2195 諸悪の根源マンセー日弁連57

匿名希望
共謀罪の新設に反対する再度の声明
~内心の自由を侵害し思想処罰を招くおそれのある共謀罪は認めません~
2005年(平成17年)10月3日
兵庫県弁護士会 会長 藤井 伊久雄
本年8月の衆議院解散により廃案となった「犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案」(以下「本法案」という)が、現在開会中の特別国会に再度上程され、政府は総選挙における与党大勝を背景に、極めて短期間の審理で成立を期そうとしています。
 本法案は、「国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約」(以下「国連条約」という)に基づき国内法化を図るものとして2003年の通常国会から審議されてきたものですが、いわゆる「共謀罪」の新設を含むことから、日弁連を初め当会も本年7月21日に会長声明を発し、強く反対してきました。
 本法案に盛り込まれた「共謀罪」は、長期4年以上の刑を定める犯罪について、団体の活動として共謀した者を、5年以下もしくは2年以下の懲役または禁固に処するというものです。従って、犯罪の実行行為がなくとも、関係者の単なる「合意」だけで処罰ができることとなり、内心の自由を侵害し、思想・表現に対する処罰に限りなく近くなるだけでなく、対象罪名は約600に上り、重罪に対する例外措置というより、窃盗・詐欺や傷害などほとんどの刑法犯罪について、未遂にさえ至っていない段階で、広範に共謀罪を科すことになり、「実行行為を処罰する」という近代刑法の体系を根本から覆すことになります。これは、戦前の治安立法による深刻な内心の自由の侵害、思想言論表現の弾圧への反省から再出発した戦後日本の基本原則を脅かしかねない重大問題です。
 さらに、本法案の契機でもある国連条約が求めているのはテロ組織など国際的な組織的犯罪集団の取り締まりであるにもかかわらず、本法案では広く一般の政党、NPOなど市民団体、労働組合、企業等の活動も処罰されるおそれがあります。たとえば、市民団体がマンションの建設に反対して現場で座り込みをしたり、労働組合が徹夜も辞さずに団体交渉を続けようと決めるだけで、組織的威力業務妨害罪や監禁罪の共謀罪とされる危険性を含んでいます。
 一部の報道によると、テロ対策として求められるとされていますが、テロ犯罪は主として爆弾等を使用した殺人の形をとることが多いところ、現行法でも殺人罪には準備行為の段階から、爆発物取締罰則違反は共謀の段階から取り締まりが可能であり、新たな刑罰法規を設ける必要はないと考えられます。
 共謀罪が導入されると、犯罪捜査においても、広範囲の盗聴やメールの傍受などが必要になり、取調においても自白強要の傾向が強まり、人権侵害の頻発、警察が市民生活の隅々まで入り込む監視社会をもたらす危険も否定できません。自首による刑の減免が規定されることから密告などの風潮も強まりかねません。
 このように、共謀罪の新設は、思想信条の自由など重要な基本的人権を侵害し、自白強要の取調方法が強まり、監視社会を招くなど、市民生活にとって重大な脅威になるものであり、その新設に再度、強く反対します。

 

匿名希望
外国籍会員の調停委員任命を求める会長声明
大阪家庭裁判所から依頼を受け、当会が2015年(平成27年)10月1日に行った韓国籍の当会会員2名の推薦に対し、同家庭裁判所は、同年11月4日付で最高裁判所に当該会員の任命上申を行わない旨の通知をした。拒絶の理由は、調停といえども公権力の行使であり、国家意思の形成に関与すること等の理由から、調停委員には日本国籍を有する者と解することが相当であるというものである。当会は、これまでも外国籍の会員を家事調停委員に推薦したが、いずれも同様の理由により任命上申を拒絶されており、極めて遺憾である。
 そもそも法令上、外国籍の者が調停委員になることができない旨の規定はない。また、外国籍の者が一定の公職に就くことが制限されることがあるとしても、公権力の行使又は国家意思の形成への参画に携わるか否かという抽象的な基準により、すべての公務員について、その具体的な職務内容を問題とすることなく、日本国籍を有するか否かにより差別的取扱いを行うべきではない。現に過去には日本国籍ではない当会会員を調停委員として任命した実例もある。
 さらに、家事調停制度は、市民間の家事の紛争を当事者の話合いに基づき解決する制度であり、家事調停委員の役割は、当事者の互譲を支援し、当事者の合意に基づく紛争解決を支援することにあり、外国籍の者が家事調停委員に就任することが国民主権原理に反するとは考えられない。そして、多民族・多文化共生社会の形成の視点からすれば、国籍の有無にかかわらず、家事調停委員の就任を認めることは当然の要請と考えられ、調停委員の任命においても多様性の尊重が求められる。
2014年(平成26年)8月28日の国連人権差別撤廃委員会の総括所見においても、「委員会はとりわけ、家庭裁判所における調停委員として行動する能力を有する日本国籍でない者を排除するとの締結国の立場及び継続する実務について懸念する。」とされ、「委員会は、締結国に対し、能力を有する日本国籍でない者が家庭裁判所における調停委員として行動することを認めるように、その立場を見直すことを勧告する。」とされている。
 以上のとおり、調停委員について、日本国籍を有しないことのみを理由として任命上申を拒絶することは、憲法第14条に違反するものと言わざるを得ない。
 よって、当会は、大阪家庭裁判所に対して、このような事態を繰り返さないことを強く求めるものである。
2016年(平成28年)3月24日
大阪弁護士会
会長 松 葉 知 幸
匿名希望
外国籍会員の調停委員任命を求める会長声明
大阪家庭裁判所から家事調停委員の推薦の依頼を受け、当会が2016年(平成28年)9月27日に行った韓国籍の当会会員1名の推薦に対し、同家庭裁判所は、同年11月11日付で最高裁判所に当該会員の任命上申を行わない旨の通知をした。拒絶の理由は、調停といえども公権力の行使であり、国家意思の形成に関与すること等の理由から、調停委員には日本国籍を有する者と解することが相当であるというものである。当会は、これまでも外国籍の会員を家事調停委員に推薦したが、いずれも同様の理由により任命上申を拒絶されており、今回を含めて7度も繰り返されており極めて遺憾であり、これに強く抗議するものである。
 そもそも民事調停委員及び家事調停委員規則第1条は、日本国籍を有することを任命の要件としておらず、外国籍の者が調停委員になることができない旨の規定はない。また、「弁護士となる資格を有する者」を一つの対象として選考することになっているが、弁護士資格にはもともと国籍条項はなく、司法修習生の採用選考要項からも国籍要件は撤廃されている。外国籍の者が一定の公職に就くことが制限されることがあるとしても、公権力の行使又は国家意思の形成への参画に携わるか否かという抽象的な基準により、すべての公務員について、その具体的な職務内容を問題とすることなく、日本国籍を有するか否かにより差別的取扱いを行うべきではない。現に過去には日本国籍ではない当会会員を調停委員として任命した実例もある。
 さらに、家事調停制度は、市民間の家事の紛争を当事者の話合いに基づき解決する制度であり、家事調停委員の役割は、当事者の互譲を支援し、当事者の合意に基づく紛争解決を支援することにあり、外国籍の者が家事調停委員に就任することが国民主権原理に反するとは考えられない。近畿弁護士会連合会外国籍の調停委員採用を求めるプロジェクトチームが、平成27年度と平成28年度、近畿6府県の各弁護士会所属の弁護士調停委員と意見交換会を実施したが、調停委員の職務が公権力の行使であると述べた方は皆無であった。そして、多民族・多文化共生社会の形成の視点や司法サービスの充実の観点からも、外国籍の住民が多数居住する大阪においては、国籍の有無にかかわらず家事調停委員の就任を認めることは当然の要請と考えられ、調停委員の任命においても多様性の尊重が求められる。
 2014年(平成26年)8月28日の国連人権差別撤廃委員会の総括所見においても、「委員会はとりわけ、家庭裁判所における調停委員として行動する能力を有する日本国籍でない者を排除するとの締結国の立場及び継続する実務について懸念する。」とされ、「委員会は、締結国に対し、能力を有する日本国籍でない者が家庭裁判所における調停委員として行動することを認めるように、その立場を見直すことを勧告する。」とされている。
 以上のとおり、調停委員について、日本国籍を有しないことのみを理由として任命上申を拒絶することは、憲法第14条に違反するものと言わざるを得ない。
 よって、当会は、最高裁判所及び大阪家庭裁判所に対して、このような事態を繰り返さないことを強く求めるものである。
2017年(平成29年)3月14日
大阪弁護士会
会長 山 口 健 一

 

匿名希望
特定の学校を高校無償化制度の対象から排除する省令改正に反対する会長
文部科学省は、2013年(平成25年)2月20日付けで、公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律施行規則の一部を改正し、各地の朝鮮学校に対し、就学支援金支給の対象校として指定しない旨の通知を行った。従前、上記施行規則第1条第1項第2号において、就学支援金の支給対象校として指定を受けることができる外国人学校について、
(イ)大使館等を通じて本国における高校と同等程度の課程を有するものと確認できる学校、及び
(ロ)国際的評価機関の認定を受けた学校に加え、
(ハ)として、日本の高等学校と同程度の課程を持つと評価される学校については、文部科学大臣が個別に指定することにより就学支援金などの対象とすることができるとしていたが、上記改正により、かかる(ハ)の規定を削除した。
 朝鮮学校は、2010年(平成22年)11月末までに上記(ハ)に基づく指定の申請を終えたが、それから2年以上経過した後も、申請に対する応答がなされていなかった。この度上記改正がなされたことなどを理由として、朝鮮学校が制度の対象から外されたのである。
 上記改正は、2012年12月28日の定例記者会見において文部科学大臣が述べるとおり,今回の上記改正が拉致問題の進展がないこと等を理由として朝鮮学校を就学支援金支給対象から排除するためのものであることはあきらかである
そもそも、公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律(以下「高校無償化法」という。)の趣旨・目的は、「高等学校等における教育に係る経済的負担の軽減を図り、もって教育の機会均等に寄与すること」にあって、これは、子どもの権利条約第28条の趣旨にも沿うものである。法案審議の過程でも、就学支援金支給対象となる外国人学校の指定については、外交上の配慮などにより判断すべきものではなく、教育上の観点から客観的に判断すべきものであるということが政府の統一見解としてあきらかにされている。
 これに対して、今回の改正理由として文部科学大臣が述べた拉致問題の進展などは、あきらかに外交上の問題であって、これを理由に特定の学校のみを排除する上記改正を行うことは、教育の機会均等に寄与することを目的とする高校無償化法子どもの権利条約第28条の趣旨に反するものである。そればかりか、拉致問題と朝鮮学校を関連付けて不利益を与えることは、朝鮮学校の生徒に対する不当な差別を助長する重大な人権侵害行為である。朝鮮学校を制度の対象から排除しようとする政治家の姿勢に対しては、国連の人種差別撤廃委員会においても、子どもの教育に差別的な影響を及ぼす行為として懸念が表明されている。
 当会は、特定の学校に通う生徒らに対する差別的な人権侵害が行われることを防ぎ、全ての子どもたちが教育を受ける権利を平等に享受することができるよう、上記改正を撤回するとともに、朝鮮学校に対しても、他の学校と同じく速かに就学支援金支給対象校として指定が行われるよう強く求めるものである。
2013年(平成25年)2月25日
大阪弁護士会
会長 藪 野 恒 明

 

匿名希望
ヘイトスピーチ解消に向けた積極的施策の早期実施を求める意見書
2017年(平成29年)1月18日
大阪府知事 松 井 一 郎 殿
大阪市長  吉 村 洋 文 殿
大阪府内  各 市 町 村 長 殿
大阪弁護士会
会長 山 口 健 一
ヘイトスピーチ解消に向けた積極的施策の早期実施を求める意見書
意 見 の 趣 旨
1 大阪市は、「大阪市ヘイトスピーチへの対処に関する条例」の運用に関し、以下の点を改善するべきである。
  (1)ヘイトスピーチに該当する表現活動の拡散防止措置及び認識等の公表の実効性を確保するため、申出事案にかかる審査会における標準処理期間を定め、それを可能とする人員体制を整備する等、迅速な審理体制を構築すること
 (2)ヘイトスピーチの解消に向け、市民等の申出を待つまでもなく、必要に 応じて職権により当該表現活動の拡散防止措置及び認識等の公表の積極的な対応を行うこと
2 大阪府及び同府内の各市町村(大阪市を含む)は、ヘイトスピーチの解消に向け、「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」の趣旨及び両院付帯決議2項の趣旨に基づき、早急に、以下の具体的施策を講ずるべきである。
(1)相談体制の整備
 ヘイトスピーチにより被害を受けたとする市民等が容易にアクセスできる相談窓口を設置し、差別問題に精通した専門家を配置し、その相談を大阪府及び各市町村が職権で対応する端緒として位置付け、警察、法務局、弁護士会等の関係機関と連携を図ること
(2)教育活動、広報その他の啓発活動
 ヘイトスピーチの問題が歴史に基づく国家・社会レベルでの制度的差別を背景とした問題であることや人種差別撤廃条約・自由権規約などの国際的な人権基準の観点を踏まえた教育・啓発活動を実施すること。その実効性を高めるため、セミナーの開催やフィールドワーク等の実践的な手法による活動を実施すること
(3)各地域における継続的な実態調査
 上記の相談、教育・啓発活動の各取組を行う前提として、各地域における被害実態の調査を継続的に実施すること
(4)条例の制定
以上の各取組を確実に実施するため、その根拠となる条例を速やかに制定すること

 

匿名希望
「憲法施行70周年にあたっての会長声明」(2017年5月3日)
日本国憲法は、1947年(昭和22年)5月3日に施行されました。今年で満70年となります。憲法施行70年の節目の年にあたり、市民の皆様に、京都弁護士会を代表して一言ご挨拶申し上げます。
 戦前の我が国には、国民主権は存在しませんでした。思想良心の自由や表現の自由などの基本的人権も奪われていました。その下で、政府が暴走して無謀な戦争に突入し、国の内外に未曽有の犠牲を生じさせました。その教訓を踏まえて、私たちは、二度と戦争をしないという平和主義、国民主権、基本的人権の尊重を三大原則とする日本国憲法を制定したのです。
 この憲法は、戦争によって傷ついた多くの市民に歓迎され、70年の歳月を経て、我が国社会にしっかりと根付いてきました。いまや憲法によって権力を縛るという立憲主義の考え方は、市民の共通理解となっています。
 京都弁護士会は、在野法曹の立場で、時々の出来事に対し意見を述べるなど、憲法の理念を実現するための努力を続けてきました。1971年(昭和46年)から、「憲法と人権を考える集い」を46回開催し続けています。基本的人権、平和、地方自治、刑事裁判、女性や子どもの権利など多彩なテーマを取り上げてきました。これは、京都府下の自治体、諸団体の皆さまの共催・後援があってこそ続けることができました。私たちは、憲法と人権の価値を豊かな視点で明らかにし続けてきたものと自負しています。
他方で、今日、いわゆる安保法制や特定秘密保護法など、違憲の疑いのある法律が制定されています。テロ防止の名の下に、自由に考え話すことを取り締まる共謀罪が国会に提案されています。立憲主義の危機と言えるでしょう。
 日本国憲法12条は、「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。」と謳っています。私たち京都弁護士会は、権力から独立した法律専門家として、これからも憲法とその理念が守り貫かれる社会を実現するために、皆様とともに努力を続けてまいります。
市民の皆様におかれても、引き続きご理解ご協力を賜りますよう心よりお願い申し上げて、憲法施行70年にあたっての御挨拶とさせていただきます。ありがとうござました。
2017年(平成29年)5月3日
京 都 弁 護 士 会
会長 木 内 哲 郎
.....どこか日本語がおかしいが原文のままだ。

