日別アーカイブ: 2018年1月3日

2176 諸悪の根源マンセー日弁連38

匿名希望
市民的及び政治的権利に関する国際規約第40条1(b)に基づく第4回報告 (仮訳)
一般的コメント
憲法を最高法規とする我が国法体系における人権擁護の制度的側面、及び「市民的及び政治的権利に関する国際規約」と国内法規との関係については、第1回、第2回及び第3回報告で述べたとおりであるが、補足的説明は次のとおり。
日本国憲法における「公共の福祉」の概念
憲法第11条は、「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。」と規定している。しかし、同時に、第12条は、「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。」と、第13条は、「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」と規定している。
これは人権保障も絶対的で一切の制約が認められないということではなく、主として、基本的人権相互間の調整を図る内在的な制約理念により一定の制限に服することがある旨を示すものである。例えば、他人の名誉を毀損する言論を犯罪として処罰することは、行為者の言論の自由を制限することにはなるが、この制限は、他人の名誉権を保護するためにはやむを得ないことであり、「公共の福祉」の考え方により説明することができる。
したがって、そもそも他人の人権との衝突の可能性のない人権については、「公共の福祉」による制限の余地はないと考えられている。例えば、思想・良心の自由(憲法第19条)については、それが内心にとどまる限り、その保障は絶対的であり一切の制約は許されないものと解されている。
さらに、人権を規制する法令等が合理的な制約であるとして公共の福祉により正当化されるか否かを判断するにあたって、判例は、営業の自由等の経済的自由を規制する法令については、立法府の裁量を比較的広く認めるのに対し、精神的自由を規制する法令等の解釈については、厳格な基準を用いている。
このように、憲法には、「公共の福祉」の内容を示す明文の規定はないものの、「公共の福祉」の概念は、各権利毎に、その権利に内在する性質を根拠に判例等により具体化されているから、「公共の福祉」の概念の下、国家権力により恣意的に人権が制約されることはあり得ない。
確かに、B規約においては権利を制限できる事由が権利毎に個別的に定められているのに比して、我が憲法においては、条文の文言上は、「公共の福祉」により一般的に人権を制約することができる規定振りとなっている。しかしながら、右は単にその規定振りが異なるに過ぎず、制限の内容は、上記のとおり、「公共の福祉」の概念の具体化が図られることにより、実質的には、B規約による人権の制限事由の内容とほぼ同様なものとなっている。
人権の制約が公共の福祉に基づくものとして許されるかどうかを判断するのに当たっては、各種の利益衡量が要求されるところ、右を判示した判例は、資料1のとおり。
本規約と憲法を含む国内法との関係
憲法第98条第2項の趣旨から、我が国が締結した条約は国内法としての効力を持つ。なお、条約の規定を直接適用し得るか否かについては、当該規定の目的、内容及び文言等を勘案し、具体的場合に応じて判断すべきものとされている。B規約についても以上の考えと同様である。
訴訟において原告側がB規約の条項を引用して争っている場合に、裁判所が国内の法律・規則・処分等の当該条項違反の有無を判示している例は、資料2に掲げるとおりであり、最高裁判所において法律・規則・処分等が規約違反とされたものはない。
されたものはない。
なお、憲法は我が国の最高法規であり、その効力はB規約の国内法的効力に優位するものと解されるが、上記のとおり、憲法による人権保障の範囲はB規約のそれとは、実質的にはほぼ同様なものであるから、両者の抵触の問題は生じないものと考えられる。

