になった。これが気になりだすと、法律のプロでもない自分が、弁護士を相手に法廷論争するスキルは無いという不安が、どんどんふくらんでいった。

裁判で勝てれば良いが、本当に勝てるのか。運悪くその頃、本件ブログが強制的に閉鎖されており、裁判に勝つための情報が得られず、入ってくるのは訴外佐々木らのツイッターや、マスコミが懲戒請求者らをカルト扱いしてバッシングする報道ばかりであった。原告は、闘っても敗訴する可能性が高いと思うようになり、そうなれば、自分は地域社会で笑いものになったり、白い目で見られたりする、それだけならばまだしも、親類縁者にまで迷惑がかかってしまうと思った。それを思うと原告は、日に日に憂鬱になり、抑うつ状態になり、眠れない、食べられない、意欲が出ない、判断力が薄れる、家族との会話も途切れがちになるなど、これまで人生で全く経験したことのない「鬱」に襲われた。

 原告は、この状態では、新しい天皇陛下が即位され新しい時代が始まるのに、それに相応しい心持ちで新時代を迎えられないと思った。そこで平成が終わる前にかたをつけようと決め、耐え難きを耐え忍び難きを忍んで、訴外佐々木らに和解を申し入れることを決意した。

第3 和解契約の締結

1 反省・謝罪を述べ、許しと和解を請う手紙

(1)訴外北への手紙

 原告は、同年3月14日付の手紙を訴外北に送った(甲23)。「真摯な謝罪」が和解の条件であると突き付けられていたので、真摯に、まずは冒頭にお詫びを書き、自身の過ちを書き、なぜ過ちを犯したかの原因分析を書き、それについての反省を書き、先方に与えた迷惑について言及し、あらためて謝罪を繰り返し、許しと和解を願い出る内容であった。記載した内容全文は下記のとおりである(原告の個人情報部分は伏せて記す)。

                 記

                         2019年3月14日

東京弁護士会所属 弁護士

北 周士 様

不当懲戒請求事件に関する謝罪の件

                         〒○○〇―〇〇〇〇

                        (原告住所)

                        (原告氏名)

                        (原告電話番号)

謹啓

お詫び

このたびの、私の知識不足と、軽率な懲戒請求書作成によって、北 周士弁護士様に対し不当な懲戒請求を行なったことで、精神的な苦痛と弁護士業務に多大な支障を与え、大変ご迷惑をおかけしてしまったことに対し、深く反省するとともに、心よりお詫びを申し上げます。(事案番号 平成30年東綱第〇〇〇号、その他)

入手した書類に軽率にサインをしたことを思い返すと、返す返すも痛恨の極みです。本当に申し訳ありません。

請求理由の「朝鮮学校への補助金支給と交付要件」や「朝鮮学校高校授業料無償化」に関し、それぞれ、最近の朝鮮学校への交付金の支出に関する最高裁等の判決事例、法の解釈など、自分としてできる限りの調査と再確認を行いました。その結果、補助金と無償化の交付要件などに法解釈に違いがあることを知り、今までの、憲法89条違反を根拠とする私の認識が、間違っていたことに気がつきました。

何を、今更と思われてもいたしかたなく、弁明の余地がございません。

結果として、弁護士の方々への懲戒請求が不当であったことに気がつき、自分に非があることが解りましたので、速やかに謝罪を行うべく、本、お詫びの手紙をお送りいたします。

なお、自分で調べた結果により、私として、もはや裁判で争う根拠がなくなりましたことをお知らせするとともに、北 周士弁護士様には、多大なご迷惑をおかけいたしましたことを重ねてお詫びいたします。

もし可能でしたら、和解のお許しのご検討と連絡をいただけましたら幸いです。

謹白

                                   以上

                                 (甲23)

(2)訴外佐々木への手紙

 原告は、同年3月14日付けの謝罪の手紙を、訴外佐々木にも送った(甲2)。内容は訴外北への手紙(甲23)と同じである(宛名や事案番号以外)。

(3)訴外嶋﨑への手紙

 原告は同日付の手紙を訴外嶋﨑にも送った(甲24)。内容は、訴外北や訴外佐々木への手紙と同趣旨であるが、訴外嶋﨑が事前に通告書(甲18)を送ってきたことに触れ、「嶋﨑量弁護士様より2018年12月25日付けの和解の呼びかけがありましてから、この謝罪のお手紙を郵送するまでの間、2ヶ月半の時間が経っており、何を今更と思われても仕方がありません。」との文言が加わっている。

2 本件和解契約1

(1)本件和解契約1の締結

 同年3月19日、原告は、訴外嶋﨑との間で和解契約を締結した(以下「本件和解契約1」という)。

 具体的には、原告からの手紙(甲24)を読んだ訴外嶋﨑が、同年3月15日付けの手紙で、訴外嶋﨑の押印済の和解契約書用紙2通を送ってきて、1通の返送と調印から一週間以内の送金をするよう指示し、「和解内容について、条件交渉をするつもりはありません。」と言ってきた(甲25)。

 そこで原告は同用紙に記名押印し、日付を2019年3月19日と記入して返送した(以下「本件和解契約書1」という。甲26)。

 本件和解契約書1は、全文を訴外嶋﨑が作成し不動文字で印字したもので、原告はただ日付と自分の住所と氏名を記入し押印するのみであった。

 本件和解契約書1の内容は、下記のとおりである。

                 記

             和解契約書

 弁護士嶋﨑量を甲、(原告の氏名)を乙として、甲と乙は、乙の甲に対する不当な懲戒請求に関する損害賠償請求事件(以下「本事件」という。)について、以下の内容で和解した。

第1条 乙は、乙が神奈川県弁護士会に対して行った甲の懲戒を求める旨の懲戒請求(以下、「本件懲戒請求」という。)が何ら理由のなく違法であったことを認め、真摯に謝罪する。

第2条 乙は、甲に対し、本件懲戒請求によって甲に与えた精神的苦痛等の損害賠償として金5万円の支払義務を負うことを認める。

第3条 乙は、本契約締結後7日以内に、前条の金員を、下記口座に振込送金する方法で支払う。振込手数料は乙の負担とする。

               記

    みずほ銀行横浜支店(支店番号357)

普通預金  口座番号 2759805

    口座名義 「預り口(アズカリグチ)預り口(アズカリグチ) 弁護士(ベンゴシ)弁護士(ベンゴシ) 嶋(シマ)嶋(シマ)﨑量(サキチカラ)﨑量(サキチカラ)」

第4条 乙が、前条に定める期限までに第2条記載の金員の支払いを怠ったときは、本和解契約はその効力を失う。

第5条 乙が、第3条に定める期限までに第2条に定める金員を支払ったときは、甲は、乙に対し、本件懲戒請求に関する損害賠償請求訴訟、刑事告訴等の乙の民事上、刑事上の責任を免除する。

第6条 乙は、甲が、本事件の経緯、本事件の内容、本和解に至る経緯及び本和解の内容について、第三者に公表することを承諾する。ただし、甲は、乙に対し、乙の氏名と住所については公表しないことを約する。

第7条 甲と乙は、甲と乙との間には、本和解契約書に定めるほか、本件懲戒請求事件に関し、他に何らの債権債務のないことを相互に確認する。

本和解契約の成立を証するために、本和解契約書を2通作成し、それぞれ記名捺印の上、甲乙1通ずつを保管するものとする。

                                  以上

(甲26)

(2)本件和解契約1の第2条所定の金員の支払い

原告は、同年3月19日すなわち本件和解契約書1の調印をした日に、本件和解契約書1の第2条記載の損害賠償金5万円を振り込んで支払った(甲27)。

 この支払いにより、本件和解契約書1の第4条に基づき、本件和解契約1は確定的に効力を有するに至った。

(3)本件和解契約1に基づく訴外嶋﨑の債務

本件和解契約1が確定的に有効に成立したことにより、訴外嶋﨑は原告に対し、本件和解契約1の第5条に基づき、本件懲戒請求3に関する損害賠償請求訴訟を提起してはならないという不作為義務を負った。

 あわせて訴外嶋﨑は原告に対し、本件和解契約1の第6条但書きに基づき、原告の氏名と住所を公表しないという不作為義務を負った。

3 本件和解契約2

(1)契約の締結

 同年4月2日、原告は、訴外佐々木及び訴外北との間で和解契約を締結した。

具体的にはまず、同年3月25日、訴外佐々木から、誰の押印も無い「和解契約書」2通が送られてきた。同封の「送付書」(同年3月22日付、甲3)には、“日付と署名押印をして2通とも返送して下さい”“押印のあるものを受領したら、訴外佐々木の印鑑を押して1通返送します”“返送用封筒に宛名を記入し切手を貼って送って下さい”という旨が書かれていた。そこで原告が同年3月27日付で署名押印し、「訴外佐々木から1通返送され次第、振り込む」旨を書いて、2通とも返送した。そうしたところ、同年4月2日に、訴外佐々木の押印がなされた「和解契約書」1通が原告に到達した。訴外佐々木の承諾の意思表示が到達した4月2日を契約の成立日と考える。(以下、この和解契約書を「本件和解契約書2」、それによる和解契約を「本件和解契約2」という)。

尚、訴外佐々木は訴外佐々木本人として、及び訴外北の代理人として、本件和解契約書2に調印した。

 本件和解契約書2は、全文を訴外佐々木が作成し不動文字で印字したもので、原告はただ日付と自分の住所と氏名を記入し押印するのみであった。

 本件和解契約書2の内容は、下記のとおりである。

                 記

               和解契約書

 弁護士佐々木亮を甲、弁護士北周士を乙、(原告の氏名)を丙として、甲乙と丙は、丙の甲乙に対する不当な懲戒請求に対する損害賠償請求事件(以下「本事件」という。)について、以下の内容で和解した。

第1条 丙は、丙が東京弁護士会に対して行った甲及び乙の懲戒を求める旨の懲戒請求(以下、「本件懲戒請求」という。)が何ら理由のないものであったことを認める。

第2条 丙は、甲及び乙に対し、本件懲戒請求によって甲及び乙に発生した損害の賠償として各金5万円(合計金10万円)の支払い義務を負うことを認める。

第3条 丙は、本契約締結後7日以内に、前条の金員を、下記口座に振込送金する方法で支払う。振込手数料は丙の負担とする。

               記

    振込銀行 三菱UFJ銀行 虎ノ門中央支店 普通預金

    口座番号 0029660

    口座名義 弁護士 北 周士 預り金口

        (ベンゴシ キタカネヒト アズカリキングチ)

第3条 丙が、前条に定める期限までに第2条記載の金員の支払いを怠ったときは、本和解契約はその効力を失う。

第4条 丙が、第3条に定める期限までに第2条に定める金員を支払ったときは、甲及び乙は、丙に対し、本件懲戒請求に関する損害賠償請求訴訟、刑事告訴等の丙の民事・刑事上の責任を免除する。

第5条 丙は、甲及び乙が、本事件の経緯、本事件の内容、本和解に至る経緯及び本和解の内容について、第三者に公表することを承諾する。ただし、甲及び乙は、丙に対し、丙の氏名と住所については公表しないことを約する。

第6条 甲乙と丙は、甲乙と丙との間には、本和解契約書に定めるほか、本件懲戒請求事件に関し、他に何らの債権債務のないことを相互に確認する。

本和解契約の成立を証するために、本和解契約書を2通作成し、それぞれ記名捺印の上、甲丙1通ずつを保管するものとする。

                              (以上。甲1)

(尚、第3条が2回出て来るが、原文のままである。)

(2)本件和解契約2の第2条所定の金員の支払い

 原告は、同年4月2日に本件和解契約書2を受領し、同年4月6日に、本件和解契約書第2条記載の損害賠償金10万円(訴外佐々木に対し5万円、訴外北に対し5万円の合計)を、本件和解契約書2の第3条記載の口座に振り込んで支払った(甲4)。

 この支払いにより、本件和解契約書2の第3条(2回目の)に基づき、本件和解契約2は確定的に効力を有するに至った。

(3)本件和解契約2に基づく訴外佐々木と訴外北の債務

 本件和解契約2が確定的に有効に成立したことにより、訴外佐々木と訴外北は原告に対し、本件和解契約2の第4条に基づき、本件懲戒請求1及び2に関する損害賠償請求訴訟を提起してはならないという不作為義務を負った。

 あわせて訴外佐々木及び訴外北は原告に対し、本件和解契約2の第5条但書きに基づき、原告の氏名と住所を公表しないという不作為義務を負った。

第4 提訴と住所氏名の公表

1 訴外佐々木の提訴

(1)訴外佐々木の提訴

 訴外佐々木は、同年(令和元年)6月19日付け訴状(甲5)を、その頃、東京地方裁判所に提出し、原告に対し、本件懲戒請求1を請求原因として、金33万円の損害賠償金及びこれに対する平成29年12月31日から支払い済まで年5分の割合による遅延損害金の支払いを請求する訴訟を提起した(令和元年(ワ)第16126号損害賠償請求事件。以下「別件東京訴訟」という)。

(2)被告山田らの受任と提訴

 被告山田ら、訴外北、訴外嶋﨑は、訴外佐々木から別件東京訴訟の提起の委任を受け、その訴訟代理人として別件東京訴訟を提起した(甲5)。

2 訴外北の提訴

(1)訴外北の提訴

 訴外北は、同年(令和元年)6月19日付け訴状(甲5)を、その頃、東京地方裁判所に提出し、原告に対し、本件懲戒請求2を請求原因として、金33万円の損害賠償金及びこれに対する平成29年12月31日から支払い済まで年5分の割合による遅延損害金の支払いを請求する訴訟を提起した(令和元年(ワ)第16126号損害賠償請求事件。すなわち別件東京訴訟である)。つまり別件東京訴訟は、訴外佐々木と訴外北が共同原告となって各々別の請求をしている共同訴訟である。

(2)被告山田らの受任と提訴

 被告山田ら、訴外佐々木、訴外嶋﨑は、訴外北から別件東京訴訟の提訴の委任を受け、その訴訟代理人として別件東京訴訟を提起した(甲5)。

3 住所氏名ほかの個人情報の公表

(1)訴状

 別件東京訴訟の訴状には、原告が本件懲戒請求1と2を行なった事実、原告の郵便番号、住所、氏名が記載されている(甲5)。

(2)甲号証

 被告ら山田らは、別件東京訴訟の提起と同時に、原告作成の本件懲戒請求書1(写し)を「甲3号証の23」として証拠提出した(甲7)。「甲3号証の23」には、原告が自筆した原告の住所、氏名が記載され、原告の苗字の印鑑の印影がある(甲7)。被告山田らは、この「甲3号証の23」を提出するにあたり、他の対象弁護士の氏名、法律事務所名、法律事務所の所在地は全て黒塗りした。しかし、原告の住所、氏名、印影は黒塗りせずにそのまま提出した(甲7)。

 被告山田らは、別件東京訴訟の提起と同時に、原告作成の本件懲戒請求書2(写し)を「甲4号証の23」として証拠提出した(甲11)。「甲4号証の23」にも、原告が自筆した原告の住所、氏名が記載され、原告の苗字の印鑑の印影がある(甲11)。

(3)訴訟記録への編綴と公開

 別件東京訴訟は民事第50部合は係に係属し、同係の担当書記官は、同年7月8日付の「第1回口頭弁論期日呼出状及び答弁書催告状」(甲6)を作成し、同日これを原告に特別送達で発送した(甲8、9)。したがって、遅くとも同年7月8日には、東京地方裁判所において、別件東京訴訟に事件番号が付され、訴訟記録が作成され、訴状(甲5)及び本件懲戒請求書1(甲7)と本件懲戒請求書2(甲11)が編綴され、何人でも閲覧できる状態におかれた。

すなわち、原告が本件懲戒請求1と2を行った事実、原告の住所、氏名、苗字の印影が公表された。

(4)59名の共同被告らへの公表

 別件東京訴訟で提訴された者(別件東京訴訟の被告)は、原告を含め60名で、北海道から九州まで散らばる(甲5)。

 原告は、別件東京訴訟の訴状(甲5)を同年7月9日に受領した(甲8、9)。したがって、原告が本件懲戒請求1と2を行なった事実と、原告の住所、氏名、原告の苗字の印影、原告の筆跡は、誰かが訴訟記録を閲覧せずとも、その頃、全国に散らばる59名かこれに近い多数人に公開された。

第5 提訴と公表が不法行為であること

1 最高裁判決の規範

 別件東京訴訟は言うまでもなく不当訴訟である。訴訟の提起が不法行為を構成する場合につき、最高裁昭和63年1月26日判決は次のように判示する。

「法的紛争の当事者が当該紛争の終局的解決を裁判所に求めうることは、法治国家の根幹にかかわる重要な事柄であるから、裁判を受ける権利は最大限尊重されなければならず、不法行為の成否を判断するにあたっては、いやしくも裁判制度の利用を不当に制限する結果とならないよう慎重な配慮が必要とされることは当然のことである。したがつて、法的紛争の解決を求めて訴えを提起することは、原則として正当な行為であり、提訴者が敗訴の確定判決を受けたことのみによって、直ちに当該訴えの提起をもつて違法ということはできないというべきである。一方、訴えを提起された者にとつては、応訴を強いられ、そのために、弁護士に訴訟追行を委任しその費用を支払うなど、経済的、精神的負担を余儀なくされるのであるから、応訴者に不当な負担を強いる結果を招くような訴えの提起は、違法とされることのあるのもやむをえないところである。以上の観点からすると、民事訴訟を提起した者が敗訴の確定判決を受けた場合において、右訴えの提起が相手方に対する違法な行為といえるのは、当該訴訟において提訴者の主張した権利又は法律関係(以下「権利等」という。)が事実的、法律的根拠を欠くものであるうえ、提訴者が、そのことを知りながら又は通常人であれば容易にそのことを知りえたといえるのにあえて訴えを提起したなど、訴えの提起が裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くと認められるときに限られるものと解するのが相当である。」

2 訴外佐々木と訴外北の不法行為責任

 本件で訴外佐々木と訴外北は、原告と本件和解契約2を締結し、同契約書所定の金員を原告から受領し、これによりもはや原告に対し訴訟を提起することはないこと、原告の住所氏名を公表しないことを約束したにもかかわらず、別件東京訴訟を提起したのであるから、上記最高裁の基準に照らしても、訴外佐々木と訴外北が主張した権利等が事実的、法律的根拠を欠くことは明らかであり、訴外佐々木と訴外北がそのことを知っていたことも明らかである。したがって、訴外佐々木と訴外北が別件東京訴訟を提起したことは、本件和解契約2の債務不履行であることは勿論であるが、原告に対する不法行為にも該当することは論を待たない。

3 訴訟代理人としての不法行為

本件では、訴訟代理人としての被告山田らの不法行為責任を問うものである。被告山田らが、別件東京訴訟の訴訟代理人として原告に不当訴訟を提訴したことについても、不法行為責任が成立する。

なぜなら、弁護士が委任を受けて別件東京訴訟を提起する以上、最も基本的な事実として、提訴する相手方が訴外佐々木と訴外北を懲戒請求をした人間であること、及び、未だ訴外佐々木と訴外北と和解していないこと、の2点を確認する義務があるからである。実際、訴状と証拠は先行訴訟の使い回しであるから、提訴時にやる仕事は、この2点の確認くらいであった。訴訟代理人としては、提訴する相手方との間に契約関係は無いが、提訴により相手方は応訴の負担を強いられるのであるから、相手方との間においても、上記2点を確認する義務を負う。これは、別件東京訴訟の提起に当たり、訴訟代理人が原告に対して不法行為法上負う義務(原告の損害の予見義務、回避義務)である。被告山田らはこれら義務に違反したのであるから、不法行為が成立する。

4 訴訟物(不法行為)の個数

 本件懲戒請求1と本件懲戒請求2は、対象弁護士を異にし、その結果、原告は訴外佐々木との和解と、訴外北との和解をし、訴外佐々木への和解金の支払いと、訴外北への和解金を支払った。

 別件東京訴訟は、訴外佐々木と訴外北の2人が当事者の共同訴訟であり、訴訟物も2個である。

 したがって、別件東京訴訟の提起による不法行為の個数は、2つである。

第6 住所氏名の公表後の措置の懈怠

(1) 訴外佐々木と訴外北は、同年7月30日付の「訴え取下げ書」をその頃提出し、別件東京訴訟のうち原告に対する訴えを取り下げた(甲10、)。別件東京訴訟は第1回口頭弁論期日が同年8月28日であり(甲6)、取下げはその前であったので、原告の同意を要せずして、訴えは取り下げられた。

(2) 訴外佐々木と訴外北が、本件和解契約2で、原告の住所氏名を公表しないことを約束したにもかかわらず、被告山田らは別件東京訴訟の提起によってこれらを公表したのであるから、本来であれば別件東京訴訟の提起と同時に、どんなに遅くとも取下げと同時に、民事訴訟法92条に基づき、自ら事件記録閲覧等制限の申立てを行い、又は原告に当該手続きのあることを教示して、原告の住所氏名が第三者に公開されないようにする義務を負っていた。

   被告山田らは、別件東京訴訟の訴状に、提訴前に和解した懲戒請求者がいることを記載しており(甲5の20頁)、本件各和解契約2の内容を知悉していたし、仮に本件各和解契約2の内容を知悉していなかったとしても、訴訟代理人として提訴してはならない人を提訴した以上、その後処理として、相手方のセンシティブ情報を含む個人情報の保護措置を取る条理上の義務が発生するからである。

(3) 被告山田らはあわせて、原告の住所氏名が記載されている訴状と「甲3号証の23」(甲7)「甲4号証の23」(甲11)の送達を受けた共同被告59名に連絡し、訴状記載の原告の住所氏名の抹消と、「甲3号証の23」「甲4号証の23」の裁断廃棄を依頼し、その結果の確認をする義務を負っていた。

(4) これらの閲覧等制限申立て義務や、抹消・廃棄依頼義務は、本件和解契約書に直接記載されてはいないが、公表しないという不作為義務に違反して公表するという先行行為の結果、条理上、当然に生じる作為義務である。

   たとえば、自動車事故を起こしてはならないが、万一事故を起こしてしまった時は、ただちに救護措置を取らなければならないのと同様である。自動車事故については道路交通法上の義務として規定されているが、そのような行政法規上の義務だけでなく、被害者に対する私法上の義務としても観念される。

   今日、個人情報保護への関心は高く、情報流出事件が起きれば、企業のトップが記者会見で頭を下げて謝罪し、原因究明や被害回復に努めることを表明することが一般である。したがって、先行行為に基づく作為義務を観念することは何ら難しいことではなく、ましてや被告山田らは弁護士であるから、容易に認識していたものである。

   しかし被告山田らは、被害を最小限に食い止める上記措置を何ら取らず、原告のセンシティブな個人情報を公開し続けた。

  この個人情報公表後の不作為も、不法行為を構成する。

第7 別件東京訴訟の提訴及び取下げ後の不処置による原告の損害

1 はじめに

 別件東京訴訟の提起、及び取下げ後の個人情報保護措置の不作為を、ここでは合わせて「別件東京訴訟の提起等」という。

 原告の精神的苦痛を償うのに必要な慰謝料の額は、訴外北が当事者本人となって別件東京訴訟の提訴等をしたことについて少なくとも100万円、訴外北が訴外佐々木の訴訟代理人として別件東京訴訟の提訴等をしたことについて少なくとも100万円、訴外嶋﨑が訴外北の訴訟代理人となって別件東京訴訟の提訴等をしたことについて少なくとも100万円、訴外嶋﨑が訴外佐々木の訴訟代理人となって別件東京訴訟の提訴等をしたこと少なくとも100万円である。

これは、被告らと訴外佐々木が懲戒請求者1人1人に請求している慰謝料が30万円であることとその内容との比較からも、少なすぎるくらいの額である。以下に詳述する。

2 被侵害利益―センシティブ情報を含むプライバシー

本件は、いわゆる大量懲戒請求に端を発する事案であるところ、いわゆる大量懲戒請求は、憲法で保障された投票の秘密と軌を一にする、政治的見解・信条に基づく活動であり、このような活動を行ったという事実は、個人情報保護法2条3項に「取扱いに特に配慮を要する」とされる、要保護性の高いプライバシー(いわゆるセンシティブ情報)である。

 原告は、職業上の人間関係、近隣との人間関係、趣味や余暇活動の人間関係など、多様な局面で人間関係を取り結び社会生活を営んでいるところ、それは政治的見解・信条とそれに基づく活動について、誰に打ち明け、誰に秘匿するかを自ら選ぶことで、初めて円滑に実現されるものである。

 したがって、政治的見解・信条とそれに基づく活動についての個人情報の権利は、憲法13条の人権(幸福追求権)から導かれる人格権の内容をなすものであり、保護法益をなすものである。

 原告は被告らの別件東京訴訟の提起等により、プライバシーを侵害されるという損害を被った。

3 精神的苦痛

(1)訴状を受け取った時の精神的苦痛

 別件東京訴訟の訴状の特別送達を受けた時の、原告の驚愕と精神的ショックは言葉で語り尽くせるものではない。裁判所から書留が届いたので、懲戒請求した多くの弁護士のうちの誰かが、ついに提訴してきたのかと落胆しつつ、開封したところ、提訴した者は訴外佐々木と訴外北、その代理人が訴外嶋﨑であったので、原告は目を疑った。

 原告は訳がわからなくなり狼狽と困惑と混乱に陥れられた。

原告は、確かに和解したはずだったが、ひょっとしてあれはうつ状態の最中に見た幻覚だったのかと、自分自身を疑った。原告は、本件各和解契約書を引っ張り出してきて、存在と内容を確認した。

 原告は、ひょっとして和解金を支払ったつもりが支払えていなかったのではないかと不安になり、送金記録を確認した。確かに訴外佐々木に5万円(訴外北と合わせて計10万円)、訴外嶋﨑に5万円支払っていた。

原告は、ひょっとして訴外佐々木に対しては複数の懲戒請求書を書いていたから、和解したのはそのうち1枚だけで、残る部分については和解の効力が及ばないのかと疑問に思った。そこで本件和解契約書2をもう一度見直した。しかし、懲戒請求について、どの懲戒請求とは書かれておらず包括的な記載であった。また、1枚しか懲戒請求書を書いていない訴外北も、別件東京訴訟を提起してきたことから、この疑いは当てはまらないことがわかった。

原告は、ひょっとして和解契約は、被告らの一連の提訴に乗じた、知能犯による振り込め詐欺で、和解金を騙し取られたのではないかと思った。しかしよく考えれば、和解をお願いする手紙を送ったのは原告からであり、公開されている訴外佐々木の事務所と訴外嶋﨑の事務所に送付したので、その可能性はなさそうであった。また、本件和解契約書2に押されている訴外佐々木の押印と、別件東京訴訟の訴状に押されている訴外佐々木の押印は同じであった。

原告は、ひょっとしてこの提訴は被告らのミス、手違いかと思った。しかしよく考えればそれは絶対にあり得ないことがわかった。(理由は後述する)。

原告は、訴状や書証を眺め続けた。訴状には「(懲戒請求者ら)は(対象弁護士ら)の呼びかけに対しても和解に応じなかったことから、やむなく訴訟の提起に至った」と書いてある(甲5の20頁)。これは要するに、原告に対し、和解金各5万円では足りないから2度目の和解金を要求しているものであると感じ、被告らはカネ、カネ、カネの「法匪」であり断じて許せないと感じた。