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2194 諸悪の根源マンセー日弁連56

匿名希望
住基ネット第2次稼働の問題点と当会の提言
2003年(平成15年)8月21日
兵庫県弁護士会 会長 麻田 光広
第1, 提言の趣旨
来る8月25日に住基ネットの第2次稼働が開始されるにあたって、当会は、国民の自己情報コントロール権を保障するために、以下のとおり提言する。
1 住基ネットシステムは速やかに廃止されるべきである。
2 兵庫県及び兵庫県下の各市町は、独自の判断により住基ネットシステムから速やかに離脱すべきである。 また、国はそのような各地方自治体の意思を尊重すべきである。
3 住基ネットシステムが廃止されるまでの間は、国民個々のプライバシー侵害を最小限に抑止するため、下記のとおり同システムを厳格に運用すべきである。
[1] 住基法上、納税者番号制など他の行政機関データベースへの利用禁止を明記するなど、住基ネット情報を他の電算化された個人情報と結合しないことを明確にすること。
[2] 併せて各行政機関は、運用上も、それぞれが蓄積している個人情報ベースを、霞ヶ関WAN(霞ヶ関省庁間ネットワーク)、総合行政ネットワークLGWAN(地方自治体相互のネットワーク)等を住民票コードをマスターキーとして結合することにより相互利用しないこと。
[3] ICカードの保有を事実上も国民に強制しないこと。そのためには、転出転入手続の簡素化が住基カード保有者のみに認められる、というような便宜措置を拡大しないこと。
[4] 民間利用の禁止の厳格・徹底化。
[5] 住基ネット情報の利用事務の拡大を禁止すること。
[6] 行政機関個人情報保護法上、各行政機関の長は、「相当の理由」を厳格・限定的に解釈すべきであり、OECD8原則にしたがい、個人情報を本人の同意なく安易に他目的・他機関に流用することのないよう、厳しく運用すべきである。
[7] 登録内容の開示・是正請求制度を実効的に再整備すべきである。
[8] [6][7]の目的を達するため、(ⅰ)個人情報の登録・変更・廃棄、目的外使用及び他機関への提供の際には、原則として各行政機関に本人への通知を義務づけるべきである。あるいは少なくとも、(ⅱ)国民が直接、地方自治情報センターに対して自己情報開示を請求できるようにし、(ⅲ)住基ネットの第一義的担い手とされる市町村が、直接地方自治情報センターに必要事項の報告を求めることができるよう、市町村に同センターに対する報告請求権が認められるべきである。
4 行政機関個人情報保護法を、国民の自己情報コントロール権を実効的に保障し、OECD8原則に則った、真に「個人情報保護」の名に値する内容のものに改正すべきである。具体的には、少なくとも公正な「第三者機関」の設置、個人情報の目的外使用ないし他機関提供の場合の本人通知制度の確立をはかるべきである。

 

匿名希望
日本国憲法に国家緊急権(緊急事態条項)を創設することに反対する意見書
2016年(平成28年)9月28日 兵庫県弁護士会
会長 米田耕士
意見の趣旨 当会は,日本国憲法に国家緊急権(緊急事態条項)を創設することに反対する。
意見の理由 第1 はじめに
 国家緊急権とは,戦争,内乱,恐慌,大規模自然災害など,平時の統治機構をもってしては対処できない非常事態(以下「緊急事態」という。)において,国家の存立 を維持するため,立憲的な秩序を一時停止して,非常措置をとる権限のことをいう。 国家緊急権(緊急事態条項)は,立憲秩序を停止し,政府に権限を集中し,人権保障を停止させるものであることから,ひとたび濫用されると,人権への悪影響は計り知れないものとなる。
 実際,ワイマール憲法下のドイツにおいては,ナチスドイツによる独裁のきっかけを与え,またわが国においても,関東大震災時に戒厳令が発令された際,朝鮮人が多数殺害されるといった悲劇を招いた。日本国憲法は以上のような国家緊急権(緊急事態条項)の危険性を認識し,あえてこれらの規定を設けなかったことが帝国憲法改正委員会議事録にて明らかとなっている。
 近時,国会の憲法審査会などにおいて,日本国憲法に緊急事態条項を創設し,国家緊急権を認めるべきではないかとの議論がある。
しかし,国家緊急権(緊急事態条項)は,歴史的事実からも,濫用の危険があり,国家緊急権(緊急事態条項)を創設することは,立憲主義の根幹に関わる重大な問題といえる。
 国家緊急権(緊急事態条項)の創設については,日本国憲法が国家緊急権(緊急事態条項)をあえて設けなかった趣旨を踏まえてもなお,現在の情勢において,国家緊急権(緊急事態条項)の創設を支えるだけの具体的な立法事実が存在するのか否かという観点から議論されなければならな い。
 以下では,このような観点から,国家緊急権(緊急事態条項)必要論の理由とされる1~3について,具体的に検証することにする。
1 不測の災害が発生した場合の政府の対応不備を理由とする点
2 テロ防止対策に資するという点
3 選挙が実施できない場合に国会議員が不在となるという点 なお,現在議論されている国家緊急権(緊急事態条項)の中には,必ずしも冒頭の定義には当てはまらない内容のもの,例えば東日本大震災時のように統治機構が健全に機能している場面でも国家緊急権(緊急事態条項) の発動を認めるかのような見解もある。しかしながら,統治機構が機能している状況にあるにもかかわらず,立憲的な秩序を一時停止して,非常措置をとることを認めるとすれば,余りにも広範に立憲秩序が停止されることとなりかねない。緊急事態の名の下に,安易に憲法秩序が停止されるという事態は避けなければならないことはいうまでもない。
.....いかれれているとしかいいようがない。これじゃ朝鮮人に乗っ取られるわな。 

 

匿名希望
日本国憲法施行70年を迎えての会長声明
2017年5月3日、日本国憲法施行70年を迎えた。日本国憲法は、第二次世界大戦の反省に基づき、国民主権原理に立脚しつつ、他の世界のいずれの国にも類のない徹底した恒久平和主義を採用して、全世界の国民が平和のうちに生存する権利を有することを確認し、すべての国民に基本的人権を保障した。
 そして、日本国憲法第13条は、「すべて国民は、個人として尊重される」ものとし、 個人の生命・自由及び幸福追求権は「立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」と明記して、「個人の尊厳」こそが、日本国憲法の国の根本原理であることを高らかに宣言している。
 このような日本国憲法は、歴史的に人類が獲得した叡智に基づくものであるとともに、第二次世界大戦下のわが国において、全体主義がとられ、国民の自由な言論や思想が徹底的に統制され、多数の国民が戦争に動員されたうえで、破局的な結末を招いたことへの深い反省に立つものである。
 戦後の日本社会においては、このような根本原理が国民の意識や社会へと浸透して定着 した結果、再び戦争の惨禍に見舞われることもなく、平和のうちに繁栄を謳歌することとなり、国民一人一人の努力と創意工夫によって新たな産業が次々と生み出されて経済発展を遂げ、学問、科学技術、芸術やスポーツなどの分野においても、輝かしい発展を成し遂げることとなった。
 このような日本国憲法が施行されて70年を迎え、わが国が平和で実り豊かな国家へと 変貌を遂げた背景には、日本国憲法が果たしてきた役割が極めて大きいものであることを 改めて確認しなければならない。
ところが、政府は、近年、国民の知る権利やプライバシー権という基本的人権を制限す る特定秘密保護法を成立させ、また、歴代内閣が憲法9条の解釈からは認められないとしてきた集団的自衛権を閣議決定という密室の判断で一部容認し、さらには、容認された集団的自衛権を実行させるいわゆる新安保法制までを制定するなど、日本国憲法の根本原理である恒久平和主義に抵触するような立法を進めており、現在では、思想良心の自由や表現の自由などの基本的人権を制約するおそれの極めて強い、テロ等準備罪法案(いわゆる 共謀罪法案)の制定を急に進めている。
 今こそ、「基本的人権の擁護と社会正義の実現」を社会的使命として担うわれわれ弁護士・弁護士会は、改めて日本国憲法が果たしてきた重要な役割を再確認するとともに、主権者たる国民の自由な表現が保障され、戦争のない平和な社会を維持・発展させるべく、より一層の努力を続けていく所存である。
2017年(平成29年)5月24日
兵庫県弁護士会
会長 白 承 豪
.....在日韓国人が日本を我が国とは違和感があるな。まあ、心にもないことを言う民族だからな。そう思えば腹も立たないか。

 

匿名希望
朝鮮学校を「高校無償化」の対象から除外しないことを求める
今国会において公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律案(高校無償化法案)が審議されている。
 本法案の無償化対象校には、高等学校の課程に類する過程を置いている文部科学省省令に定める各種学校が含まれているが、朝鮮民主主義人民共和国の拉致問題に対する制裁処置の実施等を理由として、政府内で朝鮮高級学校を無償化の対象から除外すべきとの主張が出され、本法案の対象外とする動きが報道されている。
 朝鮮学校は、戦後、在日朝鮮人らが子弟に母国語を取り戻すため各地で始めた民族学 校を起源として各地に設立され、旧植民地出身者の民族教育を担ってきた。現在は、日 本で共生社会の一員として生活することを前提として在日3世・4世の教育を行ってお り、朝鮮史等を除き、教育課程は日本の高校に準じていることが公表されている。また、 朝鮮高級学校は、財団法人全国高等学校体育連盟(高体連)等のスポーツ大会出場資格 も認められており、日本社会において高等学校に準じるものとして広く認知・評価され ている。それゆえ、日本のほぼ全ての国公私立大学は、「高等学校を卒業した者と同等 以上の学力がある」として朝鮮高級学校の卒業生に入学試験受験資格を認めている。
 兵庫県では、創立60年を経た朝鮮高級学校に272名の生徒が在籍しているが、県は国の「高校無償化」に伴う方針として、朝鮮学校に対しても他の外国人学校と同様、県独自の授業料軽減補助金を新たに支給することをあきらかにした。知事は、3月16日、「朝鮮学校とほかの外国人学校に差を設ける必然性はない。拉致問題の解と引き替えにするような事柄ではない。」との見解を表 した。兵庫県以外でも、東京・大阪をはじめとする多くの地方自治体が、朝鮮学校を授業料補助の対象とし、各自治体独自の助成金を交付している。
 政治外交問題を理由に朝鮮学校のみをインターナショナルスクール・中華学校等の外 国人学校・民族学校等と区別し、無償化の対象から排除することは、憲法14条、子ど もの権利条約、人種差別撤廃条約、国際人権規約に抵触する不合理な差別であり、「高 等学校等における教育にかかる経済的負担の軽減をはかり、もって教育の機会均等に寄 与する」との同法案の立法趣旨とも整合性を欠いている。国連人種差別撤廃委員会は、日本の人権状況に関する報告書を公表しているが、無償化から朝鮮学校を排除する政治家の態度について、子どもの教育に差別的な効果をもたらす行為であると指摘し懸念を表 している。
 当会は、内閣総理大臣及び文部科学大臣に対し、高校無償化の実施にあっては朝鮮高 級学校を排除することがないよう強く求めるものである。
2010年3月24日 兵庫県弁護士会
会長春 名 一 典

 

匿名希望
オスプレイ配備の中止等を求める会長声明
2012年6月29日、米国は政府に対し、沖縄普天間基地の米海兵隊に垂直離 着陸大型輸送機MV22オスプレイ(以下、「オスプレイ」という。)を配備する 通告を行い、その後、8月からオスプレイが普天間基地に配備された。今後、配備 された24機のオスプレイは1奥羽山脈を中心に阿武隈高地を南端とするグリーン ルート、2出羽山脈を中心とするピンクルート、3新潟県粟島を北端に、越後山脈 ・妙高高原・飛騨山脈を経て、岐阜県高山市を南端とするブルールート、4和歌山 県中部から四国山地を中心とするオレンジルート、5九州山地を中心とするイエロールート、6トカラ列島を北端とし、沖縄本島の北部沖合に位置する伊平屋島を南 端とするパープルルート、7中国山地を中心とするブラウンルートの計7ルートで 夜間も含めた低空飛行が計画されるとともに、普天間基地から、岩国基地及びキャンプ富士への派遣も予定されている。
 また、先日、2年後には嘉手納基地に、垂直離着陸大型輸送機CV22オスプレイの配備も検討されているとの報道もなされており、今後、さらに、日本国内に、オスプレイの配備計画が進められる可能性がある。
 オスプレイは、従来、配備されていたCH46ヘリに比べ、輸送兵員が2倍の2 4人、輸送貨物が約4倍の9100Kg、最大速力が約2倍の520Km/h、航 続距離が5倍以上の3900Kmとなり、空中給油を行えば沖縄-北朝鮮間の往復や中国への飛行も可能となる軍事輸送機であり、日本の国土を超えた軍隊の展開が可能となる兵器である。
 他方、オスプレイは、オートローテーション(エンジン停止の際でもプロペラが回転し、墜落を回避する機能の機能)の欠陥や、回転翼機モードと固定翼機モード の飛行モードの切替え時の不安定さなど、専門家から構造上、重大な危険をはらんでいると指摘されている。そして、開発段階から墜落事故が絶えず、昨年4月にはモロッコで2人死亡、昨年6月にはフロリダで5人負傷の墜落事故を起こすなど、すでに死者36人と負傷者7人を数え、墜落事故の危険が特に危惧されている。
 また、オスプレイの騒音は従来、配備されていたCH-46ヘリよりも大きいことから、事故の危険以外にも、7つのルート周辺の広範な地域での騒音問題等も強く懸念される。
しかしながら、日本政府は、日米地位協定並びに航空法特例法によって、米軍が、オスプレイによって、日本の領空内において、航空法が定める最低安全高度(人口 密集地300メートル、それ以外150メートル)を大幅に下回る地上約60メートルの低空飛行を認めるに至っている。この点、日本政府は、憲法が保障する基本 的人権、とりわけ、生命・身体・日常生活等を害されることなく平和のうちに安全 に生存する権利(憲法前文、9条、13条など)を確保する責務を負っており、かかる権利を保障するために、米国政府に対して必要かつ実効的な措置を求めることは、日本政府の責務である。また、日本国内で生活する者の平和的生存権を確保するために、主権国家として、日本政府が、米国政府に対し、必要かつ実効的な措置を求めることは当然のことである。
 しかし、日米地位協定第5条並びに航空法特例法第3項により、在日米軍は日本の領空内において航空法遵守義務を負わないため、日本政府が、在日米軍の航空機の管理運営を制約し、活動を制限する権限を有さない。
 そのため、日本政府は、オスプレイの飛行について、「できる限り学校や病院を含む人口密集地域上空を避ける」とした日米合同委員会における合意が、既に、宜野湾市をはじめ、那覇市、浦添市などの人口密集地域の上空での飛行が常態化しており、沖縄市・名護市では学校上空での低空飛行が確認されるなど、周辺地域で生活する者らの生命・身体・日常生活の安全を確保する実効的な措置ではないことが実証されているにもかかわらず、米国政府に対し、さらなる実効的な措置を講じることを求めることもできない。さらに、現在まで、米国並びに日本政府はブラウンルートにおけるオスプレイの飛行を否定していないが、他のルートと異なり、米国政府はブラウンルートの内容については公表していない。兵庫県の県境にある氷ノ山付近から生野ダム周辺が、ブラウンルートの一部に指定されているとの報道もあり、当該周辺地域の住民らは、自らの生命・身体・日常生活等を害するおそれのある極めて重要な情報に接することすらできない中で日々の生活を余儀なくされている。今後も、ブラウンルートの内容が公表されず、飛行区域において合意に反する低空飛行訓練等が継続される事態となれば、兵庫県内において生活する者の生命・身体・日常生活の安全に重大か つ取り返しのつかない被害を招くことにもなりかねない。
 以上のとおり、日本政府が、現在、7つのルートの周辺地域の住民に対する生命 ・身体・日常生活等を害されることなく平和のうちに安全に生存する権利を保障するための措置を講じることができない状況にある。
 現在の状況に見れば、7つのルートにおけるオスプレイの低空飛行訓練は、周辺 地域で生活をする全ての者の生命・身体・日常生活の安全に危険を及ぼし、平和で 安全に生活する権利を脅かすものであるといわざるを得ない。
 よって、当会は、現在の状況におけるオスプレイの配備・飛行に反対する。また、 日米両政府に対し、日本政府が、米国政府に対し、国民の平和的生存権を確保する ために、在日米軍に対し、実効的な措置を講じることを求められるように、日米地 位協定並びに航空法特例法の改定・見直しを行うように求める次第である。
2013年(平成25年)2月21日 兵庫県弁護士会
会長林 晃史