我が国の人権保障メカニズムの実態
(a) 人権擁護機関による人権保障
行政府にあって人権擁護を直接の目的としている人権擁護機関の仕組みは、第2回報告別添1.に記したとおりであるが、人権擁護機関による「人権相談」及び「人権侵犯事件の調査・処理」の具体的方法については、以下のとおり
なお、民間のボランティアである人権擁護委員の人数は、1996年1月1日現在、13,735名である。
(i) 人権相談
人権相談は、常設相談所(法務局、地方法務局において常時開設)や特別相談所(デパート等において臨時に開設)で行っている他、人権擁護委員が自宅においても行っている。相談を受けた法務局職員や人権擁護委員は、問題を解決するための適切な手続きを助言したり、人権侵犯事件の調査手続きに切り替えたり、その問題を取り扱う関係官公署を紹介するなど、相談内容に応じた援助を行っている
(ii) 人権侵犯事件の調査・処理
人権侵犯事件の調査・処理にあたっては、まず、人権擁護機関が関係者からの申し出を受けたり、新聞等や官公署からの通報により人権侵害の疑いのある事実を知った時に、侵害事実の有無についての調査を行い、その結果、法令に違反した行為、または、それにとどまらず、広く憲法等の基本原則たる人権尊重の精神に反するような行為が認められた場合に
(a)人権侵害を行ったと認められる者やその者を指導、監督する立場にある者に対して、 刑事訴訟法の規定により告発する文書で人権侵犯の事実を摘示して必要な勧告を行うその問題を取り扱う関係官公署に文書で人権侵犯の事実を通告する反省を促し善処を求めるため、口頭または文書で事理を説示する
(b)被害者に対し、関係官公署へ連絡を取り、法律扶助機関へ斡旋し、法律上の助言をする等の援助を行う
(c)関係者に対し、勧奨、斡旋その他人権侵犯を排除するための適切な措置を採る、 など事案に応じた適切な措置を採る。
この人権侵犯事件の調査・処理は、その過程において、関係者に人権尊重の意識を啓発することにより、人権侵害の状態を自主的に排除させたり、既に人権侵害行為が行われてしまっているような場合には、将来の再発を防止させることによって、被害者の救済を図っている。人権侵犯事件の調査・処理が、受け入れられるか否かについては、最終的には当該人の意思に係ることになるが、同処理措置は、そもそも具体的権利の存否を公権的に確定したり、強制力によって侵害を排除することを目的としているものではなく、関係者に人権意識を啓発することにより、人権侵害を自主的に排除させたり、将来の再発を防止することを目的としているものである。
人権擁護機関は、関係者に対して粘り強く啓発を行い、侵害の排除や再発の防止に役立っており、更に、一般社会に対しても啓発を行い、相応の効果を挙げている。
(iii) 子どもの人権専門委員
人権擁護機関では、従来から、「いじめ」、体罰、不登校児などの子どもの人権問題に積極的に取り組んできたところであるが、1994年度から、子どもをめぐる人権問題により適切に対処するため、人権擁護委員の中から子どもの人権問題を専門的に取り扱う「子どもの人権専門委員(子ども人権オンブズマン)」を指名する制度を設けた。1996年1月1日現在、全国で515名の「子どもの人権専門委員」が指名されており、次代を担う子どもの人権擁護をより一層積極的に推進していくため、子ども及びその保護者等を対象とした講演会、座談会等を開催するなど活発な活動を行っている
(b) 人権教育10年の取り組み
1994年の第49回国連総会において、1995年から10年間を「人権教育のための国連10年」とする旨の決議が採択された。
この「人権教育のための国連10年」に係る対策について、関係省庁が緊密に連携・協力し、政府一体となった取組を推進するため、1995年12月、閣議決定により「人権教育のための国連10年推進本部」を設置し、その後、関係省庁間で我が国としての取組について検討を行ってきた。1996年3月18日には、同推進本部の第1回会合を開催し、「人権教育のための国連10年」に係る取組を積極的に推進していくことを確認した。
当面、人権についての教育・研修・啓発活動の推進などを内容とする国内行動計画を早急に策定し、「人権教育のための国連10年」に係る取組を積極的に推進することとしており、現在、関係省庁間で国内行動計画の内容等について検討中である。
II 規約の各条に関する逐条報告
規約の各条に関する報告については、第1回、第2回及び第3回報告で述べたとおりであるが、その後の変更点及び補足的説明は次のとおり。
第1条
アパルトヘイト政策
我が国は、これまで一貫してアパルトヘイトの撤廃を求めてきたが、南アフリカ共和国では1990年以降アパルトヘイトの完全撤廃に向けた国内改革が進展し、1994年4月に南アフリカの歴史上初めて黒人を含む全人種参加の下で総選挙が実施され、アパルトヘイト政策に終止符が打たれたことを歓迎するものである
南アフリカ共和国の国内改革の進展を踏まえ、我が国は1991年6月に人的交流規制の緩和、同年10月に経済規制措置の緩和を実施。更に1992年1月外交関係を再開し、1994年1月には残存経済規制を撤廃した。
我が国は、南アフリカ共和国が和解の精神と対話により平和的に新体制へ移行した成功例であり、また、その安定と発展はアフリカ全体の発展にとり重要であるとの観点から、責任ある国際社会の一員として同国に対する支援を強化することとし、1994年7月に2年間で総額13億ドル(政府開発援助3億ドル、日本輸出入銀行の融資5億ドル、貿易・海外投資保険のクレジットライン設定5億ドル)の対南ア支援策を発表した。右は現在執行中であるが、今後とも同国の国づくりを積極的に支援していく所存である。
第2条
外国人問題
(a) 在日韓国・朝鮮人
(i) 外国人登録法上の指紋押なつ