しかも訴状や訴外佐々木の陳述書には、朝鮮学校への補助金不支給は人種差別だと全世界にアピールした会長声明について、(人種差別でないと最高裁でも認められているのに)、自らが選挙で選んだ弁護士会長の声明であるにもかかわらず、(原告ら一般市民には選挙権が無い)、「補助金云々の声明出ていたの?という程度の認識でした」と書いてあった(甲12の1頁)。そのように弁護士会の会員が会長権限の濫用を許し、政治的に偏向した会長声明を黙認していることが、正に賛同、推進していることではないか。つまり、本件各懲戒請求は、間違っていなかったのである。それにも関わらず、提訴するとの脅しに屈して、耐え難きを耐え忍び難きを忍んで、謝罪し和解金を振り込んだのに、その結果がこの提訴である。原告は煮えくり返る思いをさせられ、この「法匪」を許していては他にも被害者犠牲者が続出すると思い、再び闘うことを決意するに至った。

(2)別件東京訴訟の提起がミスではないこと(被告らの違法性の強さ、原告の慰謝料増額事由)

別件東京訴訟がミスであることはあり得ない。故意、悪意である。その理由は以下のとおりである。

ア 8人のプロの弁護士が同時に基本的ミスを犯すか

訴外北と訴外佐々木は弁護士であり、単なる誤字脱字ならともかく、訴える相手を間違えるというミスは考えられない。しかも、訴外北と訴外佐々木だけでなく、訴外嶋﨑も弁護士であり、弁護士3人がそろいもそろってそのような重大なミスをするとは考えられない。さらに、他に5人いる訴訟代理人は、「本件訴訟に対応するために最適と思われる先生方」(甲13の5頁)とのことであり、弁護士費用をもらって有料で引き受けているのであるから(別件東京訴訟で弁護士費用を請求している)、そのように受任した弁護士が、5人もそろって同じミスをする確率の低さは、天文学的レベルで、あり得ないであろう。

イ チェックする機会と手段の豊富さ

  一度のチェックミスということならあり得るかも知れない。しかし、原告は、訴外佐々木に謝罪の手紙を送り、和解契約書2を送り、和解金を支払っている。謝罪の手紙(甲2)は、通り一遍の没個性なものではなく、原告が自分の頭で考えた原告の個性があふれる長文の手紙である。その印象に残る手紙を、訴外佐々木のみならず、訴外北にも(甲23)、訴外嶋﨑(甲24)にも、別々に送っている。和解契約書は訴外佐々木と訴外北の分が1通、訴外嶋﨑の分が1通ある。すなわち、謝罪の手紙計3通のチェック、和解契約書計2通のチェック、入金記録計2回のチェック、これだけで、7回ものチェックの機会と手段があったはずで、その全てで、8人のプロの弁護士が同時にうっかりミスをするということは考えられない。

ウ 1人1人の懲戒請求者が交通事故以上の被害の加害者

あるいは、「大量」懲戒請求事件であり、訴外佐々木に3000通、訴外北に960通懲戒請求書が送られたというから、一人一人の懲戒請求者は没個性、いわば「その他大勢」の一人に過ぎず、いちいち記憶に残らないから、それがミスを呼んだと考えられるかも知れない。

しかし、この可能性は、他でもない被告ら自身が強く否定している。

被告らも訴外佐々木も、960通とか3000通とかの懲戒請求の全体によって損害を受けたのではなく、あくまで一人一人の懲戒請求者によって傷付いたとして、1人につき33万円を請求している。訴外佐々木は「私自身も、一つ一つの懲戒請求によって、傷ついています。」と述べている(甲12の5頁)。訴外北も「私としても、一つ一つの懲戒請求によって、傷ついています。」と述べている(甲13の4頁)。訴外嶋﨑も「私としても、一つ一つの懲戒請求によって、人格を傷つけられています」と述べている(甲31の15頁)。

33万円と言えば、サラリーマンの1ヶ月分の月給である。交通事故で1ヶ月通院した場合の慰謝料より高い。1ヶ月通院と言えば、日々ケガの痛みに耐え、仕事を休んで病院に行き、同僚や家族に迷惑をかけ、患部を風呂に入れられず、好きなスポーツも出来ない等、あらゆる苦痛と不便を忍ぶ毎日である。当然被害者は、そのような苦痛を強いた加害者の名前を忘れることは無い。原告代理人は交通事故を多数受任してきたが、加害者の名前を忘れている依頼者に会ったことが無い。訴外北と訴外佐々木は、交通事故で通院1ヶ月した場合以上の苦痛を、原告1人によって味わわされたというのであるから、原告の名前を忘れるはずがない。その恨めしい加害者である原告が、自分の頭で考えた個性あふれる長文の謝罪文を送ってきて、円満に示談が成立したのであるから、ますます、忘れるはずがない。そうであるから、原告をミスで提訴することはあり得ない。

エ ミスの後の措置をしていないこと

別件東京訴訟の提起がミスでないことの最も確たる証拠(間接事実)は、訴外北と訴外佐々木が別件東京訴訟を取り下げた後も、被告らが公開した原告の住所氏名を、非公開の状態に戻す手続きを何ら取らなかったことである。

  もし別件東京訴訟の提起がミスによるもので、ミスに気付いてあわてて取り下げたのだと仮定すれば、当然、あわてて事件記録閲覧等制限の申立てをして、第三者が原告の住所氏名を見られないようにしたはずである。特に訴外北と訴外佐々木は、原告の住所氏名を公表しないと約束したのであるから、尚更である。

  法律のしろうとの一般人でも、個人情報をファックスやメールで誤送信してしまった場合、ミスに気付いたら慌てて相手に「廃棄して下さい」と依頼する。個人情報流出のミスを犯せば、ミスに気付き次第、流出した個人情報の回収、流出の拡大防止の措置を取るのは、ほぼ反射的に行われている初歩的、常識的なことである。

  ましてや被告らは弁護士であり、職業上、プライバシー保護の重い責務を負っているのであるから、尚更である。

弁護士であるから当然、事件記録閲覧等制限の申立ての手続きは知っているし、万一不勉強で知らなかったとしても、裁判所に問い合わせれば教えてもらえる。それをしなかったということは、ミスではなく初めから故意にやったとしか考えられない。

オ 8人のプロの弁護士が同時にミス後の措置を怠るか

取下げ後も原告の住所氏名を公開し続けたのが、仮に1人の弁護士であったならば、たまたま例外的に、個人情報保護の意識の無い悪質・不良・不勉強・怠慢な弁護士であったと考える余地がないではない。しかし1人ではなく、8人の弁護士が、誰一人、原告の住所氏名の秘匿措置を取らなかったのである。1人ではなく2人でも3人でもなく、8人である。これは、ミスでは絶対にあり得ないことである。

カ 「お詫び」と題する紙による愚弄

 別件東京訴訟の提訴がミスではない証拠(間接証拠)として、「お詫び」と題する紙がある。

 同年7月31日付の「お詫び」と題する紙が、別件東京訴訟の取り下げ書の写しとともに、原告に郵送されてきた。全文は以下のとおりである。(個人情報は伏せる)。

     記

      お詫び

〒(原告の郵便番号)

(原告の住所)

(原告の氏名)様

 この度は当方のミスにより、既に和解済みの貴殿を、不当懲戒請求に対する損害賠償請求事件における被告に選定してしまいました。

 大変ご迷惑をおかけいたしました。本書面にて謹んでお詫び申し上げます。

 なお、貴殿に対する訴えは速やかに取り下げましたので、今後のご対応は必要ありません。

                           令和元年7月31日

                               佐々木 亮

                               北  周士

(以上。甲19)

記名は「佐々木亮」「北周士」とあるが、押印もなく、署名もない。本当にミスであったなら、当然「真摯な謝罪」をするはずで、署名か押印くらいするはずである。

内容も、タイトルこそ「お詫び」であるが、真摯な謝罪であれば必ず盛り込まれるはずの、ミスの経緯の説明、原因の分析、再発防止策などが、全く記載されていない。訴外北は文章を書くことを仕事にしているプロであるのに、本文の文字数はわずか135文字である。原告はしろうとであるが、一生懸命考えて、本文625文字の謝罪文(甲2)を送ったのに、である。この差は歴然であり、訴外北が真摯な謝罪をしていないことは明らかである。

訴外佐々木自身、懲戒請求者についてツイッターで「それ相応の責任を取ってもらいますよ。当たり前じゃないですか。大人なんですから。」「謝罪は受け入れますが、大人のしたことなので、一定の償いはしてもらいます」とツイートし、訴外北も「全く何の責任も取らないで許すと言う事はありません」「単に懲戒請求を取り下げると言うだけのご連絡では和解をすることはできません」とツイートしているのである(甲22)。ましてや、自ら契約した和解契約を破ったのであるから、それがミスであるなら、当然、「それ相応の責任」を取って、受け取った和解金の全額返金の申し出と、慰謝料支払いの申し出をして、許しを請うはずである。ところが、そのようなことは何も書かれていないのである。

したがって、ミスではなく原告に対する嫌がらせ(被告らのツイートに言う「落とし前」「血祭り」)でやったということである。この紙自体が、原告に対する愚弄である。

キ 「お詫び」と題する紙による欺罔

「お詫び」と題する紙(甲19)は、さらに悪質なことに、「今後のご対応は必要ありません。」と真っ赤な嘘を書いて原告を欺罔している。

前述のとおり、被告らはその垂れ流した原告の個人情報を、秘匿する措置を一切取らず、垂れ流しするままに任せていた。人が好い原告は「ご対応は必要ありません」とあるのを鵜呑みにしてしまい、何の対応もしなかった(そもそも閲覧制限ができることを知らなかった)。

本件提訴を受任した原告代理人(当職)も、うっかりこれを鵜呑みにして、当然被告らが閲覧等制限申立てをしていると思い込み、受任後も「ご対応」をしなかった。本件提訴直前の9月30日に、損害の主張のため、どのくらいの期間原告の個人情報が公開されていたかを書記官に問い合わせ、閲覧等制限などされてないと聞き、あわてて自ら「ご対応」した次第である(甲20)。

このように「ご対応は必要ありません」と虚偽まで書いて、原告の個人情報を保護する措置を取らせず、原告の住所氏名を晒し続けた紙の存在こそが、別件提訴がミスではなく嫌がらせであったことの何よりの証拠である。

ク 一連の別件横浜訴訟における暴露行為

 後述するが、訴外嶋﨑が当事者本人となり、被告西川らと訴外北と訴外佐々木の計9人の弁護士が訴訟代理人となって提訴した6件もの別件横浜訴訟で、被告らは、原告が本件懲戒請求3をした事実、原告の住所、氏名を暴露して公開した(甲30ないし37)。このことも、一連の提訴における訴訟行為がミスではない証拠である。

ケ 小結

 以上のように、別件提訴がミスということは考えられない。懲戒請求者らに対する「落とし前」「血祭り」(甲21、22)として、故意以上の悪意をもって行われたものであり、その違法性は非常に強い。

 したがって、これによる原告の精神的苦痛も極めて大きい。

(3)応訴の負担

 被告らは、懲戒請求のせいで弁明の負担という被害を被ったという主張立証活動を展開し(甲5、12、13)、既に何件も一人33万円の認容判決を得ているようである。

 弁明の負担は、懲戒請求よりも不当提訴の方がはるかに大きい。

 本件各懲戒請求は、多数人の請求にかかるものであっても、懲戒請求書は同一のひな型によるものであるから、懲戒事由は一つである。したがって、一人一人の懲戒請求書に対して個別に弁明書を提出する必要はなく、その一つの懲戒事由について1回弁明すれば足りる(場合により、弁明が全く不要なこともあろう)。

 懲戒請求制度は、個々の懲戒請求者の損害の救済を図る制度ではなく、弁護士会が職権で行う調査の端緒に過ぎないものであるから、個々の懲戒請求者に対し個別に弁明をしなかったからと言って、“欠席判決”のように不利益な結果になるわけではない。

 一方、民事訴訟は当事者主義が貫く手続きであり、請求原因が共通でも、当事者が異なれば全く別の事件である。他の共同被告がいくら防御活動をしても、自ら防御活動を何も行わない当事者は、争わないとみなされて、欠席判決が下される。したがって、ひとたび提訴されれば、平日の昼間に、自ら裁判所に出頭するか、または代理人弁護士を有償で雇うか、または無償で戦ってくれる選定当事者を探さなければならない。それも第一回口頭弁論期日までの短い期間にその準備をしなければならない。実際、原告は、第一回期日までに誰か代わりに出頭してくれる人を頼む段取りや、訴状に対してどのように反論するか考え研究するなど、その準備に追われ、取下げ通知が来るまで、毎日そのことにかかりきりであったと言っても過言ではない。原告は弁護士ではなく、応訴の負担は極めて大きい。

 したがって、原告が負わされた応訴の負担は、被告らの弁明の負担よりはるかに重い。

(4)社会的名誉や信用を害するおそれ

 被告らは、「懲戒請求の申立ては、対象弁護士の社会的名誉や信用を害するおそれのあるものである」と主張立証活動をしている(甲5の13頁、甲12の3頁、甲13の3頁、甲29の6頁~7頁、12頁~14頁)。

 しかし、東京弁護士会の綱紀委員会の会規によれば、綱紀委員会の委員と担当職員には守秘義務が課せられている(第35条。甲14)。また調査も会議も非公開であり、記録も非公開である(第8条、36条)。したがって、原告が懲戒請求をしたというだけで、訴外北と訴外佐々木の社会的名誉や信用を害するおそれはない。実際、原告代理人が受任している別の訴訟で、東京弁護士会に対し、訴外北と訴外佐々木にかかる懲戒請求手続きの中身について調査嘱託申立てをし、裁判所が調査嘱託をしたが、東京弁護士会からの回答は、「個別事案については綱紀委員会会規8条及び36条2項により回答できない」というもので、守秘義務は固く守られていた(甲15)。神奈川県弁護士会についても、当然、手続き上守秘義務が課せられているはずである。

 一方、民事訴訟は、公開の法廷で裁判を受ける権利が憲法で保障されているため、手続きは公開され、不特定多数が傍聴できる。のみならず訴訟記録を何人でも閲覧することができる(民事訴訟法91条1項)。このため、提訴されれば直ちに、訴えられた側の社会的名誉や信用が害される。特に、提訴して訴状が一般に公開されてから、答弁書や反論書が出されるまでの間は、一方的に提訴者の言い分だけが裁判所で公開され続けることになる。

 したがって、申し立てられただけで社会的名誉や信用が害されるというのであれば、懲戒請求より民事訴訟の方がはるかにその害が大きい。

 実際本件でも、別件東京訴訟の記録を第三者が閲覧していた(証拠は追って提出する)。

訴訟記録では、原告を実名で名指しして、「被告」とあたかも刑事被告人のような呼称で呼んでいる。多くの一般人は民事の被告と刑事の被告の区別を知らない。「被告」というだけで罪人と思われるのが実情である。さらに、「不法行為」「不当」「違法」「数の暴力」「懲戒制度を悪用した業務妨害」「頭おかしい」「荒唐無稽で無根拠」など、ありとあらゆる非難罵倒が記載された訴状(甲5)や陳述書(甲12、13)が、全く知らない第三者に閲覧されていた。

 したがって、社会的名誉や信用が害される被害は、訴外北と訴外佐々木より原告の方がはるかに大きい。

(5)プライバシーや家族の安全

 被告らと訴外佐々木は、大量懲戒請求の被害として、家族にも害が及ぶのではないかという恐怖心を訴えている(甲12の5頁、甲13の4頁、甲29の8~9頁)。

 しかし、原告は被告らと訴外佐々木の家族など全く知らないし、本件各懲戒請求書にも、被告らと訴外佐々木の家族も自宅も一切書かれていない。書かれているのは被告らと訴外佐々木の事務所で、それは被告らと訴外佐々木がもともと公開しているものである。

 一方、被告らは、原告の住所と氏名と筆跡と印影を不特定多数人に公開した。住所とはすなわち自宅の住所である。原告は自宅を不特定多数に公開したことなどない。自宅を知られる恐怖の方が、事務所を知られる恐怖よりはるかに大きいのは論を待たない。

 現に別件東京訴訟の提訴後、原告の自宅に、全然知らない人から、弁護士委任の勧誘の手紙が送られてきた。その不気味さは言葉で言えないほどである。その差出人が、原告のプライバシーをさらに他人に流出させる恐れも大きい。

 一連の懲戒請求にかかる損害賠償請求訴訟は、これに関心を持つ人々が傍聴することが多く、中には毎回傍聴したり記録を閲覧したりして、その得た情報をインターネットに流している人もいる。本件ブログのブログ主を非難する立場の人物が、そのようなウェブサイトを開いており、そこでは、選定当事者は全員実名、選定者も氏名の一部、郵便番号、都道府県、生まれ年、靖国神社にいくら奉納したか等の極めてセンシティブなプライバシーを、赤裸々に掲載している(甲16)。

 したがって、プライバシーや家族の安全に対する不安、恐怖は、原告が受けたものの方がはるかに大きい。

(6)ファイル保管の場所と手間

 被告らは、大量懲戒請求の被害として、懲戒請求書のファイルが事務所のスペースを取るとか、ファイルの手間が負担であるなどと主張立証している(甲12の3頁、甲13の3頁)。

 しかし被告らは、個々の懲戒請求は別個の不法行為であり、共同不法行為ではなく、損害も懲戒請求者毎に別個だと主張立証している。それであるならば、原告が送った懲戒請求書は紙1枚である。訴外佐々木に対して複数回懲戒請求したかも知れないが、それでも2,3枚である。厚さにして1ミリにもならない。

これに対し、被告らが原告に送り付けた訴状、証拠説明書、甲号証写し、期日呼出し状、答弁書の書き方等の書類一式は、分厚い封筒であり、原告が送った懲戒請求書の何十倍もの厚さがある。

しかも、原告の懲戒請求書1と2が送られた先は、あくまでも東京弁護士会であって、訴外北や訴外佐々木の事務所ではない。東京弁護士会が懲戒請求書を(懲戒請求者の住所氏名も記載されているのに)そのまま訴外北と訴外佐々木に送り付けるなどということは、誰も夢にも思わなかった。そのような取り扱いは一切公表されておらず、懲戒請求者は誰も知らなかった。今日でも、東京弁護士会のウェブサイトを具さに見ても、懲戒請求の手続きについて何の説明も無いのであるから(甲17)、知らなかったことについて故意も過失も無い。

一方、被告らは民事訴訟を提起したのであるから、訴状、証拠説明書、甲号証写し、期日呼出し状、答弁書の書き方等の書類一式が、分厚い封筒に入れられて原告の自宅に送り付けられることは、百も承知であった。つまり、直接発送したのは裁判所かも知れないが、被告らが送り付けたのと同じである。

このように、ファイルの場所と手間に関して、原告が訴外北と訴外佐々木に与えた被害は、1枚又は2,3枚の紙、厚さにして1ミリ以下、しかも原告の意思によらずして(東京弁護士会によって)訴外北と訴外佐々木事務所に送られたものである。それで慰謝料各々30万円だというのである。一方、被告らはその何十倍もの厚さの書類を、故意に、原告の自宅に送り付けたのである。原告が被った損害の方がはるかに大きい。

第8 一連の別件横浜訴訟での公表

1 被告西川らの受任と和解契約についての認識

被告西川らは、遅くとも同年11月30日までに、「岸●●」外5名の懲戒請求者らを提訴する件につき、訴外嶋﨑から委任を受けてその訴訟代理人に就任し、同日付けの訴状を横浜地裁に提出した(平成30年(ワ)第○○○○号損害賠償請求事件。甲40)。

被告西川らは同訴状において、「尚、(訴外嶋﨑)としては不必要な訴訟及び紛争を避けるべく、インターネットなどを通じて、懲戒請求者らに対し、本件懲戒請求について謝罪をするのであれば和解をする旨の呼びかけをし、(訴外嶋﨑)は、既に約10名の懲戒請求者との間においては和解を成立させた。しかしながら、本件(懲戒請求者)らは(訴外嶋﨑)の呼びかけに対しても和解に応じなかったことから、(訴外嶋﨑)としてはやむなく本件訴訟の提起に至ったものである。」と主張した(甲40の2の24頁)。

したがって、被告西川らは、どんなに遅くとも同年11月30日には、本件懲戒請求3と同じ雛型による訴外嶋﨑への懲戒請求に関し、訴外嶋﨑が和解を呼びかけていたこと、和解が成立した懲戒請求者がいたことを認識していた。

2 横浜地裁への6件の提訴

ア 本件和解契約1(平成31年3月19日締結)の後に、被告西川らは、訴外嶋﨑から、訴外片●●外9名を相手方とする損害賠償請求訴訟の提起を受任し、訴外北、訴外佐々木とともにその訴訟代理人となって、横浜地裁に同年6月28日付け訴状(甲32の2)をもって提訴した(横浜地裁令和元年(ワ)第○○○○号損害賠償請求事件。以下「別件○○○○号事件」という)。別件○○○○号事件は同地裁第4民事部に係属し、担当書記官は同年7月4日付けの期日呼出状を作成しその頃特別送達した(甲32の1)。

  被告西川らは、別件○○○○号事件の「甲4号証の1」として、神奈川県弁護士会が訴外嶋﨑に送付した「懲戒請求事案の調査開始のお知らせ」(甲30)を提出した。同文書には、本件懲戒請求3の懲戒請求書の雛型と懲戒請求者の住所氏名一覧リストが添付され、そこには原告の住所氏名も記載されていたが(通し番号○○○)、被告西川らはマスキングを施すこともせず、そのまま証拠提出し、もって、原告の住所氏名と原告が懲戒請求3を行った事実を公表した。

  すなわち、「甲4号証の1」(甲30)はどんなに遅くとも同年7月4日には担当書記官が、またその数日後には10名の訴外人が目にする状態に置かれ、またその頃横浜地裁で訴訟記録に編綴され、何人でも閲覧できる状態に置かれた。

  一方被告西川らは、同事件に提出した「甲4号証の2」(甲31)については、同じく懲戒請求者の住所氏名一覧リストが添付されているのにもかかわらず、敢えてリストを除外して証拠請求した(甲32の3)。すなわち、被告西川らは、個人情報保護の必要性を知っていたものであり、それにもかかわらず原告について、センシティブな個人情報を暴露したものである。

  以下同様に、被告西川らは、訴外嶋﨑から委任を受けてその訴訟代理人に就任し、下記訴訟を提起し、各々下記期日呼出状の日付頃、全く同じ「甲4号証の1」(甲30)記載の原告のセンシティブな個人情報を公表した(以下「別件○○○○号事件」ないし「別件○○○○号事件」という。これら一連の訴訟を合わせて「別件横浜訴訟」ともいう)。

イ 横浜地裁令和元年(ワ)第○○○○号 (甲33)

  提訴の相手方 訴外堀●●外9名

  係属部 第5民事部

  期日呼出状の日付 7月23日

ウ 横浜地裁令和元年(ワ)第○○○○号 (甲34)

  提訴の相手方 訴外藤●●外9名

  係属部 第7民事部

  期日呼出状の日付 7月10日

エ 横浜地裁令和元年(ワ)第○○○○号  (甲35)

  提訴の相手方 訴外●藤●外9名

  係属部 第8民事部

  期日呼出状の日付 7月5日

オ 横浜地裁令和元年(ワ)第○○○○号 (甲36)

  提訴の相手方 訴外池●●外9名

  係属部 第9民事部

  期日呼出状の日付 7月8日

カ 横浜地裁令和元年(ワ)第○○○○号 (甲37)

  提訴の相手方 訴外江●●外9名

  係属部 第2民事部

  期日呼出状の日付 7月3日

3 一連の別件横浜訴訟での公表の法的評価

言うまでもなく、一連の別件横浜訴訟において、主張立証のため原告の懲戒請求の事実と住所氏名を公表する必要は皆無である。したがって、別件横浜訴訟における原告の個人情報の公表は、訴外嶋﨑にとって本件和解契約1に違反する債務不履行であるのはもとより、原告のプライバシーを侵害する不法行為でもある。

 被告西川らも、別件横浜訴訟において、原告のプライバシー侵害の不法行為を犯したものである。これら6事件で「甲4号証の1」の原告の住所氏名をマスキングすることは極めて容易であるにもかかわらず、敢えてそれをしなかったのであり、その故意の不作為は、被告西川らが各自別個に犯した不法行為である。

4 別件横浜訴訟での公表による原告の損害

(1)最高裁判決その他の判例

個人情報保護法の制定後はもちろん、制定される前から、判例上も、個人情報は保護法益性があり、本人の承諾を得ない個人情報の第三者提供が不法行為に該当するということが認められている。

最高裁平成29年10月23日判決は、通院教育の会社が、子どもと保護者の住所氏名電話番号等を第三者に漏洩した事件につき、「本件個人情報は、(保護者)のプライバシーに係る情報として法的保護の対象となる」として、漏洩により具体的に迷惑行為を受けたとか財産的な損害を被ったとかの事情がない場合でも損害賠償責任が発生し得る旨を判示した甲41)。

最高裁平成15年9月12日判決は、早稲田大学が国賓の江沢民主席の講演会を開催するに当たり、警備を担当する警視庁から出席者の名簿を提出するよう要請を受けた後に、出席希望者に学籍番号、住所氏名電話番号を記載させ、この名簿を警察署に提出した事件につき、「学籍番号、氏名、住所及び電話番号は、早稲田大学が個人識別等を行うための単純な情報であって、その限りにおいては、秘匿されるべき必要性が必ずしも高いものではない。また、本件講演会に参加を申し込んだ学生であることも同断である。しかし、このような個人情報についても、本人が、自己が欲しない他者にはみだりにこれを開示されたくないと考えることは自然なことであり、そのことへの期待は保護されるべきものであるから、本件個人情報は、(参加学生ら)のプライバシーに係る情報として法的保護の対象となるというべきである。」と判示した(甲42)。

  以上のように、個人情報保護法が制定される前から、プライバシーをみだりに開示されない権利は不法行為法上の保護法益として認められていたものである。

早稲田大学が講演会名簿を警察に提供した事件の差し戻し控訴審では、初めから講演会で野次を飛ばしたり横断幕を掲げる目的で参加した学生について、プライバシー侵害に対する慰謝料は5千円であった(甲43)。そうでない学生の事件では、1万円であった(甲44)。

同事件で慰謝料がそのように低額であるのは、国賓の講演会に参加するという事実は思想信条などを推測させる事実ではないこと(したがって他者に知られたくないと思う度合いが低い)、国賓の警備の目的で使用後に廃棄することを要請した上で警察に名簿を渡すこと自体は必要性合理性が認められること、警備担当の警察署に名簿が渡ったことによる具体的な損害が発生しなかったことが考慮されたためである(甲43、44)。

そこで上記で考慮された諸事情に関し、本件はどうであるかを以下に主張する。

(2)思想信条に基づく活動であり他人に知られたくない情報であること

ア 本件懲戒請求は、弁護士会長声明が政治的に偏向していることを問題にするものであるから、本件懲戒請求をしたという事実は、懲戒請求者の政治的な思想信条にかかる情報であり、個人情報保護法2条3項に言う「要配慮個人情報」である。一般に機微情報とかセンシティブ情報と呼ばれるものである。当然、みだりに他人に知られたくないと思う情報であり、その期待を保護する必要性が高い情報である。

イ しかも本件は、大量懲戒請求という特殊性のため、各種マスコミで報道され、その報道内容は、本件懲戒請求を否定的にとらえる立場の人々からの取材が元になっているものばかりであった。

NHK「クローズアップ現代」は、平成30年10月29日に「なぜ起きた?弁護士への大量懲戒請求」を放送し、懲戒請求を後悔している人の声「深く考えていない」「ギャンブルで負けが込み自己破産、低空飛行している時にブログに出会った」「嘘もあるが全て信じてしまう。過激さが加わり偏りすぎた」「迷惑をかけたと反省している」や、日弁連の「懲戒制度の趣旨とは異なる。検討には値しない」というコメントを放送した(甲45)。

朝日新聞は、平成30年6月23日、「ブログの言うまま懲戒請求」というタイトルで記事を掲載し、「今思えば差別」「洗脳されていた」「ブログにあおられた」「間違っていた。反省している」とする和解者の声や、「差別加担しないで」とする対象弁護士の声を掲載した(甲46)。

