日別アーカイブ: 2018年2月4日

2370 2018/02/04アラカルト②

優游涵泳
ボタン様の御意見、理解出来なくもありません。
一連の弁護士会の声明や意見は、ただ小難しい用語を多用しただけの駄文でしか無く、法律で言葉遊びしただけの”内容としては”読むに値しない代物ですから、楽しい筈も無ければそれ自体は役にも立ちません。
真面目に内容を理解しようとして読むには、余りにも時間の無駄な文章ですから。
例えると「1+1」を説明する場合、答えが「2」では都合が悪いので、長々と小難しく見える言い回しや用語を用いて「この場合の”1”は、数値としての”1”では無く、文字列としての”一”と同様に解釈すべきで、これは変数と考えられる。従って、”1”の中身は『3』かもしれないので、『1+1』の答えは『2』とするべきでは無い」と言う様な屁理屈を長々と述べているだけですので、繰返しますがその内容に意味は無いのです。
ではどのように読めば面白く出来るかと言うと、”屁理屈を捏ねた行為”に対しての攻撃用の材料として読むと、少々感覚が異なって参ります。
表現は悪いですが、「おまエラ、頭悪過ぎだろ~wwwww」と感じる様に読む訳ですね。
ですので、読み方は殆どの場合は流し読みで構わないでしょう。
どんな”馬鹿な事を述べてる”かを理解すれば第一ステップは修了、どんな”手口を使って”いるかを分析出来る様になれば第二ステップも修了です。
明るい将来を想像しながら、楽しく無理なく保守活動を続けられれば、それだけで反日勢力には大打撃なのです。

.....ざっと並べるだけで日弁連という集団が、なぜに「諸悪の根源マンセー日弁連」と称されるかがわかるだろう。そして憲法を無視した朝鮮人利権の集団であることがわかってくるだろう。そのうんざりしたタイミングで読んで面白い記事がでてくるとすぐに飛びつくよな。
というわけで次の二稿は在日コリアン弁護士協会である。日弁連との癒着がはっきりとするが、当然、売国奴日弁連には腹が立つし吐き気がしてくるだろう。休み休みどうぞ。

 

一読者です
余命さま、弁護士会への外患誘致起動は、今この瞬間は、警告であり、自浄作用を期待していると、行間から読み取っていますが、五輪とは裏腹に、日本人少女拉致被害者奪還未だならず、及び竹島尖閣への侵攻、中露のスクランブル、北朝鮮ミサイル、中川昭一先生がやられた事由とスヒョン文書、岡崎トミ子による機密情報流出とメディア報道偏向から反日勢力支配を考えると、すでに有事で、次の瞬間、国内も戦闘に入る可能性があり、警告と楽観視していては、有事の動き方によれば即殲滅もありと認識します。
弁護士会の中の方々には、危機管理を望みます。
一人、弁護士さんに、状況を外患誘致発動の語句とともに お伝えさせて頂きました。同調圧力を跳ね返す奇跡的力を祈ります。
余命チームには参戦せず、無力ではありますが、日本が滅ぼされない事を望みます。有事の灯台の命がけのご尽力、感謝しています。
ありがとうございます。
防衛大教授あたりの方々が、外患誘致を発動するような国内及び国外軍事情勢に、現在ある、というのが事実だと理解しつつある最中です。

 

こめびつわさび
余命様、スタッフの皆様、お疲れ様です。 こめびつさわさび です。
今回の記事でご指摘の「懲戒請求に関する談話」、年が明けて埼玉県弁護士会も加わりましたので、投稿いたします。
日本弁護士連合会の意見表明を理由とする懲戒請求に関する会長談話 2018年01月22日
ttp://www.saiben.or.jp/proclamation/view/744
今般、日本弁護士連合会が意見表明をしたことを理由として、特定の団体が、当会所属の多数の弁護士に対して懲戒を求める書面をとりまとめ、当会に送付した。
しかし、これらの書面は懲戒請求という形式はとるものの、個々の弁護士の非行を問題とするものではないことから、懲戒請求として取り扱うのは相当でない。
よって、当会は、これらの書面を上記意見表明に対する反対意見としては承るものの、懲戒請求としては受理しないこととし、また、今後、同種の書面が送付されてきたときも同様の対応を取ることとした。
弁護士は、弁護士法1条に基づき、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命としており、この使命に基づき、ときには公権力と対峙しなければならない。これを踏まえて、弁護士会には、弁護士の正当な活動を確保し、市民の基本的人権を擁護するたりゃめに高度の自治権が認められており、弁護士会が有する弁護士に対する懲戒権は、その根幹をなしている。
当会は弁護士会の有する懲戒権を適正に行使していくことを改めて確認し、市民の方々におかれては、このような弁護士懲戒制度の趣旨をご理解下さるようお願い申し上げある次第である。
以 上
2018(平成30)年1月22日
埼玉弁護士会会長  山下 茂

.....堂々と憲法違反をやって、それを繕うのに弁護士法違反までやり出したらもう地獄への一本道である。懲戒請求以前に弁護士会会長には法違反の是正を求めていて、外患誘致罪での告発もしている。第四次告発において外患誘致罪だけではなく援助、予備陰謀、未遂まで入れたのは逃げ道を作ってあげただけの話である。有事、一発外患罪→死刑という図式はそのまま残っている。地検が告発状を押さえ込んで返戻しているから、当のご本人は告発そのものを全く知らない可能性がある。まあ、めくら蛇に怖じずで知らない方が幸せということもあるからなんとも言えないが.....。
告発を受理しない場合に検察は当然被告発人への連絡はしないから、余命ブログを読んでいない弁護士は知らない可能性がある。お花畑だねえ。

 

宮崎マンゴー
余命先生、お身体のお具合は如何がでしょうか?おそらく、我々読者有志の皆様が案じられる如く、日々御無理為さっておられるのでありましょう。どうかくれぐれもお気をつけ下さいますよう。
いっこうに進まない様に思われる国内情勢も、余命先生が伝えられておられた通り又、皆様の官邸メールや通報メールの成果で、少しずつ様々な方面で追い風となって現実が見えてまいりました。
我が国の宝であられる自衛隊の尊きお方が、また一人天へ召されました。御冥福をお祈り致します。
日夜、命がけで厳しい任務遂行へと向かわれでおられる我が国全ての自衛隊の方々へ心から感謝でございます。以前、自分の置かれている現状の心身の苦しみから追い込まれ、どうせ救出されぬ身ならば自分と同じ様に自由無き囚われている沢山の人々と共に、この引きずり込まれたおぞましい世界から、自分が日本国旗を纏い焼身自殺をと考えた事もございます。
しかしながら、神様はお見捨てになられませんでした。余命先生、PTチームの皆様、スタッフの皆様、読者有志の皆様のひた押しが心に染み渡り、日本人としての誇りと命の尊さをお教え下さり導いて下さりましたから。感謝でございます。何度も伝えさせていただきます。ここに日本人の日本の自衛隊の皆様の目がありますことを。
お願い申し上げます。国内で、心身の苦痛を伴いながらも、貴方がたの救出を待ち望む多くの日本人が祈り願い存在することを。幼き子供達、若者、我々男性女性、御高齢の方々をお救い下さい!祈
路傍の石
余命翁様 スタッフの皆様には日本再生、在日駆除、反日勢力駆逐に御尽力頂有り難うございます。
スイス政府 「民間防衛」の書より
~武力を使わない戦争の形・その名も「乗っ取り戦争」
第1段階  工作員を政府の中枢に送り込む
第2段階  宣伝工作・メディアを掌握し、大衆の意識を捜査
第3段階  教育現場に浸透し「国家意識」を破壊する
第4段階  抵抗意志を徐々に破壊し、平和や人類愛をプロバガンダとして利用する。
第5段階  テレビ局などの宣伝メディアを利用して自分で考える力を奪ってゆく。
最終段階  ターゲットとする国民の聴衆が無抵抗で腑抜けになったとき、大量植民して乗っ取る
日本の現状はどこでしょうか。
野党の多くは反日組織で多くの帰化工作員で構成され政党まである。
余命の予定では日弁連とその幹部の皆様は安保理やインターポールなどの国際機関によりテロ支援組織、又はテロリスト指定で進めておられます。
NHKや朝日新聞、毎日新聞、TV朝日、TBS(産経は除く)は報道しない自由の行使で日本国民を洗脳し平和ボケさせテロの幇助組織でしょう。
テレビのCMや出演者を見ていると多くの朝鮮系帰化人が出演しておりそれをコントロールしている電通の社員の多くは朝鮮系帰化工作員だと想定されます。
「テロを擁護する物はテロリスト」と言う余命の言葉通りNHKや朝日新聞、毎日新聞、TV朝日、TBS(産経は除く)電通はテロ支援組織でりあり殲滅、駆除の対象です。
琵琶鯉
翁様、余命スタッフの皆様、全国の同士様、日本再生への御働きありがとございます。
翁様の余命blogは、目的blog 多くの国民が事実を知る事で、また、知られる事が不都合になる勢力への牽制となる。という内容のコメントを読み、私が投稿する小さな事もきっとどこかで役に立つと信じて、投稿いたします。
ご存知の方々もいらっしゃると思いますが、自民党が国会が開催されている期間、ネットで『カフェスタ』という番組を中継し、国会質問についての解説がされています。
これが、とても分かりやすく、是非とも多くの方々に視聴して頂きたいと思います。
テレビでは、野党ばかりで、一体何をやっているのか。と感じますが、自民党の議員さん達の質問にも解説がつき、とても分かりやすいです。
私達に対する政治に対する見識の向上と政治家に対するチェック機能(メディアは報道しない自由を行使します。)が働き、正しく行政を導く事となると思います。是非とも『カフェスタ』の拡散をお願い致します。
(琵琶鯉)


在日外国人の中で、6桁を超える在留人口を持つ国籍の人たちは、在日コリアン(彼ら自身の呼称)以外にも日本国内に存在しますが、LAZAKの声明文のなかで、たびたび在日コリアンに向けての、彼らの主張するヘイトスピーチが記載されておりますが、LAZAKでは、なぜ、これほど在日コリアン(彼ら自身の呼称)にヘイトスピーチ(彼らの主張)が集中するのか、LAZAKでは分析しているのでしょうか。
在日コリアンの為に立ち上げた組織のようですが、日弁連の声明の濫発の模写を見たような錯覚を覚えました。
ドサンピン@量産壱号
お世話になります。 ドサンピンでございます。
「日弁連のみならず当会でも積極的に行われている二重の」が消されている。
ここまでやるともう犯罪だな。参考に並記しておこう。

懲戒請求事由
違法である朝鮮人学校補助金支給要求声明に賛同し、その活動を推進する行為は、日弁連のみならず当会でも積極的に行われている二重の確信的犯罪行為である。

懲戒請求事由
違法である朝鮮人学校補助金支給要求声明に賛同し,その活動を推進する行為は,確信的犯罪行為である。

さて、ここで第一東京弁護士会のやらかした犯罪行為についででございますが、
刑法
(私文書偽造等)
第一五九条 行使の目的で、他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造した者は、三月以上五年以下の懲役に処する。
2 他人が押印し又は署名した権利、義務又は事実証明に関する文書又は図画を変造した者も、前項と同様とする。
3 前二項に規定するもののほか、権利、義務又は事実証明に関する文書又は図画を偽造し、又は変造した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

上記のうち第二項に該当しますな。
モロ有印私文書偽造罪ですな、ぎゃはははははは。
犯罪に犯罪を上塗りする糞共、それが弁護士だ。彼らに法の代行者たる資格などない、笑止、恥と知るべし。 諸共滅せよ!!

 

通りすがりの774
小西ひろゆきのツィート
河野大臣は日本外交の破壊者。昨年に佐藤外務副大臣が自衛隊「服務の宣誓」で所信表明した憲法66条(文民条項) 、外務省設置法違反を必死に擁護。私の追及に「外務副大臣として職務を全うする基本的な姿勢を述べた」と哀れな詭弁をろうするだけ。ニヤケ朝貢写真の前にさっさと武人副大臣を罷免すべきだ
言いたかったのは最後なのでしょうが、この論理の飛躍っぷりは素敵です。ホントに東大卒なのかな?
東大卒なら稲田朋美、佐藤正久と来たら次に誰が入閣するのか分かるはずなんですがねぇ。
ところで、中国人の識字率ってせいぜい4割らしいですね。噂話で生きる人がほとんどですので簡単に流言飛語に踊らされるでしょう。また大変信心深い人も多いようで、航路の安全を祈願して飛行機のエンジンに硬貨を投げ入れたり(笑)
この21世紀において、迷信や呪いが兵器になるとは思いませんでしたねぇ
中国では旧日本兵は悪鬼のように思われているんでしょ?
栗林将軍の孫である新藤義孝議員が防衛大臣になったとしたら…
日本ですら大河ドラマの役と俳優を混同するお年寄りが多いんですから、中国じゃどうなることか(笑)
ちょっとした雨、地震まで日本の兵器になりそうだ。

 

たぬき侍(金色の足軽)
皆様お疲れ様です。拙者の趣味のブログでも、こちらで紹介されていた弁護士会の異常な声明等を取り上げ(抜粋コピペ一件+解説)、十回ぐらいのミニシリーズにして勝手に公開したりしています。……似たようなことをやって見える方は、きっと何人もいらっしゃるんでしょうけれども(情報拡散w)。
それはそうと、このままですと仕舞には、ひょっとして馬鹿サヨクや在日や国賊商売人同士で責任のなすりつけあい、身内同士での生贄の選定が始まって「共食い」発生するんじゃないでしょうか(ウーマン某なんて芸人が仲間内の反日芸能界から吊るされてるみたいですけど)。保守派の情報隠しや嘘情報の拡散に手を貸してポケットマネーを稼いでた売国奴連中とかも、ある意味ではヤバいのでは?(もし在日やパヨクから腹いせに襲われても警察に守って貰えるか、操作して貰えるかどうかすら怪しい)……なぜって、北朝鮮の39号資金?がミサイル乱射で尽きたとか、パチンコがそろそろ破滅するとか。買収とか在日チンピラ動員の金がなくなったら、あいつらいったいどうするつもりなんでしょう? いまさら愛国装っても相手にされるかどうかも怪しいですし、身内の反日シンパから恨まれて制裁されたりしそうじゃないんでしょうか?
あーあ、もはや今となっては、一番にハードランディングを望んでいるのはむしろ日本人よりも、在日の中の悪い主犯格・反日の中心だった人たちとか、それとつながっていた国賊商売の日本人かもしれませんね。このまま穏当かつ着実にジワジワ切り取られていったら、順番的に早い段階でお縄になるのは目に見えてるでしょうし。そうなるくらいだったら、周囲の日本人も在日も全部巻き込んで大騒動にし、その隙に自分だけ逃げて有耶無耶にしようとか考えてそう。……あいつらには最低限の信頼性すらないですから、いざとなったら平気でパヨク仲間や在日を売りまくるんじゃないでしょうか? 誰がどう考えても「売るか売られるかの生存競争」とい内ゲバが激化していきそう(我ら日本人はおさおさ警戒怠りなく、そして油断なく、生温かい眼差しで見守っていく必要がありますね)。

.....積極的な裏切りはともかく、消極的な裏切りは頻発するだろうな。懲戒請求に対する対応で日弁連の会長が大失敗。その影響で傘下各弁護士会だけではなく、お友達の検察まで火の粉を被りそうになっている。かなり混乱しそうだね。
余命本の最終チェックにはいるので、この件はまた近いうちに取り上げる予定である。

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2369 北山特集在日コリアン弁護士協会③

北山特集在日コリアン弁護士協会③
橋下徹大阪市長(日本維新の会共同代表)の「慰安婦」発言に対する抗議及び謝罪要求声明
橋下徹氏(大阪市長・日本維新の会共同代表・弁護士)は、旧日本軍の「慰安婦」制度について、「あれだけ銃弾が飛び交う中、精神的に高ぶっている猛者集団に休息を与えようとすると、慰安婦制度が必要なのは誰だって分かる。」、「軍を維持し、規律を保つために、当時は必要だった。」などと述べた。
しかしながら、そもそも、日本の多数の裁判例においても事実として認定されているとおり、「慰安所」の開設は、旧日本軍当局の要請に基づくものであり、その目的は、旧日本軍占領地域内において、日本軍人による住民婦女子に対する強姦等の凌辱行為が多発したところ、これによる反日感情が醸成されることを防止する高度の必要性があったこと、性病等の蔓延による兵力低下を防止する必要があったこと、軍の機密保持・スパイ防止の必要があったことにある。
すなわち、「慰安所」開設の直接の目的は、「強姦等の凌辱行為の防止」自体ではなく、あくまでも、「反日感情の醸成の防止」や、「戦力低下防止・機密保持・スパイ防止」などにあった。そしてこのような目的達成の手段として採用されたのが「慰安所」の設置であった。このような目的、そして手段の非人道性、非倫理性こそが問題とされている。
「慰安婦」には、13歳から19歳程度の多くの朝鮮人の少女たちが含まれていた。少女たちは、日本による就業詐欺、甘言、暴力的方法、人身売買などの方法によって「集め」られた。
日本政府は、植民地下の朝鮮において義務教育を最後まで実施しなかった。例えば朝鮮人女子の公立普通学校についての完全不就学率は1940年ころでも約70パーセントと高く、「慰安婦」とされたほとんどの少女たちは十分な教育を受けることができなかった。そのような少女たちを、就業や就学、その他甘言を弄して、また、暴力的方法、人身売買などの方法で「集め」、遠く中国や東南アジア諸国などまで連れて行き、「慰安所」に置き、旧日本軍の「慰安婦」たらしめたのである。当然、「慰安所」から脱出することなど不可能であった。
そして、「慰安婦」たちは戦争終結まで、ほぼ連日、多数回の性交を強要された。「慰安婦」とされた女性たちは単なる性交、単なる性的欲望解消の手段として扱われた。まさに「性奴隷」ともいうべき実態であった。そして、旧日本軍の敗戦後、「慰安婦」らの多くは現地に置き去りにされ、その後も悲惨な被害の実態を長らく訴えることさえできなかった。
橋下徹氏は、「意に反して慰安婦になった方には配慮しなければならない」とも発言したとされるが、「慰安婦」問題の核心は、「意に反して慰安婦とされた女性(少女)がほとんどであった実態」や、「人間を施設の必需の備付品のように扱った実態」にある。国家が人間の尊厳を侵して「モノ」として扱う制度を置いたことこそが最大の問題とされているのである。
また、橋下徹氏は「軍や政府が国を挙げて慰安婦を暴行脅迫拉致したという証拠が出れば、日本国として反省しないといけないが、今のところはそういう証拠はないと政府が閣議決定している。」などとも発言したとされるが、そもそも上記のような「慰安婦」問題の本質を理解しないものであることに加え、甘言・暴力的方法等により「慰安婦」が集められたことを事実認定している過去の多数の裁判例やそれを支える多くの証言をも無視し、歪曲するものというほかない。
国連人権基本条約のうちの一つである女性差別撤廃条約は、その前文で、女性に対する差別が権利の平等の原則及び人間の尊厳の原則に反するものであること、そして、アパルトヘイト、人種主義、人種差別、植民地主義、侵略などの根絶が男女の権利の完全な享有に不可欠であるとの普遍的原理を宣言している。
今回の橋下徹氏の発言に対して、諸外国から多くの非難がなされているのは、まさに「慰安婦」制度が女性の尊厳を踏みにじるものであり、同条約の依拠する普遍的原理に反するものであると国際的にも認められているからであり、このような発言は、「平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたい」とする日本国憲法の理念にも背くものである。
橋下徹氏の発言は、地方自治体の首長であり、かつ、政党の共同代表という公人として、日本の朝鮮半島に対する植民地支配下の歴史的事実をも歪曲するものであり、加えて、「慰安婦」とされた女性の尊厳を深く傷つけるのみならず、すべての女性を蔑視するものである。
われわれ在日コリアン弁護士協会は、橋下徹氏の一連の発言に強く抗議するものであり、直ちにその発言を撤回したうえ、「慰安婦」とされたすべての女性に対して謝罪することを強く求める。
以上
2013年5月17日 在日コリアン弁護士協会

北山(※改行等修正を加えています。)(北山)
「出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する等の法律の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置を定める政令案等」 に対する意見 (パブリ ックコメント)
2011年11月25日
在日コリアン弁護士協会 代表 弁護士 殷勇基
第1 通称名の記載に関する意見
1 意見の趣旨
在留カード及び特別永住者証明書の氏名欄に、 通称名の併記を可能とする旨の規定を、改正入管法及び改正入管特例法の施行規則に追加すべきである。
2 意見の理由
(1) 関連の各規定等
改正入管法及び改正入管特例法には、在留カード及び特別永住者証明書に氏名を記載するとの規定があるが、 通称名の記載について定めた規定はなく、法律に規定があるもの以外の在留カード及び特別永住者証明書の様式、表示すべきもの及び必要な事項についての定めは法務省令に委任することとされている (改正入管法19条の4第1項及び第4項並びに改正入管特例法8条1項及び4項参照) 。
委任を受けて法務省が作成 ・公表した改正入管法及び改正入管特例法の施行規則案にも通称名の記載について定めた規定はない。 この点、 法務省は、①通称名は公正な在留管理に必要な情報ではない、 ②住民行政サービスに必要な情報は外国人に係る住民基本台帳制度において保有されることとなる、といった理由で、在留カード及び特別永住者証明書に通称名を記載しないことを予定しているとの考えを示しており (同省の2010年8月31日付け 『 「在留カード及び特別永住者証明書の仕様について」 に関する意見募集の結果について』 と題する文書) 、 改正入管法及び改正入管特例法の施行規則案に通称名の記載についての規定がないのはこの考えに沿ったものと思われる。
しかしながら、通称名を在留カード及び特別永住者証明書に併記することを可能とする旨の規定を、改正入管法及び改正入管特例法の施行規則に追加すべきである。 その理由は以下のとおりである。
(2) 在日コリアンに生じうる社会生活上の重大な支障
相当数の在日コリアンが、 日本社会の中で生活する上で、 長年にわたり、 自己を識別し特定するための氏名として通称名を使用してきたことは、 公知の事実である。
このような者らは、 銀行口座の開設や各種契約の締結等の取引行為を通称名において行っており、 また、 不動産登記簿や会社登記簿等の公的記録上の氏名としても通称名を使用している。
ところで、 在留カードまたは特別永住者証明書は、 新制度のもとにおいても、 外国人の身分関係についての重要な公証手段であり社会生活の様々な場面で提示・利用されることが想定されるところ、仮に、これらのカード・証明書に通称名の記載が認められなければ、通称名を氏名として使用している者に、 社会生活上重大な支障が生じることは容易に想定される。
このような重大な支障を回避するためには、 在留カード及び特別永住者証明書に通称名の併記を認めることが必要である。
(3) 法的保護に値すること
通称名も、 使用実態があり社会的に定着したものは、 氏名と同じく個人を識別し特定する機能を有する。 前述のとおり、 在日コ リアンを中心とする相当数の外国人が通称名を使用して社会生活を営んできたことはよく知られているところであり、 かかる外国人の通称名は、 個人の人格を表象するものとして法的な保護を受けるに値する。
現に、 従前の外国人登録実務においては、「通称名は、法律的にみて正式な氏名ではないが、 我が国に長年居住し通称名を用いて取引その他に従事する外国人の便宜を図って、登録事項ではないものの特に登録原票、登録証明書に記載することを認められてい」た。(外国人登録事務協議会全国連合会法令研究会編著 『新版外国人登録事務必携』 日本加除出版、 1988年、 30頁) 。
また、改正後の住民基本台帳制度に関し、総務省は、通称名については立証資料により使用実態が確認できれば外国人に係る住民票等の備考欄に記載する運用を可能とすると公表している (同省の2010年1月作成 「外国人住民に係る住民登録業務のあり方に関する調査研究」の最終報告) 。
なお、社会生活上の必要性という観点においては、 住民票の記載では足りず、 公証手段としての提示 ・ 利用の機会が多い在留カー ド及び特別永住者証明書上も、通称名の記載が認められなければならないから、 法務省においても、 総務省と同様、 通称名の記載を認める方向で制度設計を行うべきである。
(4) 結論
以上のように、 通称名の併記を認めないことで、 在日コリアンらに社会生活上の重大な支障が生じることは回避されなければならず、また、通称名を使用して社会生活を営んできた在日コリアン等外国人にとって、通称名は、個人の人格を表象するものとして法的な保護を受けるに値する。
よって、 在留カード及び特別永住者証明書の氏名欄に、 通称名の併記を可能とする旨の規定を、改正入管法及び改正入管特例法の施行規則に追加すべきである。
なお、 施行令等に明文の規定のないまま運用によって記載を可能とするだけでは、 運用変更吹第で通称名の公証手段が失われ、 事実上通称名が使用できなくなることにもなりかねず、 法的安定性に欠け、通称名を使用する在日 コ リアン等の生活が脅かされる危険があるから、 施行規則に明文を設けるべきである。
第2 在留カード及び特別永住者証明書の携帯及び提示義務に関する意見
1 意見の趣旨
中長期在留者に対する在留カードの常時携帯義務および提示義務、ならびに、特別永住者に対する特別永住者証明書の提示義務を定める改正入管法及び改正入管特例法の各規定は、 立法により削除されるべきである。
現行法のもとにおいても、 上記各義務の違反を理由とする警察権等の行使は、 事実上停止されるべきである。
2 意見の理由
(1) 中長期在留者に対する在留カードの常時携帯義務および提示義務
改正入管法では、中長期在留者に対する在留カードの常時携帯義務および提示義務が引き続き規定され、これらの義務違反については刑事罰が規定されている (改正入管法23条、75条の2、75条の3) 。
その理由は、不法入国者や不法残留者が多数存在している状況の下では、 本邦に在留する外国人の身分関係、 居住関係、 在留資格の有無およびその内容等を即時的に把握し得ることが必要であるから、 とされる。 しかし、 不法入国者や不法残留者の検挙を目的と して、中長期在留者に対しそのような重大な義務を課すことに、果たしてどれほどの合理性が認められるのか甚だ疑問である。 外国人の身分関係、居住関係、在留資格の有無およびその内容等の把握は、 一般の犯罪検挙時と同様、 本人または関係者に対する質問や他の身分証の任意提示、 関係機関への照会等によっても十分に可能であり、 不法入国者や不法残留者の検挙という 目的は、永住者を含む全ての中長期在留者に対し在留カードの携帯を義務づけることを正当化する事情とはなりえない。 中長期在留者に対して一津、 刑事罰を伴う形で常時携帯義務および提示義務を認すことは、 明らかに過度で広範な規制である。
この点、1998年11月19日付けで出された国連自由権規約人権委員会による日本政府に対する勧告では、 外国人永住者が登録証明書を常時携帯しないことを犯罪とし刑事罰を課す外国人登録法について、 自由権規約第2 6条に適合しない、 そのような差別的法律は廃止されるべきである、 との見解が表明されている。 それにもかかわらず、今回の改正で、 依然、 永住者を含む全ての中長期在留者に対する常時携帯義務を残存させたことは、外国人に対してのみ過度な負担を課すものとして、 自由権規約第2 6条等に違反するものであるといわざるをえない。 勧告を受け改正作業も行っているにもかかわらず、 常時携帯義務を残存させた日本政府の姿勢に対して国際的非難が向けられることは避けられない。
以上の理由により、立法論としては、中長期在留者に対し一律に在留カードの常時携帯義務および提示義務を課す規定およびこれらの違反に対する罰則規定は、 直ちに見直されるべきである。
そして、 現行法のもとにおいても、 上記各義務の違反を理由とする警察権等の行使は事実上停止されるべきである。
(2) 特別永住者に対する特別永住者証明書の提示義務
他方で、改正法において、特別永住者に対しては、旅券および特別永住者証明書の常時携帯義務は削除されたが、特別永住者証明書の提示義務は残存されることとなった (改正入管特例法17条2項および4項) 。 そして、 この提示義務に反し提示を拒否した場合、1年以下の懲役または2 0万円以下の罰金という罰則が定められている (改正特例法31条)。
常時携帯義務は廃止されたにもかかわらず、提示義務が残ることになった理由について、立法担当者は、 不法講帯在者が多数存在する状況においては、 日本に在留する特別永住者についても、 他の外国人と同様に、 その身分関係等を即時的に把握する必要が生じる場合があるから、と説明している。そして、 携帯していないときに提示を求められた場合の取り扱いとして、 特別永住者が特別永住者証明書を取り寄せ、 または同証明書が保管されている場所まで赴くなどして提示する、 などが指摘されている。
しかし、 「提示を受ける」 ことを根拠に、 警察官等が自宅等の保管場所まで同行することが正当化されるのであれば、 特別永住者の生活の平穏が著しく害される。 特別永住者が、このような事態を回避するために特別永住者証明書の携帯を強いられるのだとすれば、実質上、特別永住者に特別永住者証明書の常時携帯義務を課していることに他ならない。 かかる事態は、 自由権規約第2 6条にも実質上違反するものである。
以上のとおり、 特別永住者に対し、 罰則を伴って提示義務を残存させることの合理性は見出せず、 今回の改正にあたり、 日本政府が、 特別永住者の歴史的経緯およびその定着性を考慮して常時携帯義務を廃止したのであれば、 これと同じく提示義務も廃止されるべきである。
そして、 現行法のもとにおいても、 提示義務の違反を理由とする警察権等の行使は事実上停止されるべきである。
第3 みなし再入国許可制度に関する意見
1 意見の趣旨
在留カード ・ 特別永住者証明書の 「国籍 ・ 地域」欄の記載が 「朝鮮」の者を含め、全ての在日コリアンを、みなし再入国許可制度の対象とするべきである。
2 意見の理由
(1) 「有効な旅券」 の所持がみなし再入国許可の要件とされていること
新法で新たに導入された 「みなし再入国許可」 は、「有効な旅券を所持すること」をその要件としている (改正入管法26条の2) 。
しかし、在日コリアンの中には、様々な理由から、本国の旅券を取得せず、再入国許可書 (改正入管法2 6条) の発給を受けてこれを事実上の旅券として海外渡航を行っている者が多数存在する。 例えば、 在留カー ド ・ 特別永住者証明書の 「国籍 ・ 地域」 欄の記載が「朝鮮」 の者 (以下、「朝鮮表示者」という。) は、 現状、韓国政府が、 朝鮮表示者に対する韓国旅券の発行に原則、 応じておらず、 その結果、 韓国の旅券を取得できないため、実務上取得しうる 「本国の旅券」 は北朝鮮 (朝鮮民主主義人民共和国) の旅券 (以下 「北朝鮮旅券」 という。 ) しかない。
ところが、 施行令案は、 改正入管法2条5号口の地域として、従前とおり、台湾、パレスチナのみを定め、 北朝鮮を除外しており (第1条) 、 同条の 「旅券」 に北朝鮮旅券は該当しない。 このこともあって、 朝鮮表示者は、みなし再入国許可制度の対象とされていない。
(2) 再入国許可制度自体の問題性
そもそも、 永住者の居住国に帰る権利を認めなかった従前の再入国許可制度については国際社会からの批判が強く、 例えば、 自由権規約委員会が1998年11月6日に発表した日本政府報告書に対する最終見解は、 第18項で、「委員会は、 締約国に対し、 『自国』という文言は、『自らの国籍国』 とは同義ではないということを注意喚起する。 委員会は、従って、 締約国に対し、 日本で出生した韓国 ・ 朝鮮出身の人々のような永住者に関して、出国前に再入国の許可を得る必要性をその法律から除去することを強く要請する。 」 と指摘していた。 今般の法改正によりみなし再入国許可制度が設けられたのは、 かかる批判を受けたものと考えられる。
かかる観点からは、 朝鮮表示者を含む全ての在日コリアンが、 最優先でみなし再入国許可制度の対象とされるべきである。
(3) 改正入管特例法の趣旨及び再入国許可書所持者の実態
また、 朝鮮表示者は、ほぼ全てが終戦前から日本に居住する者及びその子孫であり、一般の中長期在留者に比しても格段に日本社会との繋がりは深く、この者らを一律にみなし再入国許可制度の対象から排除することは、「法務大臣は、特別永住者に対する入管法第2 6条及び前項において準用する入管法第2 6条の2の規定の適用に当たっては、 特別永住者の本邦における生活の安定に資するとのこの法律の趣旨を尊重するものとする」(改正入管特例法2 3条3項) と規定する改正入管特例法の趣旨にも反する。
さらに、立法担当者の解説によれば、「中長期在留者については、 今回の改正により、在留状況の正確な把握が可能となり、 再入国許可申請を行わせることによって在留状況を確認する必要性が減殺されることから、 みなし再入国許可制度を導入することが可能となった」 という (山田利行ほか「新しい入管法‐2009年改正の解説」 (有斐閣) 80頁)。そうであれば、 朝鮮表示者は、そのほとんどが特別永住者であって、他の中長期在留者と同様、 改正法のもとで 「在留状況を正確に把握」 されるのであり、 みなし再入国許可制度から除外する合理的理由は存在しない。
(4) 結論
以上のとおり、 朝鮮表示者などについて、 有効な旅券を所持していないという形式的な理由でみなし再入国許可制度から除外することは、 制度導入の趣旨に反するものであり、かつ、合理的理由のない差別的取扱いとして、 憲法14条に反する疑いすらある。
よって、これらの者を含む全ての在日コリアンをみなし再入国許可制度の対象とするよう、 関連の政省令等を整備すべきである。
以上