 外国人登録法による指紋押なつ制度は、人物の同一人性を確認する上で極めて確実な手段として 「在留外国人の居住関係及び身分関係を明確にする」という外国人登録制度の基本目的のために登録の正確性を維持するとともに登録証明書の不正使用や偽造を防止することとしたものであるが、「日本国に居住する大韓民国国民の法的地位及び待遇に関する日本国と大韓民国との間の協定」に基づく日本政府と韓国政府との間の協議の決着の際に両国の外務大臣が署名した覚書において、指紋押なつに代わる手段をできるだけ早期に開発し、これによって在日韓国人三世以下の子孫(同協定第2条で規定)はもとより、在日韓国人のー・二世についても指紋押なつを行わないこととする旨が盛り込まれた。
 以上のような経緯を踏まえ、指紋押なつに代わる手段を中心に制度改正について検討を進めてきた結果、日本社会において長年にわたり生活し、日本への定住性を深めた永住者(出入国管理及び難民認定法に規定する「永住者」の在留資格をもって在留する者)及び特別永住者(日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法に規定する「特別永住者」。いわゆる「在日韓国・朝鮮人」はこれに当たる。)については、鮮明な写真、署名及び一定の家族事項の登録という複合的手段をもって指紋押なつに代え得るとの結論に達したため、これらの外国人については指紋押なつを廃止し、上記手段によりこれに代えることを主な内容とする外国人登録法の一部改正が行われた。同改正法は、1992年6月1日に公布され、1993年1月8日から施行されている。
(ii) 外国人登録証明書の携帯義務
外国人は、日本国民とは異なり、日本国内に在留するためには、日本国政府の許可を必要とし、かつ在留できる期間及び在留活動について制限を受ける立場にある。外国人登録証明書の携帯制度は、そのような日本国民とは基本的に異なる地位にある外国人の身分関係及び居住関係を現場において即時に確認する手段を確保するために設けられているものであり、また、その実効性を担保するために、義務違反に対しては罰則(20万円以下の罰金)が定められている。ただし、同罰則規定により司法警察員から検察官に事件送致された人員は過去3年間(1992年から1994年まで)は、いずれも20人未満で推移しており、外国人の在留状況を考慮した常識的かつ弾力的な運用がなされている。
なお、外国人登録証明書の携帯制度の在り方も含めて、外国人登録制度の抜本的な見直しについて現在日本政府において検討が行われているところである。
(iii) 韓国・朝鮮人学校児童・生徒に対する各種定期乗車券の割引
 JR(旅客鉄道会社グループ、旧国有鉄道)の通学定期制度については、学校教育法の規定に基づく学校種別に従い、大学生に対する基本運賃を定めるとともに、小・中・高校生については、更に割引を行っていたが、教育法上の専修学校・各種学校については、JRが指定した学校の生徒について大学生と同額の運賃が適用されてきた。
 この適用に関し、将来的には、他の民間鉄道と同様の大人と小児の区分だけの通学定期制度に改めることを基本としているが、その時期が明確でないことから、これまでの要望を踏まえ、専修学校・各種学校について暫定的な措置を検討するようJRに対して要請を行った。
これを受け、1994年4月からは、専修学校・各種学校の小・中・高校生に相当するとJRが判断した課程の生徒等について、それぞれ小・中・高校生を対象とした通学定期運賃の割引適用が行われることとなり、その結果、各種学校としてJRが指定した韓国・朝鮮人学校の通学定期制度についても改善がなされたところである。
(iv) 朝鮮人学校児童・生徒に対する暴行事件に対する対応
1994年の春から夏にかけて、我が国において発生した、在日朝鮮人児童・生徒に対する嫌がらせや暴行事件等の事象に関し、法務省の人権擁護機関においては、在日朝鮮人児童・生徒が多数利用する通学路、利用交通機関等において、このような事件の防止を呼びかけるリーフレットの配布やポスターの掲示、外国人に対する差別や嫌がらせをなくすためのスローガンを掲げた街頭啓発活動を積極的に実施するとともに、これらの活動を通じて、在日朝鮮人児童・生徒に対し、嫌がらせ等を受けたときには、法務省の人権擁護機関に相談するよう呼びかけを行った。
法務省の人権擁護機関においては、このような事象の発生を根絶するために、在日外国人の人権尊重の意識を国民の間に根付かせ、差別や偏見をなくすための取組を展開することとしている。
(b) 外国人労働者(不法就労のケースを含む)
(i) 外国人労働者の受入れ
外国人労働者の受入れ問題については、第3回報告記載の政府の基本方針たる「第6次雇用対策基本計画」に従い、1989年に出入国管理及び難民認定法を改正して、専門的な技術、技能、知識等をもって我が国で就労しようとしている外国人については幅広く受け入れることができるように在留資格の整備を図った
また、その後の政府の基本方針として、1995年12月に閣議決定された「第8次雇用対策基本計画」においても示されているとおり、「我が国の経済社会の活性化や、国際化を図る観点から、専門的、技術的分野の労働者については可能な限り受け入れることとし、我が国経済、社会等の状況の変化に応じて在留資格に関する審査基準を見直す。
一方、いわゆる単純労働者の受入れについては、雇用機会が不足している高年齢者等への圧迫、労働市場における新たな二重構造の発生、景気変動に伴う失業問題の発生、新たな社会的費用の負担等我が国経済社会に広範な影響が懸念されるとともに、送り出し国や外国人労働者本人にとっての影響も極めて大きいと予想されることから、国民のコンセンサスを踏まえつつ、十分慎重に対応する。」としている。
(ii) 職業紹介体制等