Business Journalは、タイトルに露骨に「カルト性」と謳うジャーナリストの記事を発信した(甲47)。

このように、大量懲戒請求は「差別」「カルト」「洗脳」等の強い否定的評価とともに報道されているから、本件懲戒請求をしたという事実は、他人に知られたくないと感じる程度が極めて高いプライバシーである。

(3)裁判所における不特定多数への公開

  早稲田大学の講演会の事案では、個人情報名簿は、警備担当の警察に、使用後は廃棄するよう要請した上で提供されたものであった。ところが本件では、不特定多数に対し無防備に開示され続けているものである。

  別件横浜訴訟は、6つの異なる部に係属し、各々の事件につき、訴訟記録が何人でも閲覧できる状態に置かれている。しかも訴外嶋﨑は、横浜地裁に提訴した訴訟の情報を頻繁にツイッターで公表し、少なくない人々がそれを閲覧している。したがって原告のプライバシー侵害の程度は非常に大きい。

この点、裁判所で訴訟記録を閲覧する者は稀であるから、損害は軽微だと考える向きもあるかも知れない。しかし、仮に閲覧者がいなくても、6つの係属部で異なる裁判官と書記官の目に入る(甲32ないし37の各枝番1)。6事件のうち4事件が合議事件であるから、裁判官が計14人、書記官が6人である。これは直接の事件担当者の数に過ぎず、裁判所では当該事件を担当していない裁判官や書記官も訴訟記録を見ることが出来るから、非常に多くの人々に情報が開示されたものである。

しかも、本件「甲第4号証の1」(甲30)は報道で悪く書かれている大量懲戒請求の請求者の住所氏名が掲載された一覧リストであり、思わず「知っている人がいないかな」と興味をそそられて見てしまう類の情報である。裁判官書と記官に守秘義務が課せられているから見られて良いということにはならない。当職も法律相談中に見せられたマイナーな宗教の信者名簿に、趣味仲間の人の名前を見つけて驚いたことがある。守秘義務があるから黙っているが、当職に知られたことを知ったらその人は嫌がるであろう(嫌だから宗教のことを今迄言わなかったのであろう)。

ましてや、人間の脳は、情報の内容の記憶は残りやすいが、その情報をどのように知ったかという入手経路の記憶は失われやすいものである。裁判官や書記官がたまたま原告のことを知っていて、原告が懲戒請求をした事実を知ったら、それが「甲第4号証の1」(甲30)によって知った(したがって守秘義務がある)ということをいつまで記憶しているか、保証の限りではないのである。

したがって、裁判所の訴訟記録に編綴されたことによる原告のプライバシー侵害の程度は極めて大きい。

(4)全国60人に原告の個人情報を直接郵送

 別件横浜訴訟の6事件で訴えられた人は60人という多数人であり、北は北海道から南は九州まで全国各地に散らばっている(甲32ないし37の各枝番2)。この60人には、直接、原告の個人情報をコピーした紙(「甲第4号証の1」)が郵送されているのである。訴訟記録の謄写は関係人でなければ許されないが、全国60人に郵送されたコピーは、何部でも自由に複製可能である。

この点、別件横浜訴訟で提訴されたのは原告と同じく懲戒請求をした人々ばかりだから、言わば仲間であり、知られてもいいではないかと、損害を軽く考える向きもあるかも知れない。しかしそれは違う。仲間がいつまでも仲間とは限らない。現に、本件ブログ主を激しく非難しているウェブサイト「余命💛ななこに天誅!余命三年時事日記の嘘とワナを暴く」(甲16、38)の発信者(「せんたく」)は、他ならぬ本件ブログのスタッフだったことがある人物である。各種報道でも、和解者が懲戒請求したことを振り返り「洗脳されていた」「過激に偏りすぎた」などと言って大量懲戒請求を否定的に取材記者に語っている(甲45、46)。これら例のように、思想信条の傾向が似通って一時同じ行動をとったからと言って、いつまでも仲間とは限らない。原告は、本当に信頼できる人以外には、原告の個人情報を濫りに知られたくない。

したがって、原告のプライバシー侵害の程度は甚大である。

(5)現実の閲覧者の存在、ネットへのアップ

  現に「せんたく」と呼ばれる人物がこれら6事件の訴訟記録を閲覧し、訴えられた人の実名や郵便番号や生まれた年や靖国奉納の有無をインターネットに掲載している(甲38)。「せんたく」のように個人情報を簡単にネットに載せる人物の目に容易に触れると思うと、原告は胃が痛くなる思いである。

  訴外嶋﨑自身も、提訴の報告をツイッターに上げている。訴外嶋﨑や「せんたく」がネットでこれら6事件の存在を公開することで、さらに閲覧者が増える可能性がある。原告は今後ずっと、その恐怖に怯えなければならない。

(6)本件和解契約後の公表であること

  たとえ契約上の義務がなくても、個人のセンシティブ情報を公表してよいはずがない。ましてや原告は、わざわざ本件和解契約1と2を締結し、言われるままに訴外嶋﨑らに和解金各5万円ずつを支払い、訴外嶋崎らは原告の住所氏名を公表しない旨、契約したのであるから、原告のプライバシー保護への期待は一段と高く、それが侵害されたことによる精神的苦痛も一段と大きい。

(7)情報開示の必要性合理性が皆無なこと

  早稲田大学の講演会の事案では、警備のために名簿が必要であることが考慮され、慰謝料が低額となった。

本件では前述のとおり、訴外嶋﨑が他の懲戒請求者らを相手方として損害賠償を請求するに当たり、原告の個人情報は、主張立証上、何の必要性も無い。

仮に「甲第4号証の1」(甲30)を出すにしても、原告の個人情報を黒塗りにして証拠提出することは極めて容易である。

現に被告らは、「甲第4号証の2」(甲31)については、同じく懲戒請求者の一覧リストが元々付いていたのに、これを省いて証拠提出している。

したがって、原告の個人情報は、何の必要性も合理性も無いのにたださらされたものであり、このことによる精神的苦痛は非常に大きい。特に、被告らは「甲第4号証の2」(甲31)のリスト登載者のプライバシーは守るが、原告のプライバシーは守る必要が無いと判断したのであり、その差別的取扱いによる精神的苦痛は極めて大きい。

(8)損害についてまとめ

早稲田大学の事案では、「本件大学が行った本件個人情報の開示が違法であることが本件訴訟において認められるならば、控訴人らの被った精神的損害のほとんどは回復されるものと考えられ、控訴人らの本訴提起の目的も、金銭による賠償を求めるというより、むしろ、本件大学による本件個人情報の開示が違法であることの確認を求めるという意味が大きいものとうかがわれる。」などとされて(甲44)、低額な慰謝料にとどまったものであるが、本件で原告は上記のとおり重大なプライバシーの侵害を受けたものであるから、その精神的苦痛を慰藉するに足る金額は、被告ら各自に対し、別件横浜訴訟の1事件につき50万円を下らない。したがって6件であるから300万円である。

第9 被告らの不法行為の関係

 別件東京訴訟の提訴等、及び別件横浜号事件での公表は、被告らが各自別個に犯した不法行為である。したがって、被告らの損害賠償債務は、不真正連帯債務ではなく、個別の債務である。

 この点、これらは被告らの共同不法行為であり、不真正連帯債務であると見る向きもあるかも知れない。

 しかし、被告らは、本件ブログの読者による、同一の雛形、同一の懲戒事由、一括して送付された懲戒請求を、共同不法行為ではなく別個独立の不法行為であるとして、各々の懲戒請求者に33万円ずつ請求し、それらの認容判決も出ている。提訴前に5万円、提訴後は10万円の和解金を受領し、すでに訴外佐々木、訴外北、訴外嶋﨑は各々200万円を超える和解金を手にしていると思われるが、それでも同訴外人らは、共同不法行為(不真正連帯債務)ではないとして、和解しない全員を提訴し続けている。

 被告らが共同不法行為(不真正連帯債務)ではないと主張する論拠は、多数人による「殺到型」の不法行為では、加害者の数が増えるほど被害者の苦痛は増すのに比べ、仮に不真正連帯債務だとすると、加害者の人数が増えるほど各人の賠償債務は安くて済み、不合理だという点にある。

 被告らはまた、懲戒請求者がそれぞれ主体的に意思決定し、現実の行為として行ったことに着目している(甲32の2の23頁ケ)。

 すると、被告らの理は、本件の原告の被害にも当てはまるものである。別件東京訴訟は、弁護士という法律の専門家がしろうとを法廷にひきずり出すという、いわば格闘家がしろうとに喧嘩を売るような行為であり、原告は、8人の弁護士からそれをされたのである。言わば8人の弁護士から集団リンチにかけられたに等しく、「殺到型」不法行為というにふさわしい。8人の弁護士は、あるいは当事者として、あるいは訴訟代理の専門家として各々独立に委任を受け、訴訟を提起したのである。8人の弁護士の誰か一人でも、原告を提訴するのをやめようと言っていれば、原告は別件東京訴訟で訴えられることはなかった。したがって、原告の被害は、8人の弁護士一人一人の行為によって惹き起こされたものである。

 別件横浜訴訟もしかりである。10人の弁護士が、あるいは当事者として、あるいは代理人弁護士として各々独立に委任を受け、訴訟活動をしたのである。「甲第4号証の1」(甲30)は神奈川県弁護士会が作った懲戒請求者リストで、事案番号順に並んでおり、その全員が載っているのであるから、一見して、その中に既に和解契約を締結した者が多数含まれていることがわかるシロモノである。別件横浜訴訟の10人の弁護士が、一人でも、これは訴訟に関係ない第三者のプライバシーだからマスキングしようとか、少なくとも和解した者はマスキングしようと言っていれば、原告がこれら6件もの訴訟でプライバシーを全国にさらされることは無かった。したがって、原告の被害は、10人の弁護士一人一人の行為によって惹き起こされたものである。

 弁護士が弁護団を組んで多数になればなるほど、一人一人の責任が少なくなり賠償額が安く済むというのは不合理である。

 したがって、本件においては、被告らの論法にしたがい、被告らの行為は別個独立の不法行為であり、共同不法行為(不真正連帯債務)ではないことを主張する。

第10 損害と請求のまとめ

(1)被告山田らが各自支払うべき慰謝料

以上のとおり、訴外佐々木の代理人となって別件東京訴訟の提訴等を行ったことによる慰謝料が100万円、訴外北の代理人となって別件東京訴訟の提訴等を行ったことによる慰謝料が100万円、訴外嶋﨑の代理人となって別件横浜訴訟の別件○○○○号事件の「甲第4号証の1」(甲30)で原告の個人情報を公表したことによる慰謝料が50万円、同様に別件○○○○号事件により50万円、別件○○○○号事件により50万円、別件○○○○号事件により50万円、別件○○○○号事件により50万円、別件○○○○号事件により50万円である。

これら慰謝料合計は500万円である。

(2)被告西川と被告山岡が各自支払うべき慰謝料

 訴外嶋﨑の代理人となって別件横浜訴訟の別件○○○○号事件の「甲第4号証の1」(甲30)で原告の個人情報を公表したことによる慰謝料が50万円、同様に別件○○○○号事件により50万円、別件○○○○号事件により50万円、別件○○○○号事件により50万円、別件○○○○号事件により50万円、別件○○○○号事件により50万円である。

これら慰謝料合計は300万円である。

(3)弁護士費用

 本件は、不法行為に基づく損害賠償請求であり、原告は弁護士委任を余儀なくされた。そこで相当因果関係のある損害として、請求する各慰謝料の1割の額の弁護士費用を請求する。すなわち、被告山田らへの請求につき各自50万円、被告西川と被告山岡への請求につき各自30万円の弁護士費用である。

(4)遅延損害金

 不法行為の後である本年7月24日からの遅延損害金も求める。

第11 結語

 上記の請求原因により、請求の趣旨記載の判決並びに仮執行宣言を求めて、本件提訴に及ぶ。

証拠方法 証拠説明書のとおり /添付書類 委任状、訴状副本、甲号証写し

当事者目録

○○○○○○○○○○○○○○○○

                      原 告    ○ ○ ○

(送達先)〒604-0985

京都市中京区麩屋町通竹屋町上る舟屋町407-1 長栄ビル2F

あやめ法律事務所

            原告代理人  弁護士  江 頭  節 子

               電話 075-708―6643

               FAX 075-708-6645

〒530-0047 大阪市北区西天満2-6-8 堂島ビルヂング409号室

          竟成法律事務所 気付

                     被 告    山 田   祥 也

〒730-0001 広島市中区白島北町3-14

          兒玉会計ビル5階 兒玉法律事務所 気付

                     被 告    兒 玉   浩 生

〒105-0004 東京都港区新橋2-10-5 新橋原ビル4階

          倉重・近衛・森田法律事務所 気付

                     被 告   倉 重  公 太 朗

〒213-0001 神奈川県川崎市高津区溝口2-3-10

          内田ビル3階 溝の口法律事務所 気付

                     被 告    田 畑     淳

〒810-0001 福岡市中央区天神2-14-2

          福岡証券ビル7階 向原総合法律事務所気付

                     被 告   向 原  栄 大 朗

〒231-0005 横浜市中区本町3丁目30番地7 横浜平和ビル4階

          神奈川総合法律事務所 気付

                     被 告    西 川     治

〒231-0005 横浜市中区本町3丁目30番地7 横浜平和ビル4階

          神奈川総合法律事務所 気付

                     被 告    山 岡   遥 平

0145 訴訟対応について

悪徳弁護士トリオプラスワン」「悪徳弁護士詐欺集団」「在日コリアン弁護士プラス反日弁護士集団」「諸悪の根源日弁連」......。

 神原元、佐々木亮、北周士、嶋﨑量君、みなさん、おばんです。元気かね。

 それにしても、和解者に謝罪させ、金を取った上に提訴とは、まさに鬼畜、法匪のなせるわざである。この件、一歩間違えば、戦後最大のスキャンダル、造船疑獄レベルまで発展しかねない。安倍総理の指揮権発動が楽しみだね。

 訴訟において、原告が犯罪を犯した場合に、その代理人の責任がどこまで及ぶか非常に興味がある。訴因に関与している場合の割合である。

 今般、和解金詐欺事件が発生した。直接には「令和元年(ワ)第16126号損害賠償事件」であるが、代理人に嶋﨑量がおり、この関係には「和解のご提案」なる怪文書を送付している西川治、山岡遥平のような弁護士がいる。刑法犯であることは間違いないが罪状の特定が難しい。

 すでに、代理人弁護士を含めて、全員が告発済みである。

佐々木亮、北周士、嶋﨑量、神原元、金竜介、宋恵燕、姜文江、西川治、山岡遥平、兒玉浩生、倉重公太朗、田畑淳、向原栄大朗、山田祥也。

告発という以上、もちろん刑法犯であるが、それぞれの行為に合った罪状で告発している。

事実証拠で固めており、法のプロとはいえ、逃げるのは難しいだろう。

コメント1  選定当事者について

大量にメールに問い合わせがはいっているが、本日届いた佐々木亮と北周士提訴の(令和元年(ワ)第26700号)以外はすべて選定当事者が決定している。数日中にお知らせと選定当事者選定書を送付するので指示のとおり対応していただきたい。

令和元年(ワ)第4160号と令和元年(ワ)第4166号については明日以降となる。

コメント2  北海道提訴事件

しばき隊弁護士トリオ+39人の代理人弁護士集団のスラップ訴訟である。

速度を重視して、とりあえず選定当事者を選任して対応している。すでに4名を除く全員に選定書及び申立書、答弁書の発送をお願いした。

 穴だらけの訴状で、どうにでもなるが、それを隠すために彼らは弁護士の数で圧倒しようとしている。得意のスラップ訴訟である。別に、同じ数をそろえて対抗することはないが、少なくとも5名~10名ほどの選定当事者は必要だろう。

 近々、訴状を開示するが、かなり暴発、暴走している。しばき隊の現役がOBかは知らないが、また神原元が登場してきた。国際テロリスト云々ということが、訴状にあるから、双方、いい機会である。はっきりさせるための共通申し立てとして、現状の国際テロリストあるいは北朝鮮制裁決議違反の個人や組織の開示を求めたい。この調査嘱託申し立てを、裁判所は却下できまい。

 また、余命の個人情報の開示請求を、神原元や佐々木亮はXサーバーを訴えるという姑息な手段で進めているが、なにしろ大阪地裁である。いずれ開示されるだろう。

 弁護士の個人情報開示請求に弁護士会は対応しないだろうから、こちらも同様に、弁護士の個人情報開示を求めて法的手段をとることになろう。

 一連の懲戒請求裁判被告は住所氏名が開示されている。原告も開示してもらおう。なんと言っても、正義を行う弁護士である。躊躇することはあるまい。

コメント3  退会者について

神原元調査票だけで、履歴のない者は約10名。履歴のない者は、当然、資料がなく、つかめていないが、神原元と嶋﨑量がツイッターで和解と言っている数は70名強、ただ、登録数は約1100名なので、履歴のない者との誤差、その他、正直言って、よくわからない。

コメント4  徳永、猪野弁護士との関係

戦いの方針がまったく違うだけでなく、明らかに足を引っ張っている。補助参加の申し立てに応じることはない。当然、両氏を代理人に選定された方は960人の会の登録を抹消することになる。すでに両氏を代理人に選定されていて、新たに別件で提訴された方も登録資格はない。

コメント5  裁判官の評価と判決文

一審の裁判官関係者の対応については、一審の判決が終了次第、書籍化して、後世に残す。判決文は問題点を指摘し、対比したものを記載する。その99%が偏向しているが、それをどうするかは今後、国民が決めることである。

 余命ブログは、有事、妄想ブログである。ところが、その実現性が100%であることから、前提である「有事」が飛んでしまい、「妄想」も吹き飛んでしまっている。

「日韓断交」「有事外患罪」「在韓米軍撤退」等が現実味を帯びてきて彼らは大騒ぎだ。

所詮、年金爺の妄想ブログなんだから、被害妄想もいいかげんにしてもらいたいね。

 なお、弁護士についてはすでにリストアップしている。このシリーズは№10、№11の予定である。

コメント6  この後の出稿予定

更新が早いと、大事な記事が埋もれてしまうので考え物であるが、事態の変化が早いので、この後10月18日大阪地裁提訴訴状と札幌地裁訴状を連続して出稿する予定である。

 いずれも大部、長文であるが、証拠関係はできるだけ縮めてある。必読をお願いする。

コメント7  単独不法行為

一連の公判から、懲戒請求裁判は単独不法行為として進められるようである。

よって、今後は、地検に告発している案件と共に、個々の立証を求める闘争となる。すでに、東京60人と札幌52人訴訟は対応を始めている。

以下は、北海道裁判における申立書と答弁書である。

このあと、札幌地裁には調査嘱託申し立てとして、原告及び代理人の個人情報の開示請求と、国際テロリストの欧米機関への照会申し立てを予定している。

 在日コリアン弁護士協会と反日弁護士連合勢力はかなりの焦りがあるようで、まず、代理人弁護士の数にそれが顕著になってきた。

横浜地裁7億2000万円裁判の、こちら側の原告は3名であるが、彼らは弁護士25名である。また、北海道裁判は原告1名であるが、相手方弁護士は42名、北星学園の400名の弁護士と比べれば10分の1である。

 とりあえず北海道裁判の対応について提出済みの書面をあげておく。

令和元年(ワ)第1671号損害賠償請求事件

原告 池田賢太 ほか2名

被告 ○○○○ ほか51名

申 し 立 て 書

                          令和元年10月30日

札幌地方裁判所民事第2部合議係  御中

                  住所 〒

氏名 被告               ㊞

甲8号証に1件だけ懲戒請求書が示されているが、単独不法行為というのであれば、個々のケースが争いとなる。

また、この1件だけでも問題がある。

よって、証拠として名簿にある個々の懲戒請求書の送付を求める。

令和元年(ワ)第1671号損害賠償請求事件

原告 池田賢太 ほか2名

被告 ○○○○ ほか51名

答 弁 書

                          令和元年10月30日

札幌地方裁判所民事第2部合議係 御中

                  住所 〒

氏名 被告               ㊞

まず、懲戒請求書の原本を明示せよ。

本件は以下の理由により、棄却を求める。

提訴の理由が事実無根あるいは間違っている。

懲戒請求書の記載日は指示により空白であった。

原告は、以下、選択し、○をつけること。または理由を述べ、立証せよ。

懲戒請求書の日付け

3月 4月 5月 6月   9月 10月 11月

記入者は誰か?

弁護士会  弁護士  不明

懲戒請求者の懲戒請求書ひな形受信手段

コピー  ダウンロード  レターパック

懲戒請求書の弁護士会への送付手段

直接  委任

梱包送付手段

封筒  レターパック  段ボール

送付手段

投函  持ち込み  引き取り

懲戒請求書まとめ先について

日本再生大和会(第1、第2、第3) 多摩  東京

訴訟の争点である懲戒請求書が個々に示されていない。実際に存在するのか?

有印私文書偽造行使が疑われている。精査を求める。

個々に、以上の回答を求める。

0144 北周士、嶋﨑量訴状

悪徳弁護士トリオプラスワン」「悪徳弁護士詐欺集団」「在日コリアン弁護士プラス反日弁護士集団」「諸悪の根源日弁連」......。

 神原元、佐々木亮、北周士、嶋﨑量君、みなさん、おはよう。元気かね。

 それにしても、和解者に謝罪させ、金を取った上に提訴とは、まさに鬼畜、法匪のなせるわざである。この件、一歩間違えば、戦後最大のスキャンダル、造船疑獄レベルまで発展しかねない。安倍総理の指揮権発動が楽しみだね。

 訴訟において、原告が犯罪を犯した場合に、その代理人の責任がどこまで及ぶか非常に興味がある。訴因に関与している場合の割合である。

 今般、和解金詐欺事件が発生した。直接には「令和元年(ワ)第16126号損害賠償事件」であるが、代理人に嶋﨑量がおり、この関係には「和解のご提案」なる怪文書を送付している西川治、山岡遥平のような弁護士がいる。刑法犯であることは間違いないが罪状の特定が難しい。

 すでに、代理人弁護士を含めて、全員が告発済みである。

佐々木亮、北周士、嶋﨑量、神原元、金竜介、宋恵燕、姜文江、西川治、山岡遥平、兒玉浩生、倉重公太朗、田畑淳、向原栄大朗、山田祥也。

告発という以上、もちろん刑法犯であるが、それぞれの行為に合った罪状で告発している。

事実証拠で固めており、法のプロとはいえ、逃げるのは難しいだろう。

令和元年10月9日

              訴   状

横浜地方裁判所御中

                      原告代理人

                        弁護士 江 頭  節 子

損害賠償請求事件

当事者目録 別紙当事者目録のとおり

請求の趣旨

1 被告らは原告に対し、各々、金550万円及びこれに対する令和元年7月24日から支払い済みまで年5分の割合による金員を支払え。

2 訴訟費用は被告らの負担とする。

との判決ならびに仮執行宣言を求める。

請求の原因

第1 事案の概要

 本件は、いわゆる大量懲戒請求をされたとして、弁護士である被告ら及び訴外佐々木亮弁護士が、記者会見を開いたり通知書を送付するなどして、懲戒請求者を全員提訴すると宣言すると同時に、提訴前の和解を呼び掛けたため、提訴されることを恐れた原告が、反省謝罪文と和解の申出の手紙を送り、和解契約を締結し、所定の金員を支払ったところ、和解契約書には被告ら及び訴外佐々木が原告を提訴しない旨と原告の住所氏名を公表しない旨が約定されているにもかかわらず、(1)被告北と訴外佐々木が、被告嶋﨑を訴訟代理人として、原告を提訴し、もって原告の住所氏名を公表したこと、(2)被告北と訴外佐々木がその提訴を取り下げた後も、被告らが事件記録閲覧等制限の申立てをすることもなく、原告に自ら申立てするよう教示することもなく、59名の共同被告に対し訴状記載の原告の住所氏名を抹消するよう依頼することもなく、公表した原告のセンシティブな個人情報を公開状態のまま置き続けたこと、(3)被告嶋﨑が第三者を相手方として、被告北と訴外佐々木が訴訟代理人となって提訴した6件の訴訟において、原告が懲戒請求した事実と原告の住所、氏名を公表したことにつき、和解契約の債務不履行及び不当提訴とプライバシー侵害の不法行為に基づき、損害賠償を請求する事案である。

(目 次)

第1 事案の概要p1

第2 和解契約までの事実経過p4

1はじめにp4 /2当事者p4

3ブログ、大量弁護士会長声明問題、告発と懲戒請求運動p4

(1)本件ブログp4 (2)日本再生計画p4

(3)弁護士会の大量会長声明問題p5 (4)いわゆる大量懲戒請求運動p5

4 本件懲戒請求1p6 /5 本件懲戒請求2p6 /6 本件懲戒請求3p7

7 提訴予告と和解呼び掛けの記者会見、提訴、報道、予告通知p7

8 原告の焦燥と恐怖とうつp8

第3 和解契約の締結p10

1 反省・謝罪を述べ、許しと和解を請う手紙p10

(1)被告北への手紙p10 (2)訴外佐々木への手紙p11(3)被告嶋﨑への手紙p11

2 本件和解契約1 p11

(1)本件和解契約1の締結p12 (2)本件和解契約1の第2条所定の金員の支払いp13

(3)本件和解契約1に基づく被告嶋﨑の債務p13

3 本件和解契約2 p13

(1)契約の締結p13 (2)本件和解契約の第2条所定の金員の支払いp15

(3)本件和解契約2に基づく被告北と訴外佐々木の債務p15

第4 提訴と住所氏名の公表p16

1 訴外佐々木の提訴p16 (1)訴外佐々木の提訴p16 (2)被告北の受任と提訴p16

 (3)被告嶋﨑の受任と提訴p16

2 被告北の提訴p16 (1)被告北の提訴p16 (2)被告嶋﨑の受任と提訴p17

3 住所氏名ほかの個人情報の公表p17 (1)訴状p17 (2)甲号証p17 (3)訴訟記録への編綴と公開p17 (4)59名の共同被告らへの公表p18

第5 提訴と公表の法的評価p18   1 債務不履行p18

2不法行為p18 (1)最高裁判決の規範p18 (2)提訴の当事者としての不法行為p19

(3)訴訟代理人としての不法行為p19 (4)訴訟物(不法行為)の個数p20

第6 住所氏名の公表後の措置の懈怠p20

(1)被告北の措置の懈怠と法的責任p20 (2)被告嶋﨑の措置の懈怠と法的責任p21

第7 別件東京訴訟の提訴及び取下げ後の不処置による原告の損害 p21

1 はじめにp22 /2 被侵害利益―センシティブ情報を含むプライバシーp22

3 精神的苦痛p22

 (1)訴状を受け取った時の精神的苦痛p23

(2)別件東京訴訟の提起がミスではないこと

(被告らの違法性の強さ、原告の慰謝料増額事由)p24

ア 8人のプロの弁護士が同時に基本的ミスを犯すかp24  /イ チェックする機会と手段の豊富さp24 /ウ 1人1人の懲戒請求者が交通事故以上の被害の加害者p25 /エ ミスの後の措置をしていないことp26 /オ 8人のプロの弁護士が同時にミス後の措置を怠るかp26  カ「お詫び」と題する紙による愚弄p27 /キ「お詫び」と題する紙による欺罔p28