 

匿名希望
日弁連役員一覧
ttps://www.nichibenren.or.jp/jfba_info/organization/mechanism.html
東京弁護士会役員一覧
ttps://www.toben.or.jp/know/toben/aisatsu/
大阪弁護士会役員一覧
ttp://www.osakaben.or.jp/01-aboutus/02_2017.php
京都弁護士会役員一覧
ttps://www.kyotoben.or.jp/bengoshikai.cfm
神奈川弁護士会役員一覧
ttps://www.kanaben.or.jp/profile/gaiyou/history/president/index.html

せっかく大阪弁護士会の新役員が決まったのに水を差すようだが、どうも弁護士のみなさん、自分たちがどのような状況にあるかがまったく認識されていないようだ。
 特に幹部役員の方たちは、日弁連会長や自分たちの所属する弁護士会の声明をはじめとする談話や勧告等のメッセージには気をつけていただきたい。組織の長が発するメッセージには傘下の組織員は知る知らないにかかわらずしばられ責任を問われる。
 また、役員が替わろうともメッセージは引き継がれることを忘れてはならない。常識的には前会長であれ、それ以前の会長であれ、取り消し処置がないこれは限り引き継がれる。
 現在、懲戒請求以外に、弁護士の会長と幹部が、外患罪告発されている。第五次までの告発はすべて返戻処分となっており、今回もおそらく返戻処分となると思うが、懲戒請求が弁護士個人あるいは弁護士会が対象であるのに対して、外患罪による刑事告発は会長及び幹部が対象である。役員が替われば対象も変わる。個人名での告発は単にその時点での役員というだけの話である。
 第一次からの検察の返戻理由は、「現状外患罪適用下にあらず」というものであったが、我々は竹島不法占拠、そして韓国軍の防衛軍事演習により、すでに外患罪適用下にあるものと認識している。政府見解も国会答弁をはじめ現状もそういう対応であるので、検察の返戻処分はいわゆる無理筋となっている。
 しかし、外患罪そのものを否定してはいないので、「有事一発→外患罪適用」という時限爆弾を抱えているのが告発対象のみなさんの現状である。たぶんわかっていないだろう。
 とにかく、検察がどこまで在日のために命がけで頑張れるか疑問だね。手のひら返し→一発アウトは自然の流れだと思うが、日弁連の唯一の逃げ道は弁護士会自由化→新弁護士会発足とわかっていても、ここまで朝鮮との利害関係が強くなるとそちらの圧力のほうが強くて身動きできない可能性のほうが高い。どうも自爆しそうだな。
 連続した弁護士会会長声明の発出は日弁連や他の弁護士会の実態を知ってもらうことだけでなく、見逃していた声明や談話も出せという投稿があったからでもある。「おれだけじゃない。あいつもやっているからみのがすな。」という話だが、なんともねえ...。

2193 諸悪の根源マンセー日弁連55

匿名希望
弁護士から警察への依頼者密告制度(ゲートキーパー制度)に反対する
兵庫県弁護士会
兵庫県弁護士会は、弁護士から警察への依頼者密告制度(ゲートキーパー制度)に強く反対する。
この制度は、資金洗浄、テロ資金対策として、不動産の売買等一定の取引について、資金が犯罪収益あるいはテロ関連であると疑われる場合に、依頼者本人に通知することなく、警察庁に対して報告する義務を定めるものであり、弁護士の守秘義務の観点から看過できない問題を有している。
 すなわち、守秘義務は、弁護士法において、弁護士にとって、権利であるとともに義務であると定められている。そして、このことは、弁護士に相談あるいは依頼する者にとって、秘密が守られるからこそ全ての事情を弁護士に対して説明することができることを意味する。秘密が守られないおそれがあれば、依頼者は、弁護士に対して安心して全ての事実を打ち明けることができない。そうなれば、弁護士は事実関係の全容を把握した上で、適切な処理をすることができず、その結果、相談者は弁護士から適切な助言、弁護活動を受けることができなくなる。
 このような観点から、弁護士が業務を行う上で最も重要な義務の一つである守秘義務を侵すおそれのある報告義務を課す旨の立法は、そもそも容認できるものではない。
 2005年(平成17年)11月17日、政府の国際組織犯罪等・国際テロ対策推進本部は、報告先である金融情報機関を、従来の金融庁から犯罪捜査機関である警察庁に移管することを決定した。しかし、疑わしい取引が警察庁に報告がなされることになれば、その情報は、マネー・ロンダリング等に限定されず、それ以外の犯罪についての捜査の端緒ないし情報として、警察内部において流用されないとの保証はない。
 一般市民からすれば、マネー・ロンダリング、テロ資金に限らず、弁護士に相談する過程で依頼者の秘密、情報が捜査機関である警察に提供されるという危惧を抱かざるをえなくなる。
 このような事態は、国家権力からの独立を保障して国民の適切な弁護を受ける権利を保障しようとする弁護士制度を根幹からゆるがすものである。さらには、国民の法の支配への信頼を根底から揺るがせ、法治主義と民主主義を危うくするものである。
よって、兵庫県弁護士会は、弁護士から警察への依頼者密告制度(ゲートキーパー制度)に強く反対するものである。
以上

 

匿名希望
秘密保全法制定に反対する会長
秘密保全のための法制の在り方に関する有識者会議は、2011年(平成23年)8月 8日、同法制を早急に整備すべしとする報告書を取りまとめた。これを受けた政府は現在法案化作業を進めており、国会提出を目指している。
 しかしながら、前記報告書による秘密保全法制は、次に述べるとおり、知る権利 取材・ 報道の自由に重大な脅威を与え、関係者のプライバシーを広範に侵害し、ひいては国民主権原理に反するものである。
 まず、秘密保全法制では、1国の安全、2外交、3公共の安全及び秩序の維持の3分野 において、行政機関が特に秘匿を要すると判断する秘密を「特別秘密」と指定することができるとされ、指定に対する第三者のチェックもない。このため、原発情報 放射能情報 等、政府 自治体にとって都合の悪い情報 本来市民に知らされるべき情報が、広範に「特別秘密」に指定されることにより隠蔽されるおそれが高い。
 また、「特別秘密」の概念が広範かつ曖昧であるため、これを漏洩する行為を処罰する規定は罪刑法定主義に反することはもちろんのこと、漏洩についての独立教唆罪、共謀罪、扇動罪の規定がマスコミの取材活動、報道活動に対して及ぼす萎縮効果は、計り知れないものがあるといわなければならない。このように秘密保全法制は、知る権利に対する重大かつ深刻な侵害である。
 さらに、秘密保全法制では、人的管理として、「特別秘密」を取り扱う者の適性評価制度が導入されている。すなわち、秘密情報を取り扱う者にその適性があるかどうかを判断するため、政府機関は、その者の家族関係、信用状態、精神の問題にかかる通院歴など重大 なプライバシーにかかる事柄 思想・信条にかかわる広範な情報まで調査ができることと されている。のみならず、秘密情報を取り扱う者の行動に影響を与え得る者までもが政府 機関による調査の対象とされるため、対象は無限に広がる可能性がある。
 秘密保全法制は、関係者のプライバシー 思想・信条の自由に対しても、重大かつ深刻 な侵害である。
 このように、秘密保全法制は、その内容において憲法上の様々な権利を侵害するもので ある。また、法制化の手続においても、前記有識者会議の議事録が作成されていないばかりか、議事メモまでもが廃棄され、公開された資料は改ざんされるなど民主主義社会にあるまじき秘密主義が横行している。内容においても手続においても、国民主権原理に違反するものと言わなければならない。
本会は、このような憲法違反の秘密保全法制定に強く反対する。
2012年(平成24年)5月16日
大阪弁護士会
会長 藪野恒明

 

匿名希望
「生活保護法施行規則の一部を改正する省令(案)」の抜本修正を求める会長声明
厚生労働省は、本年2月27日、「生活保護法施行規則の一部を改正する省令(案)」(以下「省令案」という。)の概要を発表し、3月28日を期限としてパブリックコメントを募集している。これは、昨年12月に成立した「生活保護法の一部を改正する法律」(以下「改正生活保護法」という。)について、本年7月からの本格施行を前に行われる規則改正に関するものである。
 改正生活保護法については、申請手続の厳格化等によって、いわゆる「水際作戦」を合法化するとの批判や懸念が各方面からあがり、国会審議においては、これらの批判や懸念を解消する方向での法文修正、答弁、附帯決議などがなされたところである。しかしながら、省令案は、以下の諸点において、これらの法文修正等の意義を没却する看過し難い内容を含んでおり、生活保護申請時の窓口対応によって不幸な結果に至った数々の事案が過去発生していることに鑑みても、到底容認できない。
 第1に、改正生活保護法第24条第1項は、従来、口頭でも良いとされていた申請について申請書の提出を必須とするように読める内容であったため批判を招いた。そこで、申請行為と申請書の提出行為が別であることを明確にする法文修正が行われ、参議院厚生労働委員会附帯決議でも「申請行為は非要式行為であり、・・・口頭で申請することも認められるというこれまでの取扱い・・・に今後とも変更がないことについて、省令、通達等に明記の上、周知する」とされたのである
ところが、省令案は、「保護の開始の申請等は、申請書を・・・保護の実施機関に提出して行うものとする」として、修正前の法文とほぼ同内容の表現に戻されており、原則として口頭申請は認められないという誤解を招く内容となっている。
また、省令案は、「ただし、身体上の障害があるために当該申請書に必要な事項を記載できない場合その他保護の実施機関が当該申請書を作成することができない特別の事情があると認める場合は、この限りではない」として、口頭申請が認められる場合が身体障害等の場合に限定されるように読める内容となっており、現行の運用指針(生活保護手帳別冊問答集問9-1「口頭による保護申請について」)よりも後退している。
さらに、改正生活保護法第24条第1項ただし書は、単に「当該申請書を作成することができない特別な事情があるときは」という表現であるのに、省令案は、「保護の実施機関が当該申請書を作成することができない特別の事情があると認める場合は」として、特別の事情の有無の判断権を実施機関に委ねる表現へと後退している。
 第2に、改正生活保護法第24条第2項は、従来、保護決定までの間に可能な範囲で行えばよいとされていた要否判定に必要な書類の提出について、申請書にすべて添付しなければならないように読める内容であったため批判を招いた。そこで、これまでの取扱いに変更がないことを明確にするためにただし書を設けるという法文修正が行われ、国会答弁を踏まえて前記附帯決議でも「要否判定に必要な資料の提出は可能な範囲で保護決定までの間に行うというこれまでの取扱いに今後とも変更がないことについて、省令、通達等に明記の上、周知する」とされた。しかし、省令案には、この点に関する記述が一切存在せず、国会答弁や附帯決議に反している。
 第3に、改正生活保護法では、扶養義務者に対する通知義務を定めた第24条第8項、扶養義務者に対して報告を求めることができるという第28条が新設されたが、扶養義務者に対する扶養の要求が強められ、事実上扶養できないことが保護の前提条件とされるのではないかとの批判を招いた。これに対し、厚生労働省の会議資料や国会答弁では、「福祉事務所が家庭裁判所を活用した費用徴収を行うこととなる蓋然性が高いと判断するなど、明らかに扶養が可能と思われるにもかかわらず扶養を履行していないと認められる極めて限定的な場合に限ることにし、その旨厚生労働省令で明記する予定である」と繰り返し説明されていた。ところが、省令案では、原則として通知や報告要求を行うが、「保護の実施機関が、当該扶養義務者に対して法第77条第1項の規定による費用の徴収を行う蓋然性が高くないと認めた場合」等に例外的に通知等を行わないものとしている。これは、原則と例外を完全に逆転させるものであって、背信的とさえ言える。
 以上のとおり、本省令案には、重大な問題が多々含まれており、生活保護を必要とする市民をいたずらに萎縮させ日本国憲法第25条で保障されている生存権を脅かしかねない。生活困窮者の支援に取り組む専門実務家団体として、当会は、本省令案の内容を到底容認できず、上記の国会答弁や附帯決議等を真摯に反映させた内容に抜本的に修正することを求めるものである。
2014年(平成26年)3月13日
大阪弁護士会
会長 福 原 哲 晃

 

匿名希望
橋下徹氏の日本軍「慰安婦」問題に関する発言に対する会長
日本維新の会の共同代表であり大阪市長である橋下徹氏は、公の場で、本年5月13日、日本軍「慰安婦」問題に関して、戦時下にあっては「慰安婦」制度が必要であったとの発言を行った。また、同日、同氏は、沖縄県の普天間飛行場で米海兵隊司令官と会談した際に、米兵の性犯罪防止対策の文脈で「風俗業を活用して欲しい。」と進言したこともあきらかにした。
国政政党の共同代表であり、かつ、大阪市長として市民の人権擁護に関する諸施策 教育行政、労働行政等を統括し公権力を行使する立場にある公人が、戦時下の性暴力という最も深刻な人権侵害を正当化し、また、女性の人としての尊厳を深く傷つける発言を行ったことは、極めて不適切といわざるをえない。
 政府は、1993年(平成5年)8月4日の河野官房長官談話において「慰安婦問題は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷付けた問題である。われわれは、歴史研究、歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ、同じ過ちを して繰り返さないという固い意を改めて表 する。」としている。
 また、当会は、1998年(平成10年)3月10日の会長において、検定教科書から「慰安婦」問題の記述を削除すべきでないと指摘し、「国際化の進んでいる今日、われわれの子どもたちが、将来にわたって国際社会のより一層の信頼を獲得し名誉ある地位を得ていくためには、自国のたどった歴史的事実を正しく認識することが必要である。」と表 している。
 当会は、基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命とする立場から、国政政党の共同代表であり大阪市長である橋下氏が、人権を軽視する風潮を助長し、人権侵害を容認するような発言をしたことに強く抗議する。
2013年(平成25年)5月27日
大阪弁護士会
会長 福 原 哲 晃