職業安定法においては、職業紹介、職業指導等について国籍を理由とする差別的取扱いを受けないことが規定されている(同法第3条)ので、我が国で就労可能な外国人についても、日本人と同様に職業紹介等を行うこととしている。ただし、求人・求職の内容が法令に違反するときは、その申込みを受理しないこととしており(同法第16条、第17条)、入管法上不法就労に当たるような職業紹介は行っていない。
外国人労働者に対する職業紹介体制を強化するため、主要な公共職業安定所に1989年度から外国人労働者専門官を配置するとともに、1992年度から外国人雇用サービスコーナーを順次開設している。また、東京都に1993年度から外国人雇用サービスセンターを設置したところである。
事業主に対する取組みとしては、1993年度に策定された外国人労働者の雇用・労働条件に関する指針に基づき、外国人労働者の雇用管理の改善指導を進めている。
(iii) 警察による取締り
警察では、第3回報告記載の諸法令を適用して、ブローカー、暴力団関係者、悪質な事業主等を積極的に取り締まっている。また、関係行政機関との間で連絡会議を定期的に開催するなどして情報交換を行い、政府関係機関が密接に連携してその取締り等を行っている。他方、関係外国政府に対しても、情報を提供するなどして取締りを求めている。
なお、出入国管理及び難民認定法に関する補足説明は以下のとおり。
事業活動に関し外国人に不法就労活動をさせた者(第73条の2第1項第1号)、外国人に不法就労活動をさせるためにこれを自己の支配下に置いた者(同項第2号)、外国人に不法就労活動をさせる行為又は前号の行為に関しあっせんした者(同項第3号)は処罰される。
(iv) 我が国で単純労働に従事する意図を有する外国人
第3回報告で述べたとおり、我が国で単純労働に従事する意図を有する外国人については、原則として入国を認めていない。なお、既に入国し入管法に違反して不法に就労している者については、その人権に配慮しつつ、原則として国外に強制退去することとしている。
外国人不法就労者の問題については、国内の労働市場や賃金などの労働条件に影響を与えるなど、労働行政としても放置できない問題であり、政府としては、不法就労を防止するために、事業主に対する周知啓発、指導などを行っている。
しかし、不法就労者数は、依然として高い水準で推移しており、特にここ数年間は外国人女性の不法就労者が増加している。就労内容別では、建設作業員及び工員等の第二次産業の業種が徐々に低下し、他の産業に不法就労者が流れ込んでいるものと思われるとともに、その就労期間が以前は1年未満であったものが全体の半数以上を占めていたが、近年では1年を超えるものが全体の70%を超え、不法就労の拡散化及び長期化という新たな問題が顕在化しつつある。また、これら不法就労者の入国・就労に関して、暴力団関係者及びブローカーの存在が依然として認められている。
(v) 法務省の人権擁護機関が外国人の人権擁護のために講じている措置
法務省の人権擁護機関では、外国人の基本的人権を尊重し、外国人に対する差別をなくすため、積極的に啓発活動を展開している。啓発活動重点目標として、1988年度から1990年度にかけては「社会の国際化と人権」、1991年度から1993年度にかけては「国際化時代にふさわしい人権意識を育てよう」を定めたほか、毎年人権デーを最終日とする一週間(12月4日から12月10日まで)に実施している「人権週間」の強調事項の一つとして、1988年以来「国際化時代にふさわしい人権意識を育てよう」を掲げ、全国的にこの問題に関する啓発活動に取り組んでいる。
また、基本的人権の侵害が具体的に起こった場合には、人権相談及び人権侵犯事件の調査・処理を通じて在日外国人の人権の擁護を図るとともに、そのような事例の再発防止に努力している(人権相談及び人権侵犯事件の調査・処理の概要については、第Ⅰ部参照。)。
外国人に対する人権相談については、1988年にまず東京法務局に相談所を開設し、その後、大阪法務局、名古屋法務局、広島法務局、福岡法務局、高松法務局及び神戸地方法務局においても開設している。
(vi) 在留資格、外国人登録、家族の呼び寄せの手続きについて相談できる機関の概要
第3回報告で述べたとおり、1990年7月に東京入国管理局内に、外国人及びその在日関係者のために、外国語を解する専従の専門相談員が、土曜・日曜・祝祭日を除く毎日、面接又は電話による入国・在留に関する諸手続等にいての問い合わせに応じる「外国人在留総合インフォメーション・センター」を開設した。
同インフォメーション・センターは、現在東京入国管理局のほか、大阪入国管理局、名古屋入国管理局、福岡入国管理局及び東京入国管理局横浜支局にも開設している。
また、このようなインフォメーション・センターが開設されていない地方入国管理局・支局・出張所においても、相談窓口が設けられており、同様の案内を行っている。
(c) 社会保障
我が国の社会保障制度は、1981年に「難民の地位に関する条約」に加入したこともあり、我が国に適法に滞在する外国人については、基本的には内外人平等の原則に立って適用されることとしている。
(i) 公的医療保険、公的年金
 我が国において、一定の事業所で常用的雇用関係にある外国人については、我が国の国民同様、健康保険・厚生年金保険などの公的な職域医療保険・年金に加入することになる。また、それ以外の者であって我が国に住所を有すると認められる者については、国民健康保険・国民年金の適用対象となる。
(ii) 生活保護
生活保護は、生活に困窮する日本国民に対し、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長する制度である。但し、永住者等については予算措置として法を準用し、日本国民と同様の要件の下で同様の給付が行われている。