ク 一連の別件横浜訴訟における暴露行為p29 /ケ 小結p29

(3)応訴の負担p29 (4)社会的名誉や信用を害するおそれp30

(5)プライバシーや家族の安全p31 (6)ファイル保管の場所と手間p32

第8 横浜地裁の別件2619乃至2624号事件での公表p33

1 横浜地裁への6件の提訴p33

2 別件2619ないし2624号事件での公表の法的評価p34

3 別件2619号ないし2624号事件での公表による原告の損害p35

第9 被告らの不法行為の関係p36

第10 損害と請求のまとめp37

(1)被告北が払うべき慰謝料p37 (2)被告嶋﨑が払うべき慰謝料p37

(3)弁護士費用p38 (4)遅延損害金p38

第11 結語p38

第2 和解契約までの事実経過

1 はじめに

 和解契約までの事実経過は、和解契約を破った被告らの悪質性、違法性の強さに関連し、ひいては原告の慰謝料の金額に直接関わる事実であるから、以下に詳細に主張する。

2 当事者

 被告北周士(きたかねひと。以下「被告北」という)及び訴外佐々木亮(以下「訴外佐々木」という)は、東京弁護士会所属の弁護士である。

被告嶋﨑量(しまさきちから。以下「被告嶋﨑」という)は神奈川県弁護士会所属の弁護士である。

 原告は弁護士その他の法曹ではない一般市民である。

3 ブログ、大量弁護士会長声明問題、告発と懲戒請求運動

(1)本件ブログ

 原告は、「余命三年時事日記」という、日本の主権、安全保障、その他の重大な国家的政治問題について情報を紹介したり論評を行うブログ(以下「本件ブログ」という)を愛読していた。本件ブログは、大手マスコミが敢えて報道しない事実を、情報源を摘示して正確に紹介しており、また広告を出さずに運営していることから、利益や圧力に屈しない信頼性の高いものであると判断されたからであった。

(2)日本再生計画

本件ブログは、北朝鮮の核実験やミサイル発射や拉致、韓国による竹島の不法占拠のように、一方で、外国が武力を用いて日本の主権と日本人の人権を直接に侵害するという重大かつ深刻な事態があり、一方で、そのように反日的な外国の国民が日本に在留し日本の政治、経済、社会に強い影響力を及ぼし、さらに日本の参政権までも獲得しようと運動していることに強い危機感を表明し、日本を日本人の手に取り戻す日本再生計画を呼び掛けていた。

そのために一般の日本国民ができる適法な運動として、北朝鮮や韓国の武力行使事態に利益を与える行為を、刑法81ないし88条の外患罪で告発することを呼び掛けていた。告発対象者は、国籍を問わず(ただし大多数が日本人)、政治や経済やマスコミ等の多数の有力者であり、その中には弁護士も含まれていた。後に、弁護士については弁護士法に懲戒手続きが法定されていることから、懲戒請求も呼びかけられた。

(3)弁護士会の大量会長声明問題

弁護士について外患援助行為として問題とされたのは、“大量会長声明問題”である。

北朝鮮の核実験とミサイル発射と拉致問題を解決するために、国連安保理決議による経済制裁と日本独自の経済制裁を科しているそのさなかに、朝鮮学校に補助金を支給せよ、支給しないのは人種差別であるなどとする会長声明を、全国21もの弁護士会が世界中に向けて発信したのである。

日本はその資金が北朝鮮の核開発に流れないことを確保する国際法上の義務を負っているところ、朝鮮学校は北朝鮮と朝鮮総連の傘下にあり、補助金が確実に授業料に当てられる確証が得られなかったことから、支給対象から外された。しかし、一連の弁護士会長声明は、弁護士会として責任をもって、朝鮮総連と朝鮮学校の金の流れを調査し、補助金が確実に授業料に当てられるかどうかを確認したわけでもないのに、そのような朝鮮学校の問題を敢えて無視し、あたかも支給しない側が人種差別をしており問題であると、全世界に発信したのである。

弁護士会は、公共性が極めて強い強制加入団体であるから、このような政治的活動をすることは極めて問題であり容認できないと、多くの国民が考えていた。

(4)いわゆる大量懲戒請求運動

そこで本件ブログは、一連の外患罪告発と懲戒請求運動の中の一部として、初めは全国21の弁護士会の会長に対する懲戒請求を呼びかけた。しかし弁護士会による会長の処分が無いのはもちろん、会長声明についての何らの釈明、是正、撤回、謝罪も行われなかった。そこで次に弁護士会の役員や、影響力のある会員に対する懲戒請求が呼びかけられ、それでも効を奏さないので、最後は全弁護士に対する懲戒請求が呼びかけられた。

原告は、法律に則った方法で日本を取り戻すという本件ブログの理念に賛同し、市井の国民のボランティア活動として、一連の告発と懲戒請求に参加した。

告発状は検察庁へ、懲戒請求書は弁護士会に提出され、当該機関が法律に則って適切に処理する性質のものであり、捜査・調査の方法も、処分するしないの判断も、全面的に当該機関の裁量と権限によるものであった。

4 本件懲戒請求1

 原告は、平成29年初夏、本件ブログの呼びかけに賛同し、訴外佐々木を対象弁護士とする懲戒請求書に住所と氏名を記入し押印して(日付は空欄にして)、「日本再生大和会」に送った(甲7。以下「本件懲戒請求書1」という)。「日本再生大和会」がこれを、日付空欄のまま、東京弁護士会に送付したと聞いている(以下「本件懲戒請求1」という)。

 懲戒事由は「違法である朝鮮人学校補助金支給要求声明に賛同し、その活動を推進する行為は、日弁連のみならず当会でも積極的に行われている二重の確信的犯罪行為である。」というものである。

 東京弁護士会は、個人情報保護法や同会の個人情報保護方針(甲17)に違反して、原告の承諾なしに、原告の住所氏名が記載された本件懲戒請求書1を、マスキングもせずそのまま訴外佐々木に提供した。

5 本件懲戒請求2

 原告は、平成29年秋、本件ブログの呼びかけに賛同し、被告北を対象弁護士とする懲戒請求書に住所と氏名を記入し押印して(日付は空欄にして)、運動主催者に送った(甲11。以下「本件懲戒請求書2」という)。運動主催者がこれを、日付空欄のまま、東京弁護士会に送付したと聞いている(以下「本件懲戒請求2」という)。

懲戒事由は、訴外佐々木が同年9月20日に発信したツイート「本件は、“保守派”の弁護士の先生たちも、私への懲戒請求には“ひどい”とおっしゃって下さっておりますよ。」に対し、同年9月21日に被告北が「保守派といいますかささき先生とは政治的意見を全く異にする弁護士ですが、今回のささき先生に対する根拠のない懲戒請求は本当にひどいというか頭おかしいと思いますし、ささき先生に生じている損害の賠償は当然に認められるべきだと考えています。」とツイートしたことである。

 弁護士会の会員でありながら、問題のある弁護士会長声明に言及もせず「根拠のない懲戒請求」と決めつけ、「頭おかしい」と公然と侮辱し、しかも損害賠償の提訴をもって懲戒請求者らに脅威を与えるツイートであった。多くの懲戒請求者がこのツイートを脅迫であると感じ、原告もそのように感じた一人であった。

 東京弁護士会は、個人情報保護法や同会の個人情報保護方針(甲17)に違反して、原告の承諾なしに、原告の住所氏名が記載された本件懲戒請求書2を、マスキングもせずそのまま被告北に提供した。

6 本件懲戒請求3

原告は、平成29年秋、本件ブログの呼びかけに賛同し、被告嶋﨑を対象弁護士とする懲戒請求書(甲29の最後の1枚)に住所と氏名を記入し押印して(日付は空欄にして)送った。神奈川県弁護士会がこれを受理したのは同年11月頃のようである。(以下「本件懲戒請求3」という)。

懲戒事由は、訴外佐々木が平成29年9月19日、「事実無根で私のことを懲戒請求した人は、それ相応の責任をとってもらいますよ。当り前じゃないですか。大人なんですから。」とツイートしたのを受けて、被告嶋﨑が「何で懲戒請求されてるのか、ほんと謎です。酷い話だ。」とツイートしたことであった。 

懲戒請求の根本は、問題のある弁護士会長声明にあるにもかかわらず、「ほんと謎」「酷い話」と言って根本の問題を覆い隠すものであった。しかも「それ相応の責任」を追及すると宣言する訴外佐々木のツイートに同調して、懲戒請求者らに脅威を与えるツイートであった。

神奈川県弁護士会は、個人情報保護法や同会の個人情報保護基本方針(甲28)に違反して、原告の承諾なしに、原告の住所氏名が記載された本件懲戒請求書3を、マスキングもせずそのまま被告嶋﨑に提供した。

7 提訴予告と和解呼び掛けの記者会見、提訴、報道、予告通知

 平成29年9月2日、訴外佐々木はツイッター上に懲戒請求者らについて「落とし前はつけてもらうからね」(甲22)「とりあえずランダムに訴えてみようかな」(甲21)等とツイートした。それに対し被告嶋﨑が「良いですね。労働弁護士は、こんなお仕事が大好きな戦闘的な皆さまが多数。とりあえず何人か血祭りにあげてみましょう。」とツイートした(甲21)。

平成30年5月16日、訴外佐々木は被告北とともに記者会見を開き、要旨「訴外佐々木は延べ3000件、被告北は960件の不当な大量懲戒請求を受け、損害を被った。懲戒請求者を提訴する。謝罪と和解の申し入れがあれば応じる」旨を告知した。

同年5月19日、原告は訴外神原元、訴外宋惠燕、訴外姜文枝(いずれも懲戒請求された弁護士)から「通知書」を受け取った。内容は、合意するなら15万円支払え、和解しなければ提訴して250万円請求すると言うものであった。

同年10月29日、NHK「クローズアップ現代」が「なぜ起きた? 弁護士への大量懲戒請求」を放送した。内容は、懲戒請求を受けた弁護士と、自分が間違っていたと反省して和解した懲戒請求者のコメントが大きく取り上げられていた。

 被告北と訴外佐々木は同年11月を皮切りに順次、多数の懲戒請求者らに対し、各自33万円の損害賠償を求める訴訟を提起した。

 同年12月25日、被告らは訴外佐々木含め計5名で記者会見を開き、期日報告をするとともに、あらためて順次、全員を訴えてサンクションをする旨宣言した。被告嶋﨑は「和解すると名前が漏らされて、960人の中で攻撃されると恐れている人がいる。カルトそのものだ。私たち3人は誰が和解したという情報は出さない。秘匿します。それを和解の条件にしてあるので安心して下さい」「条件は真摯な謝罪をすること」と和解を呼び掛けた。

 同日、被告嶋﨑は「不当懲戒請求に対する提訴予告通知書 兼 提訴前和解のご提案」という文書(甲18)を原告に郵送し、原告は同月27日にこれを読んだ。内容は、原告を横浜地裁に提訴する、提訴されたくなければ「真摯な謝罪」「和解契約書の締結」「5万円の支払い」をするようにとのことであった。

 提訴や、認容判決が下されたことが、その後も逐次報道されるようになった。また訴外佐々木や被告嶋﨑らは、逐次、提訴や認容判決の状況をツイッターで発信した。

8 原告の焦燥と恐怖とうつ

 原告は、本件各懲戒請求は、弁護士個人への嫌がらせ目的などではなく、日本をよくするために、本来ならば国や社会のリーダーがすべきことを彼らがやらないから、市井の民間人が、自分には1文の得にもならないが、純粋に公益目的だけで行ったものであり、方法も、弁護士法所定の手続きに則ったものであるから、何ら不法などと言われる筋合いではないという確信があった。そのため、訴外佐々木その他の弁護士が提訴をすると知ってからは、提訴されたら受けて立つつもりであった。

原告は、いつ誰から訴状が届くかと緊張して毎日郵便受けをのぞきながら、答弁書の書き方をインターネットで調べるなど、一人で準備をした。

朝鮮学校の補助金要求声明の違法性について、自分なりに色々調べた。平成30年11月28日最高裁判決で大阪朝鮮学園の敗訴が確定し、大阪府市が補助金を支給しないことが是認された。それ以外にも、朝鮮学校側の敗訴の流れは定着していることを確認した。やはり、補助金不支給は人種差別でも民族差別でもなかったのだ。それなのに、それを差別だと声高に世界中に発信した弁護士会長声明は、やはり許し難いものであり、公的団体として許されるものではないと強く確信した。

とはいえ、本件ブログが補助金支給は憲法89条違反であると指摘していたことが頭にあり、最高裁その他の裁判例では憲法89条違反が理由とはなっていないことが気になった。これが気になりだすと、法律のプロでもない自分が、弁護士を相手に法廷論争するスキルは無いという不安が、どんどんふくらんでいった。

裁判で勝てれば良いが、本当に勝てるのか。運悪くその頃、本件ブログが強制的に閉鎖されており、裁判に勝つための情報が得られず、入ってくるのは訴外佐々木らのツイッターや、マスコミが懲戒請求者らをカルト扱いしてバッシングする報道ばかりであった。原告は、闘っても敗訴する可能性が高いと思うようになり、そうなれば、自分は地域社会で笑いものになったり、白い目で見られたりする、それだけならばまだしも、親類縁者にまで迷惑がかかってしまうと思った。それを思うと原告は、日に日に憂鬱になり、抑うつ状態になり、眠れない、食べられない、意欲が出ない、判断力が薄れる、家族との会話も途切れがちになるなど、これまで人生で全く経験したことのない「鬱」に襲われた。

 原告は、この状態では、新しい天皇陛下が即位され新しい時代が始まるのに、それに相応しい心持ちで新時代を迎えられないと思った。そこで平成が終わる前にかたをつけようと決め、耐え難きを耐え忍び難きを忍んで、訴外佐々木に和解を申し入れることを決意した。

第3 和解契約の締結

1 反省・謝罪を述べ、許しと和解を請う手紙

(1)被告北への手紙

 原告は、同年3月14日付の手紙を被告北に送った(甲23)。「真摯な謝罪」が和解の条件であると突き付けられていたので、真摯に、まずは冒頭にお詫びを書き、自身の過ちを書き、なぜ過ちを犯したかの原因分析を書き、それについての反省を書き、先方に与えた迷惑について言及し、あらためて謝罪を繰り返し、許しと和解を願い出る内容であった。記載した内容全文は下記のとおりである(原告の個人情報部分は伏せて記す)。

                 記

                         2019年3月14日

東京弁護士会所属 弁護士

北 周士 様

不当懲戒請求事件に関する謝罪の件

                         〒○○〇―〇〇〇〇

                        (原告住所)

                        (原告氏名)

                        (原告電話番号)

謹啓

お詫び

このたびの、私の知識不足と、軽率な懲戒請求書作成によって、北 周士弁護士様に対し不当な懲戒請求を行なったことで、精神的な苦痛と弁護士業務に多大な支障を与え、大変ご迷惑をおかけしてしまったことに対し、深く反省するとともに、心よりお詫びを申し上げます。(事案番号 平成30年東綱第〇〇〇号、その他)

入手した書類に軽率にサインをしたことを思い返すと、返す返すも痛恨の極みです。本当に申し訳ありません。

請求理由の「朝鮮学校への補助金支給と交付要件」や「朝鮮学校高校授業料無償化」に関し、それぞれ、最近の朝鮮学校への交付金の支出に関する最高裁等の判決事例、法の解釈など、自分としてできる限りの調査と再確認を行いました。その結果、補助金と無償化の交付要件などに法解釈に違いがあることを知り、今までの、憲法89条違反を根拠とする私の認識が、間違っていたことに気がつきました。

何を、今更と思われてもいたしかたなく、弁明の余地がございません。

結果として、弁護士の方々への懲戒請求が不当であったことに気がつき、自分に非があることが解りましたので、速やかに謝罪を行うべく、本、お詫びの手紙をお送りいたします。

なお、自分で調べた結果により、私として、もはや裁判で争う根拠がなくなりましたことをお知らせするとともに、北 周士弁護士様には、多大なご迷惑をおかけいたしましたことを重ねてお詫びいたします。

もし可能でしたら、和解のお許しのご検討と連絡をいただけましたら幸いです。

謹白

                                   以上

                                 (甲23)

(2)訴外佐々木への手紙

 原告は、同年3月14日付けの謝罪の手紙を、訴外佐々木にも送った(甲2)。内容は被告北への手紙(甲23)と同じである(宛名や事案番号以外)。

(3)被告嶋﨑への手紙

 原告は同日付の手紙を被告嶋﨑にも送った(甲24)。内容は、被告北や訴外佐々木への手紙と同趣旨であるが、被告嶋﨑が事前に通告書(甲18)を送ってきたことに触れ、「嶋﨑量弁護士様より2018年12月25日付けの和解の呼びかけがありましてから、この謝罪のお手紙を郵送するまでの間、2ヶ月半の時間が経っており、何を今更と思われても仕方がありません。」との文言が加わっている。

2 本件和解契約1

(1)本件和解契約1の締結

 同年3月19日、原告は、被告嶋﨑との間で和解契約を締結した(以下「本件和解契約1」という)。

 具体的には、原告からの手紙(甲24)を読んだ被告嶋﨑が、同年3月15日付けの手紙で、被告嶋﨑の押印済の和解契約書用紙2通を送ってきて、1通の返送と調印から一週間以内の送金をするよう指示し、「和解内容について、条件交渉をするつもりはありません。」と言ってきた(甲25)。

 そこで原告は同用紙に記名押印し、日付を2019年3月19日と記入して返送した(以下「本件和解契約書1」という。甲26)。

 本件和解契約書1は、全文を被告嶋﨑が作成し不動文字で印字したもので、原告はただ日付と自分の住所と氏名を記入し押印するのみであった。

 本件和解契約書1の内容は、下記のとおりである。

                 記

             和解契約書

 弁護士嶋﨑量を甲、(原告の氏名)を乙として、甲と乙は、乙の甲に対する不当な懲戒請求に関する損害賠償請求事件(以下「本事件」という。)について、以下の内容で和解した。

第1条 乙は、乙が神奈川県弁護士会に対して行った甲の懲戒を求める旨の懲戒請求(以下、「本件懲戒請求」という。)が何ら理由のなく違法であったことを認め、真摯に謝罪する。

第2条 乙は、甲に対し、本件懲戒請求によって甲に与えた精神的苦痛等の損害賠償として金5万円の支払義務を負うことを認める。

第3条 乙は、本契約締結後7日以内に、前条の金員を、下記口座に振込送金する方法で支払う。振込手数料は乙の負担とする。

               記

    みずほ銀行横浜支店(支店番号357)

普通預金  口座番号 2759805

    口座名義 「預り口(アズカリグチ)預り口(アズカリグチ) 弁護士(ベンゴシ)弁護士(ベンゴシ) 嶋(シマ)嶋(シマ)﨑量(サキチカラ)﨑量(サキチカラ)」

第4条 乙が、前条に定める期限までに第2条記載の金員の支払いを怠ったときは、本和解契約はその効力を失う。

第5条 乙が、第3条に定める期限までに第2条に定める金員を支払ったときは、甲は、乙に対し、本件懲戒請求に関する損害賠償請求訴訟、刑事告訴等の乙の民事上、刑事上の責任を免除する。

第6条 乙は、甲が、本事件の経緯、本事件の内容、本和解に至る経緯及び本和解の内容について、第三者に公表することを承諾する。ただし、甲は、乙に対し、乙の氏名と住所については公表しないことを約する。

第7条 甲と乙は、甲と乙との間には、本和解契約書に定めるほか、本件懲戒請求事件に関し、他に何らの債権債務のないことを相互に確認する。

本和解契約の成立を証するために、本和解契約書を2通作成し、それぞれ記名捺印の上、甲乙1通ずつを保管するものとする。

                                  以上

(甲26)

(2)本件和解契約1の第2条所定の金員の支払い

原告は、同年3月19日すなわち本件和解契約書1の調印をした日に、本件和解契約書1の第2条記載の損害賠償金5万円を振り込んで支払った(甲27)。

 この支払いにより、本件和解契約書1の第4条に基づき、本件和解契約1は確定的に効力を有するに至った。

(3)本件和解契約1に基づく被告嶋﨑の債務

本件和解契約1が確定的に有効に成立したことにより、被告嶋﨑は原告に対し、本件和解契約1の第5条に基づき、本件懲戒請求3に関する損害賠償請求訴訟を提起してはならないという不作為義務を負った。

 あわせて被告嶋﨑は原告に対し、本件和解契約1の第6条但書きに基づき、原告の氏名と住所を公表しないという不作為義務を負った。

3 本件和解契約2

(1)契約の締結

 同年4月2日、原告は、訴外佐々木及び被告北との間で和解契約を締結した。

具体的にはまず、同年3月25日、訴外佐々木から、誰の押印も無い「和解契約書」2通が送られてきた。同封の「送付書」(同年3月22日付、甲3)には、“日付と署名押印をして2通とも返送して下さい”“押印のあるものを受領したら、訴外佐々木の印鑑を押して1通返送します”“返送用封筒に宛名を記入し切手を貼って送って下さい”という旨が書かれていた。そこで原告が同年3月27日付で署名押印し、「訴外佐々木から1通返送され次第、振り込む」旨を書いて、2通とも返送した。そうしたところ、同年4月2日に、訴外佐々木の押印がなされた「和解契約書」1通が原告に到達した。訴外佐々木の承諾の意思表示が到達した4月2日を契約の成立日と考える。(以下、この和解契約書を「本件和解契約書2」、それによる和解契約を「本件和解契約2」という)。

尚、訴外佐々木は訴外佐々木本人として、及び被告北の代理人として、本件和解契約書2に調印した。

 本件和解契約書2は、全文を訴外佐々木が作成し不動文字で印字したもので、原告はただ日付と自分の住所と氏名を記入し押印するのみであった。

 本件和解契約書2の内容は、下記のとおりである。

                 記

               和解契約書

 弁護士佐々木亮を甲、弁護士北周士を乙、(原告の氏名)を丙として、甲乙と丙は、丙の甲乙に対する不当な懲戒請求に対する損害賠償請求事件(以下「本事件」という。)について、以下の内容で和解した。

第1条 丙は、丙が東京弁護士会に対して行った甲及び乙の懲戒を求める旨の懲戒請求(以下、「本件懲戒請求」という。)が何ら理由のないものであったことを認める。

第2条 丙は、甲及び乙に対し、本件懲戒請求によって甲及び乙に発生した損害の賠償として各金5万円(合計金10万円)の支払い義務を負うことを認める。

第3条 丙は、本契約締結後7日以内に、前条の金員を、下記口座に振込送金する方法で支払う。振込手数料は丙の負担とする。

               記

    振込銀行 三菱UFJ銀行 虎ノ門中央支店 普通預金

    口座番号 0029660

    口座名義 弁護士 北 周士 預り金口

        (ベンゴシ キタカネヒト アズカリキングチ)

第3条 丙が、前条に定める期限までに第2条記載の金員の支払いを怠ったときは、本和解契約はその効力を失う。

第4条 丙が、第3条に定める期限までに第2条に定める金員を支払ったときは、甲及び乙は、丙に対し、本件懲戒請求に関する損害賠償請求訴訟、刑事告訴等の丙の民事・刑事上の責任を免除する。

第5条 丙は、甲及び乙が、本事件の経緯、本事件の内容、本和解に至る経緯及び本和解の内容について、第三者に公表することを承諾する。ただし、甲及び乙は、丙に対し、丙の氏名と住所については公表しないことを約する。

第6条 甲乙と丙は、甲乙と丙との間には、本和解契約書に定めるほか、本件懲戒請求事件に関し、他に何らの債権債務のないことを相互に確認する。

本和解契約の成立を証するために、本和解契約書を2通作成し、それぞれ記名捺印の上、甲丙1通ずつを保管するものとする。

                              (以上。甲1)

(尚、第3条が2回出て来るが、原文のままである。)

(2)本件和解契約の第2条所定の金員の支払い

 原告は、同年4月2日に本件和解契約書2を受領し、同年4月6日に、本件和解契約書第2条記載の損害賠償金10万円(被告北に対し5万円、訴外佐々木に対し5万円の合計)を、本件和解契約書2の第3条記載の口座に振り込んで支払った(甲4)。

 この支払いにより、本件和解契約書2の第3条(2回目の)に基づき、本件和解契約2は確定的に効力を有するに至った。

(3)本件和解契約2に基づく被告北と訴外佐々木の債務

 本件和解契約2が確定的に有効に成立したことにより、被告北と訴外佐々木は原告に対し、本件和解契約2の第4条に基づき、本件懲戒請求1及び2に関する損害賠償請求訴訟を提起してはならないという不作為義務を負った。

 あわせて被告北及び訴外佐々木は原告に対し、本件和解契約2の第5条但書きに基づき、原告の氏名と住所を公表しないという不作為義務を負った。

第4 提訴と住所氏名の公表

1 訴外佐々木の提訴

(1)訴外佐々木の提訴

 訴外佐々木は、同年(令和元年)6月19日付け訴状(甲5)を、その頃、東京地方裁判所に提出し、原告に対し、本件懲戒請求1を請求原因として、金33万円の損害賠償金及びこれに対する平成29年12月31日から支払い済まで年5分の割合による遅延利息の支払いを請求する訴訟を提起した(令和元年(ワ)第○○○○○号損害賠償請求事件。以下「別件東京訴訟」という)。

(2)被告北の受任と提訴

 被告北は、訴外佐々木から別件東京訴訟の提訴の委任を受け、その訴訟代理人として別件東京訴訟を提起した(甲5)。

(3)被告嶋﨑の受任と提訴

 被告嶋﨑は、訴外佐々木から別件東京訴訟の提訴の委任を受け、その訴訟代理人として別件東京訴訟を提起した(甲5)。

2 被告北の提訴

(1)被告北の提訴

 被告北は、同年(令和元年)6月19日付け訴状(甲5)を、その頃、東京地方裁判所に提出し、原告に対し、本件懲戒請求2を請求原因として、金33万円の損害賠償金及びこれに対する平成29年12月31日から支払い済まで年5分の割合による遅延利息の支払いを請求する訴訟を提起した(令和元年(ワ)第○○○○○号損害賠償請求事件。すなわち別件東京訴訟である)。つまり別件東京訴訟は、訴外佐々木と被告北が共同原告となって各々別の請求をしている共同訴訟である。

(2)被告嶋﨑の受任と提訴

 被告嶋﨑は、被告北から別件東京訴訟の提訴の委任を受け、その訴訟代理人として別件東京訴訟を提起した(甲5)。

 尚、別件東京訴訟には、当事者である訴外佐々木及び被告北(互いに訴訟代理)、訴訟代理人の被告嶋﨑の外に、5人もの弁護士がついていた(甲5)。

3 住所氏名ほかの個人情報の公表

(1)訴状

 別件東京訴訟の訴状には、原告が本件懲戒請求1と2を行なった事実、原告の郵便番号、住所、氏名が記載されている(甲5)。

(2)甲号証

 被告らは、別件東京訴訟の提起と同時に、原告作成の本件懲戒請求書1(写し)を「甲3号証の23」として証拠提出した(甲7)。「甲3号証の23」には、原告が自筆した原告の住所、氏名が記載され、原告の苗字の印鑑の印影がある(甲7)。被告らは、この「甲3号証の23」を提出するにあたり、他の対象弁護士の氏名、法律事務所名、法律事務所の所在地は全て黒塗りした。しかし、原告の住所、氏名、印影は黒塗りせずにそのまま提出した(甲7)。

 被告らは、別件東京訴訟の提起と同時に、原告作成の本件懲戒請求書2(写し)を「甲4号証の23」として証拠提出した(甲11)。「甲4号証の23」にも、原告が自筆した原告の住所、氏名が記載され、原告の苗字の印鑑の印影がある(甲11)。

(3)訴訟記録への編綴と公開

 別件東京訴訟は民事第50部合は係に係属し、同係の担当書記官は、同年7月8日付の「第1回口頭弁論期日呼出状及び答弁書催告状」(甲6)を作成し、同日これを原告に特別送達で発送した(甲8、9)。したがって、遅くとも同年7月8日には、東京地方裁判所において、別件東京訴訟に事件番号が付され、訴訟記録が作成され、訴状(甲5)及び本件懲戒請求書1(甲7)と本件懲戒請求書2(甲11)が編綴され、何人でも閲覧できる状態におかれた。