 

匿名希望
綱紀委員会の情報漏洩に関する会長談話
当会会員の綱紀委員会での審査に関して、その議決内容が本日一部マスコミで報道された。
綱紀委員会での議事は非公開とされ、綱紀委員及び職員等には、綱紀委員会の議決に関し、職務上知り得た秘密を漏らしてはならないとされていることから、綱紀委員会での議決内容は、弁護士会として厳重な管理がなされるべきことはいうまでもない。当会においてこのような事態が生じたことは極めて遺憾である。当会としては、情報漏洩の経緯に関する事実を調査し、再発防止のため最善の努力を尽くす所存である。
2014年(平成26年)1月15日
大阪弁護士会会長 福原 哲晃
匿名希望
カルデロン・ノリコさん一家の在留問題に関する会長声明
報道によれば、退去強制令書発付処分を受けた日本生まれの日本育ちのフィリピン人 の中学1年生であるカルデロン・ノリコさんと両親が家族全員の在留特別許可を求めていた問題で、東京入国管理局は両親が自主的に帰国することを表明しない場合には、ノリコさんも含めて強制送還すると迫り、両親が自主帰国することを表明したことを受けて、ノリコさんだけに在留特別許可を付与したという。
 子どもの権利条約は「締約国は、児童がその父母の意思に反してその父母から分離さ れないことを確保する。」(9条1項)と明記し、同項但書の定める例外は、当局が「司法の審査に従うことを条件として」「その分離が児童の最善の利益のために必要である」と決定する場合に限られている。かかる決定は児童虐待等の事情のために、親子分離が子の福祉の観点から必要やむを得ないと裁判所が認めた場合などの例外的な場合になされるものであるところ、ノリコさんの最善の利益のために親子分離が必要であるとは認められないばかりか、退去強制令書発付処分は司法審査を条件としてなされる処分でもないため、本件は同項但書の例外に該当する場合ではない。
 日本生まれ、日本育ちでタガログ語も全くできないノリコさんに対して強制送還処分 を執行することは「児童の最善の利益」に反することは明白であるというべきである。 しかるに、中学1年生という両親の保護の下で成長発達をする段階にあるノリコさんを 含めた一家全員が収容されて強制送還されるかもしれないとの恐怖を与えることによって、一家に親子分離を条件とする入管当局の提案を受け入れることを迫るのは、子どもの権利条約3条1項の「児童の最善の利益原則」を無視するものと言わざるを得ない。
 当会は一家の親子分離を事実上強いたものといえる今回の法務大臣及び入国管理局の方策を強く非難する。また、残念ながら両親はやむなく帰国を選択したところ、今後ノリコさんに保障されている「定期的に父母のいずれとも人的な関係及び直接の接触を維持する権利」(子どもの権利条約9条3項)を侵害することがないよう、両親がノリコさんとの面会をするために来日するときは、上陸特別許可を付与するとともに、長期滞在を認めるよう強く希望する次第である。
2009年(平成21年)3月23日
大阪弁護士会
会長上野 勝
匿名希望
民族差別を扇動する集団的言動に対する会長声明
大阪市内のJR鶴橋駅周辺などの街頭において、在日コリアンに対する民族差別を扇動する言動が繰り広げられている。たとえば、「出ていけ、出ていけ、朝鮮人。」、「殺せ、殺せ、朝鮮人。」、「鶴橋大虐殺を実行します。」などの発言がなされている。
 これら集団的言動は、憲法第13条が保障する個人の尊厳人格権を根本から傷つけるものであり、在日コリアンの自由 安全を脅かし、そのアイデンティティを否定するものであるだけでなく、日本人も含めた居住者の平穏に生活する権利を侵害するものである。
市民的及び政治的権利に関する国際規約(自由権規約)第20条第2項は、「差別、敵意又は暴力の扇動となる国民的、人種的又は宗教的憎悪の唱道は、法律で禁止する。」と定めている。いわゆる人種差別撤廃条約第2条第1項(d)は、「いかなる個人、集団又は団体による人種差別も禁止し、終了させる。」と規定している(同条約第1条は、「人種、皮膚の色、世系又は民族的若しくは種族的出身に基づくあらゆる区別、排除、制限又は優先」を人種差別としている。)。
 さらに同条約第4条柱書は、「人種的憎悪及び人種差別(形態のいかんを問わない。)を正当化し若しくは助長することを企てるあらゆる宣伝及び団体を非難し、このような差別のあらゆる扇動又は行為を根絶することを目的とする迅速かつ積極的な措置をとることを約束する。」と定めている。
 わが国が批准しているこれらの国際人権条約に照らしても、現在行われている民族差別を扇動する集団的言動は、表現の自由として保護される範囲を逸脱している。
日本弁護士連合会は、2004年(平成16年)10月の人権擁護大会で、「多民族・多文化の共生する社会の構築と外国人・民族的少数者の人権基本法の制定を求める宣言」を採択し、多文化の共生する社会を築き上げるべく全力を尽くすことを宣言している。
 また、近畿弁護士会連合会は、2010年(平成22年)3月の理事会で、「在日コリアンの子どもたちに対する差別を非難し、差別防止のための施策の充実を求める決議」を採択している。
 当会は、民族差別を扇動する集団的言動が、大阪市内の街頭でなされている現状を深く憂慮し、基本的人権を尊重するわが国において、そのような集団的言動が法的にも許容されないことを表表明する。
2013年(平成25年)7 月2日
大阪弁護士会
会長 福 原 哲 晃
.....今、擁護している連中が仮想敵なんだが、有事には在日と心中する気かね。
売国日本人がどうなろうと知ったことではないが、必死になって擁護している連中は嘘つき、裏切り民族だぜ。家族や姻戚が哀れだな。

2192 諸悪の根源マンセー日弁連54

匿名希望
共謀罪の新設に反対する会長声明
2006年(平成18年)4月20日
兵庫県弁護士会 会長 竹本 昌弘
報道によりますと、与党は今月21日から「犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案」(以下、「本法案」という)の修正案に関する審議入りを決定し、今国会での成立を期そうとしています。
 本法案は、「国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約」(以下、「国連条約」という)に基づき国内法化を図るものとして2003年の通常国会から審議されてきたものですが、いわゆる「共謀罪」の新設を含むことから、日弁連を初め当会も昨年7月21日及び10月6日の2度にわたり会長声明を発し、強く反対してきました。
 報じられている修正案では、第一に、適用対象の団体を「その共同の目的が罪を実行することにある団体である場合に限る」とする、第二に、「行為」を「犯罪の実行のためにする行為」や「犯罪の実行のために資する行為」として、何らかの準備行為を要件として加える、とされています。
 しかしながら、第一の点については、ここにいう「団体」は、恒常的な組織のみを意味するわけでなく、一時的に形成された複数人の集まりをも含むと解される余地もあります。従って、例えば市民団体にも共謀罪が適用されることになりますから、国連条約が取締りを求めるマフィアなど組織的な犯罪集団に限定されません。
また、第二の点については、何らかの準備行為を加えるとしても、それは共謀罪の成立を立証するために証拠が必要だという当然の理を述べたにすぎず、何ら、共謀罪の成立範囲を限定したことにはなりません。
このように、修正案も、共謀罪を限定したものとは到底言えません。
 また、(1)共謀罪が導入されると、犯罪捜査においても、広範囲の盗聴やメールの傍受などが必要になり、取調べにおいても自白強要の傾向が強まり、人権侵害の頻発、警察が市民生活の隅々まで入り込む監視社会をもたらす危険がある、(2)自首による刑の減免が規定されることから密告などの風潮も強まりかねないなどの、当会の2度の声明で指摘した問題点も、全く解決されていません。
 このように、本法案は、仮にこのように修正しても、思想信条の自由など重要な基本的人権を侵害し、自白強要の取調方法が強まり、監視社会を招くなど、市民生活にとって重大な脅威になるものであり、当会は、強く反対します。

 