 

匿名希望
樺太残留韓国人問題について
戦時中、戦争協力のため樺太(現サハリン)へ強制的に連行され、炭鉱等で労働に従事させられていた多数の朝鮮人が戦後その故郷である南朝鮮や親兄弟のいる日本への帰還を熱望しながら、今日なお、その希望がかなえられずにいる事実は、我々日本人に重い自責の念を感じさせずにおかないものがある。
日本弁護士連合会は、樺太帰還韓国人会の申立をうけ、数次にわたる調査の結果を報告書にまとめ、これに基づき、日本政府・関係各国・各国赤十字社・国連等に対して、これら帰還希望者の帰還が1日も早く実現するよう、日本政府の努力と関係各国等の協力を要請することにした。
園田外務大臣は、1978年3月の衆議院内閣委員会において、「人道的、さらに法律的以上の道義的責任、政治責任があって、政府はあらゆる努力をして、こういう方々の御希望に沿うようにしなければならぬと考えております」と発言しているが、調査の結果によれば、戦争終結以後、日本の外務省・法務省・厚生省がこれら帰還希望者の帰還業務について実際にとった措置は、右の外相発言とは程遠い、極めて冷たいものであったことが指摘できる。また、その状況は今日においても変化をみせていないものといえる。
一例をあげれば、ソ連邦当局は、1962年の末頃から1976年の半ば頃までは、南朝鮮地方(現韓国)出身の帰還希望者の帰還申請に対し「日本政府が入国を許可すれば出国を許可する」との態度を示してきたのであるが、日本政府は、入国を拒否しつづけてきたのであり、1975年7月に帰還希望者から「樺太残留者帰還請求訴訟」が提起されるとの新聞報道がなされた翌8月に至って、漸く、外務省は、帰還希望者に対し入国申請を受理するための手続を開始したのである。しかし、不幸にも、日本政府が実際に入国許可の書類の発給を始めてから約3ヶ月後の1976年7月頃からソ連政府は出国許可を与えなくなった。もし、日本政府がこれら帰還希望者に対し、早い時期に入国許可の措置をとっていたならば、今日の未帰還者の悲劇は避けえたものと思われる。
わが国は、先年国際人権規約を批准し、更に本年は難民条約をも批准して、「人権後進国」との国際的批判に応える姿勢を示そうとしているが、日本弁護士連合会は、政府が、わが国の責任に起因する「難民」ともいうべき樺太残留の朝鮮民族の人々をその故郷に帰すことなくしては、1910年の日韓併合以来の日本民族による朝鮮民族に対する支配の歴史は終らないことに深く思いを致し、政府及び関係各省が帰還実現についてソ連邦等関係国の理解と協力をえるための適切な措置を直ちにとるよう強く要望するとともに、ソ連邦等関係国に対しては、この問題が、日本にとって、朝鮮民族のため原状回復をなすべき戦後処理の義務の履行を意味するものであることを理解し、また故郷に帰って愛する肉親のもとで生涯を終えることを望んでやまない帰還希望者たちの切なる願いに深い同情を寄せて、帰還実現への好意ある配慮をなされんことを心から希望する次第である。
1981年(昭和56年)10月7日
日本弁護士連合会
会長 宮田光秀