すなわち、原告が本件懲戒請求1と2を行った事実、原告の住所、氏名、苗字の印影が公表された。

(4)59名の共同被告らへの公表

 別件東京訴訟で提訴された者(別件東京訴訟の被告)は、原告を含め60名で、北海道から九州まで散らばる(甲5)。

 原告は、別件東京訴訟の訴状(甲5)を同年7月9日に受領した(甲8、9)。したがって、原告が本件懲戒請求1と2を行なった事実と、原告の住所、氏名、原告の苗字の印影、原告の筆跡は、誰かが訴訟記録を閲覧せずとも、その頃、全国に散らばる59名かこれに近い多数人に公開された。

第5 提訴と公表の法的評価

1 債務不履行

  被告北が、自ら当事者本人となって別件東京訴訟を提起したことは、本件和解契約2の第4条と第5条に基づく債務につき、債務不履行を犯したものである。

2 不法行為

(1)最高裁判決の規範

 別件東京訴訟は言うまでもなく不当訴訟である。訴訟の提起が不法行為を構成する場合につき、最高裁昭和63年1月26日判決は次のように判示する。

「法的紛争の当事者が当該紛争の終局的解決を裁判所に求めうることは、法治国家の根幹にかかわる重要な事柄であるから、裁判を受ける権利は最大限尊重されなければならず、不法行為の成否を判断するにあたっては、いやしくも裁判制度の利用を不当に制限する結果とならないよう慎重な配慮が必要とされることは当然のことである。したがつて、法的紛争の解決を求めて訴えを提起することは、原則として正当な行為であり、提訴者が敗訴の確定判決を受けたことのみによって、直ちに当該訴えの提起をもつて違法ということはできないというべきである。一方、訴えを提起された者にとつては、応訴を強いられ、そのために、弁護士に訴訟追行を委任しその費用を支払うなど、経済的、精神的負担を余儀なくされるのであるから、応訴者に不当な負担を強いる結果を招くような訴えの提起は、違法とされることのあるのもやむをえないところである。以上の観点からすると、民事訴訟を提起した者が敗訴の確定判決を受けた場合において、右訴えの提起が相手方に対する違法な行為といえるのは、当該訴訟において提訴者の主張した権利又は法律関係(以下「権利等」という。)が事実的、法律的根拠を欠くものであるうえ、提訴者が、そのことを知りながら又は通常人であれば容易にそのことを知りえたといえるのにあえて訴えを提起したなど、訴えの提起が裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くと認められるときに限られるものと解するのが相当である。」

(2)提訴の当事者としての不法行為

 本件で被告北は、原告と本件和解契約2を締結し、同契約書所定の金員を原告から受領し、これによりもはや原告に対し訴訟を提起することはないこと、原告の住所氏名を公表しないことを約束したにもかかわらず、別件東京訴訟を提起したのであるから、上記最高裁の基準に照らしても、被告北が主張した権利等が事実的、法律的根拠を欠くことは明らかであり、被告北がそのことを知っていたことも明らかである。

したがって、別件東京訴訟は違法であり、原告に対する不法行為を構成する。

(3)訴訟代理人としての不法行為

不法行為は、別件東京訴訟の訴訟代理人として提訴したことについても成立するものである。

なぜなら、弁護士が委任を受けて別件東京訴訟を提起する以上、最も基本的な事実として、提訴する相手方が訴外佐々木と被告北を懲戒請求をした人間であること、及び、未だ訴外佐々木と被告北と和解していないこと、の2点を確認する義務があるからである。訴訟代理人としては、提訴する相手方との間に契約関係は無いが、提訴により相手方は応訴の負担を強いられるのであるから、相手方との間においても、上記2点を確認する義務を負う。これは、別件東京訴訟の提起に当たり、訴訟代理人が原告に対して不法行為法上負う義務(原告の損害の予見義務、回避義務)である。被告らはこれら義務に違反したのであるから、不法行為が成立する。

(4)訴訟物(不法行為)の個数

 本件懲戒請求1と本件懲戒請求2は、対象弁護士を異にし、その結果、原告は訴外佐々木との和解と、被告北との和解をし、訴外佐々木への和解金の支払いと、被告北への和解金を支払った。

 別件東京訴訟は、訴外佐々木と被告北の2人が当事者の共同訴訟であり、訴訟物も2個である。

 したがって、別件東京訴訟の提起による不法行為の個数は、2つである。

第6 住所氏名の公表後の措置の懈怠

(1)被告北の措置の懈怠と法的責任

ア 被告北は、訴訟代理人である訴外佐々木を通じて、同年7月30日、別件東京訴訟のうち原告に対する訴えを取り下げる「訴え取下げ書」を東京地裁民事第50部に提出した(甲10)。別件東京訴訟は第1回口頭弁論期日が同年8月28日であり(甲6)、取下げはその前であったので、原告の同意を要せずして、訴えは取り下げられた。

イ 被告北は、本件和解契約2の第5条で、原告の住所氏名を公表しないことを約束したにもかかわらず、別件東京訴訟の提起によってこれらを公表したのであるから、本来であれば別件東京訴訟の提起と同時に、どんなに遅くとも取下げと同時に、民事訴訟法92条に基づき、自ら事件記録閲覧等制限の申立てを行い、又は原告に当該手続きのあることを教示して、原告の住所氏名が第三者に公開されないようにする義務を負っていた。

ウ 被告北はあわせて、原告の住所氏名が記載されている訴状と「甲4号証の23」の送達を受けた共同被告59名に連絡し、訴状記載の原告の住所氏名の抹消と、「甲4号証の23」の裁断廃棄を依頼し、その結果の確認をする義務を負っていた。

エ これらの閲覧等制限申立て義務や、抹消・廃棄依頼義務は、本件和解契約書に直接記載されてはいないが、公表しないという不作為義務に違反して公表するという先行行為の結果、条理上、当然に生じる作為義務である。

  たとえば、自動車事故を起こしてはならないが、万一事故を起こしてしまった時は、ただちに救護措置を取らなければならないのと同様である。自動車事故については道路交通法上の義務として規定されているが、そのような行政法規上の義務だけでなく、被害者に対する私法上の義務としても観念される。

  今日、個人情報保護への関心は高く、情報流出事件が起きれば、企業のトップが記者会見で頭を下げて謝罪し、原因究明や被害回復に努めることを表明することが一般である。したがって、先行行為に基づく作為義務を観念することは何ら難しいことではなく、ましてや被告北は弁護士であるから、容易に認識していたものである。

  しかし被告北は、被害を最小限に食い止める上記措置を何ら取らず、原告のセンシティブな個人情報を公開し続けた。

  この個人情報公表後の不作為も、本件和解契約2の違反であり、かつ、不法行為を構成する。

オ また被告北は、訴外佐々木の訴訟代理人としても、前記イの閲覧等制限申立義務(ないし原告への手続き教示義務)を負っていたのにこれに違反した。また、原告の住所氏名等が記載されている訴状と「甲4号証の23」の送達を受けた共同被告59名に連絡し、訴状記載の原告の住所氏名の抹消と、「甲4号証の23」の裁断廃棄を依頼し、その結果の確認をする義務を負っていたのに、これに違反した。

(2)被告嶋﨑の措置の懈怠と法的責任

 被告嶋﨑も同様に、取下げ後の個人情報保護措置を何ら行わず、原告の個人情報を公開し続けた。これは被告嶋﨑の不法行為である。なぜなら、訴訟代理人も別件東京訴訟の訴状に、提訴前に和解した懲戒請求者がいることを記載しており(甲5の20頁)、本件各和解契約2の内容を知悉していたからである。仮に本件各和解契約2の内容を知悉していなかったとしても、訴訟代理人として提訴してはならない人を提訴した以上、その後処理として、相手方のセンシティブ情報を含む個人情報の保護措置を取る条理上の義務が発生するからである。

したがって、被告嶋﨑にも不法行為が成立する。

第7 別件東京訴訟の提訴及び取下げ後の不処置による原告の損害

1 はじめに

 別件東京訴訟の提起、及び取下げ後の個人情報保護措置の不作為を、ここでは合わせて「別件東京訴訟の提起等」という。

 原告の精神的苦痛を償うのに必要な慰謝料の額は、被告北が当事者本人となって別件東京訴訟の提訴等をしたことについて少なくとも100万円、被告北が訴外佐々木の訴訟代理人として別件東京訴訟の提訴等をしたことについて少なくとも100万円、被告嶋﨑が被告北の訴訟代理人となって別件東京訴訟の提訴等をしたことについて少なくとも100万円、被告嶋﨑が訴外佐々木の訴訟代理人となって別件東京訴訟の提訴等をしたこと少なくとも100万円である。

これは、被告らと訴外佐々木が懲戒請求者1人1人に請求している慰謝料が30万円であることとその内容との比較からも、少なすぎるくらいの額である。以下に詳述する。

2 被侵害利益―センシティブ情報を含むプライバシー

本件は、いわゆる大量懲戒請求に端を発する事案であるところ、いわゆる大量懲戒請求は、憲法で保障された投票の秘密と軌を一にする、政治的見解・信条に基づく活動であり、このような活動を行ったという事実は、個人情報保護法2条3項に「取扱いに特に配慮を要する」とされる、要保護性の高いプライバシー(いわゆるセンシティブ情報)である。

 原告は、職業上の人間関係、近隣との人間関係、趣味や余暇活動の人間関係など、多様な局面で人間関係を取り結び社会生活を営んでいるところ、それは政治的見解・信条とそれに基づく活動について、誰に打ち明け、誰に秘匿するかを自ら選ぶことで、初めて円滑に実現されるものである。

 したがって、政治的見解・信条とそれに基づく活動についての個人情報の権利は、憲法13条の人権(幸福追求権)から導かれる人格権の内容をなすものであり、保護法益をなすものである。

 原告は被告らの別件東京訴訟の提起等により、プライバシーを侵害されるという損害を被った。

3 精神的苦痛

(1)訴状を受け取った時の精神的苦痛

 別件東京訴訟の訴状の特別送達を受けた時の、原告の驚愕と精神的ショックは言葉で語り尽くせるものではない。裁判所から書留が届いたので、懲戒請求した多くの弁護士のうちの誰かが、ついに提訴してきたのかと落胆しつつ、開封したところ、提訴した者は訴外佐々木と被告北、その代理人が被告嶋﨑であったので、原告は目を疑った。

 原告は訳がわからなくなり狼狽と困惑と混乱に陥れられた。

原告は、確かに和解したはずだったが、ひょっとしてあれはうつ状態の最中に見た幻覚だったのかと、自分自身を疑った。原告は、本件各和解契約書を引っ張り出してきて、存在と内容を確認した。

 原告は、ひょっとして和解金を支払ったつもりが支払えていなかったのではないかと不安になり、送金記録を確認した。確かに訴外佐々木に5万円(被告北と合わせて計10万円)、被告嶋﨑に5万円支払っていた。

原告は、ひょっとして訴外佐々木に対しては複数の懲戒請求書を書いていたから、和解したのはそのうち1枚だけで、残る部分については和解の効力が及ばないのかと疑問に思った。そこで本件和解契約書2をもう一度見直した。しかし、懲戒請求について、どの懲戒請求とは書かれておらず包括的な記載であった。また、1枚しか懲戒請求書を書いていない被告北も、別件東京訴訟を提起してきたことから、この疑いは当てはまらないことがわかった。

原告は、ひょっとして和解契約は、被告らの一連の提訴に乗じた、知能犯による振り込め詐欺で、和解金を騙し取られたのではないかと思った。しかしよく考えれば、和解をお願いする手紙を送ったのは原告からであり、公開されている訴外佐々木の事務所と被告嶋﨑の事務所に送付したので、その可能性はなさそうであった。また、本件和解契約書2に押されている訴外佐々木の押印と、別件東京訴訟の訴状に押されている訴外佐々木の押印は同じであった。

原告は、ひょっとしてこの提訴は被告らのミス、手違いかと思った。しかしよく考えればそれは絶対にあり得ないことがわかった。(理由は後述する)。

原告は、訴状や書証を眺め続けた。訴状には「(懲戒請求者ら)は(対象弁護士ら)の呼びかけに対しても和解に応じなかったことから、やむなく訴訟の提起に至った」と書いてある(甲5の20頁)。これは要するに、原告に対し、和解金各5万円では足りないから2度目の和解金を要求しているものであると感じ、被告らはカネ、カネ、カネの「法匪」であり断じて許せないと感じた。

しかも訴状や訴外佐々木の陳述書には、朝鮮学校への補助金不支給は人種差別だと全世界にアピールした会長声明について、(人種差別でないと最高裁でも認められているのに)、自らが選挙で選んだ弁護士会長の声明であるにもかかわらず、(原告ら一般市民には選挙権が無い)、「補助金云々の声明出ていたの?という程度の認識でした」と書いてあった(甲12の1頁)。そのように弁護士会の会員が会長権限の濫用を許し、政治的に偏向した会長声明を黙認していることが、正に賛同、推進していることではないか。つまり、本件各懲戒請求は、間違っていなかったのである。それにも関わらず、提訴するとの脅しに屈して、耐え難きを耐え忍び難きを忍んで、謝罪し和解金を振り込んだのに、その結果がこの提訴である。原告は煮えくり返る思いをさせられ、この「法匪」を許していては他にも被害者犠牲者が続出すると思い、再び闘うことを決意するに至った。

(2)別件東京訴訟の提起がミスではないこと(被告らの違法性の強さ、原告の慰謝料増額事由)

別件東京訴訟がミスであることはあり得ない。故意、悪意である。その理由は以下のとおりである。

ア 8人のプロの弁護士が同時に基本的ミスを犯すか

被告北と訴外佐々木は弁護士であり、単なる誤字脱字ならともかく、訴える相手を間違えるというミスは考えられない。しかも、被告北と訴外佐々木だけでなく、被告嶋﨑も弁護士であり、弁護士3人がそろいもそろってそのような重大なミスをするとは考えられない。さらに、他に5人いる訴訟代理人は、「本件訴訟に対応するために最適と思われる先生方」(甲13の5頁)とのことであり、弁護士費用をもらって有料で引き受けているのであるから(別件東京訴訟で弁護士費用を請求している)、そのように受任した弁護士が、5人もそろって同じミスをする確率の低さは、天文学的レベルで、あり得ないであろう。

イ チェックする機会と手段の豊富さ

  一度のチェックミスということならあり得るかも知れない。しかし、原告は、訴外佐々木に謝罪の手紙を送り、和解契約書2を送り、和解金を支払っている。謝罪の手紙(甲2)は、通り一遍の没個性なものではなく、原告が自分の頭で考えた原告の個性があふれる長文の手紙である。その印象に残る手紙を、訴外佐々木のみならず、被告北にも(甲23)、被告嶋﨑(甲24)にも、別々に送っている。和解契約書は訴外佐々木と被告北の分が1通、被告嶋﨑の分が1通ある。すなわち、謝罪の手紙計3通のチェック、和解契約書計2通のチェック、入金記録計2回のチェック、これだけで、7回ものチェックの機会と手段があったはずで、その全てで、8人のプロの弁護士が同時にうっかりミスをするということは考えられない。

ウ 1人1人の懲戒請求者が交通事故以上の被害の加害者

あるいは、「大量」懲戒請求事件であり、訴外佐々木に3000通、被告北に960通懲戒請求書が送られたというから、一人一人の懲戒請求者は没個性、いわば「その他大勢」の一人に過ぎず、いちいち記憶に残らないから、それがミスを呼んだと考えられるかも知れない。

しかし、この可能性は、他でもない被告ら自身が強く否定している。

被告らも訴外佐々木も、960通とか3000通とかの懲戒請求の全体によって損害を受けたのではなく、あくまで一人一人の懲戒請求者によって傷付いたとして、1人につき33万円を請求している。訴外佐々木は「私自身も、一つ一つの懲戒請求によって、傷ついています。」と述べている(甲12の5頁)。被告北も「私としても、一つ一つの懲戒請求によって、傷ついています。」と述べている(甲13の4頁)。被告嶋﨑も「私としても、一つ一つの懲戒請求によって、人格を傷つけられています」と述べている(甲31の15頁)。

33万円と言えば、サラリーマンの1ヶ月分の月給である。交通事故で1ヶ月通院した場合の慰謝料より高い。1ヶ月通院と言えば、日々ケガの痛みに耐え、仕事を休んで病院に行き、同僚や家族に迷惑をかけ、患部を風呂に入れられず、好きなスポーツも出来ない等、あらゆる苦痛と不便を忍ぶ毎日である。当然被害者は、そのような苦痛を強いた加害者の名前を忘れることは無い。原告代理人は交通事故を多数受任してきたが、加害者の名前を忘れている依頼者に会ったことが無い。被告北と訴外佐々木は、交通事故で通院1ヶ月した場合以上の苦痛を、原告1人によって味わわされたというのであるから、原告の名前を忘れるはずがない。その恨めしい加害者である原告が、自分の頭で考えた個性あふれる長文の謝罪文を送ってきて、円満に示談が成立したのであるから、ますます、忘れるはずがない。そうであるから、原告をミスで提訴することはあり得ない。

エ ミスの後の措置をしていないこと

別件東京訴訟の提起がミスでないことの最も確たる証拠(間接事実)は、被告北と訴外佐々木が別件東京訴訟を取り下げた後も、被告らが公開した原告の住所氏名を、非公開の状態に戻す手続きを何ら取らなかったことである。

  もし別件東京訴訟の提起がミスによるもので、ミスに気付いてあわてて取り下げたのだと仮定すれば、当然、あわてて事件記録閲覧等制限の申立てをして、第三者が原告の住所氏名を見られないようにしたはずである。特に被告北と訴外佐々木は、原告の住所氏名を公表しないと約束したのであるから、尚更である。

  法律のしろうとの一般人でも、個人情報をファックスやメールで誤送信してしまった場合、ミスに気付いたら慌てて相手に「廃棄して下さい」と依頼する。個人情報流出のミスを犯せば、ミスに気付き次第、流出した個人情報の回収、流出の拡大防止の措置を取るのは、ほぼ反射的に行われている初歩的、常識的なことである。

  ましてや被告らは弁護士であり、職業上、プライバシー保護の重い責務を負っているのであるから、尚更である。

弁護士であるから当然、事件記録閲覧等制限の申立ての手続きは知っているし、万一不勉強で知らなかったとしても、裁判所に問い合わせれば教えてもらえる。それをしなかったということは、ミスではなく初めから故意にやったとしか考えられない。

オ 8人のプロの弁護士が同時にミス後の措置を怠るか

取下げ後も原告の住所氏名を公開し続けたのが、仮に1人の弁護士であったならば、たまたま例外的に、個人情報保護の意識の無い悪質・不良・不勉強・怠慢な弁護士であったと考える余地がないではない。しかし1人ではなく、8人の弁護士が、誰一人、原告の住所氏名の秘匿措置を取らなかったのである。1人ではなく2人でも3人でもなく、8人である。これは、ミスでは絶対にあり得ないことである。

カ 「お詫び」と題する紙による愚弄

 別件東京訴訟の提訴がミスではない証拠(間接証拠)として、「お詫び」と題する紙がある。

 同年7月31日付の「お詫び」と題する紙が、別件東京訴訟の取り下げ書の写しとともに、原告に郵送されてきた。全文は以下のとおりである。(個人情報は伏せる)。

お詫び

〒(原告の郵便番号)

(原告の住所)

(原告の氏名)様

 この度は当方のミスにより、既に和解済みの貴殿を、不当懲戒請求に対する損害賠償請求事件における被告に選定してしまいました。

 大変ご迷惑をおかけいたしました。本書面にて謹んでお詫び申し上げます。

 なお、貴殿に対する訴えは速やかに取り下げましたので、今後のご対応は必要ありません。

                           令和元年7月31日

                               佐々木 亮

                               北  周士

(以上。甲19)

記名は「佐々木亮」「北周士」とあるが、押印もなく、署名もない。本当にミスであったなら、当然「真摯な謝罪」をするはずで、署名か押印くらいするはずである。

内容も、タイトルこそ「お詫び」であるが、真摯な謝罪であれば必ず盛り込まれるはずの、ミスの経緯の説明、原因の分析、再発防止策などが、全く記載されていない。被告北は文章を書くことを仕事にしているプロであるのに、本文の文字数はわずか135文字である。原告はしろうとであるが、一生懸命考えて、本文625文字の謝罪文(甲2)を送ったのに、である。この差は歴然であり、被告北が真摯な謝罪をしていないことは明らかである。

訴外佐々木自身、懲戒請求者についてツイッターで「それ相応の責任を取ってもらいますよ。当たり前じゃないですか。大人なんですから。」「謝罪は受け入れますが、大人のしたことなので、一定の償いはしてもらいます」とツイートし、被告北も「全く何の責任も取らないで許すと言う事はありません」「単に懲戒請求を取り下げると言うだけのご連絡では和解をすることはできません」とツイートしているのである(甲22)。ましてや、自ら契約した和解契約を破ったのであるから、それがミスであるなら、当然、「それ相応の責任」を取って、受け取った和解金の全額返金の申し出と、慰謝料支払いの申し出をして、許しを請うはずである。ところが、そのようなことは何も書かれていないのである。

したがって、ミスではなく原告に対する嫌がらせ(被告らのツイートに言う「落とし前」「血祭り」)でやったということである。この紙自体が、原告に対する愚弄である。

キ 「お詫び」と題する紙による欺罔

「お詫び」と題する紙(甲19)は、さらに悪質なことに、「今後のご対応は必要ありません。」と真っ赤な嘘を書いて原告を欺罔している。

前述のとおり、被告らはその垂れ流した原告の個人情報を、秘匿する措置を一切取らず、垂れ流しするままに任せていた。人が好い原告は「ご対応は必要ありません」とあるのを鵜呑みにしてしまい、何の対応もしなかった(そもそも閲覧制限ができることを知らなかった)。

本件提訴を受任した原告代理人(当職)も、うっかりこれを鵜呑みにして、当然被告らが閲覧等制限申立てをしていると思い込み、受任後も「ご対応」をしなかった。本件提訴直前の9月30日に、損害の主張のため、どのくらいの期間原告の個人情報が公開されていたかを書記官に問い合わせ、閲覧等制限などされてないと聞き、あわてて自ら「ご対応」した次第である(甲20)。

このように「ご対応は必要ありません」と虚偽まで書いて、原告の個人情報を保護する措置を取らせず、原告の住所氏名を晒し続けた紙の存在こそが、別件提訴がミスではなく嫌がらせであったことの何よりの証拠である。

ク 一連の別件横浜訴訟における暴露行為

 後述するが、被告嶋﨑が当事者本人となり、被告北と訴外佐々木含め計9人の弁護士が訴訟代理人となって横浜地裁に提訴した6件もの訴訟で、被告らは、原告が本件懲戒請求3をした事実、原告の住所、氏名を暴露して公開した(甲30ないし37)。このことも、一連の提訴における訴訟行為がミスではない証拠である。

ケ 小結

 以上のように、別件提訴がミスということは考えられない。懲戒請求者らに対する「落とし前」「血祭り」(甲21、22)として、故意以上の悪意をもって行われたものであり、その違法性は非常に強い。

 したがって、これによる原告の精神的苦痛も極めて大きい。

(3)応訴の負担

 被告らは、懲戒請求のせいで弁明の負担という被害を被ったという主張立証活動を展開し(甲5、12、13)、既に何件も一人33万円の認容判決を得ているようである。

 弁明の負担は、懲戒請求よりも不当提訴の方がはるかに大きい。

 本件各懲戒請求は、多数人の請求にかかるものであっても、懲戒請求書は同一のひな型によるものであるから、懲戒事由は一つである。したがって、一人一人の懲戒請求書に対して個別に弁明書を提出する必要はなく、その一つの懲戒事由について1回弁明すれば足りる(場合により、弁明が全く不要なこともあろう)。

 懲戒請求制度は、個々の懲戒請求者の損害の救済を図る制度ではなく、弁護士会が職権で行う調査の端緒に過ぎないものであるから、個々の懲戒請求者に対し個別に弁明をしなかったからと言って、“欠席判決”のように不利益な結果になるわけではない。

 一方、民事訴訟は当事者主義が貫く手続きであり、請求原因が共通でも、当事者が異なれば全く別の事件である。他の共同被告がいくら防御活動をしても、自ら防御活動を何も行わない当事者は、争わないとみなされて、欠席判決が下される。したがって、ひとたび提訴されれば、平日の昼間に、自ら裁判所に出頭するか、または代理人弁護士を有償で雇うか、または無償で戦ってくれる選定当事者を探さなければならない。それも第一回口頭弁論期日までの短い期間にその準備をしなければならない。実際、原告は、第一回期日までに誰か代わりに出頭してくれる人を頼む段取りや、訴状に対してどのように反論するか考え研究するなど、その準備に追われ、取下げ通知が来るまで、毎日そのことにかかりきりであったと言っても過言ではない。原告は弁護士ではなく、応訴の負担は極めて大きい。

 したがって、原告が負わされた応訴の負担は、被告らの弁明の負担よりはるかに重い。

(4)社会的名誉や信用を害するおそれ

 被告らは、「懲戒請求の申立ては、対象弁護士の社会的名誉や信用を害するおそれのあるものである」と主張立証活動をしている(甲5の13頁、甲12の3頁、甲13の3頁、甲29の6頁~7頁、12頁~14頁)。

 しかし、東京弁護士会の綱紀委員会の会規によれば、綱紀委員会の委員と担当職員には守秘義務が課せられている(第35条。甲14)。また調査も会議も非公開であり、記録も非公開である(第8条、36条)。したがって、原告が懲戒請求をしたというだけで、被告北と訴外佐々木の社会的名誉や信用を害するおそれはない。実際、原告代理人が受任している別の訴訟で、東京弁護士会に対し、被告北と訴外佐々木にかかる懲戒請求手続きの中身について調査嘱託申立てをし、裁判所が調査嘱託をしたが、東京弁護士会からの回答は、「個別事案については綱紀委員会会規8条及び36条2項により回答できない」というもので、守秘義務は固く守られていた(甲15)。神奈川県弁護士会についても、当然、手続き上守秘義務が課せられているはずである。

 一方、民事訴訟は、公開の法廷で裁判を受ける権利が憲法で保障されているため、手続きは公開され、不特定多数が傍聴できる。のみならず訴訟記録を何人でも閲覧することができる(民事訴訟法91条1項)。このため、提訴されれば直ちに、訴えられた側の社会的名誉や信用が害される。特に、提訴して訴状が一般に公開されてから、答弁書や反論書が出されるまでの間は、一方的に提訴者の言い分だけが裁判所で公開され続けることになる。

 したがって、申し立てられただけで社会的名誉や信用が害されるというのであれば、懲戒請求より民事訴訟の方がはるかにその害が大きい。

 実際本件でも、別件東京訴訟の記録を第三者が閲覧していた(証拠は追って提出する)。

訴訟記録では、原告を実名で名指しして、「被告」とあたかも刑事被告人のような呼称で呼んでいる。多くの一般人は民事の被告と刑事の被告の区別を知らない。「被告」というだけで罪人と思われるのが実情である。さらに、「不法行為」「不当」「違法」「数の暴力」「懲戒制度を悪用した業務妨害」「頭おかしい」「荒唐無稽で無根拠」など、ありとあらゆる非難罵倒が記載された訴状(甲5)や陳述書(甲12、13)が、全く知らない第三者に閲覧されていた。

 したがって、社会的名誉や信用が害される被害は、被告北と訴外佐々木より原告の方がはるかに大きい。

(5)プライバシーや家族の安全

 被告らと訴外佐々木は、大量懲戒請求の被害として、家族にも害が及ぶのではないかという恐怖心を訴えている(甲12の5頁、甲13の4頁、甲29の8~9頁)。

 しかし、原告は被告らと訴外佐々木の家族など全く知らないし、本件各懲戒請求書にも、被告らと訴外佐々木の家族も自宅も一切書かれていない。書かれているのは被告らと訴外佐々木の事務所で、それは被告らと訴外佐々木がもともと公開しているものである。