匿名希望
組織的犯罪対策立法に関する会長談話
1999年(平成11年)5月28日
兵庫県弁護士会 会長 丹治 初彦
政府は、「犯罪捜査のための通信傍受に関する法律案」、「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律案」及び「刑事訴訟法の一部を改正する法律案」の三法案(いわゆる「組織的犯罪対策立法」法案)について、一部修正のうえ、今国会において成立を図ろうとしています。
 伝えられている修正案では、通信傍受の対象犯罪を薬物関連、銃器関連、集団密航、組織的に行われた殺人に限定するなどの部分的な修正を施しているとのことですが、この修正案を含めて今回の法律案は、将来の犯罪行為についても傍受の対象とする通信傍受という新たな捜査手法を導入し、組織的犯罪の重罰化をはかり、広範囲な犯罪類型にマネー・ローンダリングの処罰規定を設けるなど、国民の人権侵害の危険に直結し、且つ刑事司法制度の根幹にかかわる大きな改変をもたらすものであり、犯罪とは無関係な多くの通信が捜査機関の監視に晒されることになるなど、通信の秘密やプライバシーの権利との関係でも見過ごすことのできない問題点を含んでいます。
 そこで、国会が、これらの法律案について、多くの市民の意見を聴いたうえで、十分な議論を尽くし、慎重な審議をされるよう強く求めてゆきたい所存です。
匿名希望
「兵庫県国民保護計画案」に反対する声明
2006年(平成18年)1月23日
兵庫県弁護士会 会長 藤井 伊久雄
 1) 兵庫県国民保護協議会は、今月18日に開催された第3回協議会において、「兵庫県国民保護計画案」(以下「計画案」という)をまとめた。
 当弁護士会は、既に成立した「武力攻撃事態法」やこれを具体化する「国民保護法」などの一連の有事法について、基本的人権の保障など憲法の諸原理に照らして、その内容に問題があることを指摘して、その成立に反対の意見表明をしてきた。
 今回まとめられた計画案も、基本的人権保障などの憲法上の諸原理に照らして多くの問題を含んだ内容となっている。
 2)先に当弁護士会で発表した「兵庫県国民保護計画作成に対する意見書」(2005年7月22日付)でも指摘したとおり、国民保護措置の実施にあたって、万が一にも基本的人権を侵すことのないようにするには、国民保護措置ごとにどのような人権と抵触する危険があるのかを具体的に指摘して、人権侵害を防止するための具体的な方策を国民保護計画に規定する必要がある。
 ところが、計画案においては、その総論部分において、「県民の自由と権利を最大限に尊重する」という抽象的な人権擁護規定をおいている以外には、放送事業者の自律性の保障に言及しているなど若干の人権への配慮をした規定を設けているだけで、第2編以下の各論において人権保障に関する具体的な言及がほとんどなく、極めて不充分な内容である。
 例えば、国民保護措置の中には、生活関連施設や周囲への立入禁止措置、警戒区域の設定に伴う立入禁止措置など、罰則による強制を伴う措置もある。その実施が恣意的に行われれば、取材活動や住民の移動の自由などの人権を侵害する恐れがあるがこれら人権との調整に関しては何ら規定されていない。自衛隊や米軍の行動が住民の生命身体等の安全を脅かすことのないよう調整する等の規定もない。国民保護に関する啓発においても、保護措置と人権保障との関係について平素から啓発活動が行われるべきことが明記されるべきである。
 いわゆる有事と言われる事態において、様々な事実上の人権侵害が行われ、また、有事に備えるという理由から平時においても人権侵害が行われる危険があることは、歴史の教えるところであり、人権擁護規定を抽象的に定めるだけでは、人権侵害を防止することはできない。
 このように計画案には、国民保護措置の実施によって発生する人権侵害を防止するための具体的規定を十分に定めていないという重大な欠陥がある。
 3)また、兵庫県では、これまでに住民らの意見を直接聞く機会としては、十分な広報も行わず、資料も不充分なままで、短期間に一度だけ実施されたパブリックコメントの募集と一度の県民保護フォーラムの開催があっただけであり、県民のあいだに国民保護計画の概要が未だに殆ど知られていない状況である。
 国民保護計画の内容が、住民の人権保障に直接関わり、また、住民の生命、身体、財産の安全にとっても重要な意義を有すること、また、国民保護措置の実施を直接担う地方公共団体の職員、運輸関係など指定公共機関、指定地方公共機関の職員の安全にとって、国民保護計画に具体的な安全配慮のための規定がなされる必要があること、からすれば、国民保護協議会での審議において、公聴会を開催するなどして、住民や職員らの意見を聴取する十分な機会を設けて、これを反映するべきであった。今からでも県知事は、国民保護計画を策定する上で、住民らから直接に十分な意見を聞くべきである。
 4) 以上の通り、当弁護士会は、基本的人権保障のための具体的規定を欠いたまま、しかも住民らの意見を十分に聴取することもなく、「兵庫県国民保護計画案」を策定することに反対するものである。
 以上
匿名希望
「生活保護法の一部を改正する法律案」に反対する会長声明
1 本年5月17日、政府は、「生活保護法の一部を改正する法律案」(以下、「改正案」という。)を閣議決定した。
この改正案には、憲法25条による生存権保障に鑑み、主に以下の2点に おいて特に看過しがたい問題がある。一つは、保護開始申請における申請書 提出及び書類の添付の義務付けの問題であり、もう一つは、保護開始時ある いはそれ以降の保護実施機関から扶養義務者への通知・調査の問題である。
2 まず、改正案24条1項は、保護の開始の申請にあたっては、「要保護者 の資産及び収入の状況」その他「厚生労働省令で定める事項」を記載した 申請書を提出しなければならないとし、同条2項は、申請書には保護の要否判定に必要な「厚生労働省令で定める書類を添付しなければならない」としている。
 しかし、要保護者に対しては生存権保障の見地から迅速な保護開始決定が強く要請されるのであり、生活保護窓口における申請の段階においては簡便さが強く求められる。
 現行生活保護法24条1項は、保護の申請を書面による要式行為とせず、かつ、保護の要否判定に必要な書類の添付を申請の要件としていない。また、裁判例では口頭による保護申請も認められている(大阪高裁平成13年10 月19日判決・裁判所ウェブサイト、さいたま地裁平成25年2月20日判 決・裁判所ウェブサイトなど)。実務の運用においても、厚生労働省は、保護を利用したいという意思の確認ができれば申請があったものとして取り 扱い、実施機関の責任において必要な調査を行い、保護の要否の決定をなすべきものとしている。
 このような、生活保護の申請について添付書類等を要しないとする現行生活保護法の取扱いは、生存の危機における保護の遅延は、国民の生命身体に対し取り返しのつかないダメージを与えかねないという事実認識に基づいている。現に貧困その他の事情により生存を脅かされている状況にある国民 に対し、即時に最低限度の生活を保障して生存の危機から離脱させることは、 憲法25条による生存権保障の中核的要素の一つであり、生活保護申請にあたっては申請の意思表示のみで足り、何らの添付書類も必要とされないとい う現行生活保護法の取扱いは、この憲法の精神を体現したものである。
 改正案では、申請書に必要事項の記載や書類の添付を要する旨が強調されており、記載事項や添付書類の不備に藉口した申請の不受理を招く懸念がある。また、困窮した要保護者に申請段階で過度の負担を課すことで申請を断 念してしまう事態を招きかねない。実際に、生活保護の窓口においては、今なお生活保護申請を事実上受領しない「水際作戦」と呼ばれる違法な扱いが 散見されているが、改正案はかかる「水際作戦」を合法化しようとするものであって、憲法25条による生存権保障の趣旨に反している。
3 また、改正案24条8項は、保護の実施機関に対し、保護開始の決定をしようとするときは、あらかじめ、要保護者の扶養義務者に対して、厚生 労働省令で定める事項を通知することを義務付けている。それだけでなく、改正案28条2項は、保護実施機関は、保護開始後も扶養義務者に随時調査を行うことができると定めている。
このような改正案による扶養義務者に対する通知・調査の制度の新設は、本来生活保護が必要な状況にある国民に対し、親族間の軋轢やスティグマ (恥の烙印)を恐れて保護申請を断念させるという弊害をもたらす危険性が 高い。生活保護制度の利用資格がある者のうち、実際に生活保護を利用している者の割合(捕捉率)は、2割程度であると言われており、このように現状においても高いとは言えない補足率をさらに低下させ、一層生活保護の申請を委縮させる危険性がある改正案は、憲法25条による生存権保障の観点からは、到底容認することはできない。
4 生活保護制度は、生存権保障のための最後のセーフティーネットである。格差と貧困が深刻な社会問題となっているわが国において餓死・孤立死・ 自死や貧困を背景とする犯罪や虐待などの悲劇を防ぐために、生活保護など社会保障制度が果たすべき役割はますます拡大している。
 改正案は、経済的困窮者を生活保護の利用から締め出すものであり、憲法 25条による生存権保障の観点から到底容認できない。
よって、当会は、改正案の見直しを強く求める。
2013年(平成25年)5月23日 兵庫県弁護士会
会長鈴木尉久
匿名希望
国籍の如何を問わず調停委員の任命を求める
1 今般、神戸地方裁判所及び神戸家庭裁判所から、当会が民事調停委員及び家事調停委員の候補者として推薦した日本国籍を有しない会員各1名、計2名について、民事調停委員及び家事調停委員として任命上申しない旨の回答 があった。
 神戸家庭裁判所は、2003年(平成15年)以降、日本国籍を有しない会員について家事調停委員への任命上申拒否を繰り返してきた。今般が8回 目の拒否である。神戸地方裁判所の同様の任命上申拒否も2回目である。神戸地方裁判所及び神戸家庭裁判所からは、いずれも、公権力を行使し国家意思の形成に参画する公務員である調停委員の任命には日本国籍が必要である として、従前と全く同様、日本国籍を有しないことのみを理由に任命上申を しないとの説 があった。
2 当会は、推薦にあたり、2名の会員が人格、識見に優れていることのみならず、公務歴一覧を掲載した推薦状も添付したにもかかわらず、両裁判所の対応は従前と全く同様であった。
 当会では、2010年(平成22年)2月から11月の間に4度の を 発し、裁判所の対応を繰り返し非難してきた。また、2012年(平成24 年)2月には、最高裁判所に対し、この問題について神戸地方裁判所及び神 戸家庭裁判所に対する適切な司法行政上の監督権の行使を求めるため、裁判 所法第82条、第80条第1号に基づく不服申立を行うとともに、国籍を問わず調停委員の任命を求める会長 を発したが、最高裁判所からは、何ら理由を示さずに司法行政上の監督権を行使しないとの回答がなされたに過ぎない。
 残念ながら、この度も、裁判所から の趣旨を無視する任命拒否が繰り返されたため、これに対して強く抗議するため、改めて本 を発する次第である。
3 「民事調停法」、「家事事件手続法」及び「民事調停委員及び家事調停委員 規則」においては、調停委員の任命資格として日本国籍を有することを要件と定めておらず、法令上、調停委員に国籍要件は存在しない。
 裁判所の対応は、法令に根拠のない基準を新たに創設し、当該公務員の具体的な職務内容を問題とすることなく日本国籍の有無で異なる取扱をするものであって、国籍を理由とする不合理な差別であり、憲法14条に違反すると言わざるを得ない。
4 そもそも調停制度の目的は、市民間の紛争を当事者間の話し合いにより裁判手続を経ずに解することにあり、調停委員の職務は、専門的知識もしくは社会生活上の豊富な知識経験を生かし、当事者の互譲による紛争解を支援することにあって、そこに強制的な契機はない。調停委員への就任は、その実質的な職務内容を見る限り、公権力の行使というにはほど遠く、重要な施策の定これへの参画としての側面も認められない。
 調停委員として真に必要な要件は、当事者の互譲による紛争の解に向けて、専門的もしくは社会生活上の知識経験人格識見などを発揮できる者ということに尽きるのであって、国籍の如何は問題とならないというべきである。
 事実、最高裁判所は、1974年(昭和49年)から1988年(昭和63年)までの間、日本国籍を有しない台湾籍の大阪弁護士会会員を西淀川簡易裁判所民事調停委員に任命し、定年退職時には大阪地方裁判所所長より表 彰を受けたとの実例が存在しており、外国籍の弁護士が調停委員となっても 何ら不都合がないことを如実に示している。
5 さらに、より広い視野に立ってこの問題を検討するに、2010(平成2 2)年3月26日には国連の人種差別撤廃委員会は第3乃至6回日本政府報告書の審査の総括所見で外国籍調停委員の採用を認めない最高裁の措置に懸念を表し、再考を求めているところである。
 近時、国内においては外国人差別、排外的な動きが広がりつつあるところ、国籍のみを理由として調停委員から排除する裁判所の姿勢は、こうした差別・排外主義に対して誤ったメッセージを与えるものとなりかねない。なお、 こうした外国人差別の動きに対しては、京都地方裁判所において、本年10 月7日、学校法人京都朝鮮学園周辺でのヘイトスピーチに対して学校近辺で街頭宣伝禁止と損害賠償を命じるという積極的な判がなされた。
 こうした情勢をも踏まえれば、国家として共生社会を積極的に推進することが求められているというべきであり、裁判所は、今こそ、外国籍を理由として調停委員の任命を認めないという従来の措置を変更するべきである。
6 当会としては、今後も、日本弁護士連合会、近畿弁護士会連合会、同様の問題を抱える他の単位弁護士会と連携しつつこの問題に取り組むとともに、調停委員の採用に国籍の如何を問わない体制の確立に向け、今後さらに働きかけを強めていく所存である。
2013年(平成25年)11月28日
兵庫県弁護士会
会長 鈴木尉久
匿名希望
ゲートキーパー立法に反対する会長声明
2006年(平成18年)1月18日
兵庫県弁護士会 会長 藤井 伊久雄
当会は、弁護士に対して、一定の取引に関し疑わしい取引を警察庁に報告する義務を課す、いわゆるゲートキーパー立法に強く反対する。
  2005年(平成17年)11月17日、政府の国際組織犯罪等・国際テロ対策推進本部は、弁護士などに対しても一定の取引に関して犯罪収益またはテロ関連が疑われるものについて報告義務を課すFATF(OECD加盟国を中心とする政府間機関である金融活動作業部会)勧告の完全実施、ならびに報告先である金融情報機関(略称FIU)を警察庁とすることを決定した。
 この制度は、資金洗浄、テロ資金対策として、不動産の売買等一定の取引について、資金が犯罪収益あるいはテロ関連であると疑われる場合に、警察庁に対して報告する義務を定めるもの(ゲートキーパーは「門番」を意味する)であるが、弁護士の守秘義務、国家権力からの独立という観点から極めて重大な問題を有している。
 守秘義務は、弁護士法において、弁護士の権利であるとともに義務であると定められている。それは弁護士の業務の重要性に鑑み、その適切な遂行を制度的に保障するためのものである。弁護士に相談あるいは依頼する者にとって、秘密が守られるからこそ全ての事情を弁護士に対して説明することができるのであって、秘密が守られない虞があれば、依頼者は、弁護士に対して安心して全ての事実を説明することができない。そうなれば、弁護士は事実関係の全容を把握できず、適切な処理ができないこととなり、相談者は弁護士から適切な助言、弁護活動を受けることができなくなってしまう。
 このような観点から、弁護士が業務を行う上で最も重要な義務の一つである守秘義務を侵すおそれのある報告義務を課す旨の立法は、そもそも容認できるものではない。
 さらに、今回予定されている制度は、報告先である金融情報機関を、犯罪捜査機関である警察庁とするものである。従前の構想では報告先は金融庁とされていた。金融庁が報告先である場合は、同庁において資金の流れが適切か否かを検討、判断し、当該取引がマネーロンダリング等に該当すると判断した場合に、捜査機関に対して情報を提供することになる。ところが、疑わしい取引が警察庁に報告がなされることになれば、その情報は、マネーロンダリング等に限定されず、それ以外の犯罪についての捜査の端緒ないし捜査中の事件に関する情報として、警察内部において流用されないとの保証はない。
 一般市民からすれば、マネーロンダリング、テロ資金に限らず、弁護士に相談する過程で依頼者の秘密、情報が捜査機関である警察に提供されるおそれを生じることになる。
 このような事態は、弁護士の国家権力からの独立を保障したうえで国民の適切な弁護を受ける権利を保障しようとする弁護士制度の根幹をゆるがすものである。
 当会は、人権擁護と社会正義実現の観点から、このようなゲートキーパー立法に強く反対するものである。
以上

2191 諸悪の根源マンセー日弁連53

匿名希望
弁護士会が橋下徹氏の処分検討の方針 市長当時の発言で
1月2日 6時46分
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6年前、当時大阪市長だった橋下徹氏のもとで行われた市の職員を対象にしたアンケート調査が不当労働行為とされたのに、橋下氏が決定に従わず「市の公務員は何百人もクビですよ」などと発言したとして、弁護士会が懲戒処分を検討する方針を決めたことがわかりました。
 大阪市は橋下氏が市長だった平成24年、職員およそ3万人を対象に、労働組合の活動や政治活動の経験についてアンケート調査を行いましたが、これについて翌年の平成25年、大阪府労働委員会が不当労働行為とする決定を出し、その後、市の労働組合が起こした裁判でもアンケートの違法性を認める判決が確定しました。
 この問題で、裁判を起こした労働組合とは別の組合が「橋下氏は労働委員会からこうした行為を繰り返さないと誓約文を出すよう命じられたのに従わなかった。さらに『大阪市の公務員は何百人もクビですよ』などと違法な発言をした」として、弁護士としての橋下氏を懲戒処分にするよう大阪弁護士会に申し立てていました。
 申し立てを受けて大阪弁護士会が「弁護士としての品位を失う行為だ」として、懲戒処分を検討する方針を決めたことが関係者への取材でわかりました。
 これについて橋下氏の秘書は「今の段階ではコメントできない」としています。

 

匿名希望
弁護士に依頼者を密告させる「ゲートキーパー立法」に反対する会長声明
2002年(平成14年)10月7日
兵庫県弁護士会 会長 藤野 亮司
1 ゲートキーパー立法とは
 ゲートキーパーとは「門番」を意味する。現在マネーロンダリングを防止するために、弁護士をマネー流通における国の「門番」にしようとする立法の準備がなされている。これがゲートキーパー立法である。立法では、弁護士は、依頼人が「マネーロンダリングの疑いのある取引」をしている場合、国に対してそれを通報する義務を負うことになる。通報したことを依頼者に内報したり、通告を怠った場合、弁護士は処罰される。すなわち、刑罰の強制をもって、弁護士に依頼者を密告させる法律である。
 「マネーロンダリングの疑いのある取引」とは特殊な取引に見えるが、実は広い概念である。(1)ベンチャービジネスに関与して欲しいと依頼を受けたが当面法的業務がない場合、(2)打合せに来るのは依頼者の親族で依頼者本人には会ったことがない場合、(3)依頼者が通常の報酬より高額の報酬を支払った場合等、弁護士の業務では日常起こりうる依頼であるが、このような場合も、「マネーロンダリングの疑いのある取引」にあたり、弁護士は国に密告する義務を負う可能性がある。これは、後記の通り弁護士の守秘義務を失わせる極めて危険な法律である。
 立法は、OECDの金融活動作業部会(FATF)によって勧告という形で準備されている。通常、国際機関の勧告は条約のような法的拘束力がないが、OECD関係の勧告は、履行しないと世界市場から排除されることから、事実上強力な拘束力をもっている。勧告がなされれば、わが国でもそれに準拠した国内法が制定されるのは確実であり、その準備が進められている。
2 結論
 当会は、弁護士に依頼者を密告させる「ゲートキーパー立法」に以下の理由で反対するものである。
(1) 弁護士の守秘義務
 弁護士職業の特色は、単に高度の法的専門職と言うだけでなく、国と一定の対抗関係に立ちつつ、依頼者の人権と法的利益を擁護することにある。このような弁護士の職業が有効に機能するためには、依頼者との信頼関係の形成が不可欠である。その信頼の基盤となるのは、弁護士が依頼者の秘密を守る権利を有し義務を負うからである。
 民事訴訟法(197条2項)、及び刑事訴訟法(149条)が、弁護士に対し職務上知り得た秘密についての証言拒絶権を与え、またわが国の刑法(刑法134条1項)が、正当な理由がないのに、依頼者の秘密を漏らすことを犯罪としているのはこのような弁護士の権利と義務を法律上のものとして規定したものである。弁護士法も、その23条において「弁護士又は弁護士であった者はその職務上知り得た秘密を保持する権利を有し、義務を負う。」と定めている。依頼者は秘密を打ち明けて弁護士に事務を委任するのであるから、秘密を他に漏らさないことは、弁護士の義務として最も重視されるものである。又この義務が遵守されることによって、弁護士の職業の存立が保障されるのである。
 ところが、依頼者がうち明けた秘密が、国に通報されるという制度ができれば、国との対抗関係の中で依頼者の人権・法的権利を守るという弁護士の職業の基盤をなす原則が根底から覆されてしまい、依頼者である市民の弁護士に対する不信感が引き起こされて依頼者との信頼関係の形成が不可能となる。又、弁護士は依頼者の正当な利益を守ることを通じて社会正義を実現することを業としてきた。しかし、充分な根拠もなく依頼者の秘密を国に密告することを義務づける法制度は、弁護士の根本的な職業倫理を侵すものである。業務の中で密告の対象という視線で依頼者を見るようになった場合、弁護士は依頼者の正当な利益を守ることを通じて社会正義を実現するという業務を自ら放棄することになる。
 弁護士の守秘義務は永い歴史の過程を経て形成され、その重要性と有効性が確認されてきた弁護士の職務における基本原理である。守秘義務は依頼者の正当な権利の擁護を実行するために、不可欠な制度であり、司法が正しく機能するためには、その最大限の尊重がなされなければならない。依頼者の疑わしい取引について弁護士に対し、金融機関と同様同一の通報義務を課する制度は、この弁護士の職務における基本原則と意義を理解しない点で重大な誤りを犯している。
(2) 他の手段によるマネーロンダリングの防止
 確かにマネーロンダリングの防止は重要であり、弁護士がマネーロンダリングが荷担することがあるとすればそれは許されるべきではない。従って、弁護士が、取引の対象が犯罪収益であることを確定的に知っていた場合は、かかる取引を止めるように依頼者を指導すべきである。又、かかる事実を知りながら、適切な措置をとらなかった弁護士は弁護士倫理に違反するものとして懲戒の対象とすべきである。更に、弁護士は、依頼者が上記の指導にもかかわらず、取引を停止しないときは、その代理人を辞任し、それ以上の法的助言を拒否するべきである。
 又、日本弁護士連合会は、弁護士のマネーロンダリングへの荷担は、ゲートキーパー法によらなくても充分防止できるのである。マネーロンダリングの防止は我々が等しく尽力すべき重要な課題であるが、だからといってマネーロンダリング対策のために守秘義務を失わせることは重大な誤りである。
(3) 立法事実の不存在
 そもそも、わが国では弁護士がマネーロンダリングに深く関わっていることを示す事例の報告はない。このことは法務省も認めているところである。確かに国際的な規制の方向には充分考慮する必要はあるが、少なくともわが国においては、弁護士に対してマネーロンダリングの疑いのある活動について報告義務を制度化する前提たる立法事実が存在しないのである。従って、わが国において、このような報告義務を制度化する必要は皆無であると言わざるを得ない。
以上