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2175 諸悪の根源マンセー日弁連37

匿名希望
日本政府の市民的及び政治的権利に関する国際規約第40条1(b)に基づく第3回報告
第一部 一般的コメント
1.憲法における基本的人権尊重の考え方
2.人権保障と統治機構
3.「市民的及び政治的権利に関する国際規約」の実施振り
4.「市民的及び政治的権利に関する国際規約」と国内法規との関係
5.人権侵害の場合の救済措置としての刑事訴訟手続の概要
第二部 規約の各条に対する逐条報告
第2条
1.「個人の尊厳」を重視する憲法は、第14条第1項において、「すべて国民は、……人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、……差別されない」と規定し、法の下の平等を保障している。
2.「法の下の平等」は、立法府、行政府及び司法府のいずれをも拘束する原則であるが、それは、「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」の一部としても、立法その他国政の上で最大の尊重を必要とする(憲法第13条)と解され、また、公務員等に対し憲法擁護義務を課す(同第99条)等によっても、最大限の配慮が施されている。
3.外国人の地位、権利
外国人の権利については、基本的人権尊重及び国際協調主義を基本理念とする憲法の精神に照らし、参政権等性質上日本国民のみを対象としている権利を除き、基本的人権の享有は保障され、内国民待遇は確保されている。
4.近年、我が国において外国人の人権との関係で問題とされる主要な事案は以下のとおりである。
(a) 在日韓国・朝鮮人
(1) 指紋押なつ、外国人登録証携帯義務、永住許可、再入国許可、退去強制
(i) これらの問題及び地方公務員への採用、国公立学校教員への採用、教育等の問題については、1991年1月、海部総理が韓国を訪問した際、在日韓国人の有する歴史的経緯及び定住性を考慮し、在日韓国人が日本においてより安定した生活を営むことができるようにすることが重要であるという認識に立ち、また、在日韓国人の法的地位協定第2条に基づき1988年12月以来日韓両政府間で行われてきた「在日韓国人三世以下の子孫」の日本における居住についての協議(三世協議)の結果を踏まえ、政府としての対処方針を盛り込んだ「覚書」が日韓両国外相間でまとめられ、これにより、右協議は決着を見た。
(ii) 外国人登録法による指紋押なつ制度は、人物の同一性を確認する上で極めて確実な手段として「在留外国人の居住関係及び身分関係を明確にする」という外国人登録制度の基本目的のために登録の正確性を維持するとともに登録証明書の不正使用や偽造を防止することとしたものであるが、日本政府は次のとおり改めることが上記「覚書」に盛り込まれている。
○指紋押なつについては、指紋押なつに代わる手段を出来る限り早期に開発し、これによって在日韓国人三世以下の子孫は(1965年在日韓国人の法的地位協定第2条で規定)もとより、在日韓国人一・二世についても指紋押なつを行わないこととする。
○このため、今後2年以内に指紋押なつに代わる措置を実施することができるよう所要の改正法案を次期通常国会(92年1月開会見込み)に提出することに最大限努力する。
○指紋押捺に代わる手段については、写真、署名及び外国人登録に家族関係事項を加味することを中心に検討する。
(iii) 外国人登録証携帯制度は、外国人の居住関係及び身分関係を現場において即時に確認する手段を確保するために採用されている。しかし、本制度についても運用の在り方も含め適切な解決策について引き続き検討することとした。
(iv) 永住許可については、これまで日本国と大韓民国との間の協定の実施に伴う出入国管理特別法(以下「日韓特別法」という)に基づく協定永住者及び出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」という)に基づく特例永住者の許可があるが、さらに入管法の特別法を定めこれらの永住者に特別永住者の資格を付与するとともに、今後出生する在日韓国、朝鮮人等に特別永住者の資格を簡素化した手続きで羈束(きそく)的に(申請があれば裁量の余地なく)許可することとした(同特別法は1991年5月成立)。なお、右特別永住者には、サンフランシスコ平和条約の発効により日本国籍を離脱した者及びその子孫(在日韓国人、朝鮮人及び台湾人)が含まれている。
(v) 再入国許可については、上述の特別永住者は一般外国人より有利に取扱われ、再入国許可の有効期間4年以内(入管法では1年以内)、再入国許可発効後1年以内に在外での延長を認め、再入国許可による出国期間を最大限5年(入管法では2年)とした。
(vi) 退去強制事由は、特別永住者の場合は、内乱、外患又は国交に関する罪により禁錮以上の刑に処せられた者、外国の元首等に対する犯罪行為により禁錮以上の刑に処せられた者でその犯罪行為により日本国の外交上の重大な利益を害したもの及び無期又は7年を超える懲役又は禁錮に処せられた者でその犯罪行為により日本国の重大な利益を害したものに限定するよう改めた(一般外国人の場合は、入管法に基づき、1年を超える懲役・禁錮に処せられた者等が対象とされている)。
(2) 公務員への採用
外国人の公務員への採用については、公権力の行使又は公の意思の形成への参画に携わる公務員となるためには日本国籍を必要とするが、それ以外の公務員となるためには必ずしも日本国籍を必要としないものと解されている。
在日韓国・朝鮮人の公務員への採用についても、この範囲内で行われている。
(地方公務員への採用)
(i) 1991年1月の上記「覚書」においては、上記の公務員任用と国籍に関する見解を前提としつつ、採用機会の拡大が図られるよう地方公共団体を指導していく旨述べられている。
(ii) また、政府は、従来より公権力の行使又は公の意思形成への参画に携わる地方公務員であるかどうか及びこのような地方公務員以外の地方公務員に日本国籍を有しない者を採用するかどうかについては、それぞれの地方公共団体の実情に応じ、当該地方公共団体において判断されるべきものとの立場である。
(3) 公立学校教員への採用、公私立学校への就学、育英奨学金、韓国・朝鮮人学校の取扱い、課外における韓国・朝鮮語、韓国・朝鮮文化等の学習
(i) 公立学校教員への採用については、いわゆる「日韓三世協議」の決着内容(上述「覚書」)を踏まえ、1991年3月22日、各都道府県・指定都市教育委員会に対し通知を発出し、在日韓国人など日本国籍を有しない者についても教員採用への途を開き、日本人と同じ一般の教員採用試験の受験を認め、試験に合格した者については、任用の期限を付さない常勤講師として採用し、身分の安定を図るとともに待遇についても配慮するよう指導した。
(ii) 我が国の学校への就学については、在日韓国人などが我が国の学校教育を希望する場合には、義務教育の段階では入学を許可し、高等学校、大学の入学については、我が国又は外国における正規の学校の一定の年数の課程の修了を要件として入学資格を与える。この扱いは日本人と同一である。受け入れた後の取扱いについても、授業料の不徴収、教科書の無償給与、上級学校への入学資格の付与等の利益が与えられるか否かは日本人と同様に取り扱っている。また、育英奨学金についても、我が国への永住許可を受けている 在日韓国・朝鮮人等の在日外国人子弟については、日本人の場合と同様に取り扱っている。なお、公立の義務教育諸学校への入学については、日韓三世協議の決着内容を踏まえ、1991年1月30日、各都道府県教育委員会に対し通知を発出し、市町村の教育委員会において、就学予定者に相当する年齢の在日韓国人の保護者に対し、入学に関する事項を記載した就学案内を発給すること、また、在日韓国人以外の日本国に居住する日本国籍を有しない者についてもこれに準じた取扱いをするよう指導した。
(iii) また、日韓三世協議における決着内容を踏まえ、現在、地方自治体の判断により学校の課外で行われている韓国語、韓国文化等の学習が今後も支障なく行われるよう日本国政府として配慮することとし、1991年1月30日、都道府県教育委員会に対し通知を発出し、指導を行った。
(iv) このほか、社会教育においても、公民館等の社会教育施設などにおける青少年、成人、婦人等を対象とした学級・講座等の中で、地域の実情に応じて韓国・朝鮮語、韓国・朝鮮文化等の国際理解に関する多様な学習活動が行われている。
(v) 在日韓国・朝鮮人が我が国の学校教育を希望しない場合、韓国・朝鮮人学校に通学することも可能である。韓国・朝鮮人学校については、そのほとんどが各種学校として都道府県知事の認可を受けているところであり、その自主性は尊重されている。なお、韓国・朝鮮人学校に限らず、各種学校の卒業者に対しては、一般的には、中学校又は高等学校卒業者と同等以上の学力があると認定することは困難であることから、高等学校、大学への入学資格は与えられていない。