 一方、被告らは、原告の住所と氏名と筆跡と印影を不特定多数人に公開した。住所とはすなわち自宅の住所である。原告は自宅を不特定多数に公開したことなどない。自宅を知られる恐怖の方が、事務所を知られる恐怖よりはるかに大きいのは論を待たない。

 現に別件東京訴訟の提訴後、原告の自宅に、全然知らない人から、弁護士委任の勧誘の手紙が送られてきた。その不気味さは言葉で言えないほどである。その差出人が、原告のプライバシーをさらに他人に流出させる恐れも大きい。

 一連の懲戒請求にかかる損害賠償請求訴訟は、これに関心を持つ人々が傍聴することが多く、中には毎回傍聴したり記録を閲覧したりして、その得た情報をインターネットに流している人もいる。本件ブログのブログ主を非難する立場の人物が、そのようなウェブサイトを開いており、そこでは、選定当事者は全員実名、選定者も氏名の一部、郵便番号、都道府県、生まれ年、靖国神社にいくら奉納したか等の極めてセンシティブなプライバシーを、赤裸々に掲載している(甲16)。

 したがって、プライバシーや家族の安全に対する不安、恐怖は、原告が受けたものの方がはるかに大きい。

(6)ファイル保管の場所と手間

 被告らは、大量懲戒請求の被害として、懲戒請求書のファイルが事務所のスペースを取るとか、ファイルの手間が負担であるなどと主張立証している(甲12の3頁、甲13の3頁)。

 しかし被告らは、個々の懲戒請求は別個の不法行為であり、共同不法行為ではなく、損害も懲戒請求者毎に別個だと主張立証している。それであるならば、原告が送った懲戒請求書は紙1枚である。訴外佐々木に対して複数回懲戒請求したかも知れないが、それでも2,3枚である。厚さにして1ミリにもならない。

これに対し、被告らが原告に送り付けた訴状、証拠説明書、甲号証写し、期日呼出し状、答弁書の書き方等の書類一式は、分厚い封筒であり、原告が送った懲戒請求書の何十倍もの厚さがある。

しかも、原告の懲戒請求書1と2が送られた先は、あくまでも東京弁護士会であって、被告北や訴外佐々木の事務所ではない。東京弁護士会が懲戒請求書を(懲戒請求者の住所氏名も記載されているのに)そのまま被告北と訴外佐々木に送り付けるなどということは、誰も夢にも思わなかった。そのような取り扱いは一切公表されておらず、懲戒請求者は誰も知らなかった。今日でも、東京弁護士会のウェブサイトを具さに見ても、懲戒請求の手続きについて何の説明も無いのであるから(甲17)、知らなかったことについて故意も過失も無い。

一方、被告らは民事訴訟を提起したのであるから、訴状、証拠説明書、甲号証写し、期日呼出し状、答弁書の書き方等の書類一式が、分厚い封筒に入れられて原告の自宅に送り付けられることは、百も承知であった。つまり、直接発送したのは裁判所かも知れないが、被告らが送り付けたのと同じである。

このように、ファイルの場所と手間に関して、原告が被告北と訴外佐々木に与えた被害は、1枚又は2,3枚の紙、厚さにして1ミリ以下、しかも原告の意思によらずして(東京弁護士会によって)被告北と訴外佐々木事務所に送られたものである。それで慰謝料各々30万円だというのである。一方、被告らはその何十倍もの厚さの書類を、故意に、原告の自宅に送り付けたのである。原告が被った損害の方がはるかに大きい。

第8 横浜地裁の別件○○○○乃至○○○○号事件での公表

1 横浜地裁への6件の提訴

ア 被告嶋﨑は、平成31年3月19日締結の本件和解契約1の後に、訴外片●●外9名を相手方とする損害賠償請求訴訟の提起を被告北、訴外佐々木、外7名の弁護士に委任し、横浜地裁に同年6月28日付け訴状(甲32の2)をもって提訴した(横浜地裁令和元年(ワ)第○○○○号損害賠償請求事件。以下「別件○○○○号事件」という)。別件○○○○号事件は同地裁第4民事部に係属し、担当書記官は同年7月4日付けの期日呼出状を作成しその頃特別送達した(甲32の1)。

  被告らは、別件○○○○号事件の「甲4号証の1」として、神奈川県弁護士会が被告嶋﨑に送付した「懲戒請求事案の調査開始のお知らせ」(甲30)を提出した。同文書には、本件懲戒請求3の懲戒請求書と懲戒請求者の住所氏名一覧リストが添付され、そこには原告の住所氏名も記載されていたが(通し番号222)、被告らはマスキングを施すこともせず、そのまま証拠提出し、もって、原告の住所氏名と原告が懲戒請求3を行った事実を公表した。

  すなわち、「甲4号証の1」(甲30)はどんなに遅くとも同年7月4日には担当書記官が、またその数日後には10名の訴外人が目にする状態に置かれ、またその頃横浜地裁で訴訟記録に編綴され、何人でも閲覧できる状態に置かれた。

 一方被告らは、同事件に提出した「甲4号証の2」(甲31)については、同じく懲戒請求者の住所氏名一覧リストが添付されているのにもかかわらず、敢えてリストを除外して証拠請求した(甲32の3)。すなわち、被告らは、個人情報保護の必要性を知っていたものであり、それにもかかわらず原告について、センシティブな個人情報を暴露したものである。

  以下同様に、被告嶋﨑は、被告北含め計9名の訴訟代理人に委任して、下記訴訟を提起し、各々下記期日呼出状の日付頃、全く同じ「甲4号証の1」(甲30)記載の原告のセンシティブな個人情報を公表した(以下「別件○○○○号事件」ないし「別件○○○○号事件」という)。

イ 横浜地裁令和元年(ワ)第○○○○号 (甲33)

  提訴の相手方 訴外堀●●外9名

  係属部 第5民事部

  期日呼出状の日付 7月23日

ウ 横浜地裁令和元年(ワ)第○○○○号 (甲34)

  提訴の相手方 訴外藤●●外9名

  係属部 第7民事部

  期日呼出状の日付 7月10日

エ 横浜地裁令和元年(ワ)第○○○○号  (甲35)

  提訴の相手方 訴外●藤●外9名

  係属部 第8民事部

  期日呼出状の日付 7月5日

オ 横浜地裁令和元年(ワ)第○○○○号 (甲36)

  提訴の相手方 訴外池●●外9名

  係属部 第9民事部

  期日呼出状の日付 7月8日

カ 横浜地裁令和元年(ワ)第○○○○号 (甲37)

  提訴の相手方 訴外江●●外9名

  係属部 第2民事部

  期日呼出状の日付 7月3日

2 別件○○○○ないし○○○○号事件での公表の法的評価

言うまでもなく、別件○○○○ないし○○○○号事件において、主張立証のため原告の懲戒請求の事実と住所氏名を公表する必要は皆無である。したがって、別件○○○○ないし○○○○号事件における原告の個人情報の公表は、被告嶋﨑にとって本件和解契約1に違反する債務不履行であるのはもとより、原告のプライバシーを侵害する不法行為でもある。

 被告北も、別件○○○○ないし○○○○号事件において、原告のプライバシー侵害の不法行為を犯したものである。これら6事件で「甲4号証の1」の原告の住所氏名をマスキングすることは極めて容易であるにもかかわらず、敢えてそれをしなかったのであり、その故意の不作為は、被告嶋﨑と被告北がそれぞれ別個に犯した不法行為である。

3 別件○○○○号ないし○○○○号事件での公表による原告の損害

 これら6事件は、全て異なる部に係属し、異なる裁判官と書記官が目にした(甲32ないし37の各枝番1)。また、これら6事件で訴えられた人は60人という多数人であり、北は北海道から南は九州まで全国各地に散らばっている(甲32ないし37の各枝番2)。そして、各々の事件につき、訴訟記録が何人にも閲覧され得る状態に置かれているのである。

 現に「せんたく」と呼ばれる人物がこれら6事件の訴訟記録を閲覧し、訴えられた人の実名や郵便番号や生まれた年や靖国奉納の有無をインターネットに掲載している。「せんたく」のように個人情報を簡単にネットに載せる人物の目に容易に触れると思うと、原告は胃が痛くなる思いである。

 被告嶋﨑自身も、提訴の報告をツイッターに上げている。被告嶋﨑や「せんたく」がネットでこれら6事件の存在を公開することで、さらに閲覧者が増える可能性がある。

 もはや、原告が本件和解契約1を締結した意味は皆無であり、原告の個人情報は現実に全国にばらまかれ、インターネットを契機に全世界の人に知られる恐れがあるのである。

 たとえ契約上の義務がなくても、訴訟上の必要性もないのに個人のセンシティブ情報を公表してよいはずがない。ましてや原告は、わざわざ本件和解契約1を締結し、言われるままに和解金5万円を支払ったのであるから、そのプライバシーの要保護性は一段と高く、それが侵害されたことによる精神的苦痛も一段と大きい。

 前記のとおり、被告嶋﨑と被告北の各不法行為は別個のものである。

 被告嶋﨑が1つの事件で原告の個人情報を公表することによる原告の慰謝料は最低でも50万円であり、全部で6件であるから、計300万円である。

 被告北についても1つの事件につき慰謝料は最低50万円であり、全部で6件あるから、計300万円である。

第9 被告らの不法行為の関係

 別件東京訴訟の提訴等、及び別件○○○○ないし○○○○号事件での公表は、被告北と被告嶋﨑が別個に犯した不法行為である。したがって、被告らの損害賠償債務は、不真正連帯債務ではなく、個別の債務である。

 この点、これらは被告らの共同不法行為であり、不真正連帯債務であると見る向きもあるかも知れない。

 しかし、被告らは、本件ブログの読者による、同一の雛形、同一の懲戒事由、一括して送付された懲戒請求を、共同不法行為ではなく別個独立の不法行為であるとして、各々の懲戒請求者に33万円ずつ請求し、それらの認容判決も出ている。提訴前に5万円、提訴後は10万円の和解金を受領し、すでに被告嶋﨑も被告北も各々200万円を超える和解金を手にしていると思われるが、それでも被告らは、共同不法行為(不真正連帯債務)ではないとして、和解しない全員を提訴し続けている。

 被告らが共同不法行為(不真正連帯債務)ではないと主張する論拠は、多数人による「殺到型」の不法行為では、加害者の数が増えるほど被害者の苦痛は増すのに比べ、仮に不真正連帯債務だとすると、加害者の人数が増えるほど各人の賠償債務は安くて済み、不合理だという点にある。

 被告らはまた、懲戒請求者がそれぞれ主体的に意思決定し、現実の行為として行ったことに着目している(甲32の2の23頁ケ)。

 すると、被告らの理は、本件の原告の被害にも当てはまるものである。別件東京訴訟は、弁護士という法律の専門家がしろうとを法廷にひきずり出すという、いわば格闘家がしろうとに喧嘩を売るような行為であり、原告は、8人の弁護士からそれをされたのである。言わば8人の弁護士から集団リンチにかけられたに等しく、「殺到型」不法行為というにふさわしい。8人の弁護士は、あるいは当事者として、あるいは訴訟代理の専門家として各々独立に委任を受け、訴訟を提起したのである。8人の弁護士の誰か一人でも、原告を提訴するのをやめようと言っていれば、原告は別件東京訴訟で訴えられることはなかった。したがって、原告の被害は、8人の弁護士一人一人の行為によって惹き起こされたものである。

 別件○○○○ないし○○○○号事件もしかりである。10人の弁護士が、あるいは当事者として、あるいは代理人弁護士として各々独立に委任を受け、訴訟活動をしたのである。「甲4号証の1」(甲30)は神奈川県弁護士会が作った懲戒請求者リストで、事案番号順に並んでおり、その全員が載っているのであるから、一見して、その中に既に和解契約を締結した者が多数含まれていることがわかるシロモノである。別件○○○○ないし○○○○号事件の10人の弁護士が、一人でも、これは訴訟に関係ない第三者のプライバシーだからマスキングしようとか、少なくとも和解した者はマスキングしようと言っていれば、原告がこれら6件もの訴訟でプライバシーを全国にさらされることは無かった。したがって、原告の被害は、10人の弁護士一人一人の行為によって惹き起こされたものである。

 弁護士が弁護団を組んで多数になればなるほど、一人一人の責任が少なくなり賠償額が安く済むというのは不合理である。

 したがって、本件においては、被告らの論法にしたがい、被告らの行為は別個独立の不法行為であり、共同不法行為(不真正連帯債務)ではないことを主張する。

第10 損害と請求のまとめ

(1)被告北が払うべき慰謝料

以上のとおり、被告北が当事者となって別件東京訴訟の提訴等を行ったことによる慰謝料が100万円、被告北が訴外佐々木の代理人となって別件東京訴訟の提訴等を行ったことによる慰謝料が100万円、被告北が被告嶋﨑の代理人として別件○○○○号事件の「甲4号証の1」(甲30)で原告の個人情報を公表したことによる慰謝料が50万円、同様に別件○○○○号事件により50万円、別件○○○○号事件により50万円、別件○○○○号事件により50万円、別件○○○○号事件により50万円、別件○○○○号事件により50万円である。

これら慰謝料合計は500万円である。

(2)被告嶋﨑が払うべき慰謝料

 被告嶋﨑が訴外佐々木の代理人となって別件東京訴訟の提訴等を行ったことによる慰謝料が100万円、被告嶋﨑が被告北の代理人となって別件東京訴訟の提訴等を行ったことによる慰謝料が100万円、被告嶋﨑が別件○○○○号事件の「甲4号証の1」(甲30)で原告の個人情報を公表したことによる慰謝料が50万円、同様に別件○○○○号事件により50万円、別件○○○○号事件により50万円、別件○○○○号事件により50万円、別件○○○○号事件により50万円、別件○○○○号事件により50万円である。

これら慰謝料合計は500万円である。

(3)弁護士費用

 本件は、(債務不履行と)不法行為に基づく損害賠償請求であり、原告は弁護士委任を余儀なくされた。そこで相当因果関係のある損害として、請求する各慰謝料の1割の額の弁護士費用を請求する。すなわち、被告北への請求につき50万円、被告嶋﨑への請求につき50万円の弁護士費用である。

(4)遅延損害金

 不法行為の後である本年7月24日からの遅延損害金も求める。

第11 結語

 上記の請求原因により、請求の趣旨記載の判決並びに仮執行宣言を求めて、本件提訴に及ぶ。

証拠方法 別紙証拠説明書のとおり

添付書類

委任状、訴状副本2通、甲号証写し各3通

当事者目録

○○○○○○○○○○○○○○○

                  原 告    ○ ○ ○ ○

(送達先)〒604-0985

京都市中京区麩屋町通竹屋町上る舟屋町407-1 長栄ビル2F

あやめ法律事務所

           原告代理人 弁護士 江 頭  節 子

               電話075-708―6643

               FAX075-708-6645

〒100-0013

東京都千代田区霞が関3―6―15 霞ヶ関MHタワーズ2階

     法律事務所アルシエン 気付

                  被 告    北     周 士

                   電話 03-5510-8255

                   FAX 03-6674-2504

〒231-0005 横浜市中区本町3-30-7 横浜平和ビル4階

     神奈川総合法律事務所 気付

                  被 告    嶋 﨑     量

                   電話 045-222-4401

                   FAX 045-222-4405

0143 提訴完了

悪徳弁護士トリオプラスワン」「悪徳弁護士詐欺集団」「在日コリアン弁護士プラス反日弁護士集団」「諸悪の根源日弁連」......。

 神原元、佐々木亮、北周士、嶋﨑量君、みなさん、おはよう。元気かね。

 それにしても、和解者に謝罪させ、金を取った上に提訴とは、まさに鬼畜、法匪のなせるわざである。この件、一歩間違えば、戦後最大のスキャンダル、造船疑獄レベルまで発展しかねない。安倍総理の指揮権発動が楽しみだね。

 訴訟において、原告が犯罪を犯した場合に、その代理人の責任がどこまで及ぶか非常に興味がある。訴因に関与している場合の割合である。

 今般、和解金詐欺事件が発生した。直接には「令和元年(ワ)第16126号損害賠償事件」であるが、代理人に嶋﨑量がおり、この関係には「和解のご提案」なる怪文書を送付している西川治、山岡遥平のような弁護士がいる。刑法犯であることは間違いないが罪状の特定が難しい。

 すでに、代理人弁護士を含めて、全員が告発済みである。

佐々木亮、北周士、嶋﨑量、神原元、金竜介、宋恵燕、姜文江、西川治、山岡遥平、兒玉浩生、倉重公太朗、田畑淳、向原栄大朗、山田祥也。

告発という以上、もちろん刑法犯であるが、それぞれの行為に合った罪状で告発している。

事実証拠で固めており、法のプロとはいえ、逃げるのは難しいだろう。

コメント1  提訴について

すべて予定通り、順調に進んでいる

佐々木亮については10月4日東京地裁に提訴。

北周士と嶋﨑量は10月9日横浜地裁に提訴。

代理人弁護士7名は10月18日大阪地裁に提訴。

訴状の内容がどういうものであるかを衆知していただくため、更新を控えていた。

このあと、一連の報告の後、すべて公開することになる。

コメント2  1審判決

いまさらだが、裁判所の汚染のひどさに気がついたというメッセージが大量に届く。司法汚染は弁護士会、裁判所、検察、すべてだからな。1審判決がほぼ終了したので、まあ、これからだよ。弁護士会、裁判所の汚染のあぶり出しがほぼ終了したので、これからは検察だな。2年ほど前の外患罪告発キャンペーンから、ほとんど変化が見られないから、日本再生の役割の一助としての期待はできないね。

ただ、前回、6次にわたるキャンペーン実行組織が日本再生大和会だったので、返戻処分が、本来は個々にしなければならなかったにもかかわらず、告発状は、すべて、日本再生大和会に返却されている。

今回は、みなさんが独自に、また、個々に告発しているので、個々に返戻される。その理由には驚かれるだろう。こうして、知ることにより、また一歩、日本再生が進むのである。

コメント3  東京地裁、横浜地裁関係

今回の和解金裁判の影響は大きい。代理人含めて10名の弁護士がすべてだからな。

時効の関係と12月25日記者会見宣言の縛りから、強引に提訴ラッシュを仕掛けているが、さすがに無理筋だ。ただひたすら、敵を増やしているという状況であるから悲惨だな。 すでに1件が最高裁に達しており、これから高裁→最高裁ラッシュがはじまる。在日コリアン弁護士協会と反日弁護士連合勢力は訴訟に全勝しなければ、立ち位置がなくなる戦いにしてしまった。佐々木亮が沈んでいるのには理由があるのだ。

コメント4  北海道52名裁判①

やっときましたな。すでに、ブログで指摘しているが、とにかく穴だらけである。

単独不法行為の問題から、スラップ訴訟、人種差別、国際テロリスト問題まで実に幅広く取り上げている。

 しばき隊、国際テロリスト問題は、最近、沈静気味だった神原元や国連や米国財務省の照会で再び火がついた。ここはおもしろくなりそうだ。

 検察への告発の中で、神原元の詐欺容疑に関しては、ふれていない。不思議だね。

[NEWS] ツイッター・ジャパンにロック解除を求める内容証明を送付

C.R.A.C.は9月25日、現在ロックされているツイッター・アカウント @cracjp に関し(詳細な経緯説明はこちら→http://cracjpncs.tumblr.com/post/165135339809/ )、ツイッター・ジャパンに以下の3点を求める通知を内容証明で送付しました。

(1) ただちにロックを解除する

(2) 担当者および責任者の氏名を開示する

(3) ガイドラインを開示する

以下、送付文面です。

通 知 書

2017年9月25日

〒104-0031 東京都中央区京橋三丁目1番1号

東京スクエアガーデン

Twitter Japan株式会社

代表取締役 笹本裕 殿

弁護士 神 原  元

(武蔵小杉合同法律事務所・神奈川県弁護士会)

弁護士 池 田 賢 太

(北海道合同法律事務所・札幌弁護士会)

弁護士 皆 川 洋 美

弁護士 島 田  度

(きたあかり法律事務所・札幌弁護士会)

弁護士 上瀧浩子

(上瀧法律事務所・京都弁護士会)

弁護士 林範夫

(一心法律事務所・大阪弁護士会)

弁護士 國本依伸

(弁護士法人阪南合同法律事務所・大阪弁護士会)

冠省 当職らは、任意団体「Counter-Racist Action Collective」(対レイシスト行動集団。「C.R.A.C.」。以下、単に「通知人」といいます。)からの委任を受けた代理人として、貴社に対し次の通り通知いたします>

①自らが全員、しばき隊と名のっているから問題はなかろうが、IS国際テロリスト云々では有田ヨシフとか福島瑞穂とかと一緒に「しばき隊、C.R.A.C.」はリストに掲載されていたような記憶がある。

この提訴は、いい機会であるから、裁判における「調査嘱託申し立て」を駆使して「法務省」あるいは、直接、総理官邸へ、国連安保理にリストアップされているメンバーの公表を申し入れたい。開示されれば悪質在日朝鮮人は一掃される。

 以前は、米国財務省リストであり、麻薬とマネロンリストであったが、北朝鮮がテロ支援国家という再指定を受けてから、現在は国連安保理内に、国際テロリスト委員会、北朝鮮制裁委員会が設置されている。2010年当時は閲覧が簡単だったのだが、現状はかなりブロックが厳しい。現状は相当な数になっているだろう。

 当時のリストには広域指定暴力団のほとんどがリストアップされていて、幹部4人のうち3人が在日朝鮮人であることに、みな、驚いたものだった。

 テロ三法が成立しており、安保理の指定する国際テロリストは日本でも スライドすることになっているから、在日は戦々恐々だろう。

コメント5  北海道52名裁判②

本件裁判は、懲戒請求が不当行為であるとして提訴されている。余命があおったという話だが、原告募集や呼びかけとあおりの定義はどこにあるのかね。

 自分たちの悪事はよい悪事という、ダブルスタンダードがここにもある。

<テーマ 余命52号 外患罪適用について 資料

ご意見、ご要望

昨年12月16日に、「北星学園大学」への抗議電話2回で第三者による「業務妨害」での告発があった。

「植村隆」を擁護する、左翼集団「負けるな北星の会」の弁護士438人が代理人になり、募集した告発人352人が「たかすぎ」を札幌地検に、業務妨害で告発したものだ。

1人の抗議電話者に、438人の弁護士は、誰がみても異常行為である。

この「負けるな北星!の会」(名称マケルナ会)はゆうちょ銀行にカンパ口座を持っているが、政治団体としての登録は確認されていない。>

.....今般の52人訴訟は弁護士が原告及び代理人計42名だそうだ。ずいぶん減ったね。さすがに9割は腰が引けたのか。あるいは、こいつらがしばき隊弁護士なのか?いずれにしてもテロリスト照会と個人情報開示請求の対象となる。ここまでくると地に落ちた弁護士に聖域はない。

1486 北星学園資料

2017年1月17日 ~ 9lz56kX6Ki

北星学園については、スラップ訴訟として関連組織のあぶり出しをしている。この告発に賛同したものについては、すでに外患罪で告発し、返戻処理を受けて、1月20日に再告発する予定である。その他関連組織及び告発に連名した弁護士は第四次告発ですべて告発することになっている。700名を超える事案のため、手段の検討中である。

なにしろ、この北星学園と植村がらみでは反日活動の幹部とブレーンがまとまっている。

6月5日川崎デモと重ねると真っ黒となる。1000人の会の告発をすべてに連動させたいと思っている。

ななこ

慰安婦像設置問題が喧しいおりでございますが、元凶の植村がらみで外患罪で告発された解散済みの「負けるな北星!の会」に関連し、植村をさらに徹底的に追い込むには支援の本丸ともいえる「植村裁判を支える市民の会」をターゲットにするとよろしいのではないかと感じましたので、ご報告申し上げます。

市民を詐称する半島勢力の団体であり、共同代表に香山リカ、裁判の原告席に宇都宮健児、神原元、議員会館での報告会に崔江以子と、どこかで見た名前が集まってきています。植村隆は怯えて生活しているとのたまいながら、下記にある通り2016年の活動報告では集会・講演43回と裁判9回を、韓国で「カトリック大学の客員教授として日韓両国の理解と交流の推進に力を尽くし」ながら、強力な支援のもとに難なくこなしています。このような活動が日本から消えてなくなることを願って、下記情報を投稿いたします。

★植村裁判を支える市民の会

sasaerukai.blogspot.jp

不当なバッシングを許さない! 植村隆さんの名誉回復を求め、表現の自由と民主主義を守るために、ともにたたかう市民のネットワーク!