北山(※改行等修正を加えています。)(北山)
申入書 2011年6月14日
厚生労働大臣 細川 律夫 様
在日コリアン弁護士協会 代表 弁護士 殷 勇 基
私たち在日コリアン弁護士協会 (略称LAZAK ;Lawyers association of ZAINICHI Korean) は, 日本の弁護士資格を有する在日コリアンの団体であり, 在日コリアンをはじめとするマイノリティの人権擁言葉を目的の一つとして2 0 0 2年に設立されました。 現在, 韓国表示, 朝鮮表示, 日本国籍を有する弁護士8 7名の会員で構成しています。
さて, 在日コリアンをはじめとする定住外国人が日本のホテル・旅館等を利用する際, ホテル・旅館等の宿泊業者から外国人登録証明書の提示を求められ,提示しない場合に,ホテル・旅館等の利用を拒まれる事案の存在が相当数, 報告されています。 そこで, この問題に関して, 貴職に対して, 下記のとおり申し入れます。
(申入れの趣旨)
定住外国人が, ホテル, 旅館等の宿泊施設に宿泊する際, 外国人登録証明書(2 0 1 2年7月までに予定されている改正入管法, 改正入管特例法の施行後は, 在留カード及び特別永住者証明書。 以下同じ。) の提示をする必要はないこと, 従ってまた, 外国人登録証明書の不提示を理由とする宿泊拒否ができないことについて, 都道府県知事等関係首長並びに関係団体及び旅館業者等へ周知を図ってください。 また, 必要であれば実情を調査し, その他, 不当な提示要求, 宿泊拒否が行われないようにするための必要な措置を取ってください。
(申入れの理由)
1 定住外国人が日本のホテル・旅館等を利用する際, 宿泊業者から外国人登録証明書の提示を求められ, 提示しない場合に, ホテル・旅館等の利用を拒まれる事案の存在が相当数, 報告されています。
2 在日コリアンをはじめとする定住外国人は, 日本国籍を有していませんが,特別永住, 一般永住等, 日本に定住する権利を保持し, 日本に住所・生活の基盤を有しており, 現在220万人以上の定住外国人が日本で生活しています。
3 ところで, 旅館業法第6条1項, 旅館業法施行規則第4条の2により, 日本国内に住所を有しない外国人には宿泊の際に国籍, 旅券番号を告げる義務が課されています。 しかし, ここで国籍, 旅券番号を告げる義務が課されているのは, 「日本国内に住所を有しない外国人」 です。 定住外国人は日本国内に住所を有しているので, 国籍及び旅券番号を告げる義務はありません。 従って,上記法令は宿泊の際に外国人登録証明書の提示を定住外国人に求める根拠にはなりません。
4 また, 外国人登録法は, 「外国人は, 入国審査官, 入国警備官, 警察官,海上保安官その他法務省令で定める国又は地方公共団体の職員がその職務の執行に当たり登録証明書の提示を求めた場合には, これを提示しなければならない。」 と規定しています (同法13条1項)。 しかし, ホテル・旅館等の宿泊業者が, 「その他法務者令で定める国又は地方公共団体の職員」 に該当しないことは明らかですから, 同法を根拠としても, ホテル・旅館等の宿泊業者が外国人登録証明書の提示を求めることはできません。
5 加えて, 外国人登録法自体,その一部規定について差別的であることを理由に国連から廃止を勧告されている法律であること (そして, 改正入管特例法においてその趣旨が一部, 現に採用されるに至ったこと) にも留意する必要があると考えます。
すなわち,外国人登録法は, 日本に在留する外国人に対して, 外国人登録証明書の常時携帯義務を課し (13条1項), 警察官等が外国人登録証明書を求めた場合の提示義務を規定し(同条2項), 外国人がこれを拒絶した場合の罰則を定めていますが (18条1項1号), 国連・ 自由権規約委員会は, 永住外国人に刑罰をもって外国人登録証明書の常時携帯を強制することは, 同規約26条 (法の前の平等・法律の平等な保護を受ける権利)に合致しない差別的制度であるとして, 日本政府による第3回政府報告書に対する最終見解以降, その廃止を繰り返し, 勧告しています。 そして, 2012年秋ころ施行予定とされる改正入管特例法において, 特別永住者については, 特別永住者証明書の常
時携帯義務が撤廃されたところです。
6 さらに, 外国人登録証明書には, 氏名,住所, 生年月日の他, 外国人登録番号, 在留資格が記載され,顔写真が添付されており, 極めて高度な個人情報が記載されています。 よって, 不必要な開示により個人情報や, プライバシーに関する権利・利益の侵害が起こることがないよう十分な配慮が必要であることも言うまでもありません。
7 なお,以上については, 「旅館業法施行規則の一部を改正する省令の施行について」 (平成17年2月 9 日健発第0209001号。 各都道府県知事・各政令市市長 ・ 各特別区区長あて厚生労働省健康局長通知) も, 「本改正により営業者が実施すべき事項」 と して, 「改正規則施行後においては, 宿泊者が自らの住所として国外の地名を告げた場合, 営業者は, 当該宿泊者の国籍及び旅券番号の申告も求めることとする」,「本改正によ り宿泊者名簿に国籍及び旅券番号の記載をすることとなる宿泊者に対しては, 旅券の呈示を求める」 とのみしているところです。
8 以上によれば, 法令の根拠なく, 外国人登録証明書の提示を求め, 提示がない場合に利用を拒むことや,そのような実情があるのに, (是正のための方策もとられず漫然と放置されているようなことがもしあれば) 状況が放置されていることは, 法的にも大いに問題であるというほかありません。
9 しかるに, 前記のとおり, 定住外国人が外国人登録証明書の提示を求められ, 提示しない場合に, 利用を拒まれる事案の存在が相当数, 報告されています。 そこで, 定住外国人が, ホテル, 旅館等の宿泊施設に宿泊する際, 外国人登録証明書の提示をする必要はないこと, 従ってまた, 外国人登録証明書の不提示を理由とする宿泊拒否ができないことについて, 都道府県知事等関係首長並びに関係団体及び旅館業者等へ周知を図る必要があると思料します。 また,必要であれば実情を調査し, その他, 不当な提示要求, 宿泊拒否が行われないようにするための必要な措置を貴職において取られる必要があると考え, 本申入れに至ったものです。
10 なお, 2012年7月までに予定されている改正入管法, 改正入管特例法の施行後は, 上記の趣旨が, 改正法に基づく在留カード及び特別永住者証明書についても妥当すべきであることは言うまでもありません。 したがって, これら証明書についても同様の措置が取られる必要があると考えます。
以上

北山(※書き起こしです。これが最後の一番古いものです。一応、この後最新の3つについて改行等修正したものを投稿します。延坪島砲撃事件を「北朝鮮による砲撃という政治的事件」とか、「弁護士が殺害されるという重大な業務妨害事件」というのもそうですが、すごい迷言です。)(北山)
声明  2010年12月3日
在日コリアン弁護士協会 代表 弁護士 殷 勇基
在日コリアン弁護士協会(会員弁護士85名)は、本年6月2日、文部科学大臣に対し、朝鮮学校を、公立高等学校の授業料無償化・高等学校等就学支援金制度(高校無償化制度)の対象とする告示を行うこと、及び制度発足当初に遡及して就学支援金を支給することを求める意見書を提出しました。
その後、8月31日、高等学校の課程に類する課程を置く外国人学校の指定に関する基準等について、高等学校等就学支援金の支給に関する検討会議から「個々の具体的な教育内容については基準としない」とする報告がなされました。これを受けた適用基準が11月5日には文部科学大臣から発表され、日本国内のすべての朝鮮学校が同基準に当てはまる見通しであったと思われます。
しかしながら、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が大韓民国(韓国)・大延坪島を砲撃したことを受けて、11月24日、内閣総理大臣は高校無償化制度の審査手続きを停止するよう文部科学大臣に指示し、文部科学大臣は25日、当面、手続きを停止することを正式に表明しました。従って、今回の審査手続き停止は、北朝鮮による砲撃という政治的事件を考慮した、政治的な決定です。
高校無償化制度は、理想のための制度です。社会全体で子どもたちの学びを支える、家庭の状況にかかわらず、すべての意志ある高校生が、安心して勉学に打ち込める日本社会をつくる、という理想を実現するための第一歩として設けられたものであるはずです。そうである以上、この制度の適用は、一に日本国内・日本社会の子どもたちの教育、処遇の問題なのであり、その審査手続きも、日本に住むすべての子どもたちの学びを、日本社会全体で支えるという目的に敵うかどうかという観点からなされるべきです。言うまでもなく、朝鮮学校に通う子どもたちも、他の子どもたちと同じく日本社会の子どもたちであり、(子どもたち自身の主体的かつ政治的な意見表明をする権利が保障されるべきなのはもちろんのことですが)、その教育の問題に、政治は不用意に持ちこまれるべきではありません。
理由なき民間人への砲撃・殺傷がなされた場合、そのような行為が許されない行為であり、そのような行為を指示・実行した者が強い非難に値することは言うまでもありません。しかし、このことを、高校無償化制度の適用にあたって考慮することには反対します。そのようにすることは、結局、子どもたち自身がどうすこともできない、国外の、政治的な事がらの責任を子どもたちに負担させることになるからです。このように考えることは、政治的な問題を制度に不用意に持ち込むべきではないとして、無償化制度の適否にあたって教育内容の審査を行わないことを決定した検討会議の見解とも符合するものと考えます。
前回の当協会意見書でも表明したとおり、このまま高校無償化制度の対象とされない期間を長引かせることが、朝鮮学校に通う子どもたちに被差別感情を抱かせ、また朝鮮学校に対する社会の差別感情を誘発することになりかねないことをおそれます。
審査手続きを再開し、速やかに朝鮮学校を高校無償化制度の対象として認定することを求めます。
以上

北山(※前に投稿したものに改行等修正を加えたものです。公開されている中では最新の16番目のものです。「公の施設をヘイトスピーチに利用させない規則改正などは行われたことからも」「見聞きすることによることによる被害」は多分誤字です。「ナチスによるユダヤ人、ロマの人々、障がい者などの歴史的事実」は多分“虐殺という”が抜けてます。)(北山)
意 見 書
題名 「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律に基づく「公の施設」利用許可に関するガイドライン(案)」について
氏名 (団体の場合は、 名称及び代表者名) 在日コリアン弁護士協会 代表 弁護士 林範夫
意見の提出日 2017(平成29)年 7月19日
枚数 4枚(本紙を含む)
政策等に対する意見
1.はじめに
ヘイトスピーチ集会に対する公共施設の利用制限の問題は、ここ数年ヘイトスピーチが蔓延する中で、憲法の保障する表現の自由、集会の自由との関係で地方公共団体を悩ませてきた。当協会は、この問題にヘイトスピーチの被害者となるマイノリティとしての専門家集団として応えるために、法的規制の研究、シンポジウムの開催、出版物の発行等の活動を行っている。
人種差別撤廃条約への加入により、地方公共団体も差別に関与してはならず、禁止し終了させる義務があること、したがって、具体的には、地方公共団体がヘイトスピーチ集会のために公共施設を貸すことは許容されないことは、2016年6月に「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」(以下、ヘイトスピーチ解消法)が施行され、それに続いて、愛知県、江戸川区などいくつかの地方公共団体で、公の施設をヘイトスピーチに利用させない規則改正などは行われたことからも、全国的に広く周知されつつあるところである。
しかしながら、ヘイトスピーチ集会を理由として公共施設を貸し出さないという運用は、表現の自由、集会の自由とも抵触することから、これらに対する必要最小限の規制となるよう十二分に留意される必要があり、これが濫用されないよう、明確で具体的なガイドラインを作り、第三者機関が判断するなど適正な手続きを保障することが重要である。今回の川崎市のガイドライン案の作成は、このようなヘイトスピーチ規制と集会の自由の保障とのバランスを考慮した具体的なガイドライン案を作成する全国で初めての先進的取り組みであり、国やほかの地方公共団体のモデルとなるものと考える。
なお、国際人権諸条約の求めているのは公共施設の利用制限に止まらず、包括的な人種差別撤廃法制度の整備である。したがって、2016年12月の川崎市人権施策推進協議会の意見にもあるように、ヘイトスピーチ対策を含めた人種差別撤廃条例を早急に整備することが不可欠かつ急務であると考える。各種報道によれば、川崎市はすでに条例制定にむけても動いているとのことであるが、当協会としては、緊急対策としてガイドライン策定に続いて、人種差別撤廃条例の制定作業が進められることを強く期待するものである。
2.総評
ガイドライン案は、ヘイトスピーチに苦しむ被害者や差別撤廃を求める市民の声を真摯に受け止め、「市民の安全と尊厳を守る」ため、地方公共団体が責任をもってヘイトスピーチを「制度的に防止」すべくつくられたものであり、法的に難しい問題があるからといってヘイトスピーチ解消の責務を放棄し、問題を先送りするのではなく、何より市民を差別から守ろうとするその積極的姿勢に、当協会は敬意と共感を表する。
また、差別的言動の解消という目的を、憲法の保障する表現の自由、集会の自由の不当な侵害にならないよう実現するために、明確で具体的な基準を設置しようとするものであり、差別の防止のみならず、表現の自由の保障の観点からも大きな意義があるものと考える。また、ガイドライン案の具体的内容を見ても、「不当な差別的言動の行われるおそれが客観的な事実に照らして具体的に認められる場合」(言動要件)には、「警告」「条件付き許可」「不許可」「許可の取り消し」という利用制限ができることとし、「不許可」「許可の取消し」とする場合には第三者機関から事前に意見聴取するとして、人種差別を禁止する義務を果たす上で、表現の自由、集会の自由の不当な侵害にならない、必要最小限度の規制に止めることに留意する内容になっているものと評価される。
さらに、ヘイトスピーチ解消法に基づくガイドラインであり、抽象的な理念法である同法をヘイトスピーチ防止のために実効化する取組であり、同法を反人種差別法として活きたものにし、日本の差別撤廃法制度を発展させる意味も大きい。そして、日本が締約国となっている人種差別撤廃条約及び自由権規約により、中央政府のみならず地方政府もヘイトスピーチをはじめとする人種差別を禁止する義務を負っているところ、川崎市による公的施設でヘイトスピーチに使わせないためのガイドラインが策定されることは、その義務に応える点でも大きな意義を有するものであると考える。
3.個別の条項の内容についての改善提案
以上のように、当協会はガイドライン案を高く評価し、その早急な制定と施行を期待するところであるが、このガイドラインがこれから各地のモデルとなるであろうことから、以下の何点かの改善を提案したい。
(1) 迷惑要件の削除
ガイドライン案では「不許可」「許可の取消し」の場合には、上述の「言動要件」のほかに、「その者等に施設を利用させると他の利用者に著しく迷惑を及ぼす危険のあることが客観的な事実に照らして明白な場合」との要件が必要とされている。その判断にあたっては、「その利用によって、他の利用者の人権が侵害され、公共の安全が損なわれる危険があり、これを回避する必要性が優越する場合に限られなければならない」とされている(p.4(3)判断方法ウ)。
「他の利用者に著しく迷惑を及ぼす」という用語が何を指すかあいまいであるが、p.4(3)判断方法エにおいて会議室の場合は「他の利用者の迷惑自体が想定し難い」と書かれていることからすれば、公共施設を利用する者が施設内で直接ヘイトスピーチを見聞きすることを前提とした解釈がなされる可能性も否定しがたいものと考えられる。しかしながら、施設内で直接ヘイトスピーチを見聞きする者の人権侵害のみを考慮するのは狭すぎる。
ヘイトスピーチの被害は、その言動が発せられている瞬間に限定されるものではないことに留意すべきである。ヘイトスピーチが公共施設で行われる状態がある限り、多くのマイノリティの親たちは子どもを連れて出かける際に常に行き先及びその近辺の公共施設でヘイトスピーチが行われる予定がないか調べることを余儀なくされるなど、日常的に不安にさらされ、自らのアイデンティティを攻撃されずに地域の一員として平穏に暮らす人格権が脅かされているのである。
また、小さな会議室で行なわれる場合でも、ヘイトスピーチの目的は差別を煽動することにあるから、インターネット上の生中継か、少なくとも「YouTube」などの録画サイトへの投稿が行われることが通常であり、市民がネット上でヘイトスピーチに遭遇して人格権が侵害され、また、差別が広がる危険性がある。2017年3月末に発表された法務省の外国人住民調査結果においても、ネット上にヘイトスピーチを見るのが嫌でそのようなネットサイトの利用をやめた人が外国籍者全体で約2割、朝鮮籍者では5割近くもいることが明らかとなっており、表現の自由、知る権利や、ネットを通じて社会に参加する権利が侵害される実害が生じている。よって、この点からも、「他の利用者の迷惑自体が想定し難い」として、ヘイトスピーチによる人権侵害の対象を施設内で直接見聞きすることによることによる被害に限定するのは不適切である。
そもそもヘイトスピーチ解消法が前文で述べるとおり、ヘイトスピーチにより被害者が「多大な苦痛を強いられるとともに、当該地域社会に深刻な亀裂を生じさせている」現状が既に存在するのであり、このような重大な害悪があるから、同法は国及び地方公共団体に対し喫緊の課題として解消に取り組むことを責務として求めたのである。
公共施設でヘイトスピーチが行われること自体により、被害者の「多大な苦痛」として、前述の実害が生じるほか、民間施設でなく公共施設で行われることにより、差別に公的機関を容認していることが被害当事者に孤立感、社会への絶望感と恐怖をもたらす。また、公共機関が差別を認めていることとなり、そのようなことをある特定のグループの人たちに対し言ってもいいのだとの感覚―差別感情が地域社会に広がり、「地域社会に深刻な亀裂を生じさせ」てしまう。マイノリティへの蔑視感が暴力へとつながることは、関東大震災における朝鮮人、中国人虐殺やナチスによるユダヤ人、ロマの人々、障がい者などの歴史的事実から明らかである。
ガイドライン案はヘイトスピーチ解消法に基づくものと位置付けられているのだから、解消法の認定するこのような重大な害悪を防ぐ目的に照らし、言動要件があれば利用制限の対象とすべきであり、この要件と別に「他の利用者に著しく迷惑を及ぼす」ことを要件として加重すべきではない。
加えて、「迷惑」「公共の安全」という用語は、定義としてあいまいであり、市民の人権保障の観点ではなく、権力的な秩序維持の観点から解釈される余地を残すという危険性があり、明確性の原則の点からも不適切であると考える。よって、迷惑要件を削除することを提案する。
なお、2017年6月21日付け神奈川新聞「時代の正体<487>ガイドライン(上)規制が表現の自由を守る」との記事によれば、市は、2016年5月30日に公園をヘイト集会に利用させない判断をした際、「市民の安全と尊厳を守る」ことを理由として掲げ、在日外国人市民が不安を抱くだけでなく、実際に公園を使うことができないという実害が生じることを考慮したという。また、今回の迷惑要件はこの不許可判断を包摂しており、同様のケースでは当然、不許可の判断になるとガイドラインの作成と運用を担当する担当者が説明しているという。しかしながら、「他の利用者に著しく迷惑を及ぼす」という要件を設けた場合、このような判断に支障が生じる懸念があるのであるから、仮に迷惑要件全体を削除しないとしても、少なくとも、立法意思に誤解が生じることを防ぐよう、「他の利用者」ではなく「『他の市民』に著しく迷惑を及ぼす危険」のあることを要件とする修正を行うべきであると考える。
また、迷惑要件の判断方法としても「他の市民の人権が侵害され、安全が損なわれる危険」とすれば、昨年5月の判断基準との同一性が明確となるのであるから、「他の利用者」の概念を狭くとらえすぎているように読める「(3)判断方法エ」は明確に削除する必要があると考える。
(2) 第三者機関の人数及び構成
第三者機関の人数及び構成は、公正さと実効性を担保するために重要なので、ある程度の要件を定めることが望ましいと考える。人数は、例えば、大阪市ヘイトスピーチ審査会にならって少なくとも5人とすることを検討するべきであると考える。また、第三者機関の構成員についても、人種差別の撤廃に関して専門的知見を有する者であることを最低限の必要条件とし、このような必要条件を満たす人材の中から、憲法及び国際人権法の専門家、マイノリティに属する者を必ず加えること、ジェンダーバランスにも配慮すること等を定めるべきであると考える。
(3) 第三者機関の審議結果の取り扱い
「7 第三者機関への意見聴取(3)」によると、第三者機関の委員が全員一致で言語要件及び迷惑要件に該当すると判断した場合には、「各施設の所轄機関は、その判断及び表現の自由等の重要性を総合的に斟酌して最終判断を行う」とあるが、委員の意見が全員一致でない場合については明記されていない。第三者機関による検討結果をヘイトスピーチ解消に向けて最大限活用するためにも、全員一致でない場合には、委員たちの意見を参考にすべきことを明記することが必要であると考える。
・ お寄せいただいた御意見に対する個別回答はいたしませんので御了承ください。
・ 記載していただいた個人情報は、提出された意見の内容を確認する場合に利用します。また、個人情報は川崎市個人情報保護条例に基づき厳重に保護・管理されます。
・ 御意見などの概要を公表する際は、個人情報は公開いたしません。
提 出 先
部署名 川崎市 市民文化局 人権・男女共同参画室

北山(※前に投稿したものに改行等修正を加えたもので、15番目のものです。)(北山)
ヘイトスピーチに関する与党法案を修正し, より実効的な法律を成立させることを求める声明
本年4月8日に,自民・公明両党から「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律案」(以下「本法案」という。)が参議院に提出された。
ヘイトスピーチは,主に人種・民族の違いなどを理由に「殺せ」「ゴキブリ」「ガス室へ送れ」などと公道で公然と叫び,その実行を慫慂するものであり,同じ社会に暮らす隣人であるのに,人種・民族をもって差別し,劣ったもの,保護するに値しないもの,どのように扱っても構わないものという差別意識を広く蔓延させる。憲法13条が保障する,対象とされているマイノリティーの人間としての尊厳を傷つけるものであり,また,憲法14条に定める平等権を侵害するものである。そればかりか,身体生命に危害を加えるヘイトクライムへと容易に結びつき,甚だしくはジェノサイド(大量虐殺)を引き起こしかねない。これは日本における関東大震災の際の朝鮮人虐殺に限らず,諸外国にも例の見られるところである。ヘイトスピーチのもたらす害悪は極めて深刻である。
近年,日本においても公共空間におけるヘイトスピーチが猖獗を極め,対処するための法律が求められてきたところ,今般,与党が本法案をとりまとめた。いうまでもなく,人種差別・民族差別,なかでも在日コリアンに対する民族差別は日本における最大の人権問題の一つであり続けているが,人種差別撤廃条約に日本が加盟して20年以上,戦後70年以上,植民地化から100年以上を経て,人種差別・民族差別への対処を正面から課題とする法案を与党に提出させたのは,あまりに遅きに失したことであるとはいえ,画期的なことといえる。人種差別と闘ってきた市民,運動の成果である。
しかしながら,本法案は,少なくとも下記の諸点について修正が必要である。第一に,本法案は,ヘイトスピーチの対象となる被害者の範囲を不当に狭めるものである。本法案は,対象者を「専ら本邦の域外にある国又は地域の出身者である者又はその子孫であって適法に居住するもの」と定義する(第2条)。これでは,在留資格なく日本に滞在している,あるいは滞在の適法性を争っている外国人,また被差別部落,アイヌ,さらには琉球・沖縄などの国内の人種的・民族的少数者に対するヘイトスピーチは本法案の適用対象外となるものと考えられる。しかし,ヘイトスピーチなどの人種差別が問題なのは,上記のとおり,それが人種的・民族的属性等を理由として人を人として扱わない,人間としての価値を踏みにじるからである。そこには,滞在が適法かどうか,出身地が国内であるか国外であるかという区別を持ち込む余地はない。
次に,「不当な差別的言動」の定義(第2条)においては,「生命,身体,自由,名誉,または財産に危害を加える」場合のみならず,人種・民族の違いに基づいた,侮蔑,蔑視,悪質なデマなども含まれることを明記すべきである。
さらに,本法案は,「不当な差別的言動のない社会の実現に寄与するよう努めなければならない」(第3条)と国民・市民に努力義務を課すにとどまるものである。罰則規定を設けない法律がヘイトスピーチ抑止のための実効的法規範たるためには,「違法」若しくは「禁止」の文言が明確に規定される必要がある。
加えて,本法案が地方公共団体の義務を努力義務にとどめている(第4条から第7条)点も問題である。罰則などの制裁が明示されていない上に,相談,教育,啓発活動すら努力義務でしかないのでは,やはり実効性を欠くことになりかねない。
当会は,少なくとも以上の諸点の修正について与党と野党が協議を行い,ヘイトスピーチ根絶のために,より実効的な法律を今国会において成立させることを求める。また,この法律が成立したとしても,それはあくまでも第一歩にすぎない。当会は,与野党,政府・地方自治体に対し,さらなる実効的な措置,立法等について引き続き検討することを求めるとともに,そのための努力を行っていく所存である。
2016年4月14日 在日コリアン弁護士協会