 

匿名希望
最高裁判所「下級裁判所裁判官指名諮問委員会規則」制定に関する会長声明
最高裁判所は、本日、「下級裁判所裁判官指名諮問委員会規則」を制定し、裁判官の任命過程に国民の意思を反映させるために、最高裁判所に下級裁判所裁判官指名諮問委員会を設置することを正式に決定した。
今後、最高裁判所は、裁判官の指名を行う前に、すべての任官希望者についてこの指名諮問委員会に諮ることとなり、委員会は、自ら任官希望者についての資料情報を収集した上で、その適否についての意見を最高裁判所に対して述べることとなる。最高裁判所がこの意見と異なる措置をとった場合にはその理由を委員会に説明しなければならないことなどにより、委員会の意見を事実上尊重する仕組みが取られている。
これまで、裁判官の指名過程は、最高裁判所の完全な裁量のもとに密室で行われ、再任拒否や新任拒否が行われて来たが、その多くが思想信条や団体加入を理由とする不当な差別的処分ではないかとの批判を招いてきた。また、指名過程の不透明さのゆえに、このような任官拒否が裁判官や司法修習生を萎縮させ、裁判の独立を危うくさせていると指摘されてきた。
このような経過に照らせば、委員の過半数を法曹以外の学識経験者が占める指名諮問委員会が設置され、さらに全国8カ所にその地域委員会が設置されて、裁判官の指名過程の透明化が確保され、国民の意思が反映される仕組みが創設されるに至ったことは、わが国の司法が国民の身近な存在となり、国民の司法に対する信頼を回復するうえで、きわめて重要な意義を有するものである。
当連合会は、今後、この指名諮問委員会が、その期待される歴史的役割を実質的に果たし得るよう、運営その他に関して力を尽くすとともに、最高裁判所が、幅広く、公正に委員を選任し、委員会の適正な運営を確保するように求めるものである。
2003年(平成15年)2月12日
日本弁護士連合会
会長 本林 徹

 