■2016年4月12日火曜日 設立趣意書

◇植村さんとともに、さらに前へ

元朝日新聞記者の植村隆さんは、1991年に書いた元日本軍「慰安婦」に関する記事がもとで「捏造記者」というレッテルを貼られ、いまなお誹謗中傷を受け続けています。

発端は、週刊文春2014年2月6日号の記事「”慰安婦捏造”朝日新聞記者がお嬢様女子大教授に」でした。転職先に決まっていた神戸松蔭女子学院大学に抗議が殺到、植村さんは教授就任を断念せざるを得なくなりました。14年5月からは、非常勤講師を務める北星学園大学にも「国賊をやめさせろ」「学生をいためつける」など脅迫・嫌がらせのメールや電話が押し寄せ、ネット上に植村さんの長女(当時17歳)の写真と実名がさらされ「自殺するまで追い込むしかない」などと書き込まれる事態になりました。

「大学、植村さん家族を脅迫から守ろう。私たちも北星だ」と立ち上がったのは市民です。北星学園大学に応援メッセージを送るなど大学を励ます「負けるな北星!の会」(略称・マケルナ会)には国内外の1000人が加わりました。全国の400人近い弁護士が脅迫者を威力業務妨害罪で札幌地検に刑事告発するなど、支援の輪は大学人、宗教者、市民グループ、研究者、弁護士、ジャーナリストなど各界に広がっていきました。この応援を力に、北星学園大学は14年12月、植村さんの次年度雇用継続を決めました。

植村さんは「私は捏造記者ではない」と手記や講演で反論を続けています。朝日新聞の第三者委員会、歴史家、当時取材していた記者らによって完全否定されても、「捏造」のレッテル貼りは執拗に続いています。脅迫、嫌がらせを根絶するには捏造記者という汚名をそそぐしかないと植村さんは2015年1月、記事を「捏造」と断定する西岡力東京基督教大学教授と、週刊文春を発行する文芸春秋を名誉棄損で訴える民事訴訟を東京地裁に起こしました。翌2月には同じく捏造記事と断じるジャーナリスト櫻井よしこさん、週刊新潮、週刊ダイヤモンド、月刊WiLLの発行元3社を相手取り、札幌地裁に同様の裁判を起こしました。

櫻井さん側の申し立てで札幌地裁は、裁判の東京地裁移送を決定しましたが、札幌高裁は15年8月、植村さん側の主張を認めて地裁決定を破棄。最高裁もこれを支持し、この4月からようやく札幌で審理が始まります。100人を超す強力な札幌訴訟弁護団、北星学園OBらが2週間で集めた移送反対署名2500筆が、大きな力となりました。

この間の異常ともいえる植村さん攻撃は、基本的人権、学問の自由、報道・表現の自由、日本の民主主義に向けられています。女性が生と性を蹂躙された日本軍「慰安婦」を、なかったことにし、歴史を書き換え、ものを言わせぬ社会に再び導こうとする黒い意志を、見逃すわけにはいきません。この裁判が植村さんの名誉回復のみならず、私たちの社会の将来に大きな影響を及ぼすと考える所以です。

植村さんは2016年3月から1年契約で韓国のカトリック大学校客員教授に就任し、教育・研究活動を韓国で行い、裁判を東京と札幌で闘う生活が始まりました。すでに東京訴訟の審理は4回開かれましたが、どちらも一審で決着がつく裁判ではありません。

長く険しい道を乗り越えていくため、札幌訴訟の審理開始にあたり、これまでの多種多様な取り組み、そのエネルギーを結集し、植村裁判支援組織を整えることになりました。趣旨に賛同していただけるすべての人々に参加を呼びかけます。

2016年4月12日

コメント6  提訴された方へ①

北海道提訴はうずしおが選定当事者選定書を、対象者に送付している。同封のお知らせにしたがって返送していただきたい。対象者が52名と多いので数人の選定当事者が必要である。可能な方は申し出ていただきたい。

 ほとんどがすぐに決まるが、中にはいくつか他人任せのグループがある。とりあえずまとまらないと、民事訴訟法第30条による支援ができないので、そういうグループは個々に対応してもらうことになる。余計な親切はしないし、できない。

 弁護士を入れたり、独自に対応するデメリットは分離裁判となればいいが、合議だと時間もお金もかかることになる。いいことはない。

 なお、余命は資料を持っていないので履歴の有無については事務局の判断である。今は、期限を切り、資格審査も厳格なだけでなく、こちらからの提訴ができない方も選定書送付リストから除外している。バラバラでは勝てない。

コメント7  提訴された方へ②

問い合わせメールには、必ず、事件番号、電話番号、氏名、都道府県名を明記すること。すぐに電話をくれと言って、電話番号が書いてないとか、電話しても通じないとか、結構やっかいなことがある。調べるにしても、たとえば「佐藤」とだけしか書いてないとリストに、佐藤さんは、50人以上もいるのである。

訴状の送付はできればPDFでお願いする。全部は必要ないが、少なくとも期日と当事者目録は必須である。わからないときは問い合わせすること。誰かがやるだろうと放置しておくと手遅れになる。お気をつけ願いたい。

コメント8  提訴された方へ③

令和元年(ワ)第26697号

令和元年(ワ)第26698号

のグループは選定当事者が選任されていない。お知らせを送付するので、可能な方は10月28日までにお申し出いただきたい。

現状、全国で63名の選定当事者がいるので、あまり地域にこだわる必要はないだろう。

お問い合わせは事務局へ。

選定できない場合は個々に出廷していただくという対応になる。

0142 佐々木亮東京地裁に提訴③訴状

悪徳弁護士トリオプラスワン」「悪徳弁護士詐欺集団」「在日コリアン弁護士プラス反日弁護士集団」「諸悪の根源日弁連」......。

 神原元、佐々木亮、北周士、嶋﨑量君、みなさん、おはよう。元気かね。

 それにしても、和解者に謝罪させ、金を取った上に提訴とは、まさに鬼畜、法匪のなせるわざである。この件、一歩間違えば、戦後最大のスキャンダル、造船疑獄レベルまで発展しかねない。安倍総理の指揮権発動が楽しみだね。

 訴訟において、原告が犯罪を犯した場合に、その代理人の責任がどこまで及ぶか非常に興味がある。訴因に関与している場合の割合である。

 今般、和解金詐欺事件が発生した。直接には「令和元年(ワ)第16126号損害賠償事件」であるが、代理人に嶋﨑量がおり、この関係には「和解のご提案」なる怪文書を送付している西川治、山岡遥平のような弁護士がいる。刑法犯であることは間違いないが罪状の特定が難しい。

 すでに、代理人弁護士を含めて、全員が告発済みである。

佐々木亮、北周士、嶋﨑量、神原元、金竜介、宋恵燕、姜文江、西川治、山岡遥平、兒玉浩生、倉重公太朗、田畑淳、向原栄大朗、山田祥也。

告発という以上、もちろん刑法犯であるが、それぞれの行為に合った罪状で告発している。

事実証拠で固めており、法のプロとはいえ、逃げるのは難しいだろう。

前稿の和解条件が守られていない件だが、以下に記述してある。

「0121 日韓断交一直線そろそろかな」

韓国軍の竹島演習は、明らかな日本領土への軍事侵略であるから、外患罪適用条件が整った。今後、在日コリアン弁護士協会と反日連合勢力との法廷闘争の関係は外患罪を背景におく戦いとなる。今回の事案は、余命プロジェクトの直轄ではないが、個人の提訴というだけで、内容はまったくの同事件である。訴状はかなり長いが、一記事にまとめた。

令和元年10月4日

              訴   状

東京地方裁判所御中

                          原告代理人

                            弁護士 江 頭  節 子

損害賠償請求事件

当事者目録 別紙当事者目録のとおり

請求の趣旨

1 被告は原告に対し、金220万円及びこれに対する令和元年7月19日から支払い済みまで年5分の割合による金員を支払え。

2 訴訟費用は被告の負担とする。

との判決ならびに仮執行宣言を求める。

請求の原因

第1 事案の概要

 本件は、いわゆる大量懲戒請求をされたとして、弁護士である被告が訴外北周士弁護士とともに記者会見を開き、懲戒請求者を全員提訴すると宣言すると同時に和解を呼び掛けたため、提訴されることを恐れた原告が、反省謝罪文と和解の申出の手紙を送り、和解契約を締結し、所定の金員を支払ったところ、和解契約書には被告が原告を提訴しない旨と原告の住所氏名を公表しない旨が約定されているにもかかわらず、被告が原告を提訴し、もって原告の住所氏名を公表し、加えて、被告がその提訴を取り下げた後も、事件記録閲覧等制限の申立てをすることもなく、59名の共同被告に対し訴状記載の原告の住所氏名を抹消するよう依頼することもなく、被告が垂れ流した原告のセンシティブな個人情報を公開状態のまま置き続けたことに対し、和解契約の債務不履行及び不当提訴とプライバシー侵害の不法行為に基づき、損害賠償を請求する事案である。

第2 和解契約までの事実経過

1 はじめに

 和解契約までの事実経過は、和解契約を破った被告の悪質性、違法性の強さに関連し、ひいては原告の慰謝料の金額に直接関わる事実であるから、以下に詳細に主張する。

2 当事者

 被告及び訴外北周士(きたかねひと。以下「訴外北」という)は、東京弁護士会所属の弁護士である。訴外嶋﨑量(しまさきちから。以下「訴外嶋﨑」という)は神奈川県弁護士会所属の弁護士である。

 原告は弁護士その他の法曹ではない一般市民である。

3 ブログ、大量弁護士会長声明問題、告発と懲戒請求運動

(1)本件ブログ

 原告は、「余命三年時事日記」という、日本の主権、安全保障、その他の重大な国家的政治問題について情報を紹介したり論評を行うブログ(以下「本件ブログ」という)を愛読していた。本件ブログは、大手マスコミが敢えて報道しない事実を、情報源を摘示して正確に紹介しており、また広告を出さずに運営していることから、利益や圧力に屈しない信頼性の高いものであると判断されたからであった。

(2)日本再生計画

本件ブログは、北朝鮮の核実験やミサイル発射や拉致、韓国による竹島の不法占拠のように、一方で、外国が武力を用いて日本の主権と日本人の人権を直接に侵害するという重大かつ深刻な事態があり、一方で、そのように反日的な外国の国民が日本に在留し日本の政治、経済、社会に強い影響力を及ぼし、さらに日本の参政権までも獲得しようと運動していることに強い危機感を表明し、日本を日本人の手に取り戻す日本再生計画を呼び掛けていた。

そのために一般の日本国民ができる適法な運動として、北朝鮮や韓国の武力行使事態に利益を与える行為を、刑法81ないし88条の外患罪で告発することを呼び掛けていた。告発対象者は、国籍を問わず(ただし大多数が日本人)、政治や経済やマスコミ等の多数の有力者であり、その中には弁護士も含まれていた。後に、弁護士については弁護士法に懲戒手続きが法定されていることから、懲戒請求も呼びかけられた。

(3)弁護士会の大量会長声明問題

弁護士について外患援助行為として問題とされたのは、“大量会長声明問題”である。

北朝鮮の核実験とミサイル発射と拉致問題を解決するために、国連安保理決議による経済制裁と日本独自の経済制裁を科しているそのさなかに、朝鮮学校に補助金を支給せよ、支給しないのは人種差別であるなどとする会長声明を、全国21もの弁護士会が世界中に向けて発信したのである。

日本はその資金が北朝鮮の核開発に流れないことを確保する国際法上の義務を負っているところ、朝鮮学校は北朝鮮と朝鮮総連の傘下にあり、補助金が確実に授業料に当てられる確証が得られなかったことから、支給対象から外された。しかし、一連の弁護士会長声明は、弁護士会として責任をもって、朝鮮総連と朝鮮学校の金の流れを調査し、補助金が確実に授業料に当てられるかどうかを確認したわけでもないのに、そのような朝鮮学校の問題を敢えて無視し、あたかも支給しない側が人種差別をしており問題であると、全世界に発信したのである。

弁護士会は、公共性が極めて強い強制加入団体であるから、このような政治的活動をすることは極めて問題であり容認できないと、多くの国民が考えていた。

(4)いわゆる大量懲戒請求運動

そこで本件ブログは、一連の外患罪告発と懲戒請求運動の中の一部として、初めは全国21の弁護士会の会長に対する懲戒請求を呼びかけた。しかし弁護士会による会長の処分が無いのはもちろん、会長声明についての何らの釈明、是正、撤回、謝罪も行われなかった。そこで次に弁護士会の役員や、影響力のある会員に対する懲戒請求が呼びかけられ、それでも効を奏さないので、最後は全弁護士に対する懲戒請求が呼びかけられた。

原告は、法律に則った方法で日本を取り戻すという本件ブログの理念に賛同し、市井の国民のボランティア活動として、一連の告発と懲戒請求に参加した。

告発状は検察庁へ、懲戒請求書は弁護士会に提出され、当該機関が法律に則って適切に処理する性質のものであり、捜査・調査の方法も、処分するしないの判断も、全面的に当該機関の裁量と権限によるものであった。

4 本件懲戒請求1

 原告は、平成29年初夏、本件ブログの呼びかけに賛同し、被告を対象弁護士とする懲戒請求書に住所と氏名を記入し押印して(日付は空欄にして)、「日本再生大和会」に送った(甲7。以下「本件懲戒請求書1」という)。「日本再生大和会」がこれを、日付空欄のまま、東京弁護士会に送付したと聞いている(以下「本件懲戒請求1」という)。

 懲戒事由は「違法である朝鮮人学校補助金支給要求声明に賛同し、その活動を推進する行為は、日弁連のみならず当会でも積極的に行われている二重の確信的犯罪行為である。」というものである。

 東京弁護士会は、個人情報保護法や同会の個人情報保護方針(甲17)に違反して、原告の承諾なしに、原告の住所氏名が記載された本件懲戒請求書1を、マスキングもせずそのまま被告に提供した。

5 本件懲戒請求2

 原告は、平成29年秋、本件ブログの呼びかけに賛同し、訴外北周士(きたかねひと。以下「訴外北」という)を対象弁護士とする懲戒請求書に住所と氏名を記入し押印して(日付は空欄にして)、運動主催者に送った(甲11。以下「本件懲戒請求書2」という)。運動主催者がこれを、日付空欄のまま、東京弁護士会に送付したと聞いている(以下「本件懲戒請求2」という)。

懲戒事由は、被告が同年9月20日に発信したツイート「本件は、“保守派”の弁護士の先生たちも、私への懲戒請求には“ひどい”とおっしゃって下さっておりますよ。」に対し、同年9月21日に訴外北が「保守派といいますかささき先生とは政治的意見を全く異にする弁護士ですが、今回のささき先生に対する根拠のない懲戒請求は本当にひどいというか頭おかしいと思いますし、ささき先生に生じている損害の賠償は当然に認められるべきだと考えています。」とツイートしたことである。

 弁護士会の会員でありながら、問題のある弁護士会長声明に言及もせず「根拠のない懲戒請求」と決めつけ、「頭おかしい」と公然と侮辱し、しかも損害賠償の提訴をもって懲戒請求者らに脅威を与えるツイートであった。多くの懲戒請求者がこのツイートを脅迫であると感じ、原告もそのように感じた一人であった。

 東京弁護士会は、個人情報保護法や同会の個人情報保護方針(甲17)に違反して、原告の承諾なしに、原告の住所氏名が記載された本件懲戒請求書2を、マスキングもせずそのまま被告に提供した。

6 提訴予告と和解呼び掛けの記者会見、提訴、報道、予告通知

 平成29年9月2日、被告はツイッター上に懲戒請求者らについて「落とし前はつけてもらうからね」(甲22)「とりあえずランダムに訴えてみようかな」(甲21)等とツイートした。それに対し訴外嶋﨑が「「良いですね。労働弁護士は、こんなお仕事が大好きな戦闘的な皆さまが多数。とりあえず何人か血祭りにあげてみましょう。」とツイートした(甲21)。

平成30年5月16日、被告は訴外北とともに記者会見を開き、要旨「被告は延べ3000件、訴外北は960件の不当な大量懲戒請求を受け、損害を被った。懲戒請求者を提訴する。謝罪と和解の申し入れがあれば応じる」旨を告知した。

同年5月19日、原告は訴外神原元、訴外宋惠燕、訴外姜文枝(いずれも懲戒請求された弁護士)から「通知書」を受け取った。内容は、合意するなら15万円支払え、和解しなければ提訴して250万円請求すると言うものであった。

同年10月29日、NHK「クローズアップ現代」が「なぜ起きた? 弁護士への大量懲戒請求」を放送した。内容は、懲戒請求を受けた弁護士と、自分が間違っていたと反省して和解した懲戒請求者のコメントが大きく取り上げられていた。

 被告は同年11月を皮切りに順次、多数の懲戒請求者らに対し、各自33万円の損害賠償を求める訴訟を提起した。

 同年12月25日、原告は訴外北、訴外嶋﨑ら計5名で記者会見を開き、期日報告をするとともに、あらためて順次、全員を訴えてサンクションをする旨宣言した。訴外嶋﨑は「和解すると名前が漏らされて、960人の中で攻撃されると恐れている人がいる。カルトそのものだ。私たち3人は誰が和解したという情報は出さない。秘匿します。それを和解の条件にしてあるので安心して下さい」「条件は真摯な謝罪をすること」と和解を呼び掛けた。

 同日、訴外嶋﨑は「不当懲戒請求に対する提訴予告通知書 兼 提訴前和解のご提案」という文書(甲18)を原告に郵送し、原告は同月27日にこれを読んだ。内容は、原告を横浜地裁に提訴する、提訴されたくなければ「真摯な謝罪」「和解契約書の締結」「5万円の支払い」をするようにとのことであった。

 提訴や、認容判決が下されたことが、その後も逐次報道されるようになった。また被告や訴外嶋﨑らは、逐次、提訴や認容判決の状況をツイッターで発信した。

7 原告の焦燥と恐怖とうつ

 原告は、本件各懲戒請求は、弁護士個人への嫌がらせ目的などではなく、日本をよくするために、本来ならば国や社会のリーダーがすべきことを彼らがやらないから、市井の民間人が、自分には1文の得にもならないが、純粋に公益目的だけで行ったものであり、方法も、弁護士法所定の手続きに則ったものであるから、何ら不法などと言われる筋合いではないという確信があった。そのため、被告その他の弁護士が提訴をすると知ってからは、提訴されたら受けて立つつもりであった。

原告は、いつ誰から訴状が届くかと緊張して毎日郵便受けをのぞきながら、答弁書の書き方をインターネットで調べるなど、一人で準備をした。

朝鮮学校の補助金要求声明の違法性について、自分なりに色々調べた。平成30年11月28日最高裁判決で大阪朝鮮学園の敗訴が確定し、大阪府市が補助金を支給しないことが是認された。それ以外にも、朝鮮学校側の敗訴の流れは定着していることを確認した。やはり、補助金不支給は人種差別でも民族差別でもなかったのだ。それなのに、それを差別だと声高に世界中に発信した弁護士会長声明は、やはり許し難いものであり、公的団体として許されるものではないと強く確信した。

とはいえ、本件ブログが補助金支給は憲法89条違反であると指摘していたことが頭にあり、最高裁その他の裁判例では憲法89条違反が理由とはなっていないことが気になった。これが気になりだすと、法律のプロでもない自分が、弁護士を相手に法廷論争するスキルは無いという不安が、どんどんふくらんでいった。

裁判で勝てれば良いが、本当に勝てるのか。運悪くその頃、本件ブログが強制的に閉鎖されており、裁判に勝つための情報が得られず、入ってくるのは被告らのツイッターや、マスコミが懲戒請求者らをカルト扱いしてバッシングする報道ばかりであった。原告は、闘っても敗訴する可能性が高いと思うようになり、そうなれば、自分は地域社会で笑いものになったり、白い目で見られたりする、それだけならばまだしも、親類縁者にまで迷惑がかかってしまうと思った。それを思うと原告は、日に日に憂鬱になり、抑うつ状態になり、眠れない、食べられない、意欲が出ない、判断力が薄れる、家族との会話も途切れがちになるなど、これまで人生で全く経験したことのない「鬱」に襲われた。

 原告は、この状態では、新しい天皇陛下が即位され新しい時代が始まるのに、それに相応しい心持ちで新時代を迎えられないと思った。そこで平成が終わる前にかたをつけようと決め、耐え難きを耐え忍び難きを忍んで、被告に和解を申し入れることを決意した。

第3 和解契約の締結

1 反省・謝罪を述べ、許しと和解を請う手紙

 原告は、同年3月14日付の手紙を被告に送った(甲2)。「真摯な謝罪」が和解の条件であると突き付けられていたので、真摯に、まずは冒頭にお詫びを書き、自身の過ちを書き、なぜ過ちを犯したかの原因分析を書き、それについての反省を書き、先方に与えた迷惑について言及し、あらためて謝罪を繰り返し、許しと和解を願い出る内容であった。記載した内容全文は下記のとおりである(原告の個人情報部分は伏せて記す)。

                 記

                         2019年3月14日

東京弁護士会所属 弁護士

佐々木 亮 様

不当懲戒請求事件に関する謝罪の件

                         〒○○〇―〇〇〇〇

                        (原告住所)

                        (原告氏名)

                        (原告電話番号)

謹啓

お詫び

このたびの、私の知識不足と、軽率な懲戒請求書作成によって、佐々木 亮弁護士様に対し不当な懲戒請求を行なったことで、精神的な苦痛と弁護士業務に多大な支障を与え、大変ご迷惑をおかけしてしまったことに対し、深く反省するとともに、心よりお詫びを申し上げます。(事案番号 平成30年東綱第〇〇〇〇号、その他)

入手した書類に軽率にサインをしたことを思い返すと、返す返すも痛恨の極みです。本当に申し訳ありません。

請求理由の「朝鮮学校への補助金支給と交付要件」や「朝鮮学校高校授業料無償化」に関し、それぞれ、最近の朝鮮学校への交付金の支出に関する最高裁等の判決事例、法の解釈など、自分としてできる限りの調査と再確認を行いました。その結果、補助金と無償化の交付要件などに法解釈に違いがあることを知り、今までの、憲法89条違反を根拠とする私の認識が、間違っていたことに気がつきました。

何を、今更と思われてもいたしかたなく、弁明の余地がございません。

結果として、弁護士の方々への懲戒請求が不当であったことに気がつき、自分に非があることが解りましたので、速やかに謝罪を行うべく、本、お詫びの手紙をお送りいたします。

なお、自分で調べた結果により、私として、もはや裁判で争う根拠がなくなりましたことをお知らせするとともに、佐々木 亮弁護士様には、多大なご迷惑をおかけいたしましたことを重ねてお詫びいたします。

もし可能でしたら、和解のお許しのご検討と連絡をいただけましたら幸いです。

謹白

                                以上

                               (甲2)

2 和解契約の締結

 同年4月2日、原告は、被告及び訴外北との間で和解契約を締結した。

具体的にはまず、同年3月25日、被告から、誰の押印も無い「和解契約書」2通が送られてきた。同封の「送付書」(同年3月22日付、甲3)には、“日付と署名押印をして2通とも返送して下さい”“押印のあるものを受領したら、被告の印鑑を押して1通返送します”“返送用封筒に宛名を記入し切手を貼って送って下さい”という旨が書かれていた。そこで原告が同年3月27日付で署名押印し、「被告から1通返送され次第、振り込む」旨を書いて、2通とも返送した。そうしたところ、同年4月2日に、被告の押印がなされた「和解契約書」1通が原告に到達した。被告の承諾の意思表示が到達した4月2日を契約の成立日と考える。(以下、この和解契約書を「本件和解契約書」、それによる和解契約を「本件和解契約」という)。

尚、被告は被告本人として、及び訴外北の代理人として、本件和解契約書に調印した。

 本件和解契約書は、全文を被告が作成し不動文字で印字したもので、原告はただ日付と自分の住所と氏名を記入し押印するのみであった。

 本件和解契約書の内容は、下記のとおりである。

和解契約書

 弁護士佐々木亮を甲、弁護士北周士を乙、(原告の氏名)を丙として、甲乙と丙は、丙の甲乙に対する不当な懲戒請求に対する損害賠償請求事件(以下「本事件」という。)について、以下の内容で和解した。

第1条 丙は、丙が東京弁護士会に対して行った甲及び乙の懲戒を求める旨の懲戒請求(以下、「本件懲戒請求」という。)が何ら理由のないものであったことを認める。

第2条 丙は、甲及び乙に対し、本件懲戒請求によって甲及び乙に発生した損害の賠償として各金5万円(合計金10万円)の支払い義務を負うことを認める。

第3条 丙は、本契約締結後7日以内に、前条の金員を、下記口座に振込送金する方法で支払う。振込手数料は丙の負担とする。

       記

    振込銀行 三菱UFJ銀行 虎ノ門中央支店 普通預金

    口座番号 0029660

    口座名義 弁護士 北 周士 預り金口

        (ベンゴシ キタカネヒト アズカリキングチ)

第3条 丙が、前条に定める期限までに第2条記載の金員の支払いを怠ったときは、本和解契約はその効力を失う。

第4条 丙が、第3条に定める期限までに第2条に定める金員を支払ったときは、甲及び乙は、丙に対し、本件懲戒請求に関する損害賠償請求訴訟、刑事告訴等の丙の民事・刑事上の責任を免除する。

第5条 丙は、甲及び乙が、本事件の経緯、本事件の内容、本和解に至る経緯及び本和解の内容について、第三者に公表することを承諾する。ただし、甲及び乙は、丙に対し、丙の氏名と住所については公表しないことを約する。

第6条 甲乙と丙は、甲乙と丙との間には、本和解契約書に定めるほか、本件懲戒請求事件に関し、他に何らの債権債務のないことを相互に確認する。

本和解契約の成立を証するために、本和解契約書を2通作成し、それぞれ記名捺印の上、甲丙1通ずつを保管するものとする。

                             (以上。甲1)

(尚、第3条が2回出て来るが、原文のままである。)

3 本件和解契約2条所定の金員の支払い

 原告は、同年4月2日に本件和解契約書1通を受領し、同年4月6日に、本件和解契約書第2条記載の被告に対する損害賠償金5万円(訴外北に対する損害賠償金5万円と合わせて計10万円)を、本件和解契約書第3条記載の口座に振り込んで支払った(甲4)。

 この支払いにより、本件和解契約書第3条(2回目の)に基づき、本件和解契約は確定的に効力を有するに至った。

4 本件和解契約に基づく被告の債務

 本件和解契約が確定的に有効に成立したことにより、被告は原告に対し、本件和解契約第4条に基づき、本件懲戒請求1に関する損害賠償請求訴訟を提起してはならないという不作為義務を負った。

 あわせて被告は原告に対し、本件和解契約第5条但書きに基づき、原告の氏名と住所を公表しないという不作為義務を負った。

第4 提訴と住所氏名の公表

1 被告の提訴

 被告は、同年(令和元年)6月19日付け訴状(甲5)を、その頃、東京地方裁判所に提出し、原告に対し、本件懲戒請求1を請求原因として、金33万円の損害賠償金及びこれに対する平成29年12月31日から支払い済まで年5分の割合による遅延利息の支払いを請求する訴訟を提起した(令和元年(ワ)第16126号損害賠償請求事件。以下「別件訴訟」という)。

2 訴外北の訴訟代理人としての提訴

 被告は別件訴訟に先立ち、訴外北から、本件懲戒請求2を請求原因として原告に金33万円の損害賠償を請求する訴訟の委任を受けていた。そこで被告は、別件訴訟に訴外北の請求も併合した。つまり別件訴訟は被告と訴外北が共同原告となる主観的共同訴訟である。被告は被告の訴訟物の当事者本人であると同時に、訴外北の訴訟代理人である。

 尚、被告及び訴外北の訴訟代理人として、訴外嶋﨑をはじめとする6人の弁護士がついていた(甲5)。

3 住所氏名ほかの個人情報の公表

(1)訴状

 別件訴訟の訴状には、原告が本件懲戒請求1と2を行なった事実、原告の郵便番号、住所、氏名が記載されている(甲5)。

(2)甲号証

 被告は、別件訴訟の提起と同時に、原告作成の本件懲戒請求書1(写し)を「甲3号証の23」として証拠提出した(甲7)。「甲3号証の23」には、原告が自筆した原告の住所、氏名が記載され、原告の苗字の印鑑の印影がある(甲7)。被告は、この「甲3号証の23」を提出するにあたり、他の対象弁護士の氏名、法律事務所名、法律事務所の所在地は全て黒塗りした。しかし、原告の住所、氏名、印影は黒塗りせずにそのまま提出した(甲7)。

 被告は、別件訴訟の提起と同時に、原告作成の本件懲戒請求書2(写し)を「甲4号証の23」として証拠提出した(甲11)。「甲4号証の23」にも、原告が自筆した原告の住所、氏名が記載され、原告の苗字の印鑑の印影がある

(甲11)。

(3)訴訟記録への編綴と公開

 別件訴訟は民事第50部合は係に係属し、同係の担当書記官は、同年7月8日付の「第1回口頭弁論期日呼出状及び答弁書催告状」(甲6)を作成し、同日これを原告に特別送達で発送した(甲8、9)。したがって、遅くとも同年7月8日には、東京地方裁判所において、別件訴訟に事件番号が付され、訴訟記録が作成され、訴状(甲5)及び本件懲戒請求書1(甲7)と本件懲戒請求書2(甲11)が編綴され、何人でも閲覧できる状態におかれた。

すなわち、原告が本件懲戒請求1と2を行った事実、原告の住所、氏名、苗字の印影が公表された。

(4)59名の共同被告らへの公表

 別件訴訟で提訴された者(別件訴訟の被告)は、原告を含め60名で、北海道から九州まで散らばる(甲5)。

 原告は、別件訴訟の訴状(甲5)を同年7月9日に受領した(甲8、9)。したがって、原告が本件懲戒請求1と2を行なった事実と、原告の住所、氏名、原告の苗字の印影、原告の筆跡は、誰かが訴訟記録を閲覧せずとも、その頃、全国に散らばる59名かこれに近い多数人に公開された。