(※前に投稿したものに改行等修正を加えたもので、14番目のものです。韓国憲法裁判所宛てです。)(北山)
意 見 書
在日コリアン弁護士協会
憲法裁判所が、2015憲マ1047号憲法訴願審判請求事件について違憲決定を下すとともに、2015憲サ984号効力停止仮処分事件について迅速な仮処分決定を下すことを要請します。
1.問題の所在(保健福祉部指針と関連法令)
(1) 保健福祉部は、同部指針「2015年度保育事業案内」(以下「本件指針」といいます。)付録2で、「住民登録法第6条第1項第3号によって住民番号の発行を受け…る者」は、「2015年の保育料及び養育手当支援対象」から除外されるものと定めています(以下「本件指針条項」といいます。)。
「住民登録法第6条第1項第3号によって住民番号の発行を受け…る者」とは、同条項号の「在外国民」をいいます。そして、同条項号は、同「在外国民」の定義について、「大韓民国の国民であり、外国の永住権を取得した者」1で、「海外移住法」第12条による永住帰国の申告2をしない者であって、住民登録の無い者が帰国後最初に住民登録する場合であると規定しています。
1 「在外同胞の出入国と法的地位に関する法律」第2条第1号の「国民」。
2 「海外移住法」第12条では、永住帰国の申告について、申告者は、外交部令に定める永住帰国を証明することができる書類(永住権または永住権に準ずる長期在留資格の取消を確認することができる書類と居住旅券(同法施行規則第13条))を備えて申告する必要があると定めている。
(2) したがって、本件指針条項に基づき、日本で出生し日本の特別永住権を有する韓国人は、韓国に生活の本拠を置き居住している実態があるとしても、日本の特別永住権を保持している限り、保育料及び養育手当の支援対象から除外されています。
2.本件指針条項は憲法違反である
(1) 大韓民国憲法前文は、「政治、経済、社会、文化のすべての領域において各人の機会を均等にし」、「内には国民生活の均等なる向上を期」すると規定し、憲法第11条第1項は「すべての国民は、法の前に平等である。」と規定して平等原則を定めています。この平等原則は、国民の基本権保障に関するわが憲法の最高原理であり、国家が立法を行い、又は、法を解釈及び執行するにあたり従わなければならない基準であると同時に、国会に対し合理的理由なく不平等な待遇を受けず、平等な待遇を要求することができるすべての国民の権利であり、国民の基本権中の基本権であると解されています(憲裁1989.1.25.88憲カ7)。
(2) この平等原則は、憲法第23条が定める財産権、憲法第36条第1項、同第10条、同第37条第1項からから導き出される「父母の子のための教育権」の実現にも当然に適用されるべきものです。
また、国民の教育を受ける権利が、憲法第31条第1項で保障されていますが、同条項は「すべての国民は、能力に応じて、均等に教育を受ける権利を有する。」と規定し、国民の教育を受ける権利について平等原則が適用されることが憲法上明記されています。同条5項は国が平生教育を振興すべき義務を定めていますが、この平生教育の振興についても平等原則が適用されなければなりません。
(3) 本件指針は、嬰幼児保育法に基づく幼児の無償保育について具体化したものです。同法第3条では「嬰幼児は、自身又は保護者の性、年齢、宗教、社会的身分、財産、障害、人種及び出生地域などによるあらゆる種類の差別も受けず保育されなければならない」と嬰幼児保育における平等原則を規定しています。かかる平等原則もまた、上記の韓国憲法上の平等原則に基づくものというべきです。
(4) 嬰幼児保育法は、第1条で「この法は、嬰幼児(嬰幼児)の心身を保護し健全に教育し健康な社会構成員として育成するとともに、保護者の経済的・社会的活動が円滑になされるようにすることで、嬰幼児及び家庭の福祉増進に貢献することを目的とする」と定めています。
嬰幼児保育法の目的である韓国社会の構成員として育成すべきこと、そして、保護者の経済的・社会的活動が円滑になされるべきことは、当該韓国国民が外国の長期滞在資格を保有しているか否かにかかわるものではありません。実際に、当該韓国国民が韓国国内に生活の本拠を置き定住している以上、同法の目的が妥当します。上記韓国憲法上の平等原則、同法の目的・保育の理念からすれば、同法は、無償保育の対象者として、現に韓国に定住しているあらゆる韓国国民の家庭を念頭においているというべきです。
それにもかかわらず、本件指針は、現に韓国に定住している韓国国民の家族について、外国の長期在留資格を有していることを理由に、嬰幼児保育法に基づく嬰幼児の無償保育から一律に排除しています。これは、上記の韓国憲法上の平等原則に反する不合理な差別であり、本件憲法訴願審判請求人らの平等権を侵害しているといわざるを得ません。
(5) なお、本件指針では、韓国国民のみならず、父母の一方が外国籍を有する家庭の子女についても、多文化家族支援法に基づき養育手当の支給を受けられるものと定めていますが、例えば、在日同胞が日本国において帰化手続を行い、新たに日本国籍を取得した後、外国に永住権を有しない韓国国民と結婚し、韓国で居住することになった場合には、出生した子に対する養育手当の支給がなされるのに対し、在日同胞が韓国国籍を放棄せず、外国に永住権を有しない韓国国民と結婚した場合には、出生した子に対する養育手当の支給がなされないという点で、両者に不合理な不均衡が生じていることは明らかです。
また、2014年の住民登録法の改正の趣旨は、在外国民が韓国の国民であるにも関わらず国籍を放棄した外国国籍の同胞と同じく扱われることに対しての心理的な拒否感を払拭させ、国内で生活するにおいて不便をなくし、大韓民国の国民であるという所属感を向上させるところにありました。しかし、本件指針条項は、日本で生まれ韓国に定住している韓国人について内国人と異なる取扱いをしており、住民登録法の改正の趣旨にも反しています。
3.日本における児童手当の受給資格
(1) 日本においても、韓国と類似の制度として、児童手当の支給制度があります。即ち、児童を養育している者に児童手当を支給することにより、家庭等における生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資することを目的として、児童手当法が制定さており(同法第1条)、同法に基づき、中学校修了前の児童に対して児童手当が支給されています。
(2) 日本の児童手当の受給資格については、児童を監護し、かつ、これと生計を同じくするその父母等であって、日本国内に住所を有するものとされています(同法第4条第1号)。これに基づき、日本政府は、日本国内に住所を有し住民基本台帳に記載されている者は、すべて児童手当の受給資格の対象としており、父母の日本国外の在留資格自体は問いません(日本国籍の有無も問いません。)。
そのため、父母が夫婦で海外に居住している場合であっても、当該児童が日本に居住している場合に、児童と同居している者を「父母指定者」として指定すれば、指定された者に手当が支給されています。
(3) このように、日本政府は、韓国政府とは異なり、日本国内に住所を置くすべての児童に対し、次代の社会を担う児童として扱い、その健やかな成長を図るため、その児童を養育する者に広く児童手当を支給しています。
4.特別永住権の歴史性・内容
(1) 日本における「特別永住権」は、一般永住資格とは異なり、1945年の解放前から日本に在留している日本の旧植民地出身者の法的地位の安定化を図るために特別に認められている法的地位です。そのため、「特別永住権」は、1945年9月2日以前から引き続き日本に在留し、サンフランシスコ講和条約(以下「講和条約」といいます。)の規定に基づき1952年4月28日に日本国籍を離脱した者等及びその子孫(以下「特別永住者」といいます。)に限り認められています3。
3 なお、日本政府の見解は、特別永住について、日本在留のための「資格」、「法的地位」にすぎず「権利」ではないというものです。しかし、特別永住が実質的に日本の旧植民地出身者及びその子孫が有する権利であるのは明らかですので、本意見書では特別永住権として説明します。
4 日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法第3条。
5 同法第4条第1項、第2項。
6 同法第22条。
7 同法第20条。
8 同法第23条第1項、第2項。
(2) 特別永住権については、まず、講和条約による国籍離脱者及びその子孫について、特別永住者として日本で永住することができるとし4、特別永住者が特別永住許可の申請をしたときには、法務大臣は許可をするものと規定され5、覊束的に特別永住権が認められる点で、一般永住等の中長期在留資格と異なります。
加えて、特別永住者の退去強制事由は、内乱罪、外患誘致罪及びそれらの予備罪、陰謀罪、幇助罪で禁固刑を受けた場合等のほか、無期又は7年を超える懲役又は禁錮に処せられ、かつ法務大臣が日本の重大な利益が損ねられたと認定した場合に限られ6、一般永住等の中長期在留資格に比べて非常に狭く限定されています。実際に7年以上の懲役又は禁固刑に処せられた特別永住者は存在するものの、当会が知る限りでは、実際に退去強制は実施されたことはありません。
さらに、特別永住者は、日本を出国し再入国する場合、予め再入国許可を受けて日本を出国したときには、再入国の上陸手続において所持する旅券の有効性のみ審査され、他の外国人のように上陸拒否事由に該当しないことを審査されることはありません7。また、特別永住者以外の中長期在留資格を有する外国人の場合、再入国許可の有効期限の上限が5年であるのに対し、特別永住者の上限は6年、再入国許可を受けずに再入国が可能な期間も、特別永住者でない外国人の場合には1年であるのに対し、特別永住者は2年とそれぞれ長くなっています8。
このように、「特別永住権」は、特別永住者が日本でより安定した生活を営むことができるために認められた法的地位であり、他の日本の中長期在留資格と比較し、非常に安定した在留資格です。
(3) 在日同胞が「特別永住者」として「特別永住権」を保有することになった経緯は、次のとおりです。
日本における朝鮮半島の植民地支配によって、日本に多数の同胞が居住 することになりました。1940年前後以降、多数の朝鮮人が強制的に連行されました。それ以前は「渡航」の形態をとっていましたが、これも植民地支配に起因するものであったことは言うまでもありません。朝鮮半島の解放当時、200万人以上の朝鮮人がいたとされ、最終的に、帰国者を除く約50~60万人の朝鮮人が日本に継続して居住することになりました。
日本政府は、このような在日同胞の国籍について欺瞞的な立場に立っています。すなわち、朝鮮人は1910年の植民地化によって日本国籍を取得したが9、1945年の光復によっては日本国籍を喪失せず、日本が連合国による占領から主権を回復した講和条約が発効した1952年4月28日まで朝鮮人の日本国籍は存続していた、というものです。
9 本意見書では、日本国籍の強制取得自体の無効、不当性については措きます。
10 ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く外務省関係諸命令の措置に関する法律(昭和27年法律第126号)第2条第6項。
日本国家は、このような見解を前提とするにもかかわらず、1947年5月2日、天皇の最後の勅令である「外国人登録令」により、朝鮮人は日本国籍を保有しているが外国人とみなすと宣言し、朝鮮人を外国人として取り扱いました。翌5月3日には広く人権を保障する日本国憲法が施行されましたが、実際には、その人権は日本国籍者に限って保障し、外国人については人権享有を厳しく制限するという運用がなされました。そして、外国人とはいっても、日本における外国人人口の90パーセント以上は朝鮮人でした。朝鮮人は民主的な日本国憲法の発足当初から、人権保障の埒外に置かれたのです。
そして、在日同胞は、講和条約発効により正式に日本国籍を剥奪され、そして同時に日本国籍がないことを理由に、これ以降、人権が厳しく制約されました。即ち、日本政府は、講和条約が発効した1952年4月28日に外国人登録法を公布・施行し、一方的に、在日同胞の日本国籍を「剥奪」しました。その一方で、日本国は、日本国憲法の人権条項を外国人に対し限定的にしか適用せず、また、人権保障のための法律に「国籍条項」(人権の享受に日本国籍を要求する条項)を置くなどして、在日同胞の人権を制約したのです。さらに、在日同胞の在留資格は、「別に法律で定めるところによりその者の在留資格及び在留期間が決定されるまでの間、引き続き在留資格を有することなく本邦に在留することができる」10とされ、暫定的な在留資格しか認めませんでした。日本国家は、いったんは在日同胞の日本国籍を剥奪し、その法的地位を非常に不安定なものとしながら、希望するものに対しては個々的に「帰化」により日本国籍を認めるとしつつ、「帰化」にあたっては日本への同化を求める政策を採ったのです。
これに対し、在日同胞は、安定した法的地位を日本政府に求める闘争を繰り広げるとともに、日本社会、国際社会からの助力を得て、解放から45年以上が経過した1991年になってようやく「特別永住権」を日本国家に認めさせました。このように、日本における特別永住権と特別永住者に対する人権保障は、日本国籍がないことを理由になされた日本国による不当な人権侵害に対して、日本国籍がないまま人権を保障するよう私たちの先達が求め、勝ち取ってきた成果です。
(4) 以上の意味で、日本の特別永住権は、植民地支配、講和条約に発効に伴う一方的な「日本国籍」の「剥奪」措置とその後の国籍がないことを理由とする及び差別・同化という在日同胞に対する過酷な状況の中で、在日同胞の人権を保護するために認められた重要な法的地位です。特別永住権は、「剥奪」された日本国籍の回復を求めるべきではないという在日同胞に特殊な事情から、日本国籍を求めないまま、人権保障を勝ち取った実質的には「国籍」に相当する法的地位であって、韓日両国において戦後補償の対象外とされてきた在日同胞11にとって唯一の戦後補償ともいえるものです。日本の特別永住権の放棄を求めることの合理性を判断するにあたっては、以上の在日同胞の特殊事情がよく勘案される必要があります。
11 「大韓民国と日本国間の財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する協定」(条約第172号、1965年6月22日署名)第2条1.「両締約国は、両締約国及びその国民(法人を含む。)の財産、権利及び利益並びに両締約国及びその国民の間の請求権に関する問題が、(中略)、完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する。」という規定が、同条2.(a)で「一方の締約国の国民で千九百四十七年八月十五日からこの協定の署名の日までの間に他方の締約国に居住したことがあるものの財産、権利及び利益」に影響を及ぼさない旨規定されている。「対日民間請求権申告に関する法律」(法律第2287号、1971年1月19日制定)でも、申告対象の範囲を定めた第2条第1項で「1947年8月15日から1965年6月22日まで日本国に居住したことがある者を除く大韓民国国民」と定められている。このように、在日同胞は韓日両国で戦後補償の対象外とされた。
5.まとめ
(1) 以上より、日本の特別永住権を有しながら韓国に居住する韓国人に対する保育料・育児手当を支給しないと定めた本件指針条項は、韓国憲法上の平等原則に反する不合理な差別であり、本件憲法訴願審判請求人らの平等権を侵害しており、韓国憲法に違反します。
(2) 日本では、日本国籍者を外国の在留権の有無で社会保障から一律排除する不合理な差別は、当会が把握している限りでは存在しません。
(3) 本件指針条項の下では、日本の特別永住権を有する同胞が韓国で保育料及び養育手当を受給するには、二つの方法しかありません。第一に、特別永住権を放棄することであり、第二に、日本の国籍を取得することです。
しかし、特別永住権が日本の植民地支配と在日同胞に対する差別・同化の歴史を証明するものであることは、前述のとおりです。
また、日本国籍を取得していない在日同胞は、日本国に納税しているにもかかわらず、地方参政権をはじめとするすべての政治から除外されています。自己統治が基本原理とされる民主主義社会であたかも専制政治を受けるかのようです。このような不当な扱いを受けても、あえて日本国籍を取得していない在日同胞たちがまだ30万人以上に達します。このような在日同胞が日本国籍を取得しない理由もまた、植民地支配と在日同胞に対する差別・同化の記憶からです。
本件指針条項は、結果として、日本の特別永住権を有する同胞に対し、韓国で保育料及び養育手当を受給するために、特別永住権を放棄させ、または、日本国籍を取得させようとするものであって、日本の植民地支配と在日同胞に対する差別・同化の歴史を、在日同胞の祖国が自ら消し去ろうとするものです。
(4) 当会は、日本の特別永住権を有する同胞に対する不合理な差別について憲法裁判所が違憲決定を下すことで是正するとともに、本件請求人らが保育料及び養育手当を受給できるよう仮処分決定を迅速に下すことを強く要請します。
以 上
2015年12月1日
在日コリアン弁護士協会 代表 金 竜 介

2368 北山特集在日コリアン弁護士協会②

北山特集在日コリアン弁護士協会②
在日コリアン弁護士協会の声明等について、次世代の党の回答書などもありますが、新しいものから順に投稿いたします。
また、前日まで(たしか)準備中となっていた代表の挨拶が2018年1月19日に新しいものに変わっていたので今回はそちらを。
(以下引用)
LAZAKは、創立当初、わずか20数名の団体でした。会員のほとんどが父母や祖父母が朝鮮半島からわたってきた在日2世・3世でした。在日コリアン弁護士であるとの1点で共通する私たちは、在野法曹として人権問題に取り組み、実務家として弁護士業務に必要な情報を共有し、またマイノリティとして相互の親睦交流を深めようと、2001年、在日コリアン弁護士協会(LAZAK)というネットワークを創りました。
それまで、在日コリアン社会では、ともすれば、朝鮮籍・韓国籍は絶対に維持しなければならない等、国籍、名前、結婚相手、思想信条などにおいて、ひとつの考え方だけが正しく、その他は間違っているという排他的で単純化された考え方が根強く残っていました。しかし、現実には、在日コリアンのなかには、朝鮮籍・韓国籍を維持する者、帰化手続により日本国籍を取得した者、日本人との結婚によりダブルとして生まれた者がいました。また、本名である韓国名・朝鮮名を日常使用する者、通名である日本名を日常使用する者、読み方だけ日本読みである者、朝鮮・韓国の読み方と日本の読み方が混じっている者などがいました。日本人と結婚している人もいました。思想信条もさまざまでした。私たちは、創立当時、在日コリアンに対する地方参政権の付与や届出制帰化の立法化が具体的な現実性をもって議論されていたことを契機に、多様な在日コリアンのあり方を積極的に肯定しよう、多様な生き方の肯定こそが人権の核心をなすものだから、法律専門家である弁護士が正面からこれを謳い、在日コリアンの人権擁護を進めてゆこうとLAZAKを結成しました。LAZAK内部で多様な意見があったにもかかわらず、一部の意見がLAZAK全体の意見と誤解されるなどの出来事も当初ありましたが、その後、LAZAKは活動の実績を評価されて着実に会員数を伸ばし、いまでは120名を超える大きなネットワークを構成するに至っています。会員も、本国留学経験者、本国での法律実務経験者、民族学校出身者や本国からの留学生出身者など、多様性を増しています。また、著作の出版やシンポジウムの開催、外国人問題に関する外部との交流や韓国の法曹界(弁護士会、法院、憲法裁判所など)との交流などを通じて、団体としてのLAZAK内部の蓄積を豊富にしてきています。およそ韓国や朝鮮に関する法的な問題であれば、その解決能力においてLAZAKを超える団体は存在しないと自負しています。
初心を忘れず、益々LAZAKの活動を推し進めてゆく所存です。在日コリアンの弁護士・司法修習生はLAZAKのメンバーとなってほしいですし、在日コリアンや日本人の方々にはLAZAKを多いに利用していただけたらと思っています。

在日コリアン弁護士協会(LAZAK)
代表  林 範 夫
(以上引用)(北山)

北山
意 見 書
題名
「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律に基づく「公の施設」利用許可に関するガイドライン(案)」について
氏名
(団体の場合は名称及び代表者名)
在日コリアン弁護士協会 代表 弁護士 林範夫
意見の提出日
2017(平成29)年 7月19日
枚数
4枚(本紙を含む)
政策等に対する意見
1.はじめに
ヘイトスピーチ集会に対する公共施設の利用制限の問題は、ここ数年ヘイトスピーチが蔓延する中で、憲法の保障する表現の自由、集会の自由との関係で地方公共団体を悩ませてきた。当協会は、この問題にヘイトスピーチの被害者となるマイノリティとしての専門家集団として応えるために、法的規制の研究、シンポジウムの開催、出版物の発行等の活動を行っている。
人種差別撤廃条約への加入により、地方公共団体も差別に関与してはならず、禁止し終了させる義務があること、したがって、具体的には、地方公共団体がヘイトスピーチ集会のために公共施設を貸すことは許容されないことは、2016年6月に「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」(以下、ヘイトスピーチ解消法)が施行され、それに続いて、愛知県、江戸川区などいくつかの地方公共団体で、公の施設をヘイトスピーチに利用させない規則改正などは行われたことからも、全国的に広く周知されつつあるところである。
しかしながら、ヘイトスピーチ集会を理由として公共施設を貸し出さないという運用は、表現の自由、集会の自由とも抵触することから、これらに対する必要最小限の規制となるよう十二分に留意される必要があり、これが濫用されないよう、明確で具体的なガイドラインを作り、第三者機関が判断するなど適正な手続きを保障すること
が重要である。今回の川崎市のガイドライン案の作成は、このようなヘイトスピーチ規制と集会の自由の保障とのバランスを考慮した具体的なガイドライン案を作成する全国で初めての先進的取り組みであり、国やほかの地方公共団体のモデルとなるものと考える。
なお、国際人権諸条約の求めているのは公共施設の利用制限に止まらず、包括的な人種差別撤廃法制度の整備である。したがって、2016年12月の川崎市人権施策推進協議会の意見にもあるように、ヘイトスピーチ対策を含めた人種差別撤廃条例を早急に整備することが不可欠かつ急務であると考える。各種報道によれば、川崎市はすでに条例制定にむけても動いているとのことであるが、当協会としては、緊急対策としてガイドライン策定に続いて、人種差別撤廃条例の制定作業が進められることを強く期待するものである。
2.総評
ガイドライン案は、ヘイトスピーチに苦しむ被害者や差別撤廃を求める市民の声を真摯に受け止め、「市民の安全と尊厳を守る」ため、地方公共団体が責任をもってヘイトスピーチを「制度的に防止」すべくつくられたものであり、法的に難しい問題があるからといってヘイトスピーチ解消の責務を放棄し、問題を先送りするのではなく、何より市民を差別から守ろうとするその積極的姿勢に、当協会は敬意と共感を表する。
また、差別的言動の解消という目的を、憲法の保障する表現の自由、集会の自由の不当な侵害にならないよう実現するために、明確で具体的な基準を設置しようとするものであり、差別の防止のみならず、表現の自由の保障の観点からも大きな意義があるものと考える。また、ガイドライン案の具体的内容を見ても、「不当な差別的言動の行われるおそれが客観的な事実に照らして具体的に認められる場合」(言動要件)には、「警告」「条件付き許可」「不許可」「許可の取り消し」という利用制限ができることとし、「不許可」「許可の取消し」とする場合には第三者機関から事前に意見聴取するとして、人種差別を禁止する義務を果たす上で、表現の自由、集会の自由の不当な侵害にならない、必要最小限度の規制に止めることに留意する内容になっているものと評価される。
さらに、ヘイトスピーチ解消法に基づくガイドラインであり、抽象的な理念法である同法をヘイトスピーチ防止のために実効化する取組であり、同法を反人種差別法として活きたものにし、日本の差別撤廃法制度を発展させる意味も大きい。そして、日本が締約国となっている人種差別撤廃条約及び自由権規約により、中央政府のみならず地方政府もヘイトスピーチをはじめとする人種差別を禁止する義務を負っているところ、川崎市による公的施設でヘイトスピーチに使わせないためのガイドラインが策定されることは、その義務に応える点でも大きな意義を有するものであると考える。
3.個別の条項の内容についての改善提案
以上のように、当協会はガイドライン案を高く評価し、その早急な制定と施行を期待するところであるが、このガイドラインがこれから各地のモデルとなるであろうことから、以下の何点かの改善を提案したい。
(1) 迷惑要件の削除
ガイドライン案では「不許可」「許可の取消し」の場合には、上述の「言動要件」のほかに、「その者等に施設を利用させると他の利用者に著しく迷惑を及ぼす危険のあることが客観的な事実に照らして明白な場合」との要件が必要とされている。その判断にあたっては、「その利用によって、他の利用者の人権が侵害され、公共の安全が損なわれる危険があり、これを回避する必要性が優越する場合に限られなければならない」とされている(p.4(3)判断方法ウ)。
「他の利用者に著しく迷惑を及ぼす」という用語が何を指すかあいまいであるが、p.4(3)判断方法エにおいて会議室の場合は「他の利用者の迷惑自体が想定し難い」と書かれていることからすれば、公共施設を利用する者が施設内で直接ヘイトスピーチを見聞きすることを前提とした解釈がなされる可能性も否定しがたいものと考えられる。しかしながら、施設内で直接ヘイトスピーチを見聞きする者の人権侵害のみを考慮するのは狭すぎる。
ヘイトスピーチの被害は、その言動が発せられている瞬間に限定されるものではないことに留意すべきである。ヘイトスピーチが公共施設で行われる状態がある限り、多くのマイノリティの親たちは子どもを連れて出かける際に常に行き先及びその近辺の公共施設でヘイトスピーチが行われる予定がないか調べることを余儀なくされるなど、日常的に不安にさらされ、自らのアイデンティティを攻撃されずに地域の一員として平穏に暮らす人格権が脅かされているのである。
また、小さな会議室で行なわれる場合でも、ヘイトスピーチの目的は差別を煽動することにあるから、インターネット上の生中継か、少なくとも「YouTube」などの録画サイトへの投稿が行われることが通常であり、市民がネット上でヘイトスピーチに遭遇して人格権が侵害され、また、差別が広がる危険性がある。2017年3月末に発表された法務省の外国人住民調査結果においても、ネット上にヘイトスピーチを見るのが嫌でそのようなネットサイトの利用をやめた人が外国籍者全体で約2割、朝鮮籍者では5割近くもいることが明らかとなっており、表現の自由、知る権利や、ネットを通じて社会に参加する権利が侵害される実害が生じている。よって、この点からも、「他の利用者の迷惑自体が想定し難い」として、ヘイトスピーチによる人権侵害の対象を施設内で直接見聞きすることによることによる被害に限定するのは不適切である。
そもそもヘイトスピーチ解消法が前文で述べるとおり、ヘイトスピーチにより被害者が「多大な苦痛を強いられるとともに、当該地域社会に深刻な亀裂を生じさせている」現状が既に存在するのであり、このような重大な害悪があるから、同法は国及び地方公共団体に対し喫緊の課題として解消に取り組むことを責務として求めたのである。
公共施設でヘイトスピーチが行われること自体により、被害者の「多大な苦痛」として、前述の実害が生じるほか、民間施設でなく公共施設で行われることにより、差別に公的機関を容認していることが被害当事者に孤立感、社会への絶望感と恐怖をもたらす。また、公共機関が差別を認めていることとなり、そのようなことをある特定のグループの人たちに対し言ってもいいのだとの感覚―差別感情が地域社会に広がり、「地域社会に深刻な亀裂を生じさせ」てしまう。マイノリティへの蔑視感が暴力へとつながることは、関東大震災における朝鮮人、中国人虐殺やナチスによるユダヤ人、ロマの人々、障がい者などの歴史的事実から明らかである。
ガイドライン案はヘイトスピーチ解消法に基づくものと位置付けられているのだから、解消法の認定するこのような重大な害悪を防ぐ目的に照らし、言動要件があれば利用制限の対象とすべきであり、この要件と別に「他の利用者に著しく迷惑を及ぼす」ことを要件として加重すべきではない。
加えて、「迷惑」「公共の安全」という用語は、定義としてあいまいであり、市民の人権保障の観点ではなく、権力的な秩序維持の観点から解釈される余地を残すという危険性があり、明確性の原則の点からも不適切であると考える。よって、迷惑要件を削除することを提案する。
なお、2017年6月21日付け神奈川新聞「時代の正体<487>ガイドライン(上)規制が表現の自由を守る」との記事によれば、市は、2016年5月30日に公園をヘイト集会に利用させない判断をした際、「市民の安全と尊厳を守る」ことを理由として掲げ、在日外
国人市民が不安を抱くだけでなく、実際に公園を使うことができないという実害が生じることを考慮したという。また、今回の迷惑要件はこの不許可判断を包摂しており、同様のケースでは当然、不許可の判断になるとガイドラインの作成と運用を担当する担当者が説明しているという。しかしながら、「他の利用者に著しく迷惑を及ぼす」という要件を設けた場合、このような判断に支障が生じる懸念があるのであるから、仮に迷惑要件全体を削除しないとしても、少なくとも、立法意思に誤解が生じることを防ぐよう、「他の利用者」ではなく「『他の市民』に著しく迷惑を及ぼす危険」のあることを要件とする修正を行うべきであると考える。
また、迷惑要件の判断方法としても「他の市民の人権が侵害され、安全が損なわれる危険」とすれば、昨年5月の判断基準との同一性が明確となるのであるから、「他の利用者」の概念を狭くとらえすぎているように読める「(3)判断方法エ」は明確に削除する必要があると考える。

(2) 第三者機関の人数及び構成
第三者機関の人数及び構成は、公正さと実効性を担保するために重要なので、ある程度の要件を定めることが望ましいと考える。人数は、例えば、大阪市ヘイトスピーチ審査会にならって少なくとも5人とすることを検討するべきであると考える。また、第三者機関の構成員についても、人種差別の撤廃に関して専門的知見を有する者であることを最低限の必要条件とし、このような必要条件を満たす人材の中から、憲法及び国際人権法の専門家、マイノリティに属する者を必ず加えること、ジェンダーバランスにも配慮すること等を定めるべきであると考える。
(3) 第三者機関の審議結果の取り扱い
「7 第三者機関への意見聴取(3)」によると、第三者機関の委員が全員一致で言語要件及び迷惑要件に該当すると判断した場合には、「各施設の所轄機関は、その判断及び表現の自由等の重要性を総合的に斟酌して最終判断を行う」とあるが、委員の意見が全員一致でない場合については明記されていない。第三者機関による検討結果をヘイトスピーチ解消に向けて最大限活用するためにも、全員一致でない場合には、委員たちの意見を参考にすべきことを明記することが必要であると考える。
・ お寄せいただいた御意見に対する個別回答はいたしませんので御了承ください。
・ 記載していただいた個人情報は、提出された意見の内容を確認する場合に利用します。また、個人情報は川崎市個人情報保護条例に基づき厳重に保護・管理されます。
・ 御意見などの概要を公表する際は、個人情報は公開いたしません。
提 出 先
部署名
川崎市 市民文化局 人権・男女共同参画室

北山
ヘイトスピーチに関する与党法案を修正し,より実効的な法律を成立させることを求める声明
本年4月8日に,自民・公明両党から「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律案」(以下「本法案」という。)が参議院に提出された。
ヘイトスピーチは,主に人種・民族の違いなどを理由に「殺せ」「ゴキブリ」「ガス室へ送れ」などと公道で公然と叫び,その実行を慫慂するものであり,同じ社会に暮らす隣人であるのに,人種・民族をもって差別し,劣ったもの,保護するに値しないもの,どのように扱っても構わないものという差別意識を広く蔓延させる。憲法13条が保障する,対象とされているマイノリティーの人間としての尊厳を傷つけるものであり,また,憲法14条に定める平等権を侵害するものである。そればかりか,身体生命に危害を加えるヘイトクライムへと容易に結びつき,甚だしくはジェノサイド(大量虐殺)を引き起こしかねない。これは日本における関東大震災の際の朝鮮人虐殺に限らず,諸外国にも例の見られるところである。ヘイトスピーチのもたらす害悪は極めて深刻である。
近年,日本においても公共空間におけるヘイトスピーチが猖獗を極め,対処するための法律が求められてきたところ,今般,与党が本法案をとりまとめた。いうまでもなく,人
種差別・民族差別,なかでも在日コリアンに対する民族差別は日本における最大の人権問
題の一つであり続けているが,人種差別撤廃条約に日本が加盟して20年以上,戦後70年
以上,植民地化から100年以上を経て,人種差別・民族差別への対処を正面から課題とす
る法案を与党に提出させたのは,あまりに遅きに失したことであるとはいえ,画期的なこ
とといえる。人種差別と闘ってきた市民,運動の成果である。
しかしながら,本法案は,少なくとも下記の諸点について修正が必要である。第一に,
本法案は,ヘイトスピーチの対象となる被害者の範囲を不当に狭めるものである。本法案
は,対象者を「専ら本邦の域外にある国又は地域の出身者である者又はその子孫であって
適法に居住するもの」と定義する(第2条)。これでは,在留資格なく日本に滞在している,あるいは滞在の適法性を争っている外国人,また被差別部落,アイヌ,さらには琉球・沖縄などの国内の人種的・民族的少数者に対するヘイトスピーチは本法案の適用対象外となるものと考えられる。しかし,ヘイトスピーチなどの人種差別が問題なのは,上記のとおり,それが人種的・民族的属性等を理由として人を人として扱わない,人間としての価値を踏みにじるからである。そこには,滞在が適法かどうか,出身地が国内であるか国外であるかという区別を持ち込む余地はない。
次に,「不当な差別的言動」の定義(第2条)においては,「生命,身体,自由,名誉,
または財産に危害を加える」場合のみならず,人種・民族の違いに基づいた,侮蔑,蔑視,
悪質なデマなども含まれることを明記すべきである。
さらに,本法案は,「不当な差別的言動のない社会の実現に寄与するよう努めなければならない」(第3条)と国民・市民に努力義務を課すにとどまるものである。罰則規定を設けない法律がヘイトスピーチ抑止のための実効的法規範たるためには,「違法」若しくは「禁止」の文言が明確に規定される必要がある。
加えて,本法案が地方公共団体の義務を努力義務にとどめている(第4条から第7条)点も問題である。罰則などの制裁が明示されていない上に,相談,教育,啓発活動すら努力義務でしかないのでは,やはり実効性を欠くことになりかねない。
当会は,少なくとも以上の諸点の修正について与党と野党が協議を行い,ヘイトスピーチ根絶のために,より実効的な法律を今国会において成立させることを求める。また,こ の法律が成立したとしても,それはあくまでも第一歩にすぎない。当会は,与野党,政府・地方自治体に対し,さらなる実効的な措置,立法等について引き続き検討することを求めるとともに,そのための努力を行っていく所存である。
2016年4月14日
在日コリアン弁護士協会