 

匿名希望
共謀罪の新設に反対する会長声明
2005年(平成17年)7月21日
兵庫県弁護士会 会長 藤井 伊久雄
現在、国会において、「犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案」(以下「本法案」といいます)が審議されています。
 本法案において、「共謀罪」の新設がはかられていますが、共謀罪は、以下のとおり重大な問題をはらんでおり、人権保障上看過できないものであります。
 1.共謀罪は、長期4年以上の刑を定める犯罪について、団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を共謀した者を、5年以下の懲役または禁固もしくは2年以下の懲役または禁固に処するものです。
 2.ここに「共謀」とは、犯罪を共同で遂行しようという意思を合致させる謀議あるいは謀議の結果として成立した合意を言います。したがって、共謀罪は、犯罪の実行に着手することはおろか何らの準備行為をすることも必要なく、単なる犯罪の合意を処罰するもので、客観的な行為があって初めて犯罪が成立するという我国刑法の大原則に反するものです。
 また、共謀という概念自体が曖昧なものであり、思想自体を処罰するおそれが大きく、思想信条の自由、表現の自由、集会・結社の自由など、憲法上の基本的人権が重大な脅威にさらされることになります。
 さらに、共謀罪では会話や電話、メール等の内容が犯罪を構成することになり、その内容を察知するため盗聴などの捜査が行われ、合意を立証するため自白偏重を招く危険性もあります。
 3.また、「団体の活動として」「当該行為を実行するための組織により行われるもの」という要件では、対象が、本法案制定の根拠となった「国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約」が求めている国際的な組織的犯罪集団に限定されていないため、一般の政党、NPOなどの市民団体、労働組合、企業等の活動も処罰の対象となるおそれがあります。たとえば、市民団体が、マンションの建設に反対して着工現場で座り込みをしたり、労働組合が、妥結するまで徹夜も辞さずに団体交渉を続けようと決めるだけで、組織的威力業務妨害罪や監禁罪の共謀をしたとして処罰されかねません。
 4.このように、共謀罪は、基本的人権を侵害し、監視社会を招くなど、市民生活にとって重大な脅威となるものであり、当会は、その新設に強く反対します。
 

匿名希望
2015年3月13日
通信傍受法の対象犯罪拡大に反対する 18弁護士会会長共同声明
埼玉弁護士会 会長 大倉 浩 千葉県弁護士会 会長 蒲田 孝代 栃木県弁護士会 会長 田中 真 静岡県弁護士会 会長 小長谷 保 兵庫県弁護士会 会長 武本夕香子 滋賀弁護士会 会長 近藤 公人 岐阜県弁護士会 会長 仲松 正人 金沢弁護士会 会長 飯森 和彦 岡山弁護士会 会長 佐々木浩史 鳥取県弁護士会 会長 佐野 泰弘 熊本県弁護士会 会長 内田 光也 沖縄弁護士会 会長 島袋 秀勝 仙台弁護士会 会長 齋藤 拓生 福島県弁護士会 会長 笠間 善裕 山形県弁護士会 会長 峯田 典明 岩手弁護士会 会長 桝田 裕之 青森県弁護士会 会長 源新 明 愛媛弁護士会 会長 田口 光伸
2014(平成26)年9月18日,法制審議会は,「新たな刑事司法制 度の構築についての調査審議の結果」を採択し,法務大臣に答申した(以下, 本答申という)が,その内容として,従来,通信傍受法の対象犯罪が暴力団 関連犯罪の1銃器犯罪,2薬物犯罪,3集団密航,4組織的殺人の4類型に 限定されていたものを,傷害,詐欺,恐喝,窃盗などを含む一般犯罪にまで大幅に拡大することを提言している。また,これまで市民のプライバシーを侵害する危険のある通信傍受法が抑制的に運用される歯止めとなっていた通信事業者の常時立会制度も撤廃されることとされる。
 このたび本答申に基づく通信傍受法の改正法案が国会に上程される予定だが,私たちは,以下の理由から,本答申に基づく通信傍受法の改正に反対するとともに,国会における審議においても,慎重な審議がなされることを求めるものである。
 重大な犯罪に限定されず
 通信傍受法施行前に検証許可状により実施された電話傍受の適法性につき判断した最高裁判所平成11年12月16日第三小法廷決定は,「重大な 犯罪に係る被疑事件」であることを電話傍受の適法性の要素としていたが,詐欺,恐喝,窃盗については,いずれも財産犯であり,必ずしも「重大な犯罪」とはいいがたい。
 詐欺罪にも様々な詐欺がありうるのであって,組織的な詐欺グループである振り込め詐欺以外にも広く通信傍受が実施されるおそれがあり,漫然と詐欺罪を対象犯罪とすることは許されない。振り込め詐欺や窃盗団等を想定するのであれば,実体法として,それらを捕捉し得る新たな構成要件を創設した上で対象犯罪にするべきである。しかも,組織犯罪処罰法には組織的詐欺 罪(同法3条13号)や組織的恐喝罪(同14号)が規定されているのであるから,それを対象犯罪に追加することで対象犯罪を必要最小限度に限定することも可能である。
 また,本答申の基礎とされた「新時代の刑事司法制度特別部会」がまとめた「時代に即した新たな刑事司法制度の基本構想」は,「通信傍受は,犯罪を解明するに当たっての極めて有効な手法となり得ることから,対象犯罪を 拡大して,振り込め詐欺や組織窃盗など,通信傍受の必要性・有用性が高い犯罪をも含むものとすることについて,具体的な検討を行う」としている。
 これは,前記最高裁決定が指摘する犯罪の「重大性」を前提とせず,対象犯罪拡大を検討したものであるが,捜査機関にとっての「必要性」「有用性」を基準とすれば,その拡大には歯止めがない結果となる。日本弁護士連合会 が反対している共謀罪や特定秘密保護法違反などにも,捜査機関にとって犯罪の共謀を立証するのに「必要かつ有用」として,通信傍受の適用の拡大が企図される危険も大きい。
常時立会制度の撤廃は捜査権の濫用を招く
 通信傍受法が定める通信事業者による常時立会は,傍受記録の改ざんの防止と通信傍受の濫用的な実施を防止するという2つの機能を果たしていた。傍受対象通信を通信事業者等の施設において暗号化した上で送信し,これを捜査機関の施設において自動記録等の機能を有する専用装置で受信して復号化することにより,傍受を実施するという答申が提言する技術的措置は,通信傍受記録の改ざんの防止という点は確保できるかもしれないが,無関係 通信の傍受など通信傍受の濫用的な実施を防止するという点が確保されるとは考えられない。
 従来の通信傍受法の運用において,この常時立会という手続があることで,「他の方法によっては,犯人を特定し,又は犯行の状況若しくは内容を明ら かにすることが著しく困難であるとき」という補充性の要件が実務的に担保 されてきたものである。しかし,答申のような手続の合理化・効率化がなされれば,捜査機関は令状さえ取得すれば簡単に傍受が可能となるので,安易に傍受捜査に依存することになることは必至であり,補充性要件による規制 が実質的に緩和されることとなり,濫用の危険は増加する。
盗聴社会の到来を許さない
 ここで通信傍受法の対象犯罪の拡大に歯止めをかけなければ,過去再三廃 案とされたにもかかわらず,未だ法案提出がなされようとしている「共謀罪」とあわせて,盗聴社会の到来を招く危険がある。
 捜査機関による通信傍受の拡大は,単に刑事司法の領域に止まる問題ではなく,国家による市民社会の監視につながり,市民社会そのものの存立を脅かす問題である。
よって,私たちは,本答申にもとづく通信傍受法の改正に反対するとともに,国会における審議においても,慎重な審議がなされることを求めるものである。

 

匿名希望
兵庫県警自動車警ら隊隊員による捜査書類ねつ造事件に関する会長声明
2004年(平成16年)7月2日
兵庫県弁護士会 会長 滝本 雅彦
1新聞報道によれば、兵庫県警自動車警ら隊(以下「警ら隊」という)において、2002年及び2003年の2年間だけでも「微罪処分手続書」、「少年事件簡易報告書」などの捜査書類約300件のねつ造(以下「本件ねつ造」という)が発覚し、約180名の隊員の内100名前後が関与していたということである。また、このようなねつ造は10年以上前から行われていたという。
 2 警ら隊においては、隊員は軽微な事件を含めて検挙件数に応じて勤務実績が評価され、表彰、昇任、異動の際の重要な資料にされていたことや隊員に検挙目標を設定させノルマ達成を強いていたため、隊員は本件ねつ造により検挙実績を水増ししたものである。
3 新聞報道が事実であるならば、本件ねつ造は、虚偽公文書作成・同行使罪などの刑法犯に該当する違法行為であり、市民の権利と自由を保護し、犯罪の予防、鎮圧を職責としている警察官にあるまじき行為であることは言うまでもない。まして、自らの栄達のために市民の人権を平気で犠牲にするとは、人権感覚の欠如がはなはだしく言語道断といえる。
 のみならず、きわめて多数の隊員が多年にわたり書類のねつ造に関与していたことから、組織的に行われていた疑いが濃厚であり、かつ警察内部のチェックシステムが全く機能しなかった点で、警察に対する市民の信頼を根底から揺るがす由々しき事態というほかない。
 4 当会としては、兵庫県公安委員会及び兵庫県警察本部に対して、市民の信頼を回復し、本件のような不祥事の再発を防止するために、以下のことを強く求める。
(1)本件ねつ造に関して、市民が参加した第三者機関による調査を行うこと
(2)本件ねつ造に関する調査結果をすべて公表すること
(3)本件ねつ造に関与した職員及び幹部職員に対する厳重な処分
(4)警察官に対する人権教育の徹底
 (5)本件ねつ造の背景にある目標設定やノルマ達成を強いる組織体質を改め、警察官自身の人権保障を図ること
(6)市民参加による警察から独立した監査システムを創設すること

2190 諸悪の根源マンセー日弁連52

匿名希望
新しい難民認定手続に関する意見書
2006年10月17日
日本弁護士連合会
本意見書について
2004年6月、難民認定制度に関する部分を含む出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律が成立し、2005年5月以降、新しい難民認定手続が実施されています。日弁連では、施行後1年を経過した新しい難民認定手続について、その間の運用の状況をふまえ、2006年10月17日の理事会において意見をとりまとめ、同月23日に法務大臣に提出しました。
意見の要旨は以下のとおりです。
1.異議申立機関について
異議申立制度・難民認定制度全体を実効性のあるものとするため、入国管理や外交政策を所管する省庁から独立した異議申立機関を設置すべき
2.難民審査参与員制度について
参与員の人選については、専門性・公正性の確保のため、UNHCR・当連合会などからの推薦を全体の3分の2以上とすることを制度化すべき
参与員に対する研修の拡充・待遇の見直し
参与員の事務を補助する独自の事務局を設置すべき
記録の開示・釈明の機会の付与
代理人の人数の制限等の禁止
参与員の意見形成のあり方については、合議体によって意見を形成すべき
決定の理由・参与員の意見の詳細化
3.難民申請者の法的地位について
仮滞在許可の除外事由である「直接本邦に入った」の要件について、第三者の検証が可能な資料を明らかにすべき
仮滞在許可を受けた者に適切な保護措置を講ずるものとし、困難な場合は、一定条件下での就労を認めるべき
仮滞在許可の審査期間は2週間程度とし、その間、退去強制手続が進行するなどないようにすべき
4.退去強制手続との関係について
難民申請者に対する在留特別許可については、人権書条約や人道的な配慮を根拠とした保護の必要性を重視するとともに、許否の基準を公表し判断の理由を示すべき
異議申立手続においても、難民申請者に対する在留特別許可の拒否を必ず審査すべきものと解釈・運用すべき
退去強制手続は訴訟準備・係属中も停止されるべき
5.一次審査手続における適正手続の保障について
難民認定手続における適正手続保障の実現のため、以下の諸方策などを講じること
すべての資料に対する意見の陳述・釈明の機会の付与
インタビューへの立会いなど、弁護士の代理人としての活動を認めるべき
一次審査手続における処分について、詳細な理由の付記
6.難民認定制度に対するアクセスについて
難民認定制度に対するアクセスを容易にすること
7.通訳人について
通訳能力の水準を確保するため、能力の審査・研修などの措置を講じるべき

 

匿名希望
外務省の「密約」問題調査に関する意見書
2010年1月15日
日本弁護士連合会
本意見書について
日弁連では、「外務省の「密約」問題調査に関する意見書」を2010年1月15日付けで取りまとめ、同年2月1日に外務大臣、いわゆる「密約」問題に関する有識者委員会宛に提出しました。
本意見書の趣旨
日弁連は、外務省に設置された「密約」問題に関する有識者委員会に対し、その調査報告書に、以下の事項を反映するよう求める。
 日本とアメリカとの間で取り交わされたとされる「密約」に関連する行政文書のこれまでの管理状況。仮に、同文書を外務省が廃棄したのであれば、廃棄の時期及び廃棄の理由。
外務省による情報公開法5条3号の解釈及び運用を再考すること。
 外務省による情報公開法10条及び11条の手続違反の原因を究明し、同手続を誠実に履践する体制を整備すること。
作成から30年が経過した外交文書については、原則公開とする制度を確立すること
(※本文はPDFファイルをご覧下さい)
匿名希望
「民事訴訟法の一部を改正する法律案要綱」に対する会長声明
本日、法制審議会は、公務文書の文書提出命令に関する「民事訴訟法の一部を改正する法律案要綱」を答申した。一昨年、第136回国会における民事訴訟法改正案の審議において、公務秘密文書について、監督官庁が承認しないものは一律文書提出命令の対象から除外され、いわゆるインカメラ手続の対象にもされないなど、不合理な官民格差を生じ、司法判断の及ぶ範囲が狭められていたことに各界から批判が集中し、修正削除されたうえ、附則と附帯決議によって政府に対し、再検討が求められるに至ったことは記憶に新しい。
法制審議会において、上記附則と附帯決議を踏まえて、本要綱案を作成すべく努力されたことについては敬意を表したい。
しかし本要綱は、(1)文書提出義務を全ての文書に一般化すること、(2)公務文書の提出義務の存否の実質判断を裁判所ができるようにすること、(3)公務文書についてもインカメラ手続の対象とすることなど、上記附帯決議が要求していた趣旨に照らすとなお不十分な点が多い。
 とりわけ「刑事訴訟記録等」を一律に文書提出命令の対象から除外していることは明らかに不合理であり、今日、様々な民事・行政訴訟で刑事訴訟記録が立証手段として果たしている重要な役割に照らすと到底容認できない。
 また文書提出命令の除外対象となる「公務秘密文書」の定義が広きに失することや公務文書について濫用されるおそれも強い「専ら文書の所持者の利用に供する文書」という提出除外事由を認めていることも問題である。
 さらに「防衛・外交文書」と「犯罪・捜査文書」について、監督官庁が提出義務がないとの意見を述べたときは、裁判所は、提出義務の存否そのものでなく、意見の相当性について審査するとしている点も、司法権尊重の上記附帯決議の趣旨に照らすと問題があると言わざるを得ない。
 インカメラ手続について、「防衛・外交文書」や「犯罪・捜査文書」については事実上、その対象とされないおそれが強いことも批判されるべきである。
 提出除外事由に該当しないことの立証責任を申立人に課していることも、情報公開法案においては、官庁が不開示事由の立証責任を負っていることと対比すると整合性を欠き、国民に過大な負担を課するおそれが強い。
 当連合会は、この要綱に基づく法律案が国会に提案される場合には、以上のような点についてその修正を求めて、国会の内外において、全力を尽くす決意である。
1998年(平成10年)2月20日
日本弁護士連合会
会長 鬼追明夫