第5 提訴と公表の法的評価

1 債務不履行

  被告が、自ら当事者本人となって別件訴訟を提起したことは、本件和解契約第4条と第5条に基づく債務につき、債務不履行を犯したものである。

2 不法行為

(1)最高裁判決の規範

 別件訴訟は言うまでもなく不当訴訟である。訴訟の提起が不法行為を構成する場合につき、最高裁昭和63年1月26日判決は次のように判示する。

「法的紛争の当事者が当該紛争の終局的解決を裁判所に求めうることは、法治国家の根幹にかかわる重要な事柄であるから、裁判を受ける権利は最大限尊重されなければならず、不法行為の成否を判断するにあたっては、いやしくも裁判制度の利用を不当に制限する結果とならないよう慎重な配慮が必要とされることは当然のことである。したがつて、法的紛争の解決を求めて訴えを提起することは、原則として正当な行為であり、提訴者が敗訴の確定判決を受けたことのみによって、直ちに当該訴えの提起をもつて違法ということはできないというべきである。一方、訴えを提起された者にとつては、応訴を強いられ、そのために、弁護士に訴訟追行を委任しその費用を支払うなど、経済的、精神的負担を余儀なくされるのであるから、応訴者に不当な負担を強いる結果を招くような訴えの提起は、違法とされることのあるのもやむをえないところである。以上の観点からすると、民事訴訟を提起した者が敗訴の確定判決を受けた場合において、右訴えの提起が相手方に対する違法な行為といえるのは、当該訴訟において提訴者の主張した権利又は法律関係(以下「権利等」という。)が事実的、法律的根拠を欠くものであるうえ、提訴者が、そのことを知りながら又は通常人であれば容易にそのことを知りえたといえるのにあえて訴えを提起したなど、訴えの提起が裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くと認められるときに限られるものと解するのが相当である。」

(2)提訴の当事者としての不法行為

 本件で被告は、原告と和解契約を締結し、和解契約書所定の金員を原告から受領し、これによりもはや原告に対し訴訟を提起することはないこと、原告の住所氏名を公表しないことを約束したにもかかわらず、別件訴訟を提起したのであるから、上記最高裁の基準に照らしても、被告が主張した権利等が事実的、法律的根拠を欠くことは明らかであり、原告がそのことを知っていたことも明らかである。

したがって、別件訴訟は違法であり、原告に対する不法行為を構成する。

(3)訴訟代理人としての不法行為

不法行為は、被告が当事者本人として提訴したことは勿論、訴外北の訴訟代理人として提訴したことについても成立するものである。

なぜなら、弁護士が委任を受けて別件訴訟を提起する以上、最も基本的な事実として、提訴する相手方が訴外北を懲戒請求をした人間であること、及び、未だ訴外北と和解していないこと、の2点を確認する義務があるからである。訴訟代理人としては、提訴する相手方との間に契約関係は無いが、提訴により相手方は応訴の負担を強いられるのであるから、相手方との間においても、上記2点を確認する義務を負う。これは、別件訴訟の提起に当たり、被告が原告に対して不法行為法上負う義務(原告の損害の予見義務、回避義務)である。被告はこれら義務に違反したのであるから、不法行為が成立する。

(4)訴訟物(不法行為)の個数

 本件懲戒請求1と本件懲戒請求2は、対象弁護士を異にし、その結果、原告は被告との和解と、訴外北との和解をし、被告への和解金の支払いと、訴外北への和解金を支払った。

 別件訴訟は、被告と訴外北の2人が当事者の主観的共同訴訟であり、訴訟物も2個である。

 したがって、別件訴訟の提起による不法行為の個数は、2つである。

第6 住所氏名の公表後の措置の懈怠

 被告は、同年7月30日、原告に対する訴えを取り下げる「訴え取下げ書」を東京地裁民事第50部に提出した(甲10)。別件訴訟は第1回口頭弁論期日が同年8月28日であり(甲6)、取下げはその前であったので、原告の同意を要せずして、訴えは取り下げられた。

 被告は、本件和解契約第5条で、原告の住所氏名を公表しないことを約束したにもかかわらず、別件訴訟の提起によってこれらを公表したのであるから、本来であれば別件訴訟の提起と同時に、どんなに遅くとも取下げと同時に、民事訴訟法92条に基づき、事件記録閲覧等制限の申立てを行い、原告の住所氏名が第三者に公開されないようにする義務を負っていた。

 被告はあわせて、原告の住所氏名が記載されている訴状と「甲3号証の23」の送達を受けた共同被告59名に連絡し、訴状記載の原告の住所氏名の抹消と、「甲3号証の23」の裁断廃棄を依頼し、その結果の確認をする義務を負っていた。

 これらの閲覧等制限申立て義務や、抹消・廃棄依頼義務は、本件和解契約書に直接記載されてはいないが、公表しないという不作為義務に違反して公表するという先行行為の結果、条理上、当然に生じる作為義務である。

 たとえば、自動車事故を起こしてはならないが、万一事故を起こしてしまった時は、ただちに救護措置を取らなければならないのと同様である。自動車事故については道路交通法上の義務として規定されているが、そのような行政法規上の義務だけでなく、被害者に対する私法上の義務としても観念される。

 今日、個人情報保護への関心は高く、情報流出事件が起きれば、企業のトップが記者会見で頭を下げて謝罪し、原因究明や被害回復に努めることを表明することが一般である。したがって、先行行為に基づく作為義務を観念することは何ら難しいことではなく、ましてや被告は弁護士であるから、容易に認識していたものである。

 しかし被告は、被害を最小限に食い止める上記措置を何ら取らず、原告のセンシティブな個人情報を公開し続けた。

 この個人情報公表後の不作為も、本件和解契約違反であり、かつ、不法行為を構成する。

不法行為は、提訴者本人としてのみならず、訴外北の訴訟代理人としても成立する。

第7 原告の損害

1 はじめに

 原告の精神的苦痛を償うのに必要な慰謝料の額は、被告が当事者本人となっての提訴について少なくとも100万円、被告が訴外北の訴訟代理人として犯した不法行為について少なくとも100万円である。

これは、被告が懲戒請求者1人1人に請求している慰謝料が30万円であることとその内容との比較からも、少なすぎるくらいの額である。以下に詳述する。

2 被侵害利益―センシティブ情報を含むプライバシー

本件は、いわゆる大量懲戒請求に端を発する事案であるところ、いわゆる大量懲戒請求は、憲法で保障された投票の秘密と軌を一にする、政治的見解・信条に基づく活動であり、このような活動を行ったという事実は、個人情報保護法2条3項に「取扱いに特に配慮を要する」とされる、要保護性の高いプライバシー(いわゆるセンシティブ情報)である。

 原告は、職業上の人間関係、近隣との人間関係、趣味や余暇活動の人間関係など、多様な局面で人間関係を取り結び社会生活を営んでいるところ、それは政治的見解・信条とそれに基づく活動について、誰に打ち明け、誰に秘匿するかを自ら選ぶことで、初めて円滑に実現されるものである。

 したがって、政治的見解・信条とそれに基づく活動についての個人情報の権利は、憲法13条の人権(幸福追求権)から導かれる人格権の内容をなすものであり、保護法益をなすものである。

 原告は被告の債務不履行と不法行為により、プライバシーを侵害されるという損害を被った。

3 精神的苦痛

(1)訴状を受け取った時の精神的苦痛

 別件訴訟の訴状の特別送達を受けた時の、原告の驚愕と精神的ショックは言葉で語り尽くせるものではない。裁判所から書留が届いたので、懲戒請求した多くの弁護士のうちの誰かが、ついに提訴してきたのかと落胆しつつ、開封したところ、提訴した者は被告と訴外北であり(さらに代理人の一人が訴外島﨑であった。訴外嶋﨑とも別途和解して和解金を支払っていた)、原告は目を疑った。

 原告は訳がわからなくなり狼狽と困惑と混乱に陥れられた。

原告は、確かに和解したはずだったが、ひょっとしてあれはうつ状態の最中に見た幻覚だったのかと、自分自身を疑った。原告は、本件和解契約書を引っ張り出してきて、存在と内容を確認した。

 原告は、ひょっとして和解金を支払ったつもりが支払えていなかったのではないかと不安になり、送金記録を確認した。確かに被告に5万円(訴外北と合わせて計10万円)支払っていた。

原告は、ひょっとして被告に対しては複数の懲戒請求書を書いていたから、和解したのはそのうち1枚だけで、残る部分については和解の効力が及ばないのかと疑問に思った。そこで本件和解契約書をもう一度見直した。しかし、懲戒請求について、どの懲戒請求とは書かれておらず包括的な記載であった。また、1枚しか懲戒請求書を書いていない訴外北も、別件訴訟を提起してきたことから、この疑いは当てはまらないことがわかった。

原告は、ひょっとして和解契約は、被告らの一連の提訴に乗じた、知能犯による振り込め詐欺で、和解金を騙し取られたのではないかと思った。しかしよく考えれば、和解をお願いする手紙を送ったのは原告からであり、公開されている被告の事務所に送付したので、その可能性はなさそうであった。また、本件和解契約書に押されている被告の押印と、別件訴訟の訴状に押されている被告の押印は同じであった。

原告は、ひょっとしてこの提訴は被告のミス、手違いかと思った。しかしよく考えればそれは絶対にあり得ないことがわかった。(理由は後述する)。

原告は、訴状や書証を眺め続けた。訴状には「(懲戒請求者ら)は(対象弁護士ら)の呼びかけに対しても和解に応じなかったことから、やむなく訴訟の提起に至った」と書いてある(甲5の20頁)。これは要するに、原告に対し、和解金5万円では足りないから2度目の和解金を要求しているものであると感じ、被告はカネ、カネ、カネの「法匪」であり断じて許せないと感じた。

しかも訴状や陳述書には、朝鮮学校への補助金不支給は人種差別だと全世界にアピールした会長声明について、(人種差別でないと最高裁でも認められているのに)、自らが選挙で選んだ弁護士会長の声明であるにもかかわらず、(原告ら一般市民には選挙権が無い)、「補助金云々の声明出ていたの?という程度の認識でした」と書いてあった(甲12の1頁)。そのように弁護士会の会員が会長権限の濫用を許し、政治的に偏向した会長声明を黙認していることが、正に賛同、推進していることではないか。つまり、本件懲戒請求は、間違っていなかったのである。それにも関わらず、提訴するとの脅しに屈して、耐え難きを耐え忍び難きを忍んで、謝罪し和解金を振り込んだのに、その結果がこの提訴である。原告は煮えくり返る思いをさせられ、この「法匪」を許していては他にも被害者犠牲者が続出すると思い、再び闘うことを決意するに至った。

(2)別件訴訟の提起がミスではないこと(被告の違法性の強さ、原告の慰謝料増額事由)

別件訴訟がミスであることはあり得ない。故意、悪意である。その理由は以下のとおりである。

ア 8人のプロの弁護士が同時に基本的ミスを犯すか

被告は弁護士であり、単なる誤字脱字ならともかく、訴える相手を間違えるというミスは考えられない。しかも、被告だけでなく、他に和解した訴外北も、訴外嶋﨑も、弁護士であり、弁護士3人がそろいもそろってそのような重大なミスをするとは考えられない。さらに、他に5人いる訴訟代理人は、「本件訴訟に対応するために最適と思われる先生方」(甲13の5頁)とのことであり、弁護士費用をもらって有料で引き受けているのであるから(別件訴訟で弁護士費用を請求している)、そのように受任した弁護士が、5人もそろって同じミスをする確率の低さは、天文学的レベルで、あり得ないであろう。

イ チェックする機会と手段の豊富さ

  一度のチェックミスということならあり得るかも知れない。しかし、原告は、被告に謝罪の手紙を送り、和解契約書を送り、和解金を支払っている。謝罪の手紙(甲2)は、通り一遍の没個性なものではなく、原告が自分の頭で考えた原告の個性があふれる長文の手紙である。その印象に残る手紙を、被告のみならず、訴外北にも、訴外嶋﨑にも、別々に送っている。和解契約書は被告と訴外北の分が1通、訴外嶋﨑の分が1通ある。すなわち、謝罪の手紙計3通のチェック、和解契約書計2通のチェック、入金記録計2回のチェック、これだけで、7回ものチェックの機会と手段があったはずで、その全てで、8人のプロの弁護士が同時にうっかりミスをするということは考えられない。

ウ 1人1人の懲戒請求者が交通事故以上の被害の加害者

あるいは、「大量」懲戒請求事件であり、被告に3000通、訴外北に960通懲戒請求書が送られたというから、一人一人の懲戒請求者は没個性、いわば「その他大勢」の一人に過ぎず、いちいち記憶に残らないから、それがミスを呼んだと考えられるかも知れない。

しかし、この可能性は、他でもない被告ら自身が強く否定している。

被告も訴外北も、960通とか3000通とかの懲戒請求の全体によって損害を受けたのではなく、あくまで一人一人の懲戒請求者によって傷付いたとして、1人につき33万円を請求している。被告は「私自身も、一つ一つの懲戒請求によって、傷ついています。」と述べている(甲12の5頁)。訴外北も「私としても、一つ一つの懲戒請求によって、傷ついています。」と述べている(甲13の4頁)。

33万円と言えば、サラリーマンの1ヶ月分の月給である。交通事故で1ヶ月通院した場合の慰謝料より高い。1ヶ月通院と言えば、日々ケガの痛みに耐え、仕事を休んで病院に行き、同僚や家族に迷惑をかけ、患部を風呂に入れられず、好きなスポーツも出来ない等、あらゆる苦痛と不便を忍ぶ毎日である。当然被害者は、そのような苦痛を強いた加害者の名前を忘れることは無い。原告代理人は交通事故を多数受任してきたが、加害者の名前を忘れている依頼者に会ったことが無い。被告は、交通事故で通院1ヶ月した場合以上の苦痛を、原告1人によって味わわされたというのであるから、原告の名前を忘れるはずがない。その恨めしい加害者である原告が、自分の頭で考えた個性あふれる長文の謝罪文を送ってきて、円満に示談が成立したのであるから、ますます、忘れるはずがない。そうであるから、ミスで提訴することはあり得ない。

エ ミスの後の措置をしていないこと

別件訴訟の提起がミスでないことの最も確たる証拠(間接事実)は、被告が別件訴訟を取り下げた後も、被告が公開した原告の住所氏名を、非公開の状態に戻す手続きを何ら取らなかったことである。

  もし別件訴訟の提起がミスによるもので、ミスに気付いてあわてて取り下げたのだと仮定すれば、当然、あわてて事件記録閲覧等制限の申立てをして、第三者が原告の住所氏名を見られないようにしたはずである。特に本件では、被告は原告の住所氏名を公表しないと約束したのであるから、尚更である。

  法律のしろうとの一般人でも、個人情報をファックスやメールで誤送信してしまった場合、ミスに気付いたら慌てて相手に「廃棄して下さい」と依頼する。個人情報流出のミスを犯せば、ミスに気付き次第、流出した個人情報の回収、流出の拡大防止の措置を取るのは、ほぼ反射的に行われている初歩的、常識的なことである。

  ましてや被告は弁護士であり、職業上、プライバシー保護の重い責務を負っているのであるから、尚更である。

弁護士であるから当然、事件記録閲覧等制限の申立ての手続きは知っているし、万一不勉強で知らなかったとしても、裁判所に問い合わせれば教えてもらえる。それをしなかったということは、ミスではなく初めから故意にやったとしか考えられない。

オ 8人のプロの弁護士が同時にミス後の措置を怠るか

取下げ後も原告の住所氏名を公開し続けたのが、仮に1人の弁護士であったならば、たまたま例外的に、個人情報保護の意識の無い悪質・不良・不勉強・怠慢な弁護士であったと考える余地がないではない。しかし1人ではなく、被告とその代理人合わせて8人の弁護士が、誰一人、原告の住所氏名の秘匿措置を取らなかったのである。1人ではなく2人でも3人でもなく、8人である。これは、ミスでは絶対にあり得ないことである。

カ 「お詫び」と題する紙による愚弄

 別件提訴がミスではない証拠(間接証拠)として、「お詫び」と題する紙がある。

 同年7月31日付の「お詫び」と題する紙が、別件訴訟の取り下げ書の写しとともに、原告に郵送されてきた。全文は以下のとおりである。(個人情報は伏せる)。

お 詫 び

〒(原告の郵便番号)

(原告の住所)

(原告の氏名)様

 この度は当方のミスにより、既に和解済みの貴殿を、不当懲戒請求に対する損害賠償請求事件における被告に選定してしまいました。

 大変ご迷惑をおかけいたしました。本書面にて謹んでお詫び申し上げます。

 なお、貴殿に対する訴えは速やかに取り下げましたので、今後のご対応は必要ありません。

                           令和元年7月31日

                               佐々木 亮

                               北  周士

(以上。甲19)

記名は「佐々木亮」「北周士」とあるが、押印もなく、署名もない。本当にミスであったなら、当然「真摯な謝罪」をするはずで、署名か押印くらいするはずである。

内容も、タイトルこそ「お詫び」であるが、真摯な謝罪であれば必ず盛り込まれるはずの、ミスの経緯の説明、原因の分析、再発防止策などが、全く記載されていない。被告は文章を書くことを仕事にしているプロであるのに、本文の文字数はわずか135文字である。原告はしろうとであるが、一生懸命考えて、本文625文字の謝罪文(甲2)を送ったのに、である。この差は歴然であり、被告が真摯な謝罪をしていないことは明らかである。

被告自身、懲戒請求者についてツイッターで「それ相応の責任を取ってもらいますよ。当たり前じゃないですか。大人なんですから。」「謝罪は受け入れますが、大人のしたことなので、一定の償いはしてもらいます」とツイートし、訴外北も「全く何の責任も取らないで許すと言う事はありません」「単に懲戒請求を取り下げると言うだけのご連絡では和解をすることはできません」とツイートしているのである(甲22)。ましてや、自ら契約した和解契約を破ったのであるから、それがミスであるなら、当然、「それ相応の責任」を取って、受け取った和解金の全額返金の申し出と、慰謝料支払いの申し出をして、許しを請うするはずである。ところが、そのようなことは何も書かれていないのである。

したがって、ミスではなく原告に対する嫌がらせでやったということである。この紙自体が、原告に対する愚弄である。

キ 「お詫び」と題する紙による欺罔

「お詫び」と題する紙(甲19)は、さらに悪質なことに、「今後のご対応は必要ありません。」と真っ赤な嘘を書いて原告を欺罔している。

前述のとおり、被告はその垂れ流した原告の個人情報を、秘匿する措置を一切取らず、垂れ流しするままに任せていた。人が好い原告は「ご対応は必要ありません」とあるのを鵜呑みにしてしまい、何の対応もしなかった(そもそも閲覧制限ができることを知らなかった)。

本件提訴を受任した原告代理人(当職)も、うっかりこれを鵜呑みにして、当然被告が閲覧等制限をしていると思い込み、受任後も「ご対応」をしなかった。本件提訴直前の9月30日に、損害の主張のため、どのくらいの期間原告の個人情報が公開されていたかを書記官に問い合わせ、閲覧等制限などされてないと聞き、あわてて自ら「ご対応」した次第である(甲20)。

このように「ご対応は必要ありません」と虚偽まで書いて、原告の個人情報を保護する措置を取らせず、原告の住所氏名を晒し続けた紙の存在こそが、別件提訴がミスではなく嫌がらせであったことの何よりの証拠である。

ク 小結

 以上のように、別件提訴がミスということは考えられない。懲戒請求者らに対する「落とし前」「血祭り」(甲21、22)として、故意以上の悪意をもって行われたものであり、その違法性は非常に強い。

 したがって、これによる原告の精神的苦痛も極めて大きい。

(3)応訴の負担

 被告は、懲戒請求のせいで弁明の負担という被害を被ったという主張立証活動を展開し(甲5、12、13)、既に何件も一人33万円の認容判決を得ているようである。

 弁明の負担は、懲戒請求よりも不当提訴の方がはるかに大きい。

 本件懲戒請求は、多数人の請求にかかるものであっても、懲戒請求書は同一のひな型によるものであるから、懲戒事由は一つである。したがって、一人一人の懲戒請求書に対して個別に弁明書を提出する必要はなく、その一つの懲戒事由について1回弁明すれば足りる(場合により、弁明が全く不要なこともあろう)。

 懲戒請求制度は、個々の懲戒請求者の損害の救済を図る制度ではなく、弁護士会が職権で行う調査の端緒に過ぎないものであるから、個々の懲戒請求者に対し個別に弁明をしなかったからと言って、“欠席判決”のように不利益な結果になるわけではない。

 一方、民事訴訟は当事者主義が貫く手続きであり、請求原因が共通でも、当事者が異なれば全く別の事件である。他の共同被告がいくら防御活動をしても、自ら防御活動を何も行わない当事者は、争わないとみなされて、欠席判決が下される。したがって、ひとたび提訴されれば、平日の昼間に、自ら裁判所に出頭するか、または代理人弁護士を有償で雇うか、または無償で戦ってくれる選定当事者を探さなければならない。それも第一回口頭弁論期日までの短い期間にその準備をしなければならない。実際、原告は、第一回期日までに誰か代わりに出頭してくれる人を頼む段取りや、訴状に対してどのように反論するか考え研究するなど、その準備に追われ、取下げ通知が来るまで、毎日そのことにかかりきりであったと言っても過言ではない。原告は弁護士ではなく、応訴の負担は極めて大きい。

 したがって、原告が負わされた応訴の負担は、被告の弁明の負担よりはるかに重い。

(4)社会的名誉や信用を害するおそれ

 原告は、「懲戒請求の申立ては、対象弁護士の社会的名誉や信用を害するおそれのあるものである」と主張立証活動をしている(甲5の13頁、甲12の3頁、甲13の3頁)。

 しかし、東京弁護士会の綱紀委員会の会規によれば、綱紀委員会の委員と担当職員には守秘義務が課せられている(第35条。甲14)。また調査も会議も非公開であり、記録も非公開である(第8条、36条)。したがって、原告が懲戒請求をしたというだけで、被告の社会的名誉や信用を害するおそれはない。実際、原告代理人が受任している別の訴訟で、東京弁護士会に対し、被告にかかる懲戒請求手続きの中身について調査嘱託申立てをし、裁判所が調査嘱託をしたが、東京弁護士会からの回答は、「個別事案については綱紀委員会会規8条及び36条2項により回答できない」というもので、守秘義務は固く守られていた(甲15)。

 一方、民事訴訟は、公開の法廷で裁判を受ける権利が憲法で保障されているため、手続きは公開され、不特定多数が傍聴できる。のみならず訴訟記録を何人でも閲覧することができる(民事訴訟法91条1項)。このため、提訴されれば直ちに、訴えられた側の社会的名誉や信用が害される。特に、提訴して訴状が一般に公開されてから、答弁書や反論書が出されるまでの間は、一方的に提訴者の言い分だけが裁判所で公開され続けることになる。

 したがって、申し立てられただけで社会的名誉や信用が害されるというのであれば、懲戒請求より民事訴訟の方がはるかにその害が大きい。

 実際本件でも、別件訴訟の記録を第三者が閲覧していた(証拠は追って提出する)。

訴訟記録では、原告を実名で名指しして、「被告」とあたかも刑事被告人のような呼称で呼んでいる。多くの一般人は民事の被告と刑事の被告の区別を知らない。「被告」というだけで罪人と思われるのが実情である。さらに、「不法行為」「不当」「違法」「数の暴力」「懲戒制度を悪用した業務妨害」「頭おかしい」「荒唐無稽で無根拠」など、ありとあらゆる非難罵倒が記載された訴状(甲5)や陳述書(甲12、13)が、全く知らない第三者に閲覧されていた。

 したがって、社会的名誉や信用が害される被害は、被告より原告の方がはるかに大きい。

(5)プライバシーや家族の安全

 被告は、大量懲戒請求の被害として、家族にも害が及ぶのではないかという恐怖心を訴えている(甲12の5頁、甲13の4頁)。

 しかし、原告は被告の家族など全く知らないし、本件懲戒請求書にも、被告の家族も自宅も一切書かれていない。書かれているのは被告の事務所で、それは被告がもともと公開しているものである。

 一方、被告は、原告の住所と氏名と筆跡と印影を不特定多数人に公開した。住所とはすなわち自宅の住所である。原告は自宅を不特定多数に公開したことなどない。自宅を知られる恐怖の方が、事務所を知られる恐怖よりはるかに大きいのは論を待たない。

 現に別件提訴後、原告の自宅に、全然知らない人から、弁護士委任の勧誘の手紙が送られてきた。その不気味さは言葉で言えないほどである。その差出人が、原告のプライバシーをさらに他人に流出させる恐れも大きい。

 一連の懲戒請求にかかる損害賠償請求訴訟は、これに関心を持つ人々が傍聴することが多く、中には毎回傍聴したり記録を閲覧したりして、その得た情報をインターネットに流している人もいる。本件ブログのブログ主を非難する立場の人物が、そのようなウェブサイトを開いており、そこでは、選定当事者は全員実名、選定者も氏名の一部、郵便番号、都道府県、生まれ年、靖国神社にいくら奉納したか等の極めてセンシティブなプライバシーを、赤裸々に掲載している。

(甲16)

 したがって、プライバシーや家族の安全に対する不安、恐怖は、原告が受けたものの方がはるかに大きい。

(6)ファイル保管の場所と手間

 被告は、大量懲戒請求の被害として、懲戒請求書のファイルが事務所のスペースを取るとか、ファイルの手間が負担であるなどと訴えている(甲12の3頁、甲13の3頁)。

 しかし被告は、個々の懲戒請求は別個の不法行為であり、共同不法行為ではなく、損害も懲戒請求者毎に別個だと主張立証している。それであるならば、原告が送った懲戒請求書は紙1枚である。被告に対して複数回懲戒請求したかも知れないが、それでも2,3枚である。厚さにして1ミリにもならない。

これに対し、被告が原告に送り付けた訴状、証拠説明書、甲号証写し、期日呼出し状、答弁書の書き方等の書類一式は、分厚い封筒であり、原告が送った懲戒請求書の何十倍もの厚さがある。

しかも、原告の懲戒請求書が送られた先は、あくまでも東京弁護士会であって、被告事務所ではない。東京弁護士会が懲戒請求書を(懲戒請求者の住所氏名も記載されているのに)そのまま被告に送り付けるなどということは、誰も夢にも思わなかった。そのような取り扱いは一切公表されておらず、懲戒請求者は誰も知らなかった。今日でも、東京弁護士会のウェブサイトを具さに見ても、懲戒請求の手続きについて何の説明も無いのであるから(甲17)、知らなかったことについて故意も過失も無い。

一方、被告は民事訴訟を提起したのであるから、訴状、証拠説明書、甲号証写し、期日呼出し状、答弁書の書き方等の書類一式が、分厚い封筒に入れられて原告の自宅に送り付けられることは、百も承知であった。つまり、直接発送したのは裁判所かも知れないが、被告が送り付けたのと同じである。

このように、ファイルの場所と手間に関して、原告が被告に与えた被害は、2,3枚の紙、厚さにして1ミリ以下、しかも原告の意思によらずして(東京弁護士会によって)被告事務所に送られたものである。それで慰謝料30万円だというのである。一方、被告はその何十倍もの厚さの書類を、故意に、原告の自宅に送り付けたのである。原告が被った損害の方がはるかに大きい。

4 損害と請求のまとめ

(1)慰謝料

以上のとおり、被告が本件懲戒請求1に基づき30万円を、訴外北が本件懲戒請求2に基づき30万円を請求し、同種訴訟で認容判決が出ていることを考慮すれば、これよりはるかに被害の大きい原告の慰謝料は、被告が当事者本人となっての提訴につき100万円、訴外北の訴訟代理人としての提訴につき100万円、合計200万円を下回ることはない。

(2)弁護士費用

 本件は、(債務不履行と)不法行為に基づく損害賠償請求であり、原告は弁護士委任を余儀なくされた。そこで相当因果関係のある損害として、請求する各慰謝料の1割の額の弁護士費用を請求する。すなわち、被告が当事者本人となっての提訴につき10万円、訴外北の訴訟代理人としての提訴につき10万円、合計20万円の弁護士費用である。

(3)遅延損害金

 不法行為の後である本年7月19日からの遅延損害金も求める。

第8 結語

 上記の請求原因により、請求の趣旨記載の判決並びに仮執行宣言を求めて、本件提訴に及ぶ。

証拠方法 別紙証拠説明書のとおり

添付書類

委任状、訴状副本1通、甲号証写し各2通