(※韓国憲法裁判所宛ての意見書です。)(北山)
意 見 書
在日コリアン弁護士協会
憲法裁判所が、2015憲マ1047号憲法訴願審判請求事件について違憲決定を下すとともに、2015憲サ984号効力停止仮処分事件について迅速な仮処分決定を下すことを要請します。1.問題の所在(保健福祉部指針と関連法令)
. 保健福祉部は、同部指針「2015年度保育事業案内」(以下「本件指針」といいます。)付録2で、「住民登録法第6条第1項第3号によって住民番号の発行を受け…る者」は、「2015年の保育料及び養育手当支援対象」から除外されるものと定めています(以下「本件指針条項」といいます。)。
「住民登録法第6条第1項第3号によって住民番号の発行を受け…る者」とは、同条項号の「在外国民」をいいます。そして、同条項号は、同「在外国民」の定義について、「大韓民国の国民であり、外国の永住権を取得した者」1で、「海外移住法」第12条による永住帰国の申告2をしない者であって、住民登録の無い者が帰国後最初に住民登録する場合であると規定しています。
1 「在外同胞の出入国と法的地位に関する法律」第2条第1号の「国民」。
2 「海外移住法」第12条では、永住帰国の申告について、申告者は、外交部令に定める永住帰国を証明することができる書類(永住権または永住権に準ずる長期在留資格の取消を確認することができる書類と居住旅券(同法施行規則第13条))を備えて申告する必要があると定めている。
. したがって、本件指針条項に基づき、日本で出生し日本の特別永住権を有する韓国人は、韓国に生活の本拠を置き居住している実態があるとしても、日本の特別永住権を保持している限り、保育料及び養育手当の支援対象から除外されています。
2.本件指針条項は憲法違反である
. 大韓民国憲法前文は、「政治、経済、社会、文化のすべての領域において各人の機会を均等にし」、「内には国民生活の均等なる向上を期」すると規定し、憲法第11条第1項は「すべての国民は、法の前に平等である。」と規定して平等原則を定めています。この平等原則は、国民の基本権保障に関するわが憲法の最高原理であり、国家が立法を行い、又は、法を解釈及び執行するにあたり従わなければならない基準であると同時に、国会に対
し合理的理由なく不平等な待遇を受けず、平等な待遇を要求することができるすべての国民の権利であり、国民の基本権中の基本権であると解されています(憲裁1989.1.25.88憲カ7)。
. この平等原則は、憲法第23条が定める財産権、憲法第36条第1項、同第10条、同第37条第1項からから導き出される「父母の子のための教育権」の実現にも当然に適用されるべきものです。
また、国民の教育を受ける権利が、憲法第31条第1項で保障されていますが、同条項は「すべての国民は、能力に応じて、均等に教育を受ける権利を有する。」と規定し、国民の教育を受ける権利について平等原則が適用されることが憲法上明記されています。同条5項は国が平生教育を振興すべき義務を定めていますが、この平生教育の振興についても平等原則が適用されなければなりません。
. 本件指針は、嬰幼児保育法に基づく幼児の無償保育について具体化したものです。同法第3条では「嬰幼児は、自身又は保護者の性、年齢、宗教、社会的身分、財産、障害、人種及び出生地域などによるあらゆる種類の差別も受けず保育されなければならない」と嬰幼児保育における平等原則を規定しています。かかる平等原則もまた、上記の韓国憲法上の平等原則に基づくものというべきです。
. 嬰幼児保育法は、第1条で「この法は、嬰幼児(嬰幼児)の心身を保護し健全に教育し健康な社会構成員として育成するとともに、保護者の経済的・社会的活動が円滑になされるようにすることで、嬰幼児及び家庭の福祉増進に貢献することを目的とする」と定めています。
嬰幼児保育法の目的である韓国社会の構成員として育成すべきこと、そして、保護者の経済的・社会的活動が円滑になされるべきことは、当該韓国国民が外国の長期滞在資格を保有しているか否かにかかわるものではありません。実際に、当該韓国国民が韓国国内に生活の本拠を置き定住している以上、同法の目的が妥当します。上記韓国憲法上の平等原則、同法の目的・保育の理念からすれば、同法は、無償保育の対象者として、現に韓国に定住しているあらゆる韓国国民の家庭を念頭においているというべきです。
それにもかかわらず、本件指針は、現に韓国に定住している韓国国民の家族について、外国の長期在留資格を有していることを理由に、嬰幼児保育法に基づく嬰幼児の無償保育から一律に排除しています。これは、上記の韓国憲法上の平等原則に反する不合理な差別であり、本件憲法訴願審判請求人らの平等権を侵害しているといわざるを得ません。
. なお、本件指針では、韓国国民のみならず、父母の一方が外国籍を有する家庭の子女についても、多文化家族支援法に基づき養育手当の支給を受けられるものと定めていますが、例えば、在日同胞が日本国において帰化手続を行い、新たに日本国籍を取得した後、外国に永住権を有しない韓国 国民と結婚し、韓国で居住することになった場合には、出生した子に対する養育手当の支給がなされるのに対し、在日同胞が韓国国籍を放棄せず、外国に永住権を有しない韓国国民と結婚した場合には、出生した子に対する養育手当の支給がなされないという点で、両者に不合理な不均衡が生じていることは明らかです。
また、2014年の住民登録法の改正の趣旨は、在外国民が韓国の国民であるにも関わらず国籍を放棄した外国国籍の同胞と同じく扱われることに対しての心理的な拒否感を払拭させ、国内で生活するにおいて不便をなくし、大韓民国の国民であるという所属感を向上させるところにありました。しかし、本件指針条項は、日本で生まれ韓国に定住している韓国人について内国人と異なる取扱いをしており、住民登録法の改正の趣旨にも反してい
ます。
3.日本における児童手当の受給資格
. 日本においても、韓国と類似の制度として、児童手当の支給制度があります。即ち、児童を養育している者に児童手当を支給することにより、家庭等における生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資することを目的として、児童手当法が制定さており(同法第1条)、同法に基づき、中学校修了前の児童に対して児童手当が支給されています。
. 日本の児童手当の受給資格については、児童を監護し、かつ、これと生計を同じくするその父母等であって、日本国内に住所を有するものとされています(同法第4条第1号)。これに基づき、日本政府は、日本国内に住所を有し住民基本台帳に記載されている者は、すべて児童手当の受給資格の対象としており、父母の日本国外の在留資格自体は問いません(日本国籍の有無も問いません。)。
そのため、父母が夫婦で海外に居住している場合であっても、当該児童が日本に居住している場合に、児童と同居している者を「父母指定者」として指定すれば、指定された者に手当が支給されています。
. このように、日本政府は、韓国政府とは異なり、日本国内に住所を置くすべての児童に対し、次代の社会を担う児童として扱い、その健やかな成長を図るため、その児童を養育する者に広く児童手当を支給しています。
4.特別永住権の歴史性・内容
. 日本における「特別永住権」は、一般永住資格とは異なり、1945年の解放前から日本に在留している日本の旧植民地出身者の法的地位の安定化を図るために特別に認められている法的地位です。そのため、「特別永住権」は、1945年9月2日以前から引き続き日本に在留し、サンフランシスコ講和条約(以下「講和条約」といいます。)の規定に基づき1952年4月28日に日本国籍を離脱した者等及びその子孫(以下「特別永住者」といいます)に限り認められています。
3 なお、日本政府の見解は、特別永住について、日本在留のための「資格」、「法的地位」にすぎず「権利」ではないというものです。しかし、特別永住が実質的に日本の旧植民地出身者及びその子孫が有する権利であるのは明らかですので、本意見書では特別永住権として説明します。
4 日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法第
3条。
5 同法第4条第1項、第2項。
6 同法第22条。
7 同法第20条。
8 同法第23条第1項、第2項。
. 特別永住権については、まず、講和条約による国籍離脱者及びその子孫について、特別永住者として日本で永住することができるとし4、特別永住者が特別永住許可の申請をしたときには、法務大臣は許可をするものと規定され5、覊束的に特別永住権が認められる点で、一般永住等の中長期在留資格と異なります。
加えて、特別永住者の退去強制事由は、内乱罪、外患誘致罪及びそれらの予備罪、陰謀罪、幇助罪で禁固刑を受けた場合等のほか、無期又は7年を超える懲役又は禁錮に処せられ、かつ法務大臣が日本の重大な利益が損ねられたと認定した場合に限られ6、一般永住等の中長期在留資格に比べて非常に狭く限定されています。実際に7年以上の懲役又は禁固刑に処せられた特別永住者は存在するものの、当会が知る限りでは、実際に退去強制は実施されたことはありません。
さらに、特別永住者は、日本を出国し再入国する場合、予め再入国許可を受けて日本を出国したときには、再入国の上陸手続において所持する旅券の有効性のみ審査され、他の外国人のように上陸拒否事由に該当しないことを審査されることはありません。また、特別永住者以外の中長期在留資格を有する外国人の場合、再入国許可の有効期限の上限が5年であるのに対し、特別永住者の上限は6年、再入国許可を受けずに再入国が可能な期間も、特別永住者でない外国人の場合には1年であるのに対し、特別永住者は2年とそれぞれ長くなっています。
このように、「特別永住権」は、特別永住者が日本でより安定した生活を営むことができるために認められた法的地位であり、他の日本の中長期在留資格と比較し、非常に安定した在留資格です。
. 在日同胞が「特別永住者」として「特別永住権」を保有することになった経緯は、次のとおりです。
日本における朝鮮半島の植民地支配によって、日本に多数の同胞が居住することになりました。1940年前後以降、多数の朝鮮人が強制的に連行されました。それ以前は「渡航」の形態をとっていましたが、これも植民地支配に起因するものであったことは言うまでもありません。朝鮮半島の解放当時、200万人以上の朝鮮人がいたとされ、最終的に、帰国者を除く約50~60万人の朝鮮人が日本に継続して居住することになりました。
日本政府は、このような在日同胞の国籍について欺瞞的な立場に立っています。すなわち、朝鮮人は1910年の植民地化によって日本国籍を取得したが9、1945年の光復によっては日本国籍を喪失せず、日本が連合国による占領から主権を回復した講和条約が発効した1952年4月28日まで朝鮮人の日本国籍は存続していた、というものです。
9 本意見書では、日本国籍の強制取得自体の無効、不当性については措きます。
10 ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く外務省関係諸命令の措置に関する法律(昭和27年法律第126号)第2条第6項。
日本国家は、このような見解を前提とするにもかかわらず、1947年5月2日、天皇の最後の勅令である「外国人登録令」により、朝鮮人は日本国籍を保有しているが外国人とみなすと宣言し、朝鮮人を外国人として取り扱いました。翌5月3日には広く人権を保障する日本国憲法が施行されましたが、実際には、その人権は日本国籍者に限って保障し、外国人については人権享有を厳しく制限するという運用がなされました。そして、外国人とはいっても、日本における外国人人口の90パーセント以上は朝鮮人でした。朝鮮人は民主的な日本国憲法の発足当初から、人権保障の埒外に置かれたのです。
そして、在日同胞は、講和条約発効により正式に日本国籍を剥奪され、そして同時に日本国籍がないことを理由に、これ以降、人権が厳しく制約されました。即ち、日本政府は、講和条約が発効した1952年4月28日に外国人登録法を公布・施行し、一方的に、在日同胞の日本国籍を「剥奪」しました。その一方で、日本国は、日本国憲法の人権条項を外国人に対し限定的にしか適用せず、また、人権保障のための法律に「国籍条項」(人権の享受に日本国籍を要求する条項)を置くなどして、在日同胞の人権を制約したのです。さらに、在日同胞の在留資格は、「別に法律で定めるところによりその者の在留資格及び在留期間が決定されるまでの間、引き続き在留資格を有することなく本邦に在留することができる」10とされ、暫定的な在留資格しか認めませんでした。日本国家は、いったんは在日同胞の日本国籍を剥奪し、その法的地位を非常に不安定なものとしながら、希望するものに対しては個々的に「帰化」により日本国籍を認めるとしつつ、「帰化」にあたっては
日本への同化を求める政策を採ったのです。
これに対し、在日同胞は、安定した法的地位を日本政府に求める闘争を繰り広げるとともに、日本社会、国際社会からの助力を得て、解放から45年以上が経過した1991年になってようやく「特別永住権」を日本国家に認めさせました。このように、日本における特別永住権と特別永住者に対する人権保障は、日本国籍がないことを理由になされた日本国による不当な人権侵害に対して、日本国籍がないまま人権を保障するよう私たちの先達が求め、勝ち取ってきた成果です。
. 以上の意味で、日本の特別永住権は、植民地支配、講和条約に発効に伴う一方的な「日本国籍」の「剥奪」措置とその後の国籍がないことを理由とする及び差別・同化という在日同胞に対する過酷な状況の中で、在日同胞の人権を保護するために認められた重要な法的地位です。特別永住権は、「剥奪」された日本国籍の回復を求めるべきではないという在日同胞に特殊な事情から、日本国籍を求めないまま、人権保障を勝ち取った実質的には「国籍」に相当する法的地位であって、韓日両国において戦後補償の対象外とされてきた在日同胞11にとって唯一の戦後補償ともいえるものです。日本の特別永住権の放棄を求めることの合理性を判断するにあたっては、以上の在日同胞の特殊事情がよく勘案される必要があります。
11 「大韓民国と日本国間の財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する協定」(条約第172号、1965年6月22日署名)第2条1.「両締約国は、両締約国及びその国民(法人を含む。)の財産、権利及び利益並びに両締約国及びその国民の間の請求権に関する問題が、(中略)、完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する。」という規定が、同条2.(a)で「一方の締約国の国民で千九百四十七年八月十五日からこの協定の署名の日までの間に他方の締約国に居住したことがあるものの財産、権利及び利益」に影響を及ぼさない旨規定されている。「対日民間請求権申告に関する法律」(法律第2287号、1971年1月19日制定)でも、申告対象の範囲を定めた第2条第1項で「1947年8月15日から1965年6月22日まで日本国に居住したことがある者を除く大韓民国国民」と定められている。このように、在日同胞は韓日両国で戦後補償の対象外とされた。
5.まとめ
. 以上より、日本の特別永住権を有しながら韓国に居住する韓国人に対する保育料・育児手当を支給しないと定めた本件指針条項は、韓国憲法上の平等原則に反する不合理な差別であり、本件憲法訴願審判請求人らの平等権を侵害しており、韓国憲法に違反します。
. 日本では、日本国籍者を外国の在留権の有無で社会保障から一律排除する不合理な差別は、当会が把握している限りでは存在しません。
. 本件指針条項の下では、日本の特別永住権を有する同胞が韓国で保育料及び養育手当を受給するには、二つの方法しかありません。第一に、特別永住権を放棄することであり、第二に、日本の国籍を取得することです。
しかし、特別永住権が日本の植民地支配と在日同胞に対する差別・同化の歴史を証明するものであることは、前述のとおりです。
また、日本国籍を取得していない在日同胞は、日本国に納税しているにもかかわらず、地方参政権をはじめとするすべての政治から除外されています。
自己統治が基本原理とされる民主主義社会であたかも専制政治を受けるかのようです。このような不当な扱いを受けても、あえて日本国籍を取得していない在日同胞たちがまだ30万人以上に達します。このような在日同胞が日本国籍を取得しない理由もまた、植民地支配と在日同胞に対する差別・同化の記憶からです。
本件指針条項は、結果として、日本の特別永住権を有する同胞に対し、韓国で保育料及び養育手当を受給するために、特別永住権を放棄させ、または、日本国籍を取得させようとするものであって、日本の植民地支配と在日同胞に対する差別・同化の歴史を、在日同胞の祖国が自ら消し去ろうとするものです。
. 当会は、日本の特別永住権を有する同胞に対する不合理な差別について憲法裁判所が違憲決定を下すことで是正するとともに、本件請求人らが保育料及び養育手当を受給できるよう仮処分決定を迅速に下すことを強く要請します。
以 上
2015年12月1日
在日コリアン弁護士協会 代表 金 竜 介

北山(※改行等修正を加えています。)(北山)
人種等を理由とする差別の撤廃のための施策の推進に関する法律案の採決見送りに抗議し、次期国会での早期成立を強く求める声明
2015年9月25日
在日コリアン弁護士協会 (LAZAK)
参議院議員によって発議された「人種等を理由とする差別の撤廃のための施策の推進に関する法律案」は、参議院法務委員会で審議されたものの、与党の慎重姿勢により今国会では継続審議となった。
日本は1995年に人種差別撤廃条約に加盟したが、その後、現在までの20年間、人種差別撤廃のための抜本的な施策を全く講じてこなかった。 本法律案は、人種差別撤廃条約で定められた義務を法律としてもあらためて規定したうえで、国の基本原則・方針を定め、 国が人種差別の防止に取り組むことを宣明する基本法・理念法の位置付けを有するにとどまる。この程度の法律ですら成立させられないのであれば、日本社会の見識を問われることにもなりかねないものであり、当会は、日本における人種差別撤廃法制の最初の一歩となるものとして早期の成立を求めてきた。
日本においては、 在日外国人や外国にルーツを持つ日本人に対する深刻な人種差別が横行している。 特に、近年、在日コリアンをはじめとするマイノリティに対する公然とした人種差別行為が蔓延し、現在でも、公道上でヘイト・デモや街宣行動が毎週のように行われ、インターネット上でのヘイトスピーチも野放しとなっている。 本法案は、人種差別の禁止を、条約に重ねてあらためて宣言するとともに、人種等差別防止政策審議会等の担当機関を設置し、国が人種差別の防止のための施策に着手することを明らかにしている点において意義がある。人種差別撤廃委員会等の国連機関からもヘイトスピーチをはじめとする人種差別に対する抜本的対策が必要であることは、再三、指摘されており、人種差別撤廃に関する基本法の策定は急務である。
当会は、本法律案の今国会での成立が見送られたことに抗議するとともに、次期国会での速やかな成立を強く求めるものである。
以上

北山(※書き起こしです。「精算」は誤字みたいです。)(北山)
戦後70年談話についての声明 2015年8月21日
在日コリアン弁護士協会 代表弁護士 金竜介
本年8月14日に発表された内閣総理大臣談話(以下「安倍談話」という。)は、痛切な反省と心からのお詫びの対象を「先の大戦における行い」にとどめ、日本による侵略や植民地支配に対する反省とお詫びに正面から言及しなかった。また、日露戦争(1904~1905年)を、植民地支配のもとにあった多くのアジア、アフリカ人を勇気づけたと評価する一方、この戦争の結果、朝鮮半島はまさに植民地支配のもとに置かれた(1910年)という負の事実についての言及も全くなされなかった。
本年は戦後70周年の節目であるとともに、「日韓国交正常化」50周年の節目の年でもある。日本の植民地支配責任については、50年前の「日韓国交正常化」の過程において十分な総括と精算がなされなかった。その結果、「慰安婦」問題を初めとする、日本の侵略と植民地支配が多くの朝鮮半島出身者に苛烈な人生を背負わせた日本の過去の精算については、現在も解決を見ていない。また、植民地主義の結果生まれた日本社会の在日コリアンに対する差別構造についても、いまだ克服できないままとなっている。
このような現状があるにも関わらず、「日韓国交正常化」50周年の節目の年に、安倍談話が、日本による侵略や植民地支配に対する反省とお詫びに言及せず、この点について直接の言及をしていた過去の村山談話や小泉談話と比べて、大きく後退する内容となったことについては、大変遺憾である。
また、安倍談話においては、「私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」との表現が加えられた。しかしながら、日本もまたグローバル化しつつあり、「私たち日本人の子や孫や、その先の世代」の中には、コリア系、その他の「外国」系の日本国籍保有者も含まれることをこの談話は見逃している。来し方を訪ねて歴史の教訓に学び、未来を望んで道を誤らないことは、これらすべての未来の「日本人」のために、ひいては人類社会のために現在の世代が負うべき責任である。
当会は、日本が、安易な「未来志向」の美辞麗句の下、歴史と向き合うことを放棄し、現在まで続く差別構造等の植民地支配の残滓を解決するための歩みを止めることのないよう、引き続き求めるものである。

北山(※改行等修正を加えています。)
公開質問状回答に対する意見書
2015年4月9日
次世代の党 党首 平沼 赳夫 殿
在日コリアン弁護士協会 代表 弁護士 金 竜介
当会からの2015年1月19日付け「公開質問状」に対する貴党からの平成27年2月16日付け「公開質問状回答」(以下「回答」とします。)に対する当会の意見は以下のとおりです。
第1 意見の趣旨
貴党は、日本に居住する外国人の生活保護や、「慰安婦」問題について「タブーブタ」と題する動画(以下「本動画」といいます。)を作成し、インターネット上の貴党のチャンネル上に掲載することで誰でも視聴できるようにしています。
しかし、その内容は、本動画を観る者をして誤解・偏見を抱かせるものですから、政党の行為としてふさわしくありません。
ついては、本動画を速やかに削除し、その内容に問題があったことを公表すべきであると考えます。
第2 意見の理由
1 生活保護を通じて、日本に居住する外国人に対する誤解・偏見を抱かせていること
(1)貴党は、回答で、本動画の歌詞にある「僕らの税金」には、「日本に住む外国人が納めている税金」が含まれていることを認めています。
それにもかかわらず、本動画では「日本の生活保護なのに日本国民なぜ少ない 僕らの税金つかうのに 外国人なぜ8倍」としています。
本動画は、これを視聴する者に、外国人が生活保護費の元となる税金を払っていないにもかかわらず、生活保護の受給を受けているかのような誤解を与え、偏見を抱かせるものです。
(2)次に、「外国人なぜ8倍」との歌詞の根拠について、平成22年の日本国籍者と全外国籍を含む全生活保護者の保護率や、世帯主が韓国籍又は朝鮮籍(ただし、「韓国表示又は朝鮮表示」と理解するのが正しい)である場合の保護率等に基づいて算出しているとのことです。
しかし、前者は人数比較であること、後者は世帯比率であることなど算出の方法自体に問題があります。しかも、このことは貴党自身も認識しているところです。従って、「8倍」とすること自体にそもそも問題があると言わざるを得ません。
にもかかわらず、「外国人なぜ8倍」とすることは本動画を視聴する者に誤解を与え、偏見を抱かせるものです。
(3)さらに、生活保護を受けている外国人の中には、日本の社会保障体制から排除され、年金に加入することができなかったことが原因で、生活保護に頼って生活せざるを得ない方がいます。このような背景事情を説明しないで外国人の生活保護受給のみを問題視することは世論を誤導するおそれがあります。
2 「慰安婦問題」に対する誤解・偏見を助長していること
(1)貴党は、回答では「慰安婦という存在がいたことを認めるとともに、当時、様々な境遇の中で慰安婦という立場に身を置かれた方々が大変な苦労をされたことについても重々承知しております。」などと述べてはいますが、公開している本動画では、単に「慰安婦問題でっちあげ」としているだけです。本動画は、本動画を視聴した一般人をして、「慰安婦」問題自体を「でっちあげ」だとするものと認識させるものです。
(2)「慰安婦」問題は、「慰安婦」とされた被害女性たちの名乗り出を受け、研究者や市民らによる資料の発掘が進み、日本軍や日本政府関係文書によって証明された歴史的事実ですから「でっちあげ」られた問題ではありません。
また、「慰安婦」問題を語る際、「慰安婦」を暴行によって連行したのか、甘言や詐術によって連行したのかは問題の本質ではありません。「慰安婦」問題の本質は、「慰安婦」が、(暴行によると、甘言などによるとを問わず)その意思に反して慰安所に連れていかれ、慰安所において性行為を拒否する自由を持たず、そして、慰安所から帰還する自由を奪われていたことにこそあるからです。
(3)従って、仮に吉田証言が真実でなかったとしても、このことから「慰安婦」問題が存在しなかったことにはなりません。仮に新聞社が同証言について「誤報」をしたとしても同様です。「慰安婦問題でっちあげ」と主張したいのであれば、貴党は、「慰安婦」が、慰安所から帰還する自由等を持っていたことを立証すべきです。
もっとも、「慰安婦」が自由を奪われていたと認定したからこそ、国際社会も「慰安婦」問題の存在を認めているのであり、実際にはこのような立証は不可能です。そして、国際社会は、このように自由を奪われた状態を「性的な奴隷」としているのです。「慰安婦」問題は「でっちあげ」などではありません。
(4)本動画は、「慰安婦」被害者や「慰安婦」問題に対する偏見・誤解を助長するものであり、本動画を継続して公衆の閲覧に供する行為が極めて不適切であることは明らかです。
3 結論
以上の通り、貴党の作成した本動画は、日本に居住する外国人および「慰安婦」問題について誤解や偏見を助長するものといわざるを得ず、このような動画を作成し、誰でも視聴可能な状態に置く行為は、公の政党の行為としてふさわしくありません。
よって、意見の趣旨記載の通り、本動画を速やかに削除し、その内容に問題があったことを公表すべきであると考えます。
以 上

北山(※書き起こしです。一応電話番号は省略しました。「収めている税金」「でしょか」は多分誤字です。)(北山)
平成27年2月16日
次世代の党 事務局
資料送付のご案内
平素、お世話になっております。
先日ご依頼いただいたアンケートの件、添付の通り回答いたしますのでご確認くださいますようお願いします。

ア)公開質問状回答 … 計3枚
【本件問合せ先】次世代の党 事務局(電話:(※略))
在日コリアン弁護士協会公開質問状回答
まず初めに、回答の意図が変わってしまう危険性がありますので、本回答をご使用になる場合は必ず、引用等回答の一部を抜き出したものだけでなく、回答全体も併記して頂きます様、お願い申し上げます。
1.生活保護について、「日本の税金」「僕らの税金」を使うと歌われていますが、これは「日本人が収めている税金」という趣旨でしょうか。生活保護には、日本に住む外国人が納めた税金も使われていますが、「日本の税金」「僕らの税金」には「日本に住む外国人が納めている税金」も含まれていますか。正確な趣旨をご説明ください。
回答:
生活保護については、正確には以下の様に歌っています。
“日本の生活保護なのに 日本国民なぜ少ない 僕らの税金つかうのに外国人なぜ8倍”まず、「日本の税金」とは歌っていないことを指摘いたします。
「僕らの税金」には、「日本に住む外国人が納めている税金」は含まれています。そして、その使い道は、参政権のある日本国民が決めます。
税金は法律に基づいて使われるべきものです。そして、平成26年7月18日の最高裁判所の判決文においては「外国人は、行政庁の通達等に基づく行政措置により事実上の保護の対象になるにとどまり、生活保護法に基づく保護の対象となるものではなく、同法に基づく受給権を有しない者というべきである」としています。法律ではなく、昭和29年5月の厚生省社会局長の通知だけで外国人へ生活保護の支給が続けられていることを問題と考えています。
2.生活保護について、「外国人なぜ8倍」という歌詞がありますが、この「8倍」とは、どのような統計を比較して出されたものでしょか。その根拠をご教示ください。
回答:
①日本籍と全外国籍を含む全生活保護者の保護率は、
平成22年 保護率 1.52%  ※これは人数比較です。
[厚労省福祉行政報告例。月平均被保護者実人員を国勢調査人口で除した。]
②世帯主が「韓国又は北朝鮮」籍である場合の保護率(世帯)は、
27,035世帯/190,246世帯= 14.2%  ※これは世帯数比較です。
[分子:平成22年被保護者全国一斉調査(調査日7月1日)
分母:平成22年国勢調査(調査日10月1日)]。
平成22年を用いているのは、国勢調査が5年に一度しか行われていないことによります。
③これらの割合を比較すると以下のようになります。
14.2%/1.52%= 9.3倍
ここには、
・全生活保護者に外国人が含まれていること。
・分子が世帯数比較、分母が人数比較であること。
・分母の調査日が異なること。
・世帯主が「韓国又は北朝鮮」籍の世帯にも日本国籍者が存在することを配慮すべきと考え、8倍の表現を使いました。
④世帯主が日本籍である場合の保護率(世帯)は、1,321,120世帯/51,158,359世帯= 2.6% であり、保護率(世帯)同士を比較せよという意見もあります(この場合は、5.5倍になる)。世帯主が日本国籍であるが、外国籍の家族がいる場合や、世帯主が外国籍であるが日本籍の家族がいる場合もあります。厚生労働省に国籍別の保護率(世帯ではなく、人を単位としたもの)を要求しましたが、提示できませんでした。厚労省は、国籍別の生活保護給付の状況を把握していません。把握もせずに、通知だけで外国籍所有者への給付を続ける厚生労働省の姿勢を問題視しています。
3.慰安婦問題について、「でっちあげ」と歌われていますが、ここでいう「でっちあげ」られている「慰安婦問題」とはどのような問題を意味していますか。そもそも「慰安婦問題」自体が存在しないという趣旨でしょうか。
回答:
まず、わが党は慰安婦という存在がいたことを認めるとともに、当時、様々な境遇の中で慰安婦という立場に身を置かれた方々が大変な苦労をされた事についても重々承知しております。公娼制度が認められていたとはいえ、多くの日本人及び外国人が慰安婦となったことは事実だと重く受け止めています。
一方、2014年8月5日、朝日新聞は、いわゆる慰安婦問題に関するこれまでの報道について、次の点について認めました。
①(日本の官憲が)慰安婦を強制連行したとする吉田清治証言を「虚偽だと判断」し、「記事を取り消し」た。
②女性を戦時動員した「女子勤労挺身隊」と慰安婦を同一視した記事の誤りを認めた。
③朝鮮や台湾では、「軍などが組織的に人さらいのように連行した資料は見つかっていません」と認めた。
わが党はこの問題を以前より注視し、国会でも質問を行っていました。
そこで今回、慰安婦を強制連行したとする吉田清治証言を真実であるかのように報じたことや、女子勤労挺身隊を慰安婦と同一視したことなどを朝日新聞による「でっちあげ」とみなして、「慰安婦問題でっちあげ」という歌詞にしました。
4.慰安婦問題について「真相」がわかったと歌われていますが、ここでいう「真相」とはどのような事実を意味していますか。具体的な事実とその根拠をご説明ください。
回答:
ここでいう「真相」とは、2014年8月5日、朝日新聞がこれまでの、いわゆる慰安婦に関する記事のうち、①慰安婦を強制連行したとする吉田清治証言を「虚偽だと判断」し、「記事を取り消し」た、②女性を戦時動員した「女子勤労挺身隊」と慰安婦を同一視した記事の誤りを認めた、③朝鮮や台湾では、「軍などが組織的に人さらいのように連行した資料は見つかっていません」と認めた――という事実を指しています。

北山(※書き起こしです。)(北山)
公開質問状  2015年1月29日
次世代の党 党首 平沼 赳夫 殿
在日コリアン弁護士協会 代表 弁護士 金 竜介
新春の候、貴党ますますご健勝のほどお喜び申し上げます。
私たち「在日コリアン弁護士協会」は、自らのエスニシティーがコリアにあると考える弁護士及び司法修習生で構成されている団体です。
さて、Youtube内に設けられた貴党のチャンネル上の「タブーブタ」と題する動画を拝見したところ、事実誤認が疑われる歌詞が見受けられましたので、その趣旨及び根拠を確認いたしたく、以下の点を質問いたします。
1 生活保護について、「日本の税金」「僕らの税金」を使うと歌われていますが、これは「日本人が納めている税金」という趣旨でしょうか。生活保護には、日本に住む外国人が納めた税金も使われていますが、「日本の税金」「僕らの税金」には「日本に住む外国人が納めている税金」も含まれていますか。正確な趣旨をご説明ください。
2 生活保護について、「外国人なぜ8倍」という歌詞がありますが、この「8倍」とは、どのような統計を比較して出されたものでしょうか。その根拠をご教示ください。
3 慰安婦問題について、「でっちあげ」と歌われていますが、ここでいう「でっちあげ」られている「慰安婦問題」とはどのような問題を意味していますか。そもそも「慰安婦問題」自体が存在しないという趣旨でしょうか。
4 慰安婦問題について、「真相」がわかったと歌われていますが、ここでいう「真相」とはどのような事実を意味していますか。具体的な事実とその根拠をご説明ください。
以上の質問について御回答いただきたく、お願いいたします。おって、御回答は、本年2月16日(月)までに当会代表金竜介宛てに御送付ください。
御多忙の折、お手数をおかけし誠に恐縮ですが、御協力の程、よろしくお願いいたします。