 

匿名希望
情報公開訴訟におけるインカメラ審理の法制化を求める会長声明
最高裁判所は、2009年1月15日、沖縄の米軍ヘリ墜落事故にかかる国を被告とする情報公開訴訟に関し、福岡高等裁判所が不開示情報について実質的なインカメラ審理(裁判所だけが文書等を直接見分する方法により行われる非公開の審理)を行うことを認めた検証物提示命令を破棄し、改めてこれを却下する旨の決定(以下「本決定」という。)を下した。
 本決定は、その理由として、現行法に明文の規定がない以上、文書の所持者にインカメラ審理を受忍すべき義務はない、とした。しかし、他方で、本決定は、明文の規定を置くことでインカメラ審理を採用できることは認め、しかも、泉裁判官は、インカメラ審理を「国民の知る権利の具体化として認められた行政文書開示請求権の司法上の保護を強化し、裁判の信頼性を高め、憲法32条の裁判を受ける権利をより充実させるもの」と評価し、また、宮川裁判官は、「インカメラ審理の導入について情報公開制度を実効的に機能させるために検討されることが望まれる」と述べており、5人の裁判官のうち、2名がインカメラ制度導入に積極的な姿勢を示していることは注目に値する。
 当連合会は、これまで、情報公開訴訟におけるインカメラ審理について様々な観点から検討を加えた上で、ヴォーン・インデックス(不開示とした情報の項目と不開示とした理由について、文書で説明すること)を行った上でなお不開示事由の相当性についての判断ができないときは、インカメラ審理を行う旨、情報公開法を改正すべきであるとの提言をしてきた。
 本決定により、立法により情報公開訴訟にインカメラ審理手続を導入する正当性及び必要性はさらに明確になったといえる。法制化に向けての関係各位の取り組みを求めると共に、当連合会としても、一層、取り組みを強化する決意を表明するものである。
2009年1月23日
日本弁護士連合会
会長 宮﨑 誠

 

匿名希望
普天間飛行場代替施設に関するボーリング調査の中止を求める会長声明
防衛施設庁は、米軍普天間飛行場の名護市辺野古沖への移転計画に関し、現地技術調査と称して、普天間飛行場代替施設建設予定海域において63カ所にわたるボーリング調査を実施しようとしている。
 建設予定海域は、沖縄県が「自然環境の厳正な保護を図る区域」と指定している区域で、文化財保護法や鳥獣保護法等で保護され、絶滅が危惧されているジュゴンが棲息し、その採餌場所となっている藻場が存するところでもある。
上記ボーリング調査について、学者・研究者ら専門家は、同調査を行うことによって、ジュゴンの生息への重大な影響のおそれを指摘し、サンゴ礁等海域環境の保全の観点からも重大な疑念を指摘しているところである。
ところが、防衛施設庁は、上記ボーリング調査は「事前調査」であって、環境影響評価手続の対象外であると主張して、環境影響評価手続に先立ち実施をしようとしている。
 当連合会は、2000(平成12)年7月14日付「ジュゴン保護に関する要望書」による普天間飛行場代替施設計画について厳正な環境影響評価手続をなすよう求めているところであるが、環境影響評価法は事業の実施に先立ち環境影響評価手続の実施を義務づけ、事前に環境への影響の程度を予測・評価して、当該事業を実施するか否かの意思決定手続に反映させようというものであるのに、上記ボーリング調査は、環境影響評価手続を実施する前に、評価の対象とすべき環境の現状を変更してしまうことになり、これから行われる環境影響評価手続について、環境への影響の程度の正確な予測・評価を不能にしてしまい、環境影響評価法の趣旨をないがしろにするものである。
 同代替施設建設計画に関しては、本年4月28日に方法書が縦覧に供されて環境影響評価手続が始まったばかりであるが、当連合会は、防衛施設庁に対し、上記ボーリング調査を直ちに中止し、あらためて、ボーリング調査も本体工事の一体をなすものとして、環境影響評価法に基づく、適正な環境影響評価手続を実施することを求めるものである。
2004年(平成16年)5月14日
日本弁護士連合会
会長 梶谷 剛
匿名希望
普天間市民駐車場の利用拒否に関する人権救済申立事件(勧告・要望)
アメリカ合衆国海兵隊普天間基地司令官宛て勧告、宜野湾市長宛て要望
2016年2月26日
普天間市民駐車場の利用拒否に関する人権救済申立事件(勧告・要望) (PDFファイル;378KB)
申立人らは、米軍に対するオスプレイ配備反対運動をしつつ、普天間市民駐車場を利用する市民であるところ、ワッペンやシンボルカラーのチョッキ等を身につける等により、オスプレイ配備反対の意思表示をしたことにより、それぞれ本件駐車場又は本件駐車場に付設する施設(トイレ)の利用を拒否された。
 これらの行為は、米軍に抗議する者を排除するというものであり、思想・信条による差別的扱いであるとともに、米軍に対する反対行動を制圧する極めて不当な行為であり、基本的人権を侵害する悪質な行為であるとして、アメリカ合衆国海兵隊普天間基地司令官及び宜野湾市長に対し、以下のとおり勧告及び要望した事例。
1 アメリカ合衆国海兵隊普天間基地司令官宛て勧告
(1) 今後米軍に対する抗議行動を行う市民が本件駐車場及びその付設トイレを利用することを理由として本件駐車場を閉鎖しないこと。
(2) 宜野湾市及び宜野湾市観光振興協会に対し、米軍に対する抗議行動を行っている市民に本件駐車場及びその付設トイレを利用させないよう求めないこと。
(3) 兵士を巡回させて米軍に対する抗議行動を行っている市民が本件駐車場を利用しているか否かを監視しないこと。
2 宜野湾市長宛て要望
(1) 市民に対し、ワッペンやシンボルカラーのチョッキ等を身につける等により、米軍の活動に対する反対の意思を表示して米軍に対する抗議行動を行っていること、過去に米軍に対する抗議行動に参加したことがあることなどを理由として、本件駐車場及びその付設トイレの利用を拒否することがないようにすること。
(2) 宜野湾市が策定した「普天間市民駐車場管理要綱」の、「駐車場使用にあたっての禁止事項」第3項の例示部分は、火気の持ち込みを除き削除し、「※駐車場入り口に看板を設置(図3参照)」の記載は削除した上、今後、米軍への抗議行動で本件駐車場を利用しないよう求める看板を設置しないこと。

 

匿名希望
公務文書の文書提出命令に関する「民事訴訟法の一部を改正する法律案」に対する会長声明
本日、政府は公務文書の文書提出命令に関する「民事訴訟法の一部を改正する法律案」を国会に上程した。
 一昨年、第136回国会における民事訴訟法改正案の審議において、公務秘密文書について、監督官庁が承認しないものは一律文書提出命令の対象から除外され、いわゆるインカメラ手続の対象にもされないなど、不合理な官民格差を生じ、司法判断の及ぶ範囲が狭められていたことに各界から批判が集中し、修正削除されたうえ、附帯決議及び附則によって政府に対し、再検討が求められるに至ったことは記憶に新しい。今回提出された改正案は、上記附帯決議及び附則に応えていないばかりか、従来の裁判所における解釈・運用をむしろ狭く制限する危険さえあるものと言わざるを得ない。
第一に、刑事記録等の一律除外は、すべての文書を提出命令の対象とし、提出義務の存否を司法権の判断に服させるべきとする一般義務化の趣旨に反する。これでは、交通事故による民事損害賠償訴訟、拘置所、警察の代用監獄などにおける人権侵害を理由とする損害賠償訴訟、官官接待や贈収賄などについての住民訴訟・株主代表訴訟など、刑事記録等を証拠として利用する必要がある事件の審理が困難になるおそれがある。
 第二に、自己使用文書の提出除外については、そもそも公務文書の中に「専ら文書の所持者の使用に供する公文書」が存在するのかという疑問があるうえ、提出を拒絶する理由として濫用されるおそれがある。
 第三に、「公務秘密文書」の定義が余りにも広く概括的であって、公務文書の提出範囲を狭く解する裁判実務を導くおそれがある。
 第四に、「防衛・外交文書」と「犯罪・捜査文書」について、監督官庁が提出義務が無いとの意見を述べたときは、裁判所は、提出義務の存否そのものでなく、意見の相当性について審査するとしている点も、司法権尊重の上記附帯決議の趣旨に照らすと問題があると言わざるを得ない。
 第五に、提出除外事由に該当しないことの立証責任を申立人に課したものと解釈される余地があることも、情報公開法案においては、官庁が不開示事由の立証責任を負っていることと対比すると整合性を欠き、国民に過大な負担を課するおそれが強い。
 当連合会は、上記附帯決議の趣旨に則り、今国会で、上記各点について適切な修正がなされるよう、全力を尽くす決意である。
1998年(平成10年)4月10日
日本弁護士連合会
会長 小堀 樹

2189 諸悪の根源マンセー日弁連51

匿名希望
「改正京都府個人情報保護条例」についての意見書(2006年5月30日)
京都府議会議長 殿
京都府知事 殿
京都府教育委員会委員長 殿
京都府選挙管理委員会委員長 殿
京都府人事委員会委員長 殿
京都府監査委員 殿
京都府公安委員会委員長 殿
京都府警察本部長 殿
京都府労働委員会会長 殿
京都府収用委員会会長 殿
京都府海区漁業調整委員会会長 殿
京都府内水面漁場管理委員会会長 殿
京都府個人情報保護審議会委員長 殿
2006(平成18)年5月30日
京都弁護士会
会長 浅岡 美恵
京都府は、2005(平成17)年12月の府議会において、京都府個人情報保護条例を改正し、同条例は2006(平成18)年4月1日から施行された(以下、当該改正前のものを「旧条例」、改正後のものを「新条例」という。)。
本会は、旧条例の制定および改正について、これまでにも意見を述べてきたところであるが、今回、かかる条例改正について、改めて以下のとおり意見を述べる。
第1 意見の趣旨
 1 京都府議会に対し、センシティブ情報収集禁止原則の例外、本人収集原則の例外、目的外利用・提供禁止原則の例外の各規定が、公安委員会及び警察本部長以外の実施機関に適用されないように条例を速やかに改正するよう求めるとともに、各実施機関(公安委員会及び警察本部長を除く)に対し、条例改正までの間も、従前どおり上記規定による例外を認めない運用とすることを求める。
2 公安委員会及び警察本部長に対し、新条例がセンシティブ情報の収集等につき新たな権限を付与するものではないことに留意し、個人情報の取り扱いについて慎重に行うことを求める。
3 各実施機関及び個人情報保護審議会に対し、「公共の安全と秩序の維持」(意見の理由4(1)参照)目的という例外規定の運用について、早急にガイドラインを作成するなど限定化、明確化するための措置を講ずることを求める。
第2 理由
1 今回の改正内容
 本年4月1日から施行された新条例には、以下の内容が新たに盛り込まれることとなった。
実施機関の範囲の拡大
実施機関に、公安委員会と警察本部長が追加された。
センシティブ情報収集禁止原則の例外規定の追加
 「思想、信条及び信教に関する個人情報、個人の特質を規定する身体に関する個人情報並びに社会的差別の原因となるおそれのある個人情報(以下、「センシティブ情報」という。)」の収集は原則禁止とされているところ(旧条例4条3項本文・新条例4条3項本文)、その例外として、従前は、(a)「法令等に基づくとき」(旧条例4条3項ただし書き)、(b)「京都府個人情報保護審議会の意見を聴いて行うとき」(旧条例4条3項ただし書き)のみが規定されていたが、新条例では、これらに加えて、(c)「個人の生命、身体又は財産の保護のため緊急かつやむを得ないと認められるとき」(新条例4条3項ただし書き2号)、(d)「犯罪の予防、鎮圧及び捜査、被疑者の逮捕、交通の取締りその他公共の安全と秩序の維持(以下、「犯罪の予防等」という。)を目的とするとき」(同3号)が追加された。
本人収集原則の例外規定の追加
 個人情報の収集は、原則として本人から収集しなければならないところ、その例外として、「犯罪の予防等を目的とするとき」(新条例4条4項ただし書き5号)が追加された。
個人情報利用・提供禁止原則の例外規定の追加
収集目的以外の目的のために個人情報を利用・提供することは原則として禁止されているところ(旧条例5条1項本文)、その例外として、「犯罪の予防等を目的とするとき」(新条例5条1項ただし書き4号)が追加され、同様に、オンライン提供原則禁止の例外として「犯罪の予防等を目的」とする場合(新条例6条1項3号)、および、個人情報取扱事務登録の適用除外事務として「犯罪の予防等に係る事務」(新条例11条5項3号)が追加された。
不開示事由の追加
個人情報の不開示事由として、「犯罪の予防、鎮圧又は捜査、公訴の維持、刑の執行その他の公共の安全と秩序の維持に支障が生じるおそれがあると公安委員会又は警察本部長が認めることにつき相当の理由がある」場合(新条例13条2項3号)が追加された。
個人情報存否応答拒否規定の新設
 従前から、実施機関の保有する個人情報について、開示請求(旧条例12条)、訂正請求(旧条例19条)、利用停止請求(旧条例22条)により、個人がどのような情報を保有されているのかを知り、誤った情報や不正な利用・提供などについて是正する方法が保障されていたところ、新条例では、上記3つの手続きすべてにおいて、「個人情報が存在しているか否かを答えるだけで、……不開示情報を開示することとなるとき」(新条例13条の2、19条の2、22条の2)には、個人情報の存否応答を拒否できるという規定が新設された。
2 意見の趣旨1について
(1) 上記1のとおり、今回の改正によって公安委員会と警察本部長が実施機関に追加された。これは、公安委員会及び警察本部長についても個人情報保護条例による個人情報保護のための規制を及ぼそうとするものという意味では評価できる。
この点、「京都府個人情報保護条例の実施機関の範囲についての提言」(平成17年9月京都府個人情報保護審議会)(以下、単に「提言」という。)1(1)イにおいても、「公安委員会及び警察本部長においては、膨大かつ高度の秘匿性が要求される個人情報を取り扱っており、個人情報の適正な取り扱いを確保し、個人情報の権利利益の保護を図る必要性は、京都府の他の実施機関と異なるところはなく、むしろ取扱う個人情報の内容を考慮すれば、個人情報の適正な取扱いの確保等に係る要請は他の実施機関に比べて高いというべきである」とされており、かかる規制の必要性の考え方それ自体については異論がない。
 (2) そもそも、自己の個人情報をコントロールする権利は憲法13条により保障されたものである。条例が、個人情報の収集目的・根拠の明確化、目的達成に必要最小限度の収集(4条1項)、適法かつ公正な収集手段(同条2項)を規定するとともに、センシティブ情報収集禁止原則、本人収集の原則、目的外利用・提供禁止原則等を定めているのはここから導かれるものである。特に、センシティブ情報は、人の人格の核心に直結した情報であり、あるいは社会的差別に容易につながるおそれのある情報であることから、その収集は原則として行ってはならず、必要性が認められる場合であっても必要最小限度とされるべきである。
 (3) 新条例では、公安委員会及び警察本部長を実施機関に追加したことに伴い、上記1のとおり、センシティブ情報の収集禁止原則、本人収集原則、目的外利用・提供の禁止原則についての例外規定が設けられた。
これらの例外規定は、公安委員会及び警察本部長が犯罪捜査等を責務としており、その扱う個人情報の内容について秘匿性が強く求められること、都道府県警察は警察庁長官の指揮監督に服することなどの特殊性から設けられたものと考えられる(提言1(1)エ参照)。そうであれば、これらの例外規定が適用される実施機関は、公安委員会及び警察本部長のみに限定されるべきである。
 ところが、新条例の上記1の規定は、公安委員会及び警察本部長のみならず、その他のすべての実施機関に及ぶ形で規定されている。これは、広範に例外を認めることにつながり、原則と例外を逆転させるおそれがある。
 (4) 以上のとおり、前記の憲法および条例の趣旨からするならば、センシティブ情報収集禁止原則の例外(新条例4条3項ただし書き3号)、本人収集原則の例外(同条4項ただし書き5号)、目的外利用・提供禁止原則の例外(新条例5条1項但し書き4号)は、公安委員会と警察本部長についてのみ適用があるよう、速やかな条例改正により限定されなければならず、条例改正までの間も同様の運用がなされなければならない。
なお、他府県、たとえば新潟県においては、犯罪の予防等目的という例外は、「公安委員会又は警察本部長が事務を行うとき」に限定した規定の仕方をしており、このような規定の仕方は十分に可能である。
3 意見の趣旨2について
(1) センシティブ情報の収集について、旧条例においては、実施機関は、法令等に基づくときであるか、第三者機関である個人情報保護審議会の意見を聴かなければ、これを収集することができなかった。
しかし、新条例4条3項ただし書き3号に列挙された目的は、警察法2条1項後段に規定された警察の責務と同様であり、かつ、同号においては個人情報保護審議会の意見を聴くことが要件とされていないため、実質的には公安委員会及び警察本部長によるセンシティブ情報収集については何の制限も課していないかのような規定ぶりとなっており、原則と例外が逆転してしまっている。
 しかしながら、警察の責務は、司法警察、行政警察、警備警察、公安警察と広範に及んでおり、これらのすべてについてセンシティブ情報の収集を無限定に認めることは必要性もなく、却って濫用のおそれが極めて大きい。
もちろん、前記2で述べた憲法及び条例の趣旨からすれば、新条例の規定が公安委員会及び警察本部長に新たな権限を付与するものではなく、他の法令等に基づく正当な権限があって初めて収集できるものであることは当然である。
 京都府も、センシティブ情報収集の禁止原則に例外を設けるべきではないとのパプリックコメントに対して、「警察による個人情報の収集・利用等も正当な権限の範囲内で行わなければならないことは当然の前提となっています」と答え、また、府議会総務常任委員会において、猿渡総務部長も、新条例4条3項ただし書き2号・3号は「新たな権限を付与するものではない」ことを明言している。
 (2) 以上のとおり、新条例が公安委員会及び警察本部長に対してセンシティブ情報収集についての新たな権限を付与するものではないことに留意し、公安委員会及び警察本部長による個人情報の取扱いは慎重に行われなければならない。
4 意見の趣旨3について
(1) 上記1のとおり、新条例では、「犯罪の予防、鎮圧及び捜査、被疑者の逮捕、交通の取締りその他公共の安全と秩序の維持(以下「犯罪の予防等」という。)」(4条3項ただし書き3号、同条4項5号、5条1項4号、6条1項3号、11条5項3号、同条6項)、「犯罪の予防、鎮圧又は捜査、公訴の維持、刑の執行その他の公共の安全と秩序の維持」(13条2項3号)など「公共の安全と秩序の維持」という概念が多用されている(以下、これらの概念を合わせて「公共の安全と秩序の維持」という。)。
かかる「公共の安全と秩序の維持」を目的として個人情報を収集・利用・提供する場合、結果として、条例における重要な規制をいずれも受けないような規定ぶりとなっている。
 (2) 「公共の安全と秩序の維持」とは、警察法2条1項後段の文言から来ているものと考えられるが、その概念の外延は決して明確でない。
 社会情勢の変化に応じて「公共の安全」や「秩序」の内容は変わり得るところ、条例上、当該目的該当性の判断を実施機関自体に委ねており、社会的少数者の個人情報保護がないがしろになされる可能性が懸念される。
 (3) 「公共の安全と秩序の維持」概念の多用について、京都府は、既に警察法2条1項によって認められている警察の権限の行使に新たなルールを条例によって加えるものである旨の説明を行っている。
しかし、そもそも警察法2条1項は、警察の一般的な責務を定めた規定であり、これを一般的な権限規定と見ることができるかは疑問の余地が残るところである。同条項は組織法にすぎず、個々の警察活動の一般的な権限規定と見ることはできないと考える学説も有力である。
権限規定か否かという点をおくとしても、憲法上、「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、……最大の尊重を必要と」(13条後段)されるのであるから、権利自由の制限は必要最小限度に留められなければならないのは自明の理であるから、事柄に応じた適切な取扱いを個々に定めるべきである。
 この点、提言では、「例外規定の内容は、個人情報保護という基本的人権に関わるものであることから、できる限り限定的で明確にすべきであり、将来的には警察業務の特殊性を考慮しつつ公的な利益と個人の基本的人権との調整点をより具体化した形で調整し、規定することが適当である。」(提言1(1)オ)と将来的課題として先送りされている。
 しかし、個人情報保護の重要性に鑑みるならば、決して将来的課題として放置するべきではなく、一刻も早く限定化、明確化の検討を行い、「公共の安全と秩序の維持」という一般的、包括的概念による実質的な条例の適用除外の状態をなくすべきである。たとえば、提言も、「警察法第2条第1項後段に係る事務のすべてについて一律に例外規定を適用することは適当ではなく、運転免許証の発給や道路使用許可申請受理等の事務については、他の実施機関と同様に取り扱うことを考慮すべきである。」(提言1(1)オ)としているように、個人情報保護審議会の諮問を経て、ガイドラインの作成をすることなどにより、個人情報取扱事務単位での実務の運用に沿った限定化、明確化は可能と考えられる。
 (4) 以上のとおり、「公共の安全と秩序の維持」目的という例外規定の運用について、早急にガイドラインを作成するなど限定化、明確化するための措置を講ずることを求める。
 

匿名希望
取引履歴開示についての金融庁ガイドライン改正に対する意見書(2005年8月18日)
2005年(平成17年)8月18日
金融庁長官 五 味 廣 文 殿
京都弁護士会
会 長 田 中 彰 寿
取引履歴開示についての金融庁ガイドライン改正に対する意見書
意 見 の 趣 旨
1 貸金業者の取引履歴開示義務は信義則(民法1条2項)に基づくものである旨を明記するべきである。
 2 取引履歴開示請求の際の顧客本人の確認手続きの明確化については、以下の方法による場合には、顧客本人及び本人から依頼を受けた代理人としての確認方法としては十分かつ適切なものと明記するべきである。
? 顧客本人が取引履歴の開示を求めた場合には、本人の生年月日、本籍、住所等、通常、本人しか知り得ない情報を即座に正確に回答したとき
? 顧客の代理人として、弁護士・司法書士が取引履歴の開示を求めた場合には、生年月日、住所等本人特定情報及び委任を受けた旨を記載し、かつ、所属弁護士会・所属司法書士会、事務所所在地、職名、代理人氏名等を記した代理人就任通知書の提出があったとき
3 貸金業者が顧客又は顧客の代理人たる弁護士・司法書士の求めに応じて取引履歴の開示に応じる場合に、手数料、謄写代等名目の如何を問わず費用を請求してはならない旨を明記するべきである。
意 見 の 理 由
1 金融庁ガイドライン改正案作成の経緯と概要
 金融庁は貸金業関係の取引履歴開示に関して別添資料のようなガイドライン改正案を策定し、平成17年9月2日までをパブリックコメントの期間としている。金融担当大臣は、同年8月12日の記者会見で、「先般7月19日に最高裁において貸金業が債務者から取引履歴の開示を求められた場合には、特段の事情がない限り信義則上取引履歴を開示する義務を負うとの趣旨の判決が出されました。」「今般の最高裁判決を受け、事務ガイドラインにおいても正当な理由に基づく開示請求を拒否した場合には、行政処分の対象となり得ることを明確化することといたしたところでございます。」「なお、これに併せて弁護士等の代理人を通じる場合を含め、取引履歴の開示が求められた際の本人確認の手続きについても明確化することといたしました」と発表しているが、本件ガイドラインの内容は最高裁判決の趣旨とは大きく異なっている。
 今回の取引履歴開示に関するガイドライン案の内容は、取引履歴開示拒否が行政処分の対象になることが明記されたことと、取引履歴開示の本人確認手続きの定めに分けられる。後者の内容は、顧客本人が開示請求をする場合には、いわゆる本人確認法施行規則4条記載の書類(以下「本人確認書類」という)、例えば、印鑑登録証明書、外国人登録証明書、戸籍抄謄本、住民票、各種健康保険証、各種年金手帳、運転免許証等の原本提出を求めている。
 また、顧客の代理人が開示請求をする場合には、イ、本人確認書類(写しを含む)に加えて、ロ、委任状原本が必要とされる。当該委任状は本人確認書類の原本が提出された場合には認め印による押印で足りるが、本人確認書類が写しである場合には実印による押印が必要とされ、この場合、印鑑登録証明書は当然に必要とされよう。さらに、ハ、代理人確認書類としては委任状に事務所住所、電話番号等の連絡先が記載されていることを必要としている。
2 取引履歴開示義務が信義則を根拠とする趣旨の明記について
貸金業の規制等に関する法律第13条第2項で禁止されている「偽りその他不正又は著しく不当な手段」に該当するおそれが大きい行為として事務ガイドライン3−2−2に列挙している事項に、顧客等の弁済計画の策定、債務整理その他の正当な理由に基づく取引履歴の開示請求に対してこれを拒否すること、を加えて貸金業者の取引履歴開示義務を明確化することは賛成である。
 しかし、改正ガイドライン案は取引履歴開示の根拠として、3−2−8(1)本文で「個人情報保護法の趣旨を踏まえ」としているが、取引履歴開示義務と個人情報保護法とは無関係である。すなわち、個人情報保護法が施行される平成17年4月1日の何十年も以前から、多重債務者から依頼を受けた弁護士が、破産・任意整理・過払い金返還請求等(以下「債務整理」という)の依頼を受けて受任し、貸金業者等に対し、受任通知を出し、依頼者の取引履歴の開示ないし債権調査票の提出を求めた場合、貸金業者等はこれに応じてきたし、まして手数料を要求することもなかった。弁護士が受任していない案件につき受任通知を出すことはないから、委任状の写しの提出も求められることもなかった。
この従前の実態を前提に平成17年7月19日言い渡しの最高裁判決は、貸金業法19条が貸金業者に帳簿の作成・備え付け義務を課しているのは、債務内容に疑義が生じた場合には紛争を速やかに解決することを図った趣旨であるし、金融庁事務ガイドライン3−2−7が債務内容の開示に協力しなければならない旨記載されていたのも貸金業法の趣旨を踏まえたものと解している。また、同判決は、顧客がその債務内容を正確に把握できない場合には、弁済計画を立てることができなくなったり、過払金があるのにその返還が請求できないばかりか、さらに弁済を求められるなど大きな不利益を被る可能性があるのに対し、貸金業者には特段の負担は生じないとして信義則を根拠として開示義務を認めたのである。
 従って、貸金業者の取引開示義務は個人情報保護法とは無関係な法的性質をもっており、同法の、「他の法令の規定により開示することとされている場合」(同法25条3項)に該当し、個人情報取扱事業者が本人からの個人情報の開示等の求めに応じる手続きを定めることができる旨定めている規定(同法25条1項、29条1項、3項、4項)から除外される場合である。
よって、無用な混乱を避けるために取引開示義務の根拠が信義則にあることを明記するべきである。
3 本人確認手続きについては従来通りの扱いで足りる旨を明記するべきである
本人確認手続きに関する今回の金融庁改正ガイドライン案は、最高裁の前記趣旨を踏みにじるものである。すなわち、従来、多重債務者から依頼を受けて案件処理にあたってきた弁護士は、受任通知書の送付のみで事務を遂行してきたし、特段、それで問題が生じた事例はほとんどなかった。前記最高裁判決はその実態を是認したのである。しかるに、金融庁改正ガイドライン案は、前記の通り、本人確認書類をいわゆる本人確認法施行規則4条に準拠して提出することを求めている。最高裁が認めた取引履歴開示請求を事実上制限しようという趣旨である。従前の取り扱いで明確化を欠くところなど全くなかったのであるから、今回の改正ガイドライン案は、明確化とは無関係なもので開示請求に障壁を設ける結果となってしまうことは明白である。
 改正ガイドライン案が依拠している本人確認法は、その1条の目的で明記されているように、テロに対する資金供与や組織犯罪に対する資金供与等が金融機関を通じてなされること、及び預金口座等の不正利用を防止することを目的としている。債務者が自己の債務内容の詳細を知るための行為について、犯罪行為に関係する行為規制法に依拠させることは筋違いであるだけでなく、債務者に過重な負担を強いるものであって不当な扱いである。
よって、従来どおり、以下の場合には確認方法としては十分かつ適切なものと明記するべきである。
? 顧客本人が取引履歴の開示を求めた場合には、本人の生年月日、本籍、住所等、通常、本人しか知り得ない情報を即座に正確に回答したとき
? 顧客の代理人として、弁護士・司法書士が取引履歴の開示を求めた場合には、生年月日、住所等本人特定情報及び委任を受けた旨を記載し、かつ、所属弁護士会・所属司法書士会、事務所所在地、職名、代理人氏名等を記した代理人就任通知書の提出があったとき
4 手数料等費用の請求をしてはならない旨明記するべきである
貸金業が顧客等から開示請求を受けた場合、手数料、謄写代等名目の如何を問わずに費用請求を許すことは、経済的に困窮している債務者にとって開示請求を事実上困難にするものである。他方、貸金業者にとって、「保存している業務帳簿に基づいて債務内容を開示することは容易であり」(前記最高裁判決)、特段の経済的負担を課すようなものではない。
 貸金業者が顧客又は顧客の代理人たる弁護士・司法書士の求めに応じて取引履歴の開示に応じる場合に、手数料、謄写代等名目の如何を問わず費用を請求してはならない旨を明記するべきである。
以 上