北山(※改行等修正を加えています。)
2014年11月30日
特定秘密保護法に反対する意見書
在日コリアン弁護士協会
第1 序論
1.はじめに
2013年12月6日、特定秘密の保護に関する法律(以下、「特定秘密保護法」という。)は参議院において強行採決の末、成立した。この法律については、すでに日本弁護士連合会など多数の個人、団体が様々な問題点を指摘しているところであるが、同法12条2項1号において「国籍(過去に有していた国籍を含む。)」が調査対象とされていることが問題視されていた。さらに、本年10月14日に閣議決定された「特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施に関し統一的 な運用を図るための基準」(以下、「運用基準」という。)は、より詳細な外国との接点を尋ねる質問事項を定め、外国籍を有する者に対しては就職差別を公的に助長し、外国にルーツのある者に対しては公的に新たな差別を生じさせ、国際交流を行おうとする日本人に対してはこれを躊躇させるなど、多文化共生社会の実現という観点からとくに深刻な問題を含んでいる。このように問題の多い特定秘密保護法が施行されることに当協会は強く反対する。
2.これまでの日本の対外国人政策
日本は、1910年に韓国を併合し、朝鮮人に対し一方的に日本国籍を付与した。その後、日本政府の法務府民事局長通達によって、「サンフランシスコ講和条約が発効する1952年4月28日をもって、朝鮮人及び台湾人は、内地在住者も含めてすべて日本の国籍を喪失する」とされ、日本にいた約60万人の朝鮮人及び台湾人は一方的に日本国籍を奪われた。
その後、1965年の日韓条約、日韓法的地位協定によって韓国籍者のみに永住権が認められることになり、1991年の入管特例法によって戦前から在留する在日コリアン及びその子孫はすべて特別永住者の資格を有することになった。しかし、日本政府は一貫して、在日コリアンが存在するに至った歴史的経過を正しく教育する機会を設けることもなくその存在を無視し続け、在日コリアンを含む日本国籍を有しない外国人に対しては参政権を認める法律を制定することもなく、国家公務員をはじめとした公務就任も「当然の法理」を理由に制限するなど、日本国籍の有無によって多くの差別的な取り扱いを公認してきた。このような日本政府の姿勢は、未だに在日コリアンの存在の理由を知らず、偏見・蔑視の対象とする日本人が存在し、差別的な言動を発する一因となっている。そのため、在日コリアンに対する就職差別が現在もなお続いている。
他方、戦後、日本は朝鮮人や台湾人から一方的に日本国籍を奪ったものの、その後帰化手続きを経て日本国籍を取得した元外国人に対しては、父母が誕生時から日本国籍のみを保有していた者(あえてここではこのような者を「〈日本人〉」という。)との間に差異を設けず、法律上は平等に取り扱ってきたといえる。また、民間においても、在日コリアンに対し個人的には差別感・偏見を有している人がいたとしても、日本国籍を保有し、日本人と区別できない氏名を名乗っていれば、帰化した者も〈日本人〉と同様に扱われ、平穏な生活を送ることができていた。もちろん、内面的には複雑な感情を有していた者も多いと思われるが、このような表面上差別されない平穏な生活を望んで帰化した者は少なくない。帰化許可者数は、1970年代以降年間5000人~8000人規模で推移し、1993年以降は年間1万人を突破している(なお、この帰化許可者数は、すべての外国人の数である。)
3.運用基準の位置付けと意義
特定秘密保護法は、外国人や外国にルーツを持つ日本人など(ここではこれらをまとめて「外国系住民」という。)の権利利益を直接制限することを目的としてはいないように規定されている。しかしながら他方で、本法律では、運用基準にしたがって行われた適性評価が適正に行われているかどうかをチェックする仕組みを有しておらず、また、不適切に下された適性評価の評価結果について争う異議申立手続きも用意されていない。このような法制度としての不十分さに鑑みれば、適性評価は、必要最小限の評価項目に絞った質問を行い、これに対する回答について明確かつ客観的な基準に基づいて、公正・公平に行われるべきであるといえる。しかし、本運用基準における質問事項は、秘密の取扱いとの因果関係が不明であるにもかかわらず広範に外国との接点を尋ねるものが多いため、適合事業者が過剰に反応して、質問事項に少しでも触れる外国と接点のある従業員を最初から排除することになりかねず、結果としてすでに雇用されている者については昇進の機会が制限されたり、新規採用の際には就職を拒否されるなど外国系住民に対する差別を招くおそれがある。また、国家公務員志望者や政府と取引のある大企業への就職を希望する学生など、特定秘密を取扱う可能性のある日本人が外国との接点をなくそうとするおそれが生じる。
すなわち、今回の特定秘密保護法の運用基準によって、現在は労働基準法3条の下で公然とは行われていない国籍や民族による就職差別が、適性評価を理由に公然と認められかねない事態となりうる。また、帰化の有無が問題とされることで、就職や結婚の際に帰化について問題とされる事態が生じる可能性があり、これまで平穏に過ごすために帰化した者を、再度差別される側へと引き摺り戻すことにもなりうる。運用基準は、将来にわたって〈日本人〉とそうでない者とを公的に合理的理由なく区別し続け、社会に差別感情を醸成させるものなのであって、外国的住民の権利を侵害するものである。現在、在日コリアンが対象となっている、国際的にも批判されているいわゆるヘイトスピーチの問題が今なお未解決のまま残っているが、今回の運用基準によって、さらにその攻撃対象が帰化した者やその家族にも広がるおそれが高まったともいえる。
また、今回の運用基準案は、〈日本人〉に対しても、同居人や配偶者について、あるいは過去の職歴や活動内容を答えさせることにより、国際結婚はもとより、外国人と親しくなることにも不安を感じさせ、また、国際貢献などをも躊躇し国際交流を控える者が出てもおかしくないほど、外国との関係を執拗に尋ねている。外国と接点を持つ者が日本の秘密を漏えいするという因果関係はまったく無いにもかかわらず、このような外国と接点のある者はスパイと見做すかのような姿勢は、国際社会における日本人の信頼・信用性にも影を落とすものであるといえる
このようなすべての人に悪影響をもたらす外国に関する広範な質問を挙げている運用基準は、労働基準法3条のみならず、人種による差別を禁じた憲法14条、職業選択の自由を保障している憲法22条1項後段、自己実現のための活動の自由や情報のコントロール権を保障した憲法13条、婚姻の自由を定めた憲法24条1項、配偶者の選択に関して個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、法律は制定されなければならないと定めた憲法24条2項等との関係でも重大な問題を孕んでいる。その問題点を、以下具体的に指摘する。
第2 運用基準案の問題点
1.外国籍を有する者との関係
(1) 運用基準の質問票では、外国籍の現在または過去の保有の有無と国籍、保有期間(p52、1(10))について回答を求めている。なお、カッコ内のページ数は運用基準のページ数であり、番号は運用基準の「質問票(適性評価)」の質問の番号である(以下、同じ)。
(2) 外国籍を保有していたからといって秘密の取扱いに問題があるとされた実証データはなく、このような外国籍の有無を尋ねる質問事項は不要であるばかりか、市民に差別感を生じさせるものである。とくにこれは、外国籍保有者に対してだけでなく、それまで外国籍を意識していなかった事業者に対しても、外国籍の者を雇ったり秘密を取扱う可能性のある立場に昇進させる際に心理的障壁を設けるものであり、その影響は大きい。
また、これまで、公的には日本国籍があれば、外国籍を保有していても、日本社会において〈日本人〉との間で区別されることはなく、民間企業など一般社会の間でも外国籍の有無自体が問題とされることはほとんどなかったと思われる。しかし、今回の運用基準では、日本国籍の有無とは別に外国籍の有無を尋ねており、これをきっかけに、外国籍を有する日本人についても、区別の理由を与え、特定秘密の取扱いの場面だけでなく、適合事業者の新規採用や昇進の場面で別異取扱いの口実を与えることになる。
2.帰化した者との関係
(1) 運用基準の質問票では、評価対象者の帰化歴、帰化前の姓名を含む旧姓・通称を尋ね(p52、1(5)(9))、その配偶者(事実上婚姻関係にある者を含む)、子、兄弟姉妹、配偶者の父母、配偶者の子、同居人についても、現在及び過去の外国籍の有無、帰化歴、通称の使用歴について回答を求めている(p55~62、2(1)(2)(3))。
(2) これらの質問事項は、すでに帰化して日本国籍をした者についても、秘密の取扱いについて躊躇させるものであり、帰化した者を家族に持つ者についても秘密漏えいの疑いの目を向けるものであるから、帰化した者自身はもちろん、帰化していない〈日本人〉であっても、帰化した者が家族になることを嫌がることが十分予想される。
これでは、外国籍では日本社会で生き難いと帰化を選択した者についても、再度外国人として社会の中の事実上の差別に晒されることになり、また、帰化を理由に婚姻や同居を拒否されることにもなりかねず、これまで〈日本人〉と同様に扱い差別から免罪してきた帰化した者に、日本社会で〈日本人〉と平等に生きる権利を奪うものである。
3.家族に対する影響
(1) 運用基準の質問票では、以下の事項について回答を求めており、これは本人についてのみならず、家族についても尋ねられている。
・本人の外国籍の有無(p52、1(10))(法制度により、婚姻によって自動的に国籍が付与される場合もある。)
・配偶者(事実上婚姻関係にある者を含む)、子、兄弟姉妹、配偶者の父母、配偶者の子、同居人について、現在及び過去の外国籍の有無、帰化歴、通称の使用歴(p55~62、2(1)(2)(3))
(2) これらの質問事項は、前述の通り、外国籍の者や帰化した者との関係で重大な問題であるが、これらの者と同居・婚姻しようとする〈日本人〉にとっても、心理的な障壁となる。また、家族内で国際結婚して外国籍を取得する兄弟姉妹など、すでに形成されている家族間においても、その婚姻等について他の家族が拒否感を持ってしまう可能性もある。
このような上記の質問事項は、個人の自由として認められている婚姻への重大な侵害である。
4.国際交流をした、あるいはしようとする日本人との関係
(1) 運用基準の質問票では、以下の事項について回答を求めている。
・外国に所在地のある勤務先(p53、1(12)a)
・外国に所在地のある学校についての学歴(p54、(12)b)
・外国政府の関係機関の関係者との連絡・面会(p64、3(2))
・外国人に対する身元の保証、住居の提供、その他これらに類する援助の有無、内容、理由(p65、3(3))
・経済的な援助やそれ以外に便宜を図ったり、繰り返し飲食接待を行ったりすることにより、業務に影響を及ぼす可能性のある外国人の有無、関係の内容(p65、3(4))
・外国人から、助言・協力の依頼や、顧問就任の依頼といった何らかの依頼を受けたり、転職や仕事の誘いを持ちかけられたことの有無(p66、3(5))
・外国に所在する金融機関の保有口座の有無、預金金額(p66、3(6))
・外国に所在する不動産の保有の有無、理由(p66、3(7))
・外国政府機関から、教育、医療、社会福祉等に関し、何らかの給付(奨学金、年金等)や免除を受けたことの有無、内容(p66、3(8))
・海外渡航歴、居住歴(p68、3(10))
(2) これらの質問事項は、純粋に外国に関心を持ち、留学したり国際貢献の活動をしようとする〈日本人〉にとっても心理的な障壁となるものであり、外国人との交流を回避する事態を招くものである。上記の質問に対する回答を恐れて、これにまったく問題のない、つまり外国との一切の接点のない〈日本人〉が増えることになれば、日本国内において多文化共生が困難になることはもちろん、国際社会で活躍する日本人もいなくなるであろう。
第3 結語
以上述べたとおり、運用基準には、日本に暮らす外国人や国際的な活躍をしようとする日本人、またこれらの者と家族関係にある者、家族になろうとする者にとって、看過できないセンシティブな質問事項が多すぎる。これらの質問事項と適性評価の関連性も不透明であり、過去行われた情報漏えい事件においても外国人との関係が影響したことは実証されていない。それにもかかわらず、このような質問をすることによって、評価対象者(評価対象になりうる職業を希望する者も含む)だけでなく適合事業者にとっても、疑心暗鬼が生じて過剰に反応し、差別的取扱いが増えることは容易に予想できる。
日本政府は、このような差別社会を招かないよう、直ちに、このような運用基準を設けざるをえない特定秘密保護法自体を廃止すべきであり、法律の施行を延期することを強く求める。
以 上

北山(※改行等修正を加えています。)
LAZAK (Lawyers Association of Zainichi Koreans)
Press Release 2014.9.5
国連人種差別撤廃委員会、ヘイトスピーチ等に関して厳しい勧告
2014年8月20-21日、第85会期人種差別撤廃委員会において日本政府の報告書審査が行われた。審査に基づき、委員会は8月29日、日本が抱える様々な人種差別に関する課題について、最終所見を公表した (このうち、主として在日コリアンに関係する項目の和訳については後記1.参照。) 。
とりわけ、今般の審査において委員の間で注目されたのは、在日コリアンをはじめとするマイノリティに対するヘイトスピーチの問題であった。なお、2014年7月15-16日、第111会期自由権規約委員会において行われた日本政府の報告書審査においても、ヘイトスピーチの問題は強い関心を持って審査され、後記2.のとおりの勧告がなされたところである。
審査において、日本政府は、特定の人や集団に向けられたヘイトスピーチが名誉毀損や脅迫にあたる場合などには、現行法の下でも民事責任と刑事責任を問うことは可能であるが、それ以外の場合には表現の自由の観点からヘイトスピーチに対して規制を行うことは難しいとの見解を示した。これに対し、複数の委員から、 排外主義団体によるデモ行進等におけるヘイトスピーチに対する規制の不備について懸念が示された。最終所見においても、ヘイトスピーチが適切に捜査・起訴されていないことに懸念が表明され、日本政府はヘイトスピーチと闘うために適切な措置をとるよう勧告されている。
この他、最終所見においては、(i)在日コリアン高齢者及び障害者の国民年金制度からの排除、(ii)外国人の公務就任における制限、及び、(iii)朝鮮学校の高校無償化制度からの除外に関しても勧告がなされている。
在日コリアン弁護士協会(LAZAK)の各会員は、ひろく日本国内における民族的・人種的マイノリティの権利を擁護するための活動を行ってきた。また、LAZAKは、委員会における審査に先立ち、ヘイトスピーチ、在日コリアンの無年金問題、外国籍者の公務就任権、及び朝鮮学校の高校無償化除外に関する別紙記載の報告書を委員会に提出している。今回の最終所見は、 人種差別撤廃条約上の規定にもとづく厳正な審査のうえで表明されたものであり、LAZAKとしてはこれに歓迎の意を表する。
LAZAKとしては、日本政府が今般の委員会の勧告を真摯に受け止め、日本社会に蔓延する人種差別と排外主義の撤廃に向けた効果的な対策を実施することを強く求めるものである。

1. 第85会期人種差別撤廃委員会最終所見抜粋(2014.8.29)
◆人種差別を禁止する包括的な特別法の不在
8.委員会は、いくつかの法律が人種差別に対する条文を含んでいることに留意しつつも、締約国において人種差別行為や人種差別事件が起き続けていること、および、被害者が人種差別に対し適切な法的救済を求めることを可能とする包括的な人種差別禁止特別法を未だ締約国が制定していないことについて、懸念する(第2条)。
委員会は、締約国に対して、人種差別の被害者が適切な法的救済を求めることを可能とし、条約1条および2条に準拠した、直接的および間接的な人種差別を禁止する包括的な特別法を採択するよう促す。
◆4条に準拠した立法措置
10.締約国の4条(a)(b)項の留保の撤回あるいはその範囲の縮減を求めた委員会の勧告に関して締約国が述べた見解および理由に留意するものの、委員会は締約国がその留保を維持するという決定を遺憾に思う。人種差別思想の流布や表明が刑法上の名誉毀損罪および他の犯罪を構成しうることに留意しつつも、委員会は、締約国の法制が4条のすべての規定を十分遵守していないことを懸念する(第4条)。
委員会は、締約国がその見解を見直し、4条(a)(b)項の留保の撤回を検討することを奨励する。委員会は、その一般的勧告15(1993年)および人種主義的ヘイト・スピーチと闘うことに関する一般的勧告35(2013年)を想起し、締約国に、4条の規定を実施する目的で、その法律、とくに刑法を改正するための適切な手段を講じるよう勧告する。
◆ヘイト・スピーチとヘイト・クライム
11.委員会は、締約国における、外国人やマイノリ ティ、とりわけコリアンに対する人種主義的デモや集会を組織する右翼運動もしくは右翼集団による切迫した暴力への煽動を含むヘイト・スピーチのまん延の報告について懸念を表明する。委員会はまた、公人や政治家によるヘイト・スピーチや憎悪の煽動となる発言の報告を懸念する。委員会はさらに、集会の場やインターネットを含むメディアにおけるヘイト・スピーチの広がりと人種主義的暴力や憎悪の煽動に懸念を表明する。また、委員会は、そのような行為が締約国によって必ずしも適切に捜査や起訴されていないことを懸念する。(第4条)
人種主義的ヘイト・スピーチとの闘いに関する一般的勧告35(2013年)を思い起こし、委員会は人種主義的スピーチを監視し闘うための措置が抗議の表明を抑制する口実として使われてはならないことを想起する。しかしながら、委員会は締約国に、人種主義的ヘイト・スピーチおよびヘイト・クライムからの防御の必要のある被害をうけやすい集団の権利を守ることの重要性を思い起こすよう促す。したがって、委員会は、以下の適切な措置を取るよう勧告する:
(a) 憎悪および人種主義の表明並びに集会における人種主義的暴力と憎悪に断固として取り組むこと、
(b) インターネットを含むメディアにおけるヘイト・スピーチと闘うための適切な手段を取ること、
(c) そうした行動に責任のある民間の個人並びに団体を捜査し、適切な場合は起訴すること、
(d) ヘイト・スピーチおよび憎悪扇動を流布する公人および政治家に対する適切な制裁を追求すること、そして、
(e)人種主義的ヘイト・スピーチの根本的原因に取り組み、人種差別につながる偏見と闘い、異なる国 籍、人種あるいは民族の諸集団の間での理解、寛容そして友好を促進するために、教授、教育、文 化そして情報の方策を強化すること。
◆市民でない者の公職へのアクセス
13.委員会は、締約国代表団により提供された説明に留意しつつ、国家権力の行使を必要としない一部の公職へのアクセスについて、市民でない者が制限と困難に直面していることを懸念する。委員会は、家事紛争を解決する裁判所において、締約国が、能力のある市民でない者を調停委員として活動することから除外する見解と実務的取扱いを継続していることに、特に懸念する(第5条)。
委員会は、市民でない者に対する差別に関する一般的勧告30(2004年)を想起し、締約国に対して、家事紛争を解決する裁判所において能力のある市民でない者が調停委員として活動できるよう、締約国の見解を見直すことを勧告する。委員会はまた、締約国が、締約国に長年にわたり暮らしてきた市民でない者に適切な注意を払いつつ、国家権力の行使を要しない公務へのアクセスを含む公的生活に市民でない者の参加がより一層促進されるよう、法律上または行政上の制限を取り除くことを勧告する。委員会は、さらに、締約国が次回定期報告において、市民でない者の公的生活への参画に関して、包括的で細分化されたデータを提供することを勧告する。
◆国民年金制度への市民でない者によるアクセス
14.国民年金法が国籍に関係なく日本に居住するすべての人びとを対象とすることに留意しつつ、委員会は、1982年の国民年金法からの国籍条項の削除および1986年の法改正により導入された年齢および居住要件が相まって、1952年に日本国籍を喪失したコリアンを含む多くの市民でない者が、国民年金制度のもとで排除され、年金受給資格を得られないままとなっていることについて懸念する。委員会はまた、1982年の国民年金法の障害基礎年金における国籍条項の削除にもかかわらず、国籍条項のために1982年1月1日以前に年金受給資格を喪失した市民でない者および同日時点で20歳以上であったその他障害のある市民でない者についても、障害基礎年金受給から排除されたままであることについても懸念する(第5条)。
市民でない者に対する差別に関する一般的勧告30 (2004年)を想起しつつ、委員会は、年齢要件によって国民年金制度から除外されたままの状態にある市民でない者、特にコリアンが、国民年金制度における受給資格を得られるための措置を講じることを締約国に勧告する。委員会はまた、現時点で受給資格のない市民でない者が障害基礎年金の適用を受けられるよう法を改正することも勧告する。
◆朝鮮学校
19.委員会は、朝鮮を起源とする子どもたちの下記を含む教育権を妨げる法規定および政府による行為について懸念する。
(a)「高校授業料就学支援金」制度からの朝鮮学校の除外
(b)朝鮮学校へ支給される地方政府による補助金の凍結もしくは継続的な縮減(第2条と第5条)
市民でない者に対する差別に関する一般的勧告30(2004年)を想起し、委員会は、締約国が教育機会の提供において差別がないこと、締約国の領域内に居住する子どもが学校への入学において障壁に直面しないことを確保する前回総括所見パラグラフ22に含まれた勧告を繰り返す。委員会は、朝鮮学校への補助金支給を再開するか、もしくは維持するよう、締約国が地方政府に勧めることと同時に、締約国がその見解を修正し、適切な方法により、朝鮮学校が「高校授業料就学支援金」制度の恩恵を受けられるよう奨励する。委員会は、締約国がユネスコの教育差別禁止条約(1960年)への加入を検討するよう勧告する。
2.第111会期自由権規約委員会最終所見抜粋(2014.7.24)
◆ヘイト・スピーチと人種差別
12.委員会は、朝鮮・韓国人、中国人および部落民などのマイノリティグループの構成員への憎悪および差別を扇動している広範囲に及ぶ人種主義的言説と、これら行為に対する刑法および民法上の保護の不十分さに懸念を表明する。委員会はまた、頻繁に行われている許可を受けた極端論者のデモ、外国人の生徒・学生を含むマイノリティに対する嫌がらせと暴力、並びに民間の施設や建物での“ジャパニーズ・オンリー(日本人以外お断り)”などの看板・貼り紙の公けの表示について懸念を表明する。(規約第2条、19条、20条、27条)
締約国は、差別、敵意あるいは暴力の扇動となる人種的優越あるいは憎悪を唱える全てのプロパガンダを禁止し、そのようなプロパガンダを広めるためのデモを禁止するべきである。締約国はまた、人種主義に対する意識高揚活動のために十分な資源を割り当て、裁判官、検事および警察官が、ヘイトクライムや人種主義的動機による犯罪を発見する力をつける訓練を確実に受けるよう取り組みを強化するべきである。締約国はまた、人種主義者の攻撃を防止し、加害者とされる者が徹底的に捜査され、起訴され、有罪判決を受けた場合は適切な制裁をもって処罰されることを保証するためにすべての必要な措置をとるべきである。

2367 北山特集在日コリアン弁護士協会①

北山特集在日コリアン弁護士協会①
(※改行等修正を加えています。要約すると、戦後日本国籍を勝手に剥奪されたんだから日本人として扱え、でも日本人に同化するのは絶対に嫌、日本で生まれ日本語を話し日本人と同様の生活をしていても嫌、あと、拉致を政治利用するな、デモを妨害させろ。)
(※その①)(北山)
人種差別撤廃条約に基づき提出された 第7回・第8回・第9回 日本政府報告書に対するNGO報告書
2014年7月
報告団体名:Lawyers Association of Zainichi Koreans (LAZAK)
目次
1. 報告団体について
2. はじめに
3. 国民年金制度からの在日コリアンの排除
4. 外国人、主に在日コリアンに対する公務就任権の制約
5. 朝鮮学校の高等学校等就学支援金制度からの排除
6. 在日コリアンを攻撃対象とするヘイトスピーチ
I. 報告団体について
在日コリアン弁護士協会(LAZAK)は、2001年5月に設立され、現在は100名を超える在日コリアン弁護士及び司法修習生が会員となっている。なお、ここでいう在日コリアンとは、日本に生活しながら、大韓民国(以下「韓国」という。)又は朝鮮民主主義人民共和国(以下「北朝鮮」という。)の国籍を保有している者のほか、祖先が韓国・朝鮮系であり、帰化後もコリアンとしての民族性を有する日本国籍保有者を指す。
LAZAKは、これまで、日本における在日コリアンに対する差別撤廃と民族的人権の保障に向けて、在日コリアンの人権問題に関わる裁判において、法的支援を行ってきた。また、在日コリアンに関する書籍の出版、海外のコリアン弁護士との交流等の活動を行っている。これらの活動が評価され、2007年には、韓国国家人権委員会から人権賞を受賞している。
II. はじめに
1. 在日コリアンの歴史的経緯
2014年現在、日本国籍保有者を含めた日本に永住するコリア系住民の総数は、およそ100万人程度と推測される(日本国籍を保有するコリアンの総数に関する公的な政府統計はない。)。このうち、2013年12月の時点では、約43万人のコリアンが永住資格を持つ外国籍者として生活している1。この約43万人のうち約37万人は、20世紀前半の日本による朝鮮半島の植民地統治時代に日本での生活を余儀なくされた者とその子孫であり2、一般の永住資格とは区別された特別永住資格を認められている3。
1 法務省HP、在留外国人統計2013年12月版、表01‐1
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001118467>を参照。
2 同上。
3 日本には、永住資格として、一般永住資格と特別永住資格の二種類がある。Miki Y. Ishikida, Living Together: Minority People and Disadvantaged Groups in Japan, 3-2-1 (2005) 参照。:http://www.usjp.org/livingtogegther_en.html#mozTocId637851http://www.usjp.org/livingtogegther_en.html#mozTocId637851.
4 一例として、最大判昭和36年4月5日民集15巻4号657頁等。
上記のとおり、特別永住資格を持つ在日コリアン(約37万人)は現在外国籍者として日本に居住している。これらの者は、1910年に日本による朝鮮半島の植民地統治が開始してから1952年のサンフランシスコ講和条約により日本が独立を回復するまでの間は、日本国籍を有していた者とその子孫である。サンフランシスコ講和条約は、講和条約発効後も引き続き日本に在住する在日コリアンの国籍については規定していなかったが、日本政府は、同条約が在日コリアンと在日台湾人(いずれも日本の旧植民地)の日本国籍を喪失させる旨の規定を含んでいるとの解釈のもと、同条約の発効をもって、在日コリアン及び在日台湾人の日本国籍を剥奪した。日本政府によるこの剥奪措置(1952年4月19日の法務府民事局長通達による措置)は、日本に居住する旧植民地出身者の意思を無視した一方的な措置であった。のみならず、この剥奪措置は、当時の日本の人口(約8500万人)の一部の者(約50万人)についてのみ、彼らが朝鮮及び台湾出身者であるという民族的・種族的出身を理由として狙い撃ち的になされたものであった。従って、この剥奪措置は、人種差別撤廃条約発効前の措置とはいえ、人種差別的な措置であったということができる。さらに、日本政府によるこの剥奪措置は、法務府民事局長通達という政府通達によるだけで、法律に基づく措置ではなかった点で、国籍の取得・喪失要件は法律で定められなければならないとする日本国憲法第10条にも違反していた。もっとも、日本の最高裁判所は、一貫してこの国籍剥奪措置を是認する立場を示している4。
このようにして、サンフランシスコ講和条約の発効と同時に、当時日本に在住していたコリアンは一夜にして日本国籍を喪失した。そのうえで、日本政府は、日本国籍を有していないことを理由に、在日コリアンの人権を制約した。例えば、在日コリアンも一般の外国人と同様に退去強制の対象とされた。多くの社会保障及び社会福祉の分野で国籍条項が設けられ、また、多くの公職から在日コリアンを排除した。このような日本政府による外国人排除の論理は、民間における国籍及び民族的出身による差別を助長することとなった。
日本政府は、1991年に、1945年の日本の敗戦以前から日本に居住していた日本の旧植民地出身者(コリアン及び台湾人)並びにその子孫に対して、特別永住資格制度を設けた。しかし、日本政府は、特別永住者についても、日本国籍がないことを理由に、社会保障や公務就任等について差別している。なお、1945年以前から日本に居住していた旧植民地出身者及びその子孫の全員が特別永住資格を認められたわけではなく(1945年から1952年の間に日本を出国したことがあるなどの理由のため)、一部の者は、一般永住資格やその他の在留資格で日本に居住している点も忘れてはならない。
日本では、日本国籍は、国籍法によって決定される。日本の国籍法は、厳格な血統主義を基調とする国籍法であるため、ごく例外的な場合を除き、父母が外国籍である子は、日本で出生したとしても、日本国籍を取得しない。このため、1952年に民族的・種族的出身を理由に日本国籍を剥奪された在日コリアンの子孫は、両親のどちらかが日本人と結婚していない限り、日本国籍を取得しないことになる。日本の国籍法の血統主義は、民族的・種族的出身を理由として在日コリアンを日本国籍から排除するように機能しているのであり、この意味で、日本の国籍法は、民族主義的・種族主義的な国籍法であるといえよう。
このような国籍法の下では、4世、5世になっても外国籍のまま暮らす在日コリアンの例もある。実際、1952年に日本国籍を剥奪された在日コリアンの中には、100年以上にわたり日本に居住してきた家族もいる。
もちろん、日本の国籍法にも、帰化手続の規定がある。しかし、日本では、帰化手続もまた、民族主義的・種族主義的に運用されてきた。すなわち、帰化の許否については、日本政府が自由かつ広汎な裁量を持つところ、最近まで、日本風の姓名への変更を要求するなど、日本民族への民族的・文化的同化を帰化の条件とする運用がとられてきたのである5。日本社会では、帰化を、法的な国籍取得にとどまらない、日本民族への民族的・文化的同化を意味するものと理解する傾向が強い。また、ほとんどの旧宗主国が旧植民地出身者の帰化手続に関しては特別な定めを置いているのに対し、日本の国籍法には、これらの規定は置かれていない。
5 国連人種差別撤廃委員会の日本に関する総括所見(2010年4月6日)、CERD/C/JPN/CO/3-6(“CERD2010ConcludingObservations”)、パラグラフ16を参照。
2. 在日コリアンに対する国籍を理由とする区別は人種差別である
人種差別撤廃条約は、市民と非市民との区別等については適用されない(第1条第2項)。しかし、日本国籍がないことを理由として、特別永住者やこれに準ずる在日コリアンを区別することについては、第1条2項の適用はないというべきである。特別永住者やこれに準ずる在日コリアンへの区別的取扱いは、民族的若しくは種族的出身に基づく区別であり、「人種差別」(第1条第1項)に該当するというべきである。なぜなら、上記のとおり、これらの在日コリアンは、一方で、1952年に、民族的若しくは種族的出身を理由に日本国籍を剥奪されたが、他方で、その後も、民族主義的・種族主義的な日本の国籍法及び同法の運用により、民族的若しくは種族的出身を理由に日本国籍から制度的に排除されてきたからである。
1952年以降、在日コリアン及び彼(女)を支援する日本の市民社会の運動や、日本政府による国際人権規約や難民条約の批准などにより、在日コリアンの法的地位は改善された。しかし、前記のとおり、日本では、依然として社会保障の分野や公務就任など多くの場面で、特別永住者である在日コリアンは日本国籍がないことを理由とした差別を受けている。これらは、上記の理由で人種差別に該当する。
3. 近時の在日コリアンに対する差別の悪化
日本社会においては、植民地支配の過程で、コリアンに対する蔑視感情・優越感が醸成されてきた。包括的な差別禁止法の制定を含むコリアンへの差別感情を是正するための対応を日本政府が怠ってきたこともあり、今でも日本社会にはコリアンに対する差別感情が根強く残っている。
このような古くから残るコリアンへの差別意識に加えて、近時の日本と北朝鮮及び韓国との外交関係の悪化などの事情を背景として、近時在日コリアンに対する差別が悪化している。とりわけ、日本政府は、北朝鮮との外交関係の悪化を理由に、新たに導入された高等学校等就学支援金制度から朝鮮学校のみを排除した。また、排外主義団体による在日コリアンを対象としたヘイトクライム及びヘイトスピーチの問題が深刻化している。
4. 本報告書の構成
LAZAKの会員弁護士各人は、様々な在日コリアンの人権に関わる訴訟に代理人として参加している。本報告書は、LAZAKの会員弁護士が訴訟代理人又は当事者として関わってきた人権問題の中から、在日コリアンに対する差別問題、具体的には、(i)在日コリアン高齢者の年金制度からの排除、(ii)外国人に対する公務就任の制限、(iii)朝鮮学校の無償化からの排除、及び、(iv)在日コリアンを対象としたヘイトスピーチについて、情報提供を行うものであ
る。
LAZAKとしては、人種差別撤廃委員会が、在日コリアンの直面する人権侵害に懸念を表明し、日本政府に対し、国際人権法に適合した措置をとることを勧告するよう期待する。
国民年金制度からの在日コリアンの排除
I. 問題の要点
1986年4月1日時点で60歳以上であった在日コリアン、及び1982年1月1日時点で障害のあった20歳以上の在日コリアンは、国民年金に加入できず、老齢福祉年金・障害基礎年金の支給対象から排除されている。
このような在日コリアンの国民年金制度からの排除は、条約第5条(e)(iv)に違反する。日本政府は、上記の者にも年金が支給されるよう速やかに関連法規を改正し、救済措置を講ずるべきである。
II. 日本政府の報告の内容
政府報告書パラグラフ121が引用する第1回・第2回報告書には、国民年金法については国籍条項がないため人種、民族等による差別はない旨の記載がある6。しかし、第1回から第6回までの報告書と同様に、在日コリアン高齢者及び同障害者が国民年金の支給対象から排除されていることについては、言及がない。
6 人種差別撤廃条約第1回・第2回政府定期報告(2000年1月13日)、CERD/C/350/Add.2 (“Japan CERD Report 2000”) パラグラフ82。
7 人種差別撤廃委員会の一般的勧告30、パラグラフ3。
8 同上、パラグラフ7。
9 国連自由権規約委員会の日本国に関する総括所見(2008年10月30日)、CCPR/C/JPN/CO/5、パラグラフ30。
10 同上。
III. 法的枠組
1. 関連する条文及び一般的勧告
無年金問題に最も深く関連する条文は、第5条(e)(iv)である
一般的勧告30第2項は、「第1条第2項が、その他の文書、特に、『世界人権宣言』、『経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約』及び『市民的及び政治的権利に関する国際規約』において認められ、規定されている権利及び自由を減ずるように解釈されてはならないことを確認する」と規定する7。また、一般的勧告30第7項は、「立法の実施が市民でない者に差別的な効果をもつことがないよう確保すること」と規定する8。
2. 過去の国連の委員会の指摘事項
国連自由権規約委員会は、2008年10月31日、第5回日本政府報告書に対する総括所見において、
「委員会は、1982年の国民年金法の国籍条項の撤廃が遡及しない上、20歳から60歳の間に最低25年間年金制度に保険料を払い続けなければならないという要件のために、多くの外国人、主に1952年に日本国籍を喪失した韓国・朝鮮人が、事実上国民年金の受給資格から除かれてしまったことを、懸念をもって留意する。委員会は、国民年金法から国籍条項が撤廃された時に20歳以上であった、1962年以前に出生した外国人の障害者が、同様に障害年金の受給資格がないことについても、懸念をもって留意する。(第2条1及び第26条)」
とし9、日本政府に対し、「国民年金制度から外国人が差別的に除外されないために、国民年金法に定められた年齢要件によって影響された外国人に対して、経過措置を講ずべきである」という勧告を行った10。
また、「現代的形態の人種主義、人種差別、外国人嫌悪及び関連する不寛容」に関する特別報告者であるドゥドゥ・ディエン氏は、2006年1月24日、2005年7月に日本を訪問した結果として発表した報告書において、「政府は、就労年齢時に存在した国籍条項により年金の給付を受けることができない70歳以上のコリアンに対する救済措置を取るべきである」と勧告している11。
11 国連経済・社会理事会に提出された、「現代的形態の人種主義、人種差別、外国人嫌悪及び関連する不寛容」に関する特別報告者ドゥドゥ・ディエン氏による報告(2006年1月24日)。E/CN.4/2006/16/Add.2 at ¶56。
12 人種差別撤廃条約第7回・第8回・第9回日本政府報告(2013年1月14日)、CERD/C/Japan/7-9 (“Japan CERD Report 2013”)、パラグラフ35。
13 前掲注(1)、表02‐1<http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001118467>。
14 無年金障害者に関する「坂口試案」(2002年7月)。
15 人種差別撤廃委員会の一般的勧告14、パラグラフ2。
IV. 背景事情
1. 在日コリアン高齢者及び在日コリアン障害者の国民年金制度からの排除の経緯
1959年に制定された国民年金法には国籍条項が設けられており、外国人(その多くは、主に1952年に日本国籍を剥奪された在日コリアンである。)は国民年金に加入することができなかった。その後、日本が1981年に難民条約を批准したことに伴い、1982年には国民年金法から国籍条項が撤廃され、外国人であっても25年間以上の保険料を納付した場合には年金を受給できるようになった。1985年の法改正により25年間の年金受給資格期間に満たない外国人にも年金を受給する道が開かれたが、なお、1986年4月1日時点で60歳以上の外国人は、支給対象から排除された。
また、1959年の国民年金法の下では日本人の障害者には障害基礎年金が支給されるが、外国人は支給対象から排除されていた。1982年の法改正により国籍条項が撤廃されたが、1982年1月1日より前に既に国籍条項により受給資格を失っている者、すなわち、1982年1月1日において障害のあった20歳以上の外国人については障害基礎年金の対象から排除された。
日本政府が委員会の求めに応じて明らかにした国籍別外国人登録者の推移によれば、外国人全体に占めるコリアンの構成比は年々小さくなっているが、在日コリアンに対する差別が他の外国人差別と異なることは、年齢分布を比較すると一目瞭然である12。すなわち、日本人と同様に高齢化が進行している年齢分布は、在日コリアンだけであり、国民年金制度から排除された外国人高齢者のほとんどは、在日コリアンであった。例えば、2013年12月31日時点でさえ、日本に居住する80歳以上の外国人30,630人のうち、25,721人が韓国・北朝鮮国籍保有者である13。また、障害者についての比較資料は提供されていないものの、1982年1月1日において障害のあった20歳以上の外国人のほとんどは、在日コリアンであると推測
される。
上記の排除措置により、2002年7月時点において、在日コリアン高齢者約2万人、及び、在日コリアン障害者約5千人が、無年金生活を余儀なくされていた14。しかし、日本政府は、無年金生活状況にある在日コリアンの数や現状について調査を行うことさえしていない。年金の支給対象から排除されている在日コリアンの多くは、出生時から有していた日本国籍を1952年に一方的に剥奪された旧植民地出身者であり、彼(女)らに対する形式的な国籍を理由とする区別は、実質的には朝鮮半島出身者という民族的出身を理由とする人種差別である。彼(女)らは、日本国内で出生し、日本語を完璧に話し、日本社会において経済生活を営み、日本政府及び地方自治自体に納税し、日本人住民と全く異ならない社会生活を営んでいるにも関わらず、朝鮮半島出身者という理由で年金制度から排除され、不安定な老後の生活を強いられている。
2. 在日コリアンの年金制度からの排除は人種差別である
上述した一定の外国人高齢者及び外国人障害者を国民年金制度から排除する措置の影響は、主に旧植民地出身者及びその子孫である在日コリアンに対して及んでいる。これは、民族的出身によって区別される集団に対して、「その行為が正当化されない異質の影響」(一般的勧告14第2項)を有するものとして人種差別に該当する15。
外国人を排除する規定の正当性の根拠としては、国民年金の財源の維持や年金の健全運営の目的が考えられるが、このような目的達成のために、一定の年齢以上の外国人を一律排除する必要はない。例えば、日本に短期滞在する外国人ではなく、一定の期間日本に在留することが認められている定住外国人には排除規定の適用を行わないとか、 日本政府が1952年に出した通達により自己の意思によらずに日本の国籍を剥奪された在日コリアンには、排除規定を適用しないなど、外国人に対する権利侵害の度合いがより緩やかな方法を講じることもできたはずである。
在日コリアンに救済措置を設けないことの不当性は、一部の日本人に対して講じられた救済措置と比較するとより際立っている。例えば、小笠原は1968年に、沖縄は1972年に日本に返還されるまで日本の領土ではなかったので、両地域の住民は、国民年金制度が発足した1959年には、国民年金に加入することができなかった。日本政府は、小笠原及び沖縄の日本復帰後、それぞれの住民に対して、その間の保険料を国庫負担で免除するなどの特例措置を講じた。また、1996年からは、中国から帰国できなかった中国残留日本人に対して、2003年には、北朝鮮から帰国した拉致被害者に対して年金が受給できるようにそれぞれ経過措置を講じている。
最近の10年間を振り返ってみても、(1)2005年には、特別障害者給付年金制度が施行され、学生や主婦など国民年金加入が任意加入であったために、国民年金に未加入であった期間中に障害を負った無年金障害者の救済が図られ、また、(2)国民年金制度発足後に永住帰国したあとも保険料を納付していない中国残留日本人に対して、2008年から実施された老齢基礎年金満額支給のための未納保険料国庫補填の措置が講じられており、国民年金加入の機会があったにもかかわらず保険料を未納して無年金あるいは満額未満となっていた人に対する救済措置が実施されている。
ところが、これらの日本人向け救済措置の実施とは反対に、日本政府は、任意加入もできず保険料納付の機会もなかったがゆえに無年金状態に置かれた在日コリアン高齢者・障害者に対しては、彼(女)らが経済的・精神的損害を被ることを予見し得たにもかかわらず、在日コリアンを排除する立法措置を改めることがなかった。
3. 国内での司法救済が尽きたこと
在日コリアン高齢者及び障害者は、国民年金の国籍による差別には合理的理由は存在せず、日本国憲法第14条の平等原則、自由権規約第26条及び社会権規約第2条第2項の平等保護条項に反することを理由に、日本国内の裁判所に司法救済を求めて日本国を相手に複数の訴訟を提起し、最高裁判所の審理まで経たが、すべての訴えが棄却されて敗訴が確定している16。
16 2007年12月25日、最高裁は上告を棄却し、無年金高齢者である在日コリアンによる請求を棄却した大阪高裁の判決を維持した(判例集未搭載)。大阪高裁は、2005年12月25日、及び2009年2月3日と、在日コリアンの請求を棄却した。また、2014年2月6日、最高裁は、無年金高齢者である在日コリアンによる請求を棄却する旨の福岡高裁の判決を維持した(判例集未搭載)。
17 例えば、大阪高判平成18年11月15日等(判例集未搭載)。本判決は、平成19年12月25日に、最高裁判所によって維持された。
いずれの判決においても、年金制度から排除された在日コリアンの多くが、旧植民地出身者であり1952年に日本国籍を一方的に剥奪されたという事情は考慮されず、これらの在日コリアンも通常の外国人と同様に扱われた。その上で、立法府には、国民年金法改正の過程で、外国人に対する特例措置を講じるか否かにつき広範な裁量権があるため、一部の外国人の年金制度からの排除は、憲法にも、自由権規約及び社会権規約にも違反しないとされた17。
V. 提言
以上の問題点をふまえ、日本政府は、国民年金制度から外国人が差別的に除外されないために、国民年金法に定められた年齢要件によって影響された外国人に対して、経過措置を講じるべきである。

北山(※その②)(北山)
外国人、主に在日コリアンに対する公務就任の制約
I. 問題の要点
日本においては、在日コリアンをはじめとする外国籍者が、正当な目的なく、一定の公職への任用から排除されている。また、外国人の任用が認められている公職に関しても、正当な目的なく管理職への昇任が制限されている。
これらの公務就任に対する制限は、特に旧植民地出身者及びその子孫である在日コリアンとの関係では、民族的出身若しくは種族的出身を理由とする人種差別に該当する。日本政府は、旧植民地出身者及びその子孫である在日コリアンへの公務就任に対する制約を廃止するべきである。
II. 日本政府の報告内容
政府報告書パラグラフ48が引用する第1回・第2回報告書パラグラフ50には、「外国人の公務員への採用については、公権力の行使又は公の意思の形成への参画に携わる公務員となるためには日本国籍を必要とするが、それ以外の公務員となるためには必ずしも日本国籍を必要としないものと解されており、在日韓国・朝鮮人の公務員への採用についてもこの範囲で行われている。」との記載がある18。
18 前掲注(6)、パラグラフ30。
19 前掲注(7)、パラグラフ29。
20 前掲注(7)、パラグラフ33。
21 前掲注(5)、パラグラフ15。
22 同上。
III. 法的枠組
1. 関連する条文及び一般的勧告
在日コリアンの公務就任の制約に最も深く関連する条文は、第2条1(c)、第5条(c)、及び第5条(e)(i)である。
一般的勧告30第29項は、雇用の「分野における経済的、社会的及び文化的権利の、市民でない者による享有を妨げる障害を排除すること」と規定する19。また、一般的勧告30第33項は、「労働条約及び労働要件(差別的目的又は効果を有する雇用規則及び慣行を含む)に関して、市民でない者に対する差別を撤廃する措置をとること」を規定する20。
2. 過去の国連の委員会の指摘事項
人種差別撤廃委員会は、2010年3月9日、第3回.第6回日本政府報告書に対する総括所見15(2010年第76会期・日本政府報告書審査)において、「家庭裁判所の調停委員には公的な決定を行う権限がないことに留意し、委員会は、資格を有する非日本国籍者が紛争処理において調停委員として参加できないという事実に懸念を表明する。また公的生活での非日本国籍者の参加に関してデータが提供されていないことに留意する(人種差別撤廃条約第5条)」とし21、日本政府に対し、「調停処理を行う候補者として推薦された能力のある日本国籍を持たない者が家庭裁判所で活動できるように、締約国(日本政府)の立場を見直すことを勧告」した22。
IV. 背景事情
日本では、主として、以下の場面において、外国人の公務就任への制約がある。
1. 管理職への昇任制限
多くの地方自治体において、外国人公務員は管理職への昇任が制限されており、日本の裁判所はかかる取り扱いを是認している。例えば、特別永住資格を有する在日コリアンの保険師が管理職選考試験の受験を日本国籍でないという理由で拒否された事案において、最高裁は、「住民の権利義務を直接形成し、その範囲を確定するなどの公権力の行使に当たる行為を行い、若しくは普通地方公共団体の重要な施策に関する決定を行い、又はこれらに参画することを職務とするもの」(公権力行使等地方公務員)に外国人が就任することは、日本の法体系の想定するところではないという前提を立てる23。その上で、地方公共団体は、「公権力行使等地方公務員の職とこれに昇任するのに必要な職務経験を積むために経るべき職とを包含する一体的な管理職の任用制度」を設けることができるとし、同制度において、「日本国民である職員と在留外国人である職員」とを区別して、日本国民である職員に限って管理職に昇任する措置を講じることも違法ではないとする。そして、この理は、「特別永住者についても異なるものではない」とされる。
23 最大判平成17年1月26日民集59巻1号128頁。
24 日弁連、「外国籍調停委員・司法委員の採用を求める意見書」
また、公立学校の外国籍教員について、文部科学大臣は、1991年に地方自治体に外国籍者の教員採用選考試験受験を認める通達を出したが、その身分については、「当然の法理」(公務員に関する当然の法理として、公権力の行使又は国家意思の形成への参画にたずさわる公務員となるためには、日本国籍を必要とするものと解すべきであるとする法理)に基づき、通常、日本人教員に適用される「教諭」ではなく、「任用の期限を附さない常勤講師」とすべきとした。管理職に登用される身分は「教諭」のみであるため、多くの自治体において、外国籍教員が管理職となることができない。
しかしながら、日本人と何ら変わることのない職務を担当し、同等の資質を兼ね備えた外国人公務員を管理職から一律に排除することは、外国人の職業選択の自由を過度に制約するものであり合理性がない。また、外国籍公務員の大部分は、1952年に国籍を一方的に剥奪された旧植民地出身者である在日コリアンとその子孫であるが、その多くは日本国内で出生し、日本文化の中で生活し、日本語を完璧に話し、日本人と同様の社会生活を営んでいる。このような在日コリアンに対する別異の取扱いは、形式的には国籍による区別の問題に見えても、実質的には民族的出身による差別であり、人種差別撤廃条約第5条(c)及び第5条(e)(i)に違反する。
2. 調停委員
日本では、民事事件及び家事事件については、訴訟手続とは別に調停制度が設けられている。調停制度においては、裁判官1名と民間から選ばれた調停委員二人以上で構成される調停委員会が、必要に応じて助言やあっせんを行い、当事者の合意によって実情に即した解決を図ることになる。弁護士である調停委員については、 弁護士会の推薦に基づき最高裁判所が任命することが通例である。
また、簡易裁判所の訴訟手続においては、裁判所は、必要があると認めるときは和解を試みるについて司法委員に補助をさせ、又は司法委員を審理に立ち会わせて事件につきその意見を聞くことができる。司法委員については、実務上、簡易裁判所から弁護士会に推薦依頼がなされ、弁護士会から推薦を受けたものが司法委員に委嘱されることが通例である。
2003年3月に、兵庫県弁護士会が神戸家庭裁判所に韓国籍の会員を家事調停委員候補者として推薦したところ、任命を拒否された。また、2003年3月に、東京弁護士会が在日コリアンの弁護士を司法委員に推薦したところ、任命を拒否された。以後、2014年7月22日現在の間に、各地の弁護士会が、合計25回、延べ31名の外国人調停委員又は司法委員(なお、外国人はすべて在日コリアンである。)の推薦を行ったが、すべて任命を拒否された。最高裁は「公権力の行使に当たる行為を行い、若しくは重要な施策に関する決定を行い、又はこれらに参画することを職務とする公務員には、日本国籍を有する者が就任することが想定されていると考えられるところ、調停委員及び司法委員はこれらの公務員に該当するため、その就任のためには日本国籍を有する者と解することが相当である」という立場を踏襲している24。
http://www.nichibenren.or.jp/en/document/opinionpapers/20090318_2.html>。この本文中に、日弁連が、調停委員・司法委員の採用について日本国籍を必要とする理由について照会を行ったところ、最高裁判所事務総局人事局任用課より、本件回答を得たとある(2008年10月14日付)。
この点、調停委員及び司法委員の職務は、いずれも、法的知識や社会経験に基づいて当事者の合意形成を促し、裁判官に参考意見を述べる等の調整を行うものにすぎず、公権力の行使を担当するものではない。日本の社会制度や文化に精通し、高い識見のある人物であれば、国籍の有無にかかわらず調停委員及び司法委員の職務を果たすことができることは明らかである。調停委員としての任命を拒否された在日コリアンは、いずれも、日本社会の構成員として、長年日本で過ごし、日本の司法試験に合格して弁護士になった者であり、彼(女)らの調停委員への任命拒否に合理的な理由はない。また、旧植民地出身者及びその子孫である在日コリアンに対する、国籍を理由とする別異の取扱いは、民族的出身若しくは種族的出身を理由とする人種差別を構成することは上述のとおりである。
3. その他の公職からの排除
上記に加え、多くの自治体が消防職員のうち消火活動等の業務を行う者への就任を日本国籍を有している者に制限しているが、緊急時に私人の生命や身体の安全を確保し、財産を保護するという消防職員の職務に照らし、日本国籍を有することを必要とする正当な目的はない。また、人権擁護委員、民生委員、児童委員等の公職については、そもそも公権力の行使を行うものではなく、地域共同体の一員である定住外国人を排除する合理的な理由はない。
したがって、これらの公職からの旧植民地出身者である在日コリアンを排除することは、第5条(c)及び第5条(e)(i)に違反することは明らかである。
V. 提言
以上の問題点をふまえ、LAZAKとしては、人種差別撤廃委員会が日本政府に対し、下記の勧告をされるよう要請する。
・ 地方公務員の管理職に外国人が昇任することを禁止する法律、行政規則、及び制度運用を撤廃すべきである。
・ 調停委員、司法委員、消防職員等の公務員について、外国人の任用を禁じる内容の法律、行政規則、制度運用を撤廃すべきである。
朝鮮学校の高等学校等就学支援金制度からの排除
I. 問題の要点
日本政府は、高等学校等就学支援金制度から朝鮮学校を排除している。また、地方自治体の多くは、政治的理由により朝鮮学校に対する補助金を停止又は廃止している。かかる措置は、在日コリアンという民族的出身に基づき、朝鮮学校に通う生徒の教育を受ける権利を差別的に侵害するものである。日本政府及び地方自治体はこのような差別的取扱いを是正すべきである。
II. 日本政府の報告の内容
日本政府報告書は、人種差別撤廃条約第5条第5項(4)に関して132項、133項、134項で、「外国人学校は、その一部が各種学校として都道府県知事の認可を受けており、その自主性は尊重されている。」25「後期中等教育段階においても、家庭の教育費負担の軽減のため、2010年4月から公立高校の授業料を無償にするとともに、国立・私立高校等の生徒に支援金を支給する制度(公立高校授業料無償制・高等学校等就学支援金制度)を開始している。」26「この制度は、1)国公私立の高等学校、2)中等教育学校(後期課程)、3)特別支援学校(高等部)、4)高等専門学校(第一学年から第三学年)、5)専修学校高等課程、6)各種学校となっている外国人学校のうち高等学校の課程に類する課程を置くものとして文部科学大臣が指定する学校に在学する生徒であれば、国籍を問わず制度の対象としている。なお、各種学校となっている外国人学校のうち高等学校の課程に類する課程を置くものとしては、a)大使館を通じて日本の高等学校の課程に相当する課程であることが確認できるもの、b)国際的に実績のある学校評価団体の認証を受けていることが確認できるもの、c)a及びbに掲げるもののほか、高等学校の課程に類する課程を置くものと認められるものとして、文部科学大臣が指定したものを対象と認めている。」27と報告している。
25 前掲注(6)、パラグラフ132。
26 前掲注(6)、パラグラフ133。
27 前掲注(6)、パラグラフ134。
28 The Government of Japan, Replies of Japan to the List of Issues of the Human Rights Committee (March 6, 2014), CCPR/C/JPN/Q/6/Add.1. (“2014 Japan’s Reply to the Human Rights Committee List of Issues”) at ¶29.
29 Id at ¶30.
30 前掲注(7)、パラグラフ29。
2014年3月、国連人権委員会の質問事項に対する政府回答において、日本政府は、朝鮮学校を高等学校等就学支援金制度から除外した理由について、「朝鮮学校が高等学校等就学支援金制度の対象適格を満たすかどうか審査したところ、朝鮮学校は、朝鮮総連と密接に関係しており、教育内容や人事、財政の面で、その影響を強く受けていることが明らかとなった。そのため、指定要件の一つである『法律や規則に基づく適切な学校経営』の要件を満たさないと判断し、本制度の対象適格を満たさないと結論した28。…将来的に、北朝鮮との外交関係が改善されれば、朝鮮学校の対象適格が見直される余地はある29」と説明している。
III. 法的枠組
1. 関連する条文及び一般的勧告
朝鮮学校の高等学校等就学支援金制度 に最も深く関連する条文は、第2条1項(a)及び(c)、並びに第5条(e)(v)である。
また、一般的勧告30第29項は、「教育の分野における経済的、社会的及び文化的権利の、市民でない者による享有を妨げる障害を排除すること」を勧告している30。
2. 過去の国連の委員会の指摘事項
人種差別撤廃委員会は、2010年3月9日、第3回.第6回日本政府報告書に対する総括所見22において、(1)締約国に居住する外国人及び韓国・朝鮮系、中国系の学校に対する公的支援や補助金、税制上の優遇措置に関する異なる扱い、及び、(2)締約国において現在国会にて提案されている公立及び私立の高校、専修学校並びに高校に相当する課程を置く多様な機関の授業料を無償とする法制度変更において、北朝鮮の学校を除外することを示唆する複数の政治家の姿勢(第2条及び第5条)を含め、子どもの教育に差別的な影響を及ぼす行為について懸念を表明した31。
31 前掲注(5)、パラグラフ22。
32 同上。
33 国連社会規約委員会の日本に関する総括所見(2013年1月10日)、E/C.12/JPN/CO/3、パラグラフ16。
34 同上。
35 前掲注(5)、パラグラフ22。
また、委員会は、「非市民に対する差別に関する一般的勧告30に照らして、教育機会の提供において差別がないこと、締約国の領域内に居住する子どもが学校への入学や義務教育就学において障壁に直面しないことを締約国が確保すること」、及び、「少数グループが自らの言語に関する教育や自らの言語による教育を受けられるように適切な機会を提供すること」
を勧告している32。
また、国連の社会権規約委員会は、2013年5月7日に出された総括所見パラグラフ27において、「公立高校授業料無償制・高等学校等就学支援金制度から朝鮮学校が排除されており、そのことが差別を構成していることに懸念を表明」した33。その上で、委員会は、「差別の禁止は教育のすべての側面に完全かつ直ちに適用され、すべての国際的に禁止される差別事由を禁止の事由に包含することを想起し、締約国に対して、高等学校等就学支援金制度は朝鮮学校に通学する生徒にも適用されるよう要求する」旨を勧告している34。
IV. 背景事情
1. 朝鮮学校
第二次世界大戦終了後、日本に居住するコリアン達は、自身の子どもたちを教育する施設として朝鮮学校を設立した。現在朝鮮学校は日本の各地に存在するが、日本と外交関係のない北朝鮮とも関係を維持している。朝鮮学校においては、基本的に授業は朝鮮語で実施され、朝鮮の歴史や社会についてもカリキュラムに盛り込まれている。他方日本史や日本社会の仕組みについての教育も行われるなど、日本の教育制度とも一定の相似性をもっている。
日本では、基本的に日本語で書かれた検定教科書を使用して授業を行う教育施設が「学校」とされているため(教育基本法第1条、第34条、第62条)、朝鮮学校をはじめとする外国人が母国語で独自の教育を行う施設は、「学校」として国の認可を受けることができない。但し、学校教育に類する教育を行うものは、「各種学校」として、自動車教習所等と同じく都道府県知事の認可を受けることは可能であるので、朝鮮学校を含む外国人を対象にした教育施設の多くは都道府県知事の認可を受け、「各種学校」という地位に置かれている。
朝鮮学校をはじめとする外国人学校は、高等学校等就学支援金制度による場合を除き、国庫からの助成金を受けられない。また、地方自治体からは、一定の補助金を受けているが(補助金の額は自治体に応じて区々である。)、その額は、地方自治体が日本の学校に対して支給する補助金に比べて大幅に少ない。
この他、朝鮮学校に対しては、(1)朝鮮学校の卒業生には当然には日本の大学の受験資格が認められない、(2)欧米系評価機関の認定を受けたインターナショナル・スクールに対する寄付金は税制的優遇措置の対象となるのに対して、朝鮮学校に対する寄付金はかかる優遇措置の対象外となる等、各種の差別的取扱いが存在する35。
2. 高等学校等就学支援金制度からの排除
II.に記載したとおり、日本では2010年4月から高等学校等就学支援金制度が実施され、各種学校として認可されている外国人学校についても制度の対象としているが、朝鮮学校だけが制度の対象から排除された。
高校無償化法施行当初、外国人学校は、II.の日本政府報告書記載の(a).(c)の3つの項目のいずれかに該当する場合に限り、高等学校等就学支援金制度の対象適格を有するとされた。朝鮮学校は、日本と北朝鮮との間に外交関係がなく教育課程が確認できないという理由で(a)の対象から外れているほか、国際的に実績のある学校評価団体の認証を受けていないため、(b)の対象にもならない。したがって、朝鮮学校に同制度が適用されるためには、(c)が規定する文部科学大臣の指定を受ける必要がある。
この点、指定の申請期限である2010年11月30日までに10校の朝鮮学校により申請が行われたにもかかわらず、文部科学大臣は2年以上も結論を出さなかった。その間、c)の対象に含まれるとして朝鮮学校よりも遅れて申請を行った他の外国人学校2校は、所定の手続を経て高等学校等就学支援金制度の対象となっている。
さらに、2013年2月20日、文部科学大臣は(c)を削除する省令改正を行い、朝鮮学校を制度の対象から排除した。省令改正にあたって文部科学大臣は、「朝鮮学校については、拉致問題の進展がないこと、朝鮮総連と密接な関係にあり教育内容、人事、財政にその影響が及んでいることを踏まえると、現時点では国民の理解を得られないと考えております」との見解を表明している。また、II.で上述したように、日本政府は、北朝鮮との外交関係が改善されれば、朝鮮学校の対象適格も見直される余地があると明確に述べており36、施行規則の改正が、北朝鮮との政治情勢の影響を受けたものであることは明白である。
36 前掲注(28)、パラグラフ29。
上記の措置により、これまでに朝鮮学校高級部の卒業生約3000人が高等学校等就学支援金制度の対象から排除され、2014年7月24日現在においても約1800人の高校生が同制度の対象から除外されている。
このように、高等学校等就学支援金制度からの在日コリアン学生の排除は、日本に居住するコリアンに差別的効果をもたらしている。児童たちには左右できない日本と北朝鮮間の政治情勢を理由にこのような差別的取扱いを行うことは許されない。
3. 地方自治体の補助金への影響
朝鮮学校に対しては、都道府県や市町村からの補助金が長年支給されてきたが、朝鮮学校の高等学校等就学支援金制度からの排除を背景にして、補助金の打ち切り・減少が相次いでいる。とりわけ、大阪府及び大阪市が2011年度に補助金を不支給にしたことを皮切りに、補助金の打ち切りや廃止の動きが全国に広がり、域内に朝鮮学校がある27都道府県のうち8都府県が、2013年度予算案に朝鮮学校への補助金を計上しなかった。また、市町村レベルにおいても、補助金の不支給の動きが続いている。これらの補助金の不支給に際しては、多くの自治体が、北朝鮮の核実験や拉致問題の進展がないことを理由として挙げており、不支給の決定に際して政治的な考慮が働いていることは明確である。
子どもたち自身がどうすることもできない国外の政治的な事件の責任を子どもたちに負担させることは、朝鮮学校に通う在日コリアンの教育を受ける権利を侵害するものである。
V. 提言
教育を受ける権利は、およそ子どもたちに普遍的なものであり、特定の国家間の外交関係に左右されるべきものではない。上述したところをふまえ、LAZAKとしては、人種差別撤廃委員会が日本政府に対し、下記の勧告をされるよう要請する。
・ 日本政府は、朝鮮学校についても高等学校等就学支援金制度の対象に含めるべきである。
・ 地方自治体は、朝鮮学校への補助金支給の停止及び廃止措置を撤回するべきである。
在日コリアンを攻撃対象とするヘイトスピーチ
I. 問題の要点
近時、民族的マイノリティ、主として在日コリアンを対象としたヘイトクライム及びヘイトスピーチの問題が深刻化している。しかし、日本政府は、ヘイトスピーチについての実態調査すら行っておらず、ヘイトスピーチの防止に向けた実効的な対策を何ら取っていない。ヘイトスピーチが蔓延する現在の状況は、社会の自浄作用により対処できるレベルを超えており、日本政府は第4条(a)及び(b)の留保を撤回し、ヘイトスピーチを規制する立法措置を講じるべきである。
II. 日本政府の報告内容
日本政府は、第4条(a)及び(b)に関して留保を付しており、2013年1月に委員会に提出した報告書には、「留保を撤回し、人種差別思想の流布等に対し、正当な言論までも不当に萎縮させる危険を冒してまで処罰立法措置をとることを検討しなければならないほど、現在の日本が人種差別思想の流布や人種差別の煽動が行われている状況にあるとは考えていない」旨の記載がある。また、日本政府はヘイトスピーチ規制については、「現行法で対処可能」とし37、法務省人権擁護局による啓発活動や外国人の権利についてのトレーニングを行う予定である38という従来の主張を繰り返している。
37 前掲注(12)、パラグラフ84。
38 前掲注(28)、パラグラフ80。
39 前掲注(15)、パラグラフ13。
40 同上。
III. 法的枠組
1. 関連する条文及び一般的勧告
ヘイトスピーチに最も深く関連する条文は、第2条第1項柱書及び同条(b)(d)、第4条及び第5条(a)(b)である。なお、第4条(a)、(b)については、日本政府は、憲法と抵触しない限度において、第4条の義務を履行する旨留保を付している。
また、一般的勧告35は人種的ヘイトスピーチに対するアプローチ全般について、一般的勧告30は外国人に対する差別に関して広範な規定を設けている。
2. 過去の国連の委員会の指摘事項
人種差別撤廃委員会は、2010年3月9日、第3回.第6回日本政府報告書に対する総括所見13において、第4条(a)及び(b)の留保の範囲の縮小及びできれば留保の撤回を視野に入れて検証することを慫慂している39。また、委員会は、以下の3点について具体的な勧告を行っている40。
(a)本条約第4条の差別を禁止する規定を完全に実施するための法律の欠如を是正すること
(b)憎悪的及び人種差別的言論に対しては、関与者の捜査や処罰を行うように努めるなどの追加的措置を含め、憲法、民法、刑法の関連規定が効果的に施行されるべく確保すること
(c)人種主義的思想の流布に反対する注意喚起・意識啓発キャンペーンを向上させるとともに、インターネット上でのヘイトスピーチや人種差別的プロパガンダを含む、人種主義的動機に由来する違反行為を防止すること
また、国連人権委員会は、2014年の総括所見において、「コリアン…などのマイノリティ集団の構成員に対する憎悪と差別を扇動する人種主義的言論が広がりをみせていること、及び、現行民法・刑法の枠組下の法的手当では、これらの言論からの保護は不十分であることについて、懸念を表明する。さらに、許可を得て行われる過激論者による示威行動の多さ、外国人学生をはじめとするマイノリティに対するハラスメントや暴力についても、懸念を表明する」とした41。とりわけ、委員会は、日本政府に対し、ヘイトスピーチを防止するため以下の3つの措置を採るよう勧告している42。
41 Human Rights Committee, Concluding Observations (Advance Unedited Version), Japan, (July 24, 2014) CCPR/C/JPN/CO/6 at ¶12.
42 Id.
43 在特会のウェブサイトは、http://www.zaitokukai.infoよりアクセス可能である。但し、会員登録は無料であり、メールアドレス以外の個人情報(住所や実名等)を提供する必要はない。
44 人種差別撤廃委員会の、日本に関する総括所見(2001年4月27日)、CERD/C/304/Add.144、パラグラフ12。
45 前掲注(5)、パラグラフ9。
(a)人種的優越又は人種的憎悪を唱道し、差別や敵意、暴力の扇動となるすべてのプロパガンダを禁止すること、また、そのようなプロパガンダの流布を意図した示威行動も禁止すること
(b)反人種主義の意識啓発キャンペーンに十分な資金配分を行うとともに、裁判官、検察官、警察官が、憎悪及び人種的動機に由来する犯罪を認識し、訴追・処罰できるような訓練を受けられるよう、一層努力すること
(c)人種主義的攻撃を防止するため、また、違反者に対しては、徹底した捜査と訴追の後に、有罪なら適切な刑罰が科されるようにするため、必要なあらゆる措置をとること
IV. 背景事情
1. 日本における排外主義の台頭
2000年代に入り、日本では、在日コリアンをはじめとする人種的マイノリティを対象とした排外主義の動きが急速に広がっている。インターネット上には、在日コリアンをはじめとする人種的マイノリティに対する匿名での差別的書き込みがあふれている。また、近時は、主に在日コリアンを攻撃対象とした街頭デモや集会が増えている。
排外主義団体は、インターネットを通じてメンバーを集め、在日コリアンに対する憎悪発言や威嚇にあふれたデモや集会を繰り返している。「在日特権を許さない市民の会」(在特会)は、このような排外主義団体の代表格である。2006年に設立された在特会は、戦前から日本に居住する在日コリアン及び在日中国人に付与されている特別永住資格の廃止を目的とし、在日コリアンに対する生活保護受給資格などの様々な権利付与に反対する。2014年7月24日現在、在特会の会員数は14,000人を超えており、日本全国に支部が置かれている43。
この団体は、他の排外主義団体とも共同して、主として、朝鮮学校やコリアンタウンなどの在日コリアンコミュニティを攻撃対象とする排外的なデモや集会を繰り返している(排外デモの事例については「2. 事例.ヘイトスピーチの過激化」を参照)。これらの団体は、事前にウェブサイトでデモを予告して参加を呼びかけ、現場での過激な暴言・暴行をビデオ撮影してウェブサイトで公開することにより、支持を拡大してきた。
このような排外主義団体の台頭を許してきた背景事情の一つとしては、日本政府が、在日コリアンに対する人種差別を防止するための効果的な対策を取らず、むしろ近時に至り、在日コリアンに対する制度的差別を強化してきたことがあげられる。例えば、日本政府に対する人種差別撤廃委員会による審査が始まった2001年当初から、在日コリアンに対する人種差別の問題については懸念が示され、人種差別の処罰化や政府高官による差別的発言の防止に向けた措置を採ること等の勧告がなされてきた44。しかし、日本政府が勧告に沿った措置を採ったことはなく、人種差別的政策や、政府高官による差別的発言がその後も続いた。2010年3月に出された「第3回~第6回政府報告に関する人種差別撤廃委員会の最終見解」においても、直接的・間接的人種差別を禁止する法案の制定や政府高官による差別的発言の防止措置実施を含む同様の勧告が出されている45。この間、2002年9月の日朝首脳会談において北朝鮮政府による日本人拉致問題が公的に明らかになったこと等を契機として、マスコミによる北朝鮮に対する憎しみを煽る報道が加熱し、2010年に始まった公立高校授業料無償制・高等学校等就学支援金制度から朝鮮学校が除外されるなど在日コリアンに対する制度的差別が強化された。以上のような、マスコミ報道と政府による在日コリアンに対する制度的差別の強化は、排外主義団体の活動の助長・促進につながっている。
2. 事例.ヘイトスピーチの過激化
在特会らの排外主義団体は、東京及び大阪のコリアンタウンの周辺に、数百人単位で集結し、ヘイトスピーチを用いたデモや街宣を行ってきた。研究者グループの報告によれば、2013年の1年間だけで、日本全国で少なくとも360件の排外的デモ行進や街宣車による街宣活動が行われている46。
46 のりこえねっとウェブサイト<http://wwwnorikoenet.org/fact.html>を参照。のりこえねっとは、在日コリアン人権活動家や、前首相、弁護士、研究者などを共同代表者として、2013年9月に設立された。
47 在特会による朝鮮学校襲撃事件を撮影したビデオ映像(英語字幕あり)については、
ttps://www.youtube.com/watch?v=8C1NbntRWDI参照。
48 本件ヘイトスピーチのビデオ映像は、<ttps://www.youtube.com/watch?v=xq8oAZ0sQLM>より視聴可能である。
これらのデモや街宣の様子は、主催者らによって撮影され、インターネット上に投稿される。2014年7月24日現在においても、その多くが閲覧可能である。以下、在日コリアンを攻撃対象としたヘイトスピーチの事例の一部を紹介する。
(1) 京都朝鮮学校襲撃事件
2009年12月4日、在特会の会員が京都朝鮮第一初級学校の正門前に押し掛け、マイクを用いたヘイトスピーチを行った。また、朝礼台やスピーカーなど、同校の備品の一部を破壊した。ヘイトスピーチの内容は、以下のようなものである47。
「朝鮮学校、こんなもんは学校でない」「朝鮮学校を日本から叩き出せ」「北朝鮮のスパイ養成機関」「約束というのは人間同士がするもの。人間と朝鮮人では約束は成立しない」「おまえら、うんこ食っとけ、半島帰って」
在特会は、2010年1月14日及び3月28日にも、同学校周辺でヘイトスピーチを用いたデモを行った。
これらのデモの際には、警官が学校周辺に集まったものの、在特会の言動を黙認した。
朝鮮学校側は、2009年12月21日に在特会のデモ参加者を刑事告訴し、2010年8月に、実行犯4名が威力業務妨害罪、侮辱罪、器物損壊罪で逮捕、起訴された。2011年4月に京都地裁は被告人らに対して1年~2年の懲役刑を言い渡したが、いずれも執行猶予が付された。この量刑は、人種主義的動機に由来しない同種事件と均衡しており、人種主義的動機については量刑に反映されなかったといえる。
この間、学校側は、在特会及びその会員に対し、損害賠償と将来の学校周辺での街宣等の差止めを求める民事訴訟も提起している。2013年10月17日、京都地裁は、損害賠償を認め、将来にわたる学校の半径200メートル以内における街宣等を禁止する判決を出した。判決においては、被告らの行為が人種差別的動機に基づくものと認定され、かかる人種差別的動機は、人種差別撤廃条約6条に照らし、損害賠償額を加重する要因となると判断された。他方で、ヘイトスピーチが不特定の集団全体に向けられた場合には、新たな立法なしに、現行民法に基づく救済を求めることはできない旨判示されている。この判決は2014年7月8日に出された控訴審においても維持されたが、在特会側が上告し、2014年7月20日現在も、最高裁において係属中である。
(2) コリアンの「大虐殺」が叫ばれた鶴橋でのヘイトスピーチ
2013年2月24日、排外主義団体は、大阪のコリアンタウン鶴橋において、ヘイトスピーチデモを行った。100人ほどの参加者が集まり、ハンドマイクを通じて、次のようなヘイトスピーチが発せられた48:
「ゴキブリチョンコを日本から叩き出せ」「お金のためなら何でもする売春婦、それが朝鮮人なんですよ」「在日朝鮮人は不法入国という犯罪者なんですよ」「へたれチョンコ、死にさらせカス」「いつまでも調子に乗っとったら、鶴橋大虐殺を実行しますよ」49
49 <https://www.youtube.com/watch?v=GoTBRpcaZS0>
50 本件ヘイトスピーチのビデオ映像は、<ttps://www.youtube.com/watch?v=4ySNSac_X_w>より視聴可能である。
51 在日コリアン青年連合「在日コリアンへのヘイトスピーチとインターネット利用経験などに関する在日コリアン青年差別実態アンケート(中間報告案)」、2014年6月。
これらのデモや街宣の際には、警察がデモや街宣の現場に臨場していたものの、デモ参加者の言動を黙認した。
(3) 「皆殺し」や「ガス室送り」が叫ばれた新大久保でのヘイトスピーチ
2013年2月9日、排外主義団体は、東京にあるコリアンタウン新大久保においてヘイトスピーチを行った。200人ほどが参加したデモと街宣では、スピーカーを通じて、次のようなヘイトスピーチが発せられた50:
「寄生虫、ゴキブリ、犯罪者。朝鮮民族は日本の敵です」「うじ虫韓国人を日本から叩き出せ!」「人殺し、強姦魔。それが朝鮮人ですよ」「朝鮮人を皆殺しにしろ」「新大久保を更地にしてガス室を作れ。ガス室に朝鮮人・韓国人を叩き込め」
これらのデモや街宣に際しても、臨場した警官はデモ参加者の言動を黙認した。同様の街宣は継続的に行われ、新大久保では、2013年1月から6月の間に、数十人から数百人規模でのヘイトスピーチデモ・街宣が少なくとも9件行われた。直近では、2014年5月11日に、新宿の、新大久保のコリアンタウンからわずか200メートルしか離れていない場所で、デモが行われた。
3. 被害実態
排外主義的団体によるヘイトスピーチを用いたデモ・街宣により、付近に居住する在日コリアンの多くが、生命身体の危険を感じ、恐怖感を抱いている。また、コリア系の学校に通うコリアン学生に対する心理的悪影響は極めて大きい。ヘイトスピーチの被害者は韓国国籍・朝鮮籍の保有者に限られない。親の世代ないし自身が帰化して日本国籍を取得し日本人として生きてきた人々も、在日コリアンに対するヘイトスピーチを自分自身に向けられた侮辱や攻撃としてとらえ、恐怖感や不安を覚えている。例えば、在日コリアン又はコリア系日本人の若者(ほとんどが30代以下)を対象に、在日コリアン青年連合が2013年6月から2014年3月にかけて実施したアンケート調査(回答者数は約200人)によれば、その約3分の1が、「日本人が怖くなった」「日本人に在日であることを知られるのを避けるようになった」「在日であることがいやになった」といったヘイトスピーチ回避傾向、自己肯定観の低下や喪失などを示す感想を示している51。
また、ヘイトスピーチを用いたデモや街宣が行われて以降、コリアンタウンを訪れる顧客が減少しコリアンタウンの飲食店・土産物店などの売上が落ちている。例えば、2014年度の新大久保のコリアンタウンへの日本人訪問客は、2年前と比べて3分の1を下回っており、この1年半の間に150件以上の飲食店・土産物店が廃業又はオーナーの変更を余儀なくされている。
4. 日本政府の対応は不十分である。
上述のとおり、近時日本においてはヘイトスピーチが蔓延し、在日コリアンは甚大な被害を受けている。にも関わらず、日本政府は、ヘイトスピーチの防止に向けた具体的な取り組みを何ら行っていない。
人種差別撤廃条約第2条第1項(b)(d)、第4条によって、人種差別を扇動する排外的団体に対しては、公的施設の利用を許可しないことも可能であるが、日本政府は、これらの規定を無視し、さらに、国内法令の適用をも避けることで、排外主義団体の活動を黙認・庇護している状況にある。
2014年3月、日本政府は、国連人権委員会の質問事項に対する答申の中で、法務省人権擁護局による様々な活動に取り組むほか、「トレーニングにおいて、外国人の権利問題をより頻繁に扱う予定である」と述べた52。
52 前掲注(28)、パラグラフ80。
53 人種差別撤廃委員会の日本政府報告審査に関する最終見解に対する日本政府の意見(2001年8月)、CERD/A/56/18、パラグラフ5・6。
しかし、これまで数十年以上にわたり、法務省人権擁護局は外国人の人権尊重等を内容とするトレーニングを行ってきているが、民族的マイノリティへの差別やヘイトスピーチを予防するには十分でなかった。むしろ、ヘイトスピーチは近年になって日本全国に広がっている。また、日本政府は、問題となっている排外主義的デモの呼びかけ内容や、参加人数、参加団体、日時場所、警察の対応等の情報を調査してもいない。日本政府の採る措置が、ヘイトスピーチを防止するのに十分ないし有効とはいえないことは明らかである。
日本では、今日に至まで、ヘイトスピーチを規制する法律はない。日本政府は、現行法で対処可能であることの根拠として、(1)特定人若しくは特定の集団に向けられたヘイトスピーチについては、刑法の名誉毀損罪、侮辱罪、脅迫罪又は信用毀損・業務妨害罪等の要件を満たした場合には適用が可能であり、(2)私人による差別について不法行為が成立する場合には、そのような行為を行った者に損害賠償責任が発生すると説明する53。
しかしながら、被害者が通常の民事訴訟を提起するには多大な負担がかかるため、裁判が提起される例は極めて少ない。通常の民事裁判は確定するまで通常数年はかかる。裁判費用や弁護士費用を被害者が負担しなければならない。被害者側が、不法行為の成立要件について主張・立証責任を負う。裁判をおこせば、被害者が公然化し、それによりまたヘイトスピーチなどの攻撃の対象となりうる。また、裁判となった場合でも、差別的な動機が考慮されて、賠償金額が通常より加重された例はほとんどない。
また、刑法は、特定の個人に向けられた発言のみを名誉棄損罪や侮辱罪による処罰の対象としているため、在日コリアンや中国人グループなど不特定の集団全体を対象とするヘイトスピーチは、刑法によって罰せられない。よって、東京や大阪のコリアンタウンで繰り返された、「朝鮮人を皆殺しにしろ」といった威嚇発言を含むヘイトスピーチを、現行刑事法で処罰することはできない。
たとえ、特定の個人や集団に向けられたヘイトスピーチであったとしても、現行法の枠組みでは、ヘイトスピーチの被害者を保護するには不十分である。被害者は、警察若しくは検察に告訴することはできるが、起訴をするかどうかの裁量を有する検察官は、ヘイトスピーチを起訴することに消極的である。加えて、行政や警察は、名誉棄損罪や侮辱罪、威力業務妨害罪等の現行刑事法が適用可能な状況にあっても、排外主義デモ参加者に対してこれを厳粛に適用することを回避する傾向がある。
さらには、2013年より活発化した日本国市民による集団的な反レイシスト運動に対してさえ、警察は、捜査・逮捕を行っており、このような警察業務の在り方が、民間団体による反レイシズム街宣活動の気勢を削ぎ、委縮させている。
多くのデモの現場においては、ヘイトスピーチデモにカウンター行動を行なっている者が近づけないように、警察官がズラリと並んでヘイトスピーチデモの行列を守っている。カウンター行動を行なっている者は、警察官が腕組みをして作った円陣の中に封じ込められ、抗議の声を上げると、直ちに5~6人の警察官に取り囲まれて、ヘイトスピーチデモから200メートル程度離れたところへ連れて行かれる。連れて行かれた先でも声を上げることを止めないと、「挑発行動は止めろ」という強い指示が出された後、それでも止めないと「これ以上、続けたら逮捕する」と警告される等、あたかも行政が排外主義デモを守り、これに抗議する市民たちを弾圧する構図になっている。現在に至るも、排外デモ・差別街宣の場で行われるヘイトスピーチは、行政による有効な対処策が講じられることなく庇護・放置されている状態である。
V. 提言
LAZAKとしては、以上の問題点をふまえ、日本政府に対し、下記の勧告をされるよう要請する。
・ 日本政府は、批准を留保している人種差別撤廃条約第4条(a)(b)に関する留保を撤回すべきである。
・ 日本政府は、人種差別撤廃条約第2条第1項柱書及び同条(b)(d)、4条(c)を遵守し、人種差別を助長・扇動する団体のデモ及び集会、公共の施設等の利用を禁止すべきである。
・ 日本政府は、ヘイトスピーチが蔓延している現状を直視し、ヘイトスピーチをはじめとするマイノリティに対する差別の実態調査を行うべきである。
・ 日本政府は、ヘイトスピーチが法律で処罰すべき違法行為又は犯罪であると認め、包括的差別禁止法やヘイトスピーチ禁止法の制定等、ヘイトスピーチと効果的に闘うための措置を採るべきである。
・ 日本政府は、ヘイトスピーチ根絶のため、国際人権基準を教えることを含む、具体的な人種差別撤廃教育の計画を立案・実行すべきである。

北山(※書き起こしです。)(北山)
在特会らによるヘイトスピーチ等に関する2013年10月7日京都地裁判決についての声明
2013年10月17日 在日コリアン弁護士協会(LAZAK)
2013年10月7日、京都地方裁判所は、在特会およびその役員、その他関係者(以下、「在特会ら」という。)が、2009年12月から2010年3月にかけて、京都朝鮮第一初級学校を標的に行った示威活動およびネットでの映像公開(以下、「本件示威活動等」という。)について、不法行為が成立するかなどが争われた民事訴訟事件において、本件示威活動等が業務を妨害し、また名誉を毀損する不法行為であり、かつ、人種差別撤廃条約の「人種差別」に該当するとして、被告在特会らに対し、不法行為に基づく損害賠償責任、街宣活動の差止めを認める判決(以下、「本件判決」という。)を下した。
当会は、本件判決を支持し、賛意を表する。
本件示威活動等に参加した在特会関係者らに対しては、先行する刑事事件において、既に威力業務妨害罪、侮辱罪、器物損壊罪の有罪判決が下され、刑が確定していたところであった。
京都地裁は、本件判決において、在特会らの発言を下品で侮辱的であると断じ、本件示威活動等が業務を妨害し、名誉を毀損する不法行為に該当すると認定したうえで、さらに、「本件活動に伴う業務妨害と名誉毀損は、いずれも、在日朝鮮人に対する差別意識を世間に訴える意図の下、在日朝鮮人に対する差別的発言を織り交ぜてなされたものであり、在日朝鮮人という民族的出身に基づく排除であって、在日朝鮮人の平等の立場での人権及び基本的自由の享有を妨げる目的を有するものといえる」として、日本が加入している人種差別撤廃条約1条1項所定の「人種差別」に該当する、と判示した。
そのうえで、本件判決は、在特会らの名誉毀損行為について、「専ら公益を図る」目的でされたものとは到底認めることができないとし、また、在特会らが、意見や論評であるとして法的な免責を主張した点についても、侮辱的な発言(いわゆる悪口)としか考えられず、免責を認めることはできない、と判示した。違法性が阻却されるなどの在特会らの主張を一蹴し、在特会らを厳しく糾弾したものである。
在特会らの示威活動は、在日コリアンという民族的少数者などに対する憎悪や敵対意識を強調し、在日コリアンなどに対する差別意識を周囲に表明する、いわゆる「ヘイトスピーチ」、「ヘイトクライム」にほかならず、歪んだ認識と、悪意、憎悪に満ちたものである。在特会らの差別的な発言が、憲法14条に平等原則を掲げ、人種差別撤廃条約に加入している日本の憲法下において、法的保護に値しないことはあまりにも明らかなことである。
裁判所が、基本的人権擁護の最後の砦として、在特会らの本件示威活動等を、不法行為であり、かつ、人種差別である明確に認定し、また、専ら公益を図る目的でなされたものでない、と判示したことは、良識に基づく妥当な判断であるといえる。加えて、本件判決が、業務妨害および名誉毀損による無形損害に対する賠償額について、人種差別行為に対する効果的な保護及び救済の観点から、比較的に高額な賠償を認めた点は、画期的である。
人種差別撤廃条約6条は、条約締約国に対して、人種差別行為に対する効果的な保護および救済措置を確保し、ならびに差別の結果として被った損害に対し、公正かつ適正な賠償または救済を裁判所に求める権利を確保する義務を課している。
当会は、少数者の人権侵害を救済することを本来的役割とする自らの使命を自覚して、被害を積極的に救済した京都地裁の姿勢を支持し、改めて賛意を表する。
原告らが強く主張した民族的教育権についての判断を示さなかったことなど、留意すべき点は残るものの、今回の判決は、在特会らによるヘイトスピーチが不法行為、そして人種差別に該当すると明確に認定した点、本件示威活動等に参加した者らには共同不法行為責任を認め、団体としての在特会には使用者責任を認めることにより、在特会および示威活動参加者らに連帯して比較的に高額な賠償の支払いを命じた点で評価に値する。東京・新大久保や大阪・鶴橋のような在日コリアンが多い地域等で今後も繰り返されるおそれがある在特会らのヘイトスピーチ、ヘイトクライムに対しても一定の抑止効果を期待することができる。
当会は、在日コリアン弁護士が結集する団体として、今後も、在特会らの活動およびヘイトスピーチ、ヘイトクライム問題に注視し、在日コリアンをはじめとする民族的少数者の基本的人権の擁護に必要な支援を行っていく所存である。
以上

2366 2018/2/4アラカルト①

ボタン
こちらのブログは以前よく読んで居たのですか、今の形式になって殆ど読まなくなりました。ほぼ皆さんの投稿した物の列記で、余命さんの意見があまり見られないからです。意見は意見で大事ですが私は余命さんの考えをもっと聞きたいです

.....楽しんでもらうために、ほとんど寝ないでこんな非営利ブログをやっているわけではない。このブログは実行ブログであるから闘いに必要な情報を発信しているのである。 この膨大な資料も読者が集めて整理して投稿していただいている。この会長声明の集積が日弁連にどれだけボディーブローとなっているかおわかりだろうか。余命はみなさんと共に資料を提供しているのである。事実を知るということが大きな力となる。知られては困る連中がいる。余命ブログは目的ブログである。つまらなければ見なければいいだろう。

 

さざれ石
台湾の国営中央通訊社配信の記事を報告致します。
記事の冒頭部分だけを日本語に訳しました。
新疆傳現大規模勞改營 英媒採訪被騷擾[影]
中央通訊社 發稿時間:2018/02/03 18:17 (中央社台北3日電)
新疆の約12万余のウイグル族ムスリムが中国当局により「再教育センター」にぶち込まれていると伝わる。
先日訪中したメイ英国首相も新疆の人権に関心を寄せていると表明した。
新疆へ赴き明らかにした海外メディアがあるが、取材の過程で絶えず (中国) 当局により嫌がらせされ監視された。
海外メディアとは英国のBBCのことで、YouTubeで公開している取材動画 (英語字幕付)も添付してあります。
‘Just shoot my wife and mother’ – BBC News
ttps://www.youtube.com/watch?v=Qa9w3wUWWAE
国営中央通訊社や自由時報など台湾メディアは、新疆の周りに「壁」を築く計画等の新疆関連のニュース以外にも、フィリピンのイスラム・テロ組織とフィリピン共産党の軍事組織 (NPA) 関連のニュースもかなり配信しています。
当然ご存知のはずなので、あとは産経新聞さんにお任せします。
頼みましたよ。以上です。

さざれ石
コニタンが中国・環球網デビューです!
河野外務大臣がツイッターに掲載された中国外交部の華春瑩報道官と写った真について、コニタンこと小西洋之参議院議員 (民進党:千葉県選挙区) が噛み付いたそうです、中国の環球網 (環球時報) が取り上げました。
碰瓷中国美魔女,这位日本议员的下场堪比咸鱼
2018-02-02 18:10:00 环球网 怪怪酱
コニタンが中国人に畜生レベル云々と罵倒されようがどーでもいいことですが、注目すべきは、コニタンを批判する日本語のツイート、華春瑩報道官を擁護する日本語のツイート、華春瑩報道官についてのYahoo!知恵袋など複数の画像が掲載されていることです。
コニタンと大袈裟太郎らしき人物とのツーショット写真も掲載されています。
環球時報に寄稿したのは怪怪酱と名乗る人物で、自身で画像を集めたようです。
在日中国籍・帰化した元中国籍・日本国籍の混血・日本に長期滞在経験がある中国籍なのか、あるいは中華民国 (台湾) 系等なのかはわかりませんが、日本語の理解力は日本人の成人レベルで、日本のネットについても熟知しているように感じます。
タイトルに使われている「咸鱼:発酵させた干し魚が転じて“仕事を干される、蔑まれる等”」は比較的新しい使い方らしいので、年齢は40歳代以下でしょうか。
美魔女についても説明していますが、日本のテレビ等を見ない自分は知りませんでした。
もしかしたら、日本語が堪能で日本国内の事情にも詳しい情報提供者がいるのかもしれません。
NHKが731部隊の番組を先月21日に再放送したことについて、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科の在学生が澎湃新聞 (上海) に長文を寄稿しています。
日本の「右翼」がNHKをどう見ているのかもよくご存知のようです。
NHKをはじめ日本の自称リベラルの皆さんは気が付いていないようですが、仮想通貨に一生懸命お金を投じているのと同じことをされています。あなた方の「投資先」は安全ですか?
張本智和という卓球選手が試合中に発する掛け声を批判されて禁止されたと台灣蘋果日報が報じていましたが、台湾にしても中国にしても日本のことを隅から隅まで情報収集して広く配信しています。
それと、オーストラリアからは中国系家族が電車の中で朝鮮系女にいきなり罵倒された、中国人留学生が欧州系の若者複数にいきなりボコられた等のニュース、米国カリフォルニア州は「修羅の国」化や米国国内の人身売買組織のニュース等を台湾メディアが報じています。
3月以降、留学等で行かれる方は十分にお気を付けください。
また同期の留学生や現地在住の日本国籍にも朝鮮系や中国系がいることでしょう。
おかしいと思ったら過度に近付かないように。直感は大切です。以上です。

 

さざれ石
自由時報の記事を日本語に訳しましたが、台灣蘋果日報の配信内容もほぼ同じです。
■數十名竹聯幫幹部 訪沖繩黑道
台灣蘋果日報 出版時間:2018/02/01 09:58
■竹聯幫與日暴力團在沖繩「交流」 日警戒備
自由時報 2018-02-01 09:07 〔即時新聞/綜合報導〕
台湾の暴力団組織「竹聯幫」のたくさんの幹部が最近日本の沖縄県に出向き、日本の指定暴力団「旭琉會」の幹部と接触し、日本の警察の関心を引き、警戒を強める。
沖縄タイムスは、竹聯幫のたくさんの幹部が26日に沖縄に到着し、その日の夜に那覇市のレストランで日本の旭琉會の幹部と会食した。竹聯幫の幹部は28日に沖縄を離れたが、日本の警察は追跡調査を続けていると報じる。
また、2015年に台湾の暴力団構成員が沖縄に出向き、旭琉會の構成員と接触していたと指摘する。
■台湾マフィア、幹部ら十数人が来日 沖縄の暴力団と接触
沖縄タイムス 2018年2月1日 06:16
台湾有数のマフィア組織「竹聯幇(ちくれんほう)」の幹部ら十数人が沖縄を訪れ、指定暴力団旭琉會の幹部らと接触していたことが29日までに、関係者への取材で分かった。県警は沖縄来訪の目的や両組織の関係性などについて情報収集を進め、警戒を強めている。
関係者によると、竹聯幇幹部らは26日に来沖。同日夜に、那覇市内の飲食店で旭琉會幹部らと会い、28日まで県内に滞在していたという。
2015年10月にも台湾組織の関係者が来沖し、旭琉會関係者と接触していた。
■竹聯幇(ちくれんほう、ジュリェンパン)は、台湾台北市を拠点とする黒社会組織(暴力団)の一つ。
台湾全域及び国外にも拠点を有し主要構成員数は約1万5千人、末端までの総数は10万人と言われている。台湾の三大黒社会組織として四海幇、天道盟と並び称される。(日本語版Wikipediaより)
■警察庁組織犯罪対策組織犯罪対策企画課 平成29年3月
平成28年における組織犯罪の情勢 指定暴力団一覧表【確定値版】より
旭琉會 沖縄県沖縄市上池2-14-17 富永 清 (代表する者) 1県 (勢力範囲) 約360人 (構成員数)
それにしても本当によくチェックしていますね。以上です。
浅き夢見氏
元日、賀状の束の中に見覚えのある名前!半信半疑で裏を返せばサイン入り余命画、旭日旗の幸先良い暗示を頂き感激の元旦となりました。有り難うございます。
さて、日付けが変わり昨日の事になりますが、千葉県弁護士会より配達証明で決定書及び議決書が送られて来ました。ご報告させていただきます。
千葉県弁護士会/ 平成30年1月19日
会長 及川智志[角朱印]
懲戒請求事案の決定について(通知)
1事件番号 千弁平成29年(網)第1641号
対象弁護士 山村清治
2事件番号 千弁平成29年(網)第1741号
対象弁護士 菅野亮
3事件番号 千弁平成29年(網)第1841号
対象弁護士 濟木 昭宏
4事件番号 千弁平成29年(網)第1941号
対象弁護士 岩井浩志
上記懲戒請求事案につき綱紀委員会の議決に基づき、別紙のとおり対象弁護士を懲戒しない旨決定したので、綱紀委員会及び綱紀手続きに関する会規第57条第2項の規定により、綱紀委員会議定書の謄本を添付して通知します。
懲戒請求者は、この決定について不服があるときは、弁護士法第64条の規定により、日本弁護士連合会に異議を申し出ることができます。
なお、異議の申出は、この通知を受けた日の翌日から起算して3か月以内に、書面によってしなければなりませんし(郵便又は信書便で提出した場合、送付に要した日数は算入しません。郵便又は信書便に当たらない宅配便、メール便などの場合、送付に要した日数は算入されます。)。
異議申出書の記載事項及び必要部数については、以下のウェブサイトを御覧下さい。
※懲戒請求事案に関する異議申出の方法について
ttps://www.nichibenren.or.jp/jfba_info/autonomy/chokai/tyoukai_igi.html(又は、検索サイトで「懲戒異議申」と検索して下さい。)インターネットをご利用にならない場合には、ウェブサイトと同内容の書面を郵送かファックスでお送りしますので、以下までお申し付けください。https://www.nichibenren.or.jp/jfba_info/autonomy/chokai/tyoukai_igi.html(又は、検索サイトで「懲戒異議申」と検索して下さい。)インターネットをご利用にならない場合には、ウェブサイトと同内容の書面を郵送かファックスでお送りしますので、以下までお申し付けください。
※異議申出の提出先・問合せ先
日本弁護士連合会(担当:審査部審査第2課)
〒100-13 東京都千代田区霞が関1-1-3
電話 03-3580-9841(代)

◇決定書
千弁平成29年(網)第27号~第1626号,第1631号~第2030号,第2033 号~第2916号,第2924号~第3631号,第3635 号~第 4434号,第4448号~第4595号
懲戒請求者、対象弁護士らは、別紙、当事者目録記載のとおり。
本会は、上記懲戒請求事案につき、次のとおり決定する。
主文
対象弁護士らを懲戒しない。
理由
上記対象弁護士らに対する懲戒の請求について、綱紀委員会に事案の調査を求めたところ、同委員会が別紙のとおり議決したので、弁護士法第58条第4項の規定により、主文のとおり決定する。
平成30年1月19日
千葉県弁護士会
会長 及川智志[角朱印]

◇議決書
(決定書の事案件名と同一にて省略しました)
懲戒請求者、対象弁護士らは、別紙、当事者目録記載のとおり。
主文
本件につき、懲戒委員会に事案の審査を求めないことを相当とする。
理由
第1 懲戒請求事由の要旨
対象弁護士らは、平成28年8月23日付の朝鮮学校に対する補助金停止に反対する会長声明の中で、「当会は、文部科学大臣に対し、2016年3月29日付「朝鮮学校にかかる補助金交付に関する留意点について(通知)」の撤回」及び「朝鮮学校に対する補助金の交付を現在停止している地方公共団体に対し、憲法や条約上の子どもの権利に配慮し、補助金を交付すること」更に「朝鮮学校に対する補助金交付を現在行っている地方公共団体に対し、補助金交付の継続及び憲法上や条約上の権利に合致した運用の改善を図ること」等を求めている。
これらの会長声明に賛同した対象弁護士らは、違法である朝鮮学校補助金支給要求声明に賛同し、その活動を推進する行為であり、二重の確信的犯罪行為であるため、懲戒請求する。
第2 対象弁護士の弁明の要旨
1 対象弁護士の認否
懲戒事由には、対象弁護士らに関する具体的な行為が特定されていないため、認否できない。
2 対象弁護士らの反論
本件は、対象弁護士らに関する具体的な行為が特定されていないため、懲戒の対象となる具体的事実が不明確である。
また、懲戒事由の内容からすると、本件懲戒請求は、千葉県弁護士会が行った声明を根拠としているものと推認されるが、弁護士会が行った声明は、あくまでも弁護士会の行為に過ぎず、個々の弁護士の懲戒事由には当たらないというべきである。
第3 主張書面
1 懲戒請求者提出分
(1) 会長声明文書(写し)
2 対象弁護士ら提出分
(1) 答弁書
第4 当委員会の認定した事実及び判断
1 委員会が認定した事実
対象弁護士山村清治が、千葉県弁護士会の会長として、平成28年3月29日付けにて、懲戒請求事由記載の文言を含む「朝鮮学校に対する補助金停止に反対する会長声明」を行った事実は、当委員会にも顕著な事実である。
対象弁護士山村清治は、懲戒請求事由記載の会長声明を行っているが、これは、対象弁護士の個人的見解を会長声明という形式で行ったというものではなく、千葉県弁護士会の常委員会の決議に基づき、千葉県弁護士会の組織上の機関として行ったものである。
2 当委員会の判断
本件会長声明は上記のとおり、千葉県弁護士会の手続きに基づき、組織上の機関として意見を明らかにしたというものであり、これについてその権限を逸脱し又は濫用をしたとの事情は認められず、対象弁護士に弁護士法第56条第1項に定める品位を失うべき非行があったということはできない。
会長声明に名を連ねた対象弁護士濟木昭宏外2名も同様である。よって、主文のとおり議決する。
平成30年1月15日
千葉県弁護士会綱紀委員会
委員長 藤井 一 [角印黒]
(別紙)
対象弁護士
氏名① 山村 清治
登録番号 22539
事務所 みどり総合法律事務所
住所 千葉市中央区中央3-10-4マーキュリー千葉9階
氏名② 菅野 亮
登録番号 27156
事務所 法律事務所シリウス
住所 千葉市中央区中央3-18-3千葉中央ビル4階
氏名③ 濟木 昭宏
登録番号 29695
事務所 法律事務所シリウス
住所 千葉市中央区中央3-18-3千葉中央ビル4階
氏名④ 岩井 浩志
登録番号 31112
事務所 葛(旧字体) 南総合法律事務所
住所 千葉県船橋市本町1-26-2 船橋SF ビル4階
これは謄本であることを認証する。
平成30年1月19日
千葉県弁護士会
会長 及川 智志[角朱印]

以上です。まぁ突っ込み処満載で、論拠破綻も無視した手前がってな言い分です。呆れるばかりですし、一時も速く日本の清浄化を成し得たいものです(浅き夢見氏)

.....天下の日弁連も落ちたものだ。もう三面記事扱いだからな。もうすぐ2行くらいの記事になり、そのうち報道もされなくなるだろう。

2365 大量懲戒請求事案

T.K.
日弁連会長と8つの単位弁護士会会長の第六次懲戒請求に関する談話について
■ 会長談話
2017年12月25日、日弁連会長が発した「全国各地における弁護士会員多数に対する懲戒請求についての会長談話」を受ける形で、以下の弁護士会の会長がほぼ同一内容の談話を出しています。
東京弁護士会、第一東京弁護士会、第二東京弁護士会、神奈川県弁護士会、愛知県弁護士会、滋賀弁護士会、大阪弁護士会、福岡県弁護士会(2018年2月1日現在)
第六次告発の懲戒請求が送られた21弁護士会のうち、8弁護士会の会長が談話を発表しているわけです。以下に、その8つの談話と日弁連会長の談話を引用します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
当会会員多数に対する懲戒請求についての会長談話
2017年12月25日
ttps://www.toben.or.jp/message/seimei/post-487.html
東京弁護士会 会長 渕上 玲子
日本弁護士連合会および当会が意見表明を行ったことについて、特定の団体を介して当会宛に、今般953名の方々から、当会所属弁護士全員の懲戒を求める旨の書面が送付されました。
これらは、懲戒請求の形で弁護士会の会務活動そのものに対して反対の意見を表明し、批判するものであり、個々の弁護士の非行を問題とするものではありません。弁護士懲戒制度は、個々の弁護士の非行につきこれを糾すものであって、当会は、これらの書面を懲戒請求としては受理しないこととしました。
弁護士懲戒制度は、国民の基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする弁護士の信頼性を維持するための重要な制度です。すなわち、弁護士は、その使命に基づき、時として国家機関を相手方として訴えを提起するなどの職務を行わなければならないことがあります。このため、弁護士の正当な活動を確保し、市民の基本的人権を守るべく、弁護士会には高度の自治が認められており、弁護士会の懲戒権はその根幹をなすものです。
弁護士会としてはこの懲戒権を適正に行使・運用しなければならないことを改めて確認するとともに、市民の方々には弁護士懲戒制度の趣旨をご理解いただくことをお願いするものです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
2017.12.25
声明・決議・意見書
ttp://www.ichiben.or.jp/opinion/opinion2017/post_360.html
弁護士会員多数に対する懲戒請求についての会長談話
日本弁護士連合会及びいくつかの単位弁護士会が意見表明を行ったことについて、平成29年4月1日から本日までの間、数回にわたって956名の請求者から、当会所属弁護士全員を懲戒することを求める旨の書面(以下、「本件書面」といいます。)が送付されました。
これらの書面は懲戒請求の形をとっていますが、当会所属弁護士の非行に対するものではなく、実質的に弁護士会の活動に対する反対のご意見、ご批判の趣旨と解されます。弁護士懲戒制度の対象は個々の弁護士の非行であり、本件書面は明らかにこれに該当しません。そこで、当会は本件書面を懲戒請求として受理しないことといたしました。
弁護士懲戒制度は、国民の基本的人権を擁護し、社会正義を実現する(弁護士法第1条)ための制度であり、適正に行使・運用されなければなりません。
当会としてもこのことを改めて確認するとともに、市民の皆様には、弁護士会の懲戒制度につきご理解を深めていただきたくお願い申し上げる次第です。
2017年(平成29年)12月25日
第一東京弁護士会
会長   澤 野 正 明
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
大量の「懲戒請求」についての会長談話
更新日:2017年12月25日
ttp://niben.jp/news/opinion/2017/171225151850.html
今般、特定の団体が取りまとめた925名の方々から、日本弁護士連合会が発表した声明を理由に、当会に対し、実質的に当会に所属する弁護士全員に対する「懲戒請求」と題する書面が送付されました。
本来、弁護士懲戒制度は、弁護士法に基づき個々の弁護士の非行を糾すものであるところ、今般いただいた書面は、懲戒請求の形はとっていますが、声明の発表という弁護士会の活動に反対するご趣旨の意見の表明であって、個々の弁護士の非行を問題とするものではありません。
そこで、当会では、今回いただいた書面は、弁護士会の活動に対する市民のみなさまからのご意見として承り、懲戒請求としては扱わないこととしました。
当会は、これを機に、弁護士自治は、国民の基本的人権を擁護し社会正義を実現するという弁護士法の定める弁護士の使命を果たすために保障されたものであることに改めて思いを致し、懲戒制度のさらなる適正な行使・運用に努め、弁護士への信頼の維持を図る所存です。市民のみなさまには、このような弁護士懲戒制度にご理解を賜りたくよろしくお願いいたします。
2017年12月25日
第二東京弁護士会
会長 伊東 卓
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
当会の多数の会員に対する懲戒請求についての会長談話
2017年12月26日更新
ttp://www.kanaben.or.jp/profile/gaiyou/statement/2017/post-282.html
今般,特定の団体が,神奈川県弁護士会所属弁護士全員を懲戒することを求める書面を,約1,000名からとりまとめ,神奈川県弁護士会に送付しました。
しかしながら,これらの書面は,日本弁護士連合会が会長声明を発したことを理由とするもので,弁護士法に基づき個々の弁護士の非行を糾す弁護士懲戒制度にはそぐわないものです。
このため,神奈川県弁護士会は,これらの書面を,この声明に対する反対のご意見としては承りますが,懲戒請求としては受理しないことといたしました。
弁護士は,弁護士法第1条に基づき,基本的人権を擁護し,社会正義を実現することを使命としており,訴訟や提言等を行うことで,ときには国家権力と対峙しなければなりません。もし国家権力が弁護士に対する懲戒権限を有すると,このような活動が萎縮し,基本的人権の擁護がままならなくなるおそれがあります。このため,弁護士会には自治権が認められ,弁護士に対する懲戒権限は,弁護士会が有しているのです。
市民のみなさまにおかれましては,このような弁護士懲戒制度の趣旨をご理解下さるようお願い申し上げます。また,神奈川県弁護士会といたしましては,懲戒権限を引き続き適正に行使する所存です。
2017(平成29)年12月26日
神奈川県弁護士会
会長 延命 政之
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当会の意見表明に対してなされた大量の「懲戒請求」についての会長談話
2017年12月25日 お知らせの一覧
ttps://www.aiben.jp/opinion-statement/news/2017/12/post-8.html
当会の行った意見表明に対して、平成29年度に入り数度にわたって、当会所属弁護士を対象に懲戒を求める旨の書面が、特定の団体から送付されてきています。その後、同じ団体から、当会所属弁護士全員を対象に懲戒を求める旨の書面が、平成29年11月13日に586通、同年12月13日に365通が、それぞれ送付されました。
当会は上記のような送付物の取り扱いについて慎重に検討して参りました。
これらの「懲戒請求」は、懲戒請求の文言の記載はあるものの、弁護士会の活動自体に対して反対の意見を表明するものであり、懲戒制度が予定している懲戒請求ではないことから、今般、弁護士又は弁護士法人に対する懲戒請求としては受理しないことと致しました。
弁護士懲戒制度は、国民の基本的人権を擁護し、社会正義を実現するために弁護士への信頼を維持するための重要な制度です。弁護士は、時として、国家機関に対して批判者の立場に立って行動しなければならないことがあることからも、弁護士会には、弁護士自治が認められており、弁護士会の懲戒権はその根幹をなすものとして、適正に行使・運用されなければなりません。
今回の請求のご趣旨は、弁護士会に対するご意見・ご批判として承りますとともに、皆様には、弁護士会の懲戒制度につきまして、ご理解いただきますようにお願い申し上げます。
以上
2017年(平成29年)12月25日
愛知県弁護士会
会 長 池 田 桂 子
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大量の「懲戒請求」についての会長談話
ttp://www.shigaben.or.jp/chairman_statement/20180129.html
今般、全国の956名から、日本弁護士連合会会長が発表したある声明に賛同したとの理由で、当会所属の弁護士のほぼ全員を懲戒することを求める旨の書面が、ある団体を通じて当会に送付されました。これと同様の事態が全国の多数の弁護士会において生じています。
これに関し、2017(平成29)年12月25日、日本弁護士連合会会長から「全国各地における弁護士会員多数に対する懲戒請求についての会長談話」が発表されました。そこでは、これらが懲戒請求の形を取りながらも、その内容は弁護士会活動に対して反対ないしこれを批判するものであって、個々の弁護士の非行を問題とするものではないことから、各弁護士会においてしかるべく対処すべきことが述べられています。
思うに、弁護士懲戒制度は、基本的人権を擁護し社会正義を実現することを使命とする弁護士の職務の独立性、信頼性を維持するための重要な制度です。すなわち、弁護士は、その使命に基づき、時として国家機関を相手に訴えを提起するなどの職務を行わなければならないこともあります。このため、弁護士の正当な活動を確保し、市民の基本的人権を守るべく、弁護士会には高度の自治が認められているのであって、他機関ではない弁護士会による弁護士の懲戒権はその根幹をなすものです。
私は、この懲戒権を適正に行使、運用しなければならないとの見地から慎重に協議・検討した結果、これらが、懲戒制度が本来予定している懲戒請求ではないと判断し、今般、当会に所属する弁護士に対する懲戒請求としては受理しないことといたしました。
今回の申し出のご趣旨は、弁護士会に対するご意見・ご批判として承りますとともに、市民の皆様には、弁護士会の懲戒制度の趣旨について更なるご理解を頂きますよう、お願いする次第です。
2018(平成30)年1月29日
滋賀弁護士会
会長 佐口 裕之
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会員全員に対する懲戒請求についての会長談話
ttp://www.osakaben.or.jp/speak/view.php?id=166
日本弁護士連合会が会長声明を発したことについて、今般、特定の団体の呼びかけにより、当会宛に当会所属全弁護士の懲戒を求める旨の書面が送付されました。
これらは、弁護士全員を対象とする懲戒請求の形式を取るものの、個々の弁護士の非行を問題とするものではなく、弁護士会の会務活動そのものに対して反対の意見を表明し、批判するものです。弁護士に対する懲戒制度は、弁護士に品位を失うべき非行があったときにこれを懲戒しようとするものであって、これらの書面はその趣旨に合致しません。また、これらの書面には、対象会員についての具体的な懲戒事由の説明が記載されていません。したがって、当会は、これらの書面を懲戒請求として扱うことはできないものと判断しました。
弁護士の懲戒制度は、国民の基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする弁護士の信頼性を維持するための重要な制度であり、弁護士自治のもとでこれを弁護士会が行使することは、弁護士の正当な活動を確保し、市民の基本的人権を守るために不可欠です。
当会としては、この懲戒権を適正に行使すべきことを改めて確認するものです。
2017年(平成29年)12月26日
大阪弁護士会
会長 小 原 正 敏
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当会会員多数に対する大量の「懲戒請求」についての会長談話
ttp://www.fben.jp/statement/dl_data/2017/1226.pdf
本年,当会所属会員(本日現在1,288名)のほぼ全員を懲戒することを求める旨記載された文書が,当会に対し,大量かつ断続的に送付されました。文書作成者の総数は本日までで合計954名であり,特定の団体から数度にわたり数百通ずつまとめて送付されたものでした。また,上記各文書は,昨年度に当会が会長声明の発出により意見表明を行ったことを理由とするもので,「懲戒請求」の理由として述べられている内容も含め,ほぼ同一の書式でした。
当会としましては,上記各文書の取扱いについて慎重に検討してまいりました。本来,懲戒制度は個々の弁護士会員の「品位を失うべき非行」(弁護士法第56条1項)を対象とし,これがあったと認められる場合に所定の処分を科すものです。しかしながら,上記各文書は,「懲戒請求」と称してはいるものの,実質的には,当会の活動に対する反対意見の表明であること,当会の意見表明が個々の会員の非行となるものではないこと,等から,弁護士法所定の懲戒請求として扱うのは相当でないとの結論に至りました。
そこで,当会は,上記各文書を懲戒請求としては受理しないことといたしました。弁護士懲戒制度は,国民の基本的人権を擁護し,社会正義を実現する弁護士の職責に鑑み,法が弁護士会に与えた弁護士自治の根幹であり,適正に行使・運用されなければなりません。今回の大量「懲戒請求」は,本来の懲戒制度の趣旨に沿ったものとは言えず,極めて残念なことです。
当会は,ここにあらためて弁護士自治の重要性を認識し,懲戒制度の適正な行使・運用に努め,弁護士・弁護士会への信頼の維持を図る所存であることを表明し,市民の皆様には,弁護士会の活動にご理解を賜りたく,お願い申し上げます。
2017年(平成29年)12月26日
福岡県弁護士会 会長 作間 功
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全国各地における弁護士会員多数に対する懲戒請求についての会長談話
ttps://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2017/171225.html
近時、当連合会や弁護士会が一定の意見表明を行ったことについて、全国の21弁護士会に対して、800名を超える者から、その所属弁護士全員を懲戒することを求める旨記載した書面が特定の団体を通じて送付されてきている。これらは、懲戒請求の形をとりながらも、その内容は弁護士会活動に対して反対の意見を表明し、これを批判するものであり、個々の弁護士の非行を問題とするものではない。弁護士懲戒制度は、個々の弁護士の非行につきこれを糾すものであるから、これらを弁護士に対する懲戒請求として取り上げることは相当ではない。私は、本年12月21、22日開催の当連合会理事会において、各弁護士会の会長である当連合会理事にこの旨をお伝えした。各弁護士会においてしかるべく対処されることを期待する。
弁護士懲戒制度は、基本的人権を擁護し社会正義を実現することを使命とする弁護士の信頼性を維持するための重要な制度である。すなわち、弁護士は、その使命に基づき、時として国家機関を相手方として訴えを提起するなどの職務を行わなければならないこともある。このため、弁護士の正当な活動を確保し、市民の基本的人権を守るべく、弁護士会には高度の自治が認められているのであって、当連合会及び弁護士会による弁護士の懲戒権はその根幹をなすものである。
当連合会は、この懲戒権を適正に行使・運用しなければならない責務が存することを改めて確認するとともに、市民の方々には、弁護士懲戒制度の趣旨について更なるご理解をいただくようお願いする。
2017年(平成29年)12月25日
日本弁護士連合会
会長 中本 和洋
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■ 徳性と品位を失った弁護士界
上に引用した日弁連会長と各弁護士会会長の談話は、弁護士自治を自ら放棄するものであると考えます。以下にその根拠を挙げます。

1. 談話の中に「弁護士懲戒制度は、基本的人権を擁護し社会正義を実現することを使命とする弁護士の信頼性を維持するための重要な制度」とあるが、北朝鮮に資金確保を容易にさせる声明の発出は核兵器とミサイル開発に繋がるものであり、それは日本国民の生存を脅かすものである。従って、朝鮮学校への補助金にかかわる声明は、日本国民の基本的人権を侵すものであり、ひいては日本社会を混乱に落とすものであって社会正義の実現とは真逆の行為である。以上のことから、当該声明は、弁護士の使命から逸脱するものと言わざるを得ず、その弁護士の使命を放棄する行為は非行にあたるものとせざるを得ない。よって、その声明を発出した日弁連会長、及び、各弁護士会会長が懲戒請求されるのは当然のことである。

2. 日弁連会長、及び、各弁護士会会長は、その会員である弁護士によって選出されている。よって弁護士個々人は、自ら選んだ会長の非行を正す義務を負っている。当該声明の問題性は、懲戒請求される以前から指摘され、それを正す時間があったにもかかわらず、当該弁護士会の会員である弁護士諸氏は、この問題に対し当該声明の取り消し、会長の解任などの対応をとることもなく、いたずらに時を過ごし、消極的に会長の非行に加担したと言わざるをえない。従って、これも懲戒に相当するものと考えられる。

3. 一般国民が弁護士会へ懲戒請求するのは、個々の弁護士はともかく、弁護士界全体としての公平性、公正性、正義と自己を律する高潔さに期待してのことであり、この度の第六次告発における懲戒請求も例外ではない。そのような期待を踏みにじる上記の懲戒請求書の受付拒否談話は、一般国民の弁護士界への信頼を著しく損なうものである。一般国民の信頼と支持を失った団体に自治の特権を認めることは、その団体の非行を野放図に許すことであり、日本社会に多大な不利益をもたらすことになる。よって、弁護士界に自治を許すべきではない。

日弁連と上に挙げた懲戒請求書の受付拒否を表明した弁護士会は別として、第六次告発における懲戒請求書を送られた各弁護士会は、それについて適正な対応が行われるよう、切に希望します。

■ 一般国民の願い
上に挙げた談話を見ると、これまでに各弁護士会へ950通あまりの懲戒請求書が送られたことが分かります。未発送の分が400あまりあるとのことですので、合計、1300~1400人ほどの方から懲戒請求書が寄せられたことが分かります。これは、前回、第五次告発のときと変わらない数字です。第五次告発のときの懲戒請求者のみなさんに対する佐々木亮弁護士やその他の弁護士たちの損害賠償訴訟提起などの恫喝、脅迫にもかかわらず、それに怯むことなく懲戒請求書を送られた方が大多数だったのです。
このことからも、日弁連、弁護士会の専横が日本にもたらす害悪について、人々の危機感がどれほどのものか、また、弁護士界に対し、いかに自らの過ちに気づいて行いを正して欲しいと強く願われているか、ということが分かると思います。
弁護士諸氏には、どうか、一般国民のそのような気持ちをお汲み取りいただいて、今後の日弁連と弁護士界のあり方についてお考えいただき、現状の弁護士界のあり方を正していただきたいと思います。
T.K.

.....これに京都弁護士会が加われば完璧だな。いずれも民事訴訟の準備にかかる。
綱紀委員会の議決書、決定書も7件が返ってきており、これも民事訴訟の対象とすることになった。実務上の問題だけではなく、第六次告発における懲戒請求の中には犯罪弁護士が含まれており、上記弁護士会の不受理はそれも原因である可能性が高いからだ。
川崎デモの関係では福島瑞穂や神原元、そして公園仮処分申請では計5人の弁護士が懲戒請求とは別に告訴される。ヘイトでないものをヘイトとして代理人申請した行為は明らかに意図的であり虚偽告訴である。
 <他人に刑事処分や懲戒処分を受けさせる目的で、偽りの告訴・告発などをする罪。警察などへの虚偽告発だけでなく、他の役所などへの虚偽申告も含まれる。刑法第172条が禁じ、3か月以上10年以下の懲役に処せられる。虚偽告訴罪。誣告罪(ぶこくざい)。> 
なお、懲戒請求者に対して脅迫メッセージを発した佐々木亮弁護士については脅迫罪で刑事告発している。また、懲戒請求者が集まって民事訴訟の原告団を結成したそうだ。
内容がわかり次第、ブログでもお知らせする。資格要件は懲戒請求をして弁護士会から通知書が返送されてきた方に限る。その意味で、通知書は大事に持っていていただきたい。 李信恵大阪裁判ではあんな訴訟で2200万円請求、200万円ゲットだから、少なくとも1000万円の請求にするらしい。これ原告団をうまく分けないと印紙代だけでパンクしそうだね。

2364 第一東京弁護士会の議決書

 「日弁連のみならず当会でも積極的に行われている二重の」が消されている。懲戒事由の違法性に答えず「二重の」をスルーすれば懲戒事由の内容が大きく変わってしまうだろう。
 そもそもの懲戒請求事由である「憲法第89条違反」について違法ではないとすれば終わるものをなぜ答えずにくどくどと屁理屈を並べるのか実に不可解である。
弁護士会内部では第89条違反は認識されており、初動の対応失敗から身動きできなくなっているのだろうが、この件はすでに外患誘致罪で刑事告発されている事案であり、現状は検察の返戻処分に守られているものの、有事にはあっという間に崩壊する状況である。

弁護士法で掲げる理念と実態との乖離にはもう白けるな。
<第1条(弁護士の使命)①弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする。
②弁護士は、その使命により誠実に職務を遂行して社会秩序の維持及び法律制度の改善に努力しなければならない。>

 (懲戒の請求、調査及び審査)
第五八条 何人も、弁護士又は弁護士法人について懲戒の事由があると思料するときは、その事由の説明を添えて、その弁護士又は弁護士法人の所属弁護士会にこれを懲戒することを求めることができる。
《改正》平13法041

2 弁護士会は、所属の弁護士又は弁護士法人について、懲戒の事由があると思料するとき又は前項の請求があったときは、懲戒の手続に付し、綱紀委員会に事案の調査をさせなければならない。
《改正》平13法041
《改正》平15法128

3 綱紀委員会は、前項の調査により対象弁護士等(懲戒の手続に付された弁護士又は弁護士法人をいう。以下同じ。)につき懲戒委員会に事案の審査を求めることを相当と認めるときは、その旨の議決をする。この場合において、弁護士会は、当該議決に基づき、懲戒委員会に事案の審査を求めなければならない。
《全改》平15法128

4 綱紀委員会は、第二項の調査により、第一項の請求が不適法であると認めるとき若しくは対象弁護士等につき懲戒の手続を開始することができないものであると認めるとき、対象弁護士等につき懲戒の事由がないと認めるとき又は事案の軽重その他情状を考慮して懲戒すべきでないことが明らかであると認めるときは、懲戒委員会に事案の審査を求めないことを相当とする議決をする。この場合において、弁護士会は、当該議決に基づき、対象弁護士等を懲戒しない旨の決定をしなければならない。
《追加》平15法128

法を適用するときに、いくつか条件がある場合、平等な場合は併記する。
優先順位がある場合は、その優先順に並べる。
上記4の場合の条文はその優先順に並んでいる。
1第一項の請求が不適法であると認めるとき
2対象弁護士等につき懲戒の手続を開始することができないものであると認めるとき
3対象弁護士等につき懲戒の事由がないと認めるとき
4事案の軽重その他情状を考慮して懲戒すべきでないことが明らかであると認めるとき
つまり懲戒請求の事由が不適法であれば、その時点で却下され、2以降は関係がない。
それが他の理由云々ということは、懲戒請求事由は適法であるということを認めていることになる。つまり、「違法である朝鮮人学校補助金支給要求声明」という指摘は正しいということになる。
 憲法第89条違反であることは弁護士ならば常識であり、これを隠すためにさらに事由の書き換えまでしているのである。青字が懲戒請求書の懲戒事由原文で、下の赤字が意図的に修正カットされたものである。
「日弁連のみならず当会でも積極的に行われている二重の」が消されている。
ここまでやるともう犯罪だな。参考に並記しておこう。

懲戒請求事由
違法である朝鮮人学校補助金支給要求声明に賛同し、その活動を推進する行為は、日弁連のみならず当会でも積極的に行われている二重の確信的犯罪行為である。

懲戒請求事由
違法である朝鮮人学校補助金支給要求声明に賛同し,その活動を推進する行為は,確信的犯罪行為である。

多摩丘陵地帯
本日2月3日付けで届いた第一東京弁護士会の議決書の写しになります。
以下本文
平成29年一綱○○○号綱紀事件
議決書
懲戒請求者 省略
東京都赤坂4-7-15
陽栄光和ビル5階
光和総合法律事務所
対象弁護士 小田修司
(登録番号18869)
上記対象弁護士にかかる頭書綱紀事件につき,当委員会は、調査審議のうえ次の通り議決する。
主文
対象弁護士につき,調査委員会に事案の審査を求めないことを相当とする。
理由
第1 懲戒請求事由
違法である朝鮮人学校補助金支給要求声明に賛同し,その活動を推進する行為は,確信的犯罪行為である。
第2 対象弁護士の弁明の要旨
懲戒請求者が言う「朝鮮人学校補助金支給要求声明」が何を言うかは必ずしも晃かではないが,忖度するに、文部科学大臣が平成28年3月29日付けで、北海道外1都2府24県知事宛に発した「朝鮮学校に係わる補助金交付に関する留意点について(通知)」に対する平成28年7月29日付け日本弁護士連合会会長名の「朝鮮学校に対する補助金停止に反対する会長声明」を指しているものと解される。しかしながら,この会長声明のどこが違法であるか,また「確信的犯罪行為」というが,どのような犯罪に当たるか明らかでない。
第3 判断の資料
別紙資料目録に記載の通り。
第4 当委員会の認定した事実及び判断
1 文部科学大臣は,平成28年3月29日,北海道外1都2府24県知事宛に下記要旨の「朝鮮学校に係わる補助金交付に関する留意点について(通知)」を発出した。

「朝鮮学校に関しては,我が国政府としては,北朝鮮と密接な関係を有する団体である朝鮮総聨が,その教育を重要視し,教育内容,人事及び財政に影響を及ぼしているものと認識しております。ついては,各地方公共団体におかれては,朝鮮学校の運営に係わる上記のような特性も考慮の上,朝鮮学校に通う子供に与える影響にも十分配慮しつつ,朝鮮学校に係る補助金の公益性,教育振興上の効果等に関する十分な御検討とともに,補助金の趣旨・目的に沿った適正かつ透明性のある執行の確保及び補助金の趣旨・目的に関する住民への情報提供の適切な実施をお願いします。」
2 日本弁護士連合会会長は,平成28年7月29日,下記要旨の「朝鮮学校に対する補助金停止に反対する会長声明」を発表した。

「補助金の支給権限は地方自治体にあり,その判断と責任において実施されるべきところ,同通知は,グタイテキナ事実関係を指摘することなく,上記のような政府の一方的な認識のみを理由として,数多くある各種外国人学校のなかの朝鮮人学校のみを対象として補助金交付を停止するように促しており,事実上,地方自治体に対して朝鮮学校への補助金交付を自粛するよう要請したものと言わざるを得ない。」
「当連合会は,全ての子どもたちが教育を受ける権利を平等に享受することができるよう,政府に対して,朝鮮学校に対する補助金交付の停止を,事実上,地方公共団体に要請している同通知の撤回を求め,また,地方公共団体に対しては,朝鮮学校に対する補助金の支出について憲法上の権利(憲法26条1項,同第13条に基づく学習権及び同第14条などが禁止する不合理な差別的取扱い)に配慮した運用を行うよう求めるものである。」
3 懲戒請求者は「その活動を推進する行為は」と主張するが,対象弁護士が会長声明に関連してどのような活動した,と主張するのか明らかでなく,「推進する行為」がどのような高位を指すのか明らかでない。仮に,対象弁護士弁護士が会長声明に賛同していたとしても,賛同したことが弁護士としての品位を失うべき非行に該当すると判断することはできない。
よって主文のとおり議決する。
平成29年10月27日

第一東京弁護士会
会 長 澤 野 正 明 殿
第一東京弁護士会綱紀委員会
委員長 二 宮 照 興 (第一東京弁護士會綱紀委員會委員長印)

資料目録
1 懲戒請求者提出分
(1)懲戒請求書
2 対象弁護士提出分
(1)主張書面(平成29年6月19日付け)
(2)証拠書類
乙第1号証 朝鮮学校に係る補助金交付に関する留意点について(通知)
乙 第2号証 朝鮮学校に対する補助金停止に反対する会長声明
以上

本文終了
議決文中憲法条項について参考
第13条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
第14条 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
2 華族その他の貴族の制度は、これを認めない。
3 栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。
第26条 すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
2 すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。

国民とは
コトバンクより抜粋
国民
こくみん
国家を構成する者のことで,その国の国籍を有する者がそれにあたる。 (1) 日本国民たる要件は法律で定めることになっており (憲法 10条) ,国籍法が制定されて具体的に要件を規定している。人は,ある国の国民になることによって,その国の統治に服するが,国民主権国家にあっては,国民は統一された全体としてその国の統治のあり方を決めかつ支える究極的権威となる。また,国民は選挙その他の方法を通じて国政に関与する。現代国家では,基本的人権の享有を国民のみならず広く外国人にも及ぼそうとする傾向が顕著であるが,それでもなお,外国人を国民とまったく同一に扱うことを許さないさまざまな事情が存在している。 (2) 国民は民族とは基本的に区別される。世界の国家をみると,単一民族から成る国家は少く,多民族であれ,国民となれば,自分たちが1つの共通の歴史的・文化的伝統をもっているのだと信じるようにならなければ,国家としての統合を確保することは,むずかしい。
議決書及び関連用語に関して投稿します。

 <3 懲戒請求者は「その活動を推進する行為は」と主張するが,対象弁護士が会長声明に関連してどのような活動した,と主張するのか明らかでなく,「推進する行為」がどのような高位を指すのか明らかでない。仮に,対象弁護士弁護士が会長声明に賛同していたとしても,賛同したことが弁護士としての品位を失うべき非行に該当すると判断することはできない。>

.....品位失うべき非行ではなく憲法違反、犯罪だと言っているのだ。