匿名希望
朝鮮高級学校の高体連加盟問題に関する人権救済申立事件(勧告・要望)
文部大臣宛勧告
1992年10月28日
各朝鮮高級学校の都道府県高等学校体育連盟への加盟及び同学校の全国高等学校体育連名主催の各種競技大会への参加を認めないことは同校の生徒らに多大な精神的苦痛を与えるとして、文部省に対して、全国高等学校体育連盟に対して同措置を取るべきことを指導するよう勧告し、全国高等学校体育連盟に対して、都道府県高等学校体育連盟への加盟と同連盟主催の競技大会への参加を認める措置をとるべきことを要望した事例。
匿名希望
朝鮮学校等の資格・助成問題人権救済申立事件(勧告)
内閣総理大臣・文部大臣宛勧告、衆参両院議長・各政党代表者・各国立大学・各公立大学・国立大学協会・公立大学協会・日本私立大学協会・日本私立大学連盟・日本私立大大学振興協会宛要望
1998年2月20日
朝鮮各級学校をはじめとしたいわゆるインターナショナルスクールなど、日本に在住する外国人の自国語ないし自己の国及び民族の文化を保持しながら教育活動を行う機関について、学校教育法が定める教育機関としての資格を認めず、また、私学助成制度の上でも不平等な取扱を受けていることにつき、児童生徒等に対する人権侵害を認めるとともに、子どもの権利条約などの関係条約違反の状態が続いているとして、政府に対し、その是正を求めるよう勧告するとともに、関係機関に対し要望した事例。

 

匿名希望
臨時総会・平賀・福島裁判官に対する訴追委員会決定に関する決議
1960年代の次の項目へ
(決議)
裁判官訴追委員会が昭和45年10月19日、平賀・福島両裁判官に対してなした決定は裁判官の独立の理念に照して事案の本質をあやまった不当なものである。また、同委員会が青年法律家協会会員であることなどを理由とする訴追請求に関し、裁判官213名に対して発した照会状は、裁判官の思想、良心の自由ひいては司法権の独立をあやうくするおそれがあり、同委員会はすみやかに右照会を白紙にもどすべきである。
札幌高等裁判所が昭和45年10月28日福島裁判官に対してなした司法行政上の注意処分及びこれを支持する最高裁判所の態度は、訴追委員会の不当な決定に追随して自ら司法権の独立を放棄したものとの印象を与え、国民の裁判所に対する信頼をあやうくするものであって、誠に遺憾である。よって裁判所は司法権の独立を保持するためすみやかにその姿勢を正すべきである。
右決議する。
1970年(昭和45年)12月19日
臨時総会

匿名希望
弁護士からの検察官採用について
本日、伊藤 薫(第二東京弁護士会)、新谷 勝(東京弁護士会)両君の検察官採用が明らかにされた。
弁護士からの検察官任官制度は昨年来日弁連が法務省と協力して進めてきたことで、今回その実現を見たことは法曹一元の理念の上からいっても喜ばしいことである。
この上は両君が弁護士として刑事事件を扱った体験を十二分に生かして適正な検察権行使のため尽されることを期待している。
1992年(平成4年)6月29日
日本弁護士連合会
会長 阿部三郎
摸摸具和
どの時代から変質したのでしょうか?
Wikipediaより、
「日本弁護士連合会の歴代会長
1940年代
有馬忠三郎 (1949-50)
1950年代
奥山八郎 (1951) 長野国助 (1952) 岩田宙造 (1953) 塚崎直義 (1954) 大西耕三 (1955)海野普吉 (1956) 水野東太郎 (1957) 島田武夫 (1958) 吉川大二郎 (1959)
1960年代
岡弁良 (1960) 山崎佐 (1961) 林逸郎 (1962) 円山田作 (1963) 大月伸 (1964) 高橋義次 (1965) 中松澗之助 (1966) 大山菊治 (1967) 萩山虎雄 (1968) 阿部甚吉 (1969)
1970年代
成富信夫 (1970) 渡部喜十郎 (1971) 今井忠男 (1972) 和島岩吉 (1973) 堂野達也 (1974) 辻誠 (1975) 柏木博 (1976) 宮田光秀 (1977) 北尻得五郎 (1978) 江尻平八郎 (1979)
1980年代
谷川八郎 (1980-81) 宮田光秀 (1981) 山本忠義 (1982-83) 石井成一 (1984-85) 北山六郎 (1986-87) 藤井英男 (1988-89)
1990年代
中坊公平 (1990-91) 阿部三郎 (1992-93) 土屋公献 (1994-95) 鬼追明夫 (1996-97) 小堀樹 (1998-99)
2000年代
久保井一匡 (2000-01) 本林徹 (2002-03) 梶谷剛 (2004-05) 平山正剛 (2006-07) 宮崎誠(2008-09)
2010年代
宇都宮健児 (2010-11) 山岸憲司 (2012-13) 村越進 (2014-15) 中本和洋 (2016-17)」

.....ざっと発出メッセージを見た限りでは1990年代から様変わりしているようだな。
メッセージの内容等検討してから判断することになるが、余命が国際テロリストの判定をすることになるなんて夢にも思わなかったよ。しかしまあ、過去の弁護士会のメッセージを並べてみると、戦後の蛮行体質が抜けていないね。体質は共産党そのものだ。これらの吐き気がするような会長声明が今後、どう影響するかだな。
 少なくとも、現行日弁連会長中本和洋は憲法第89条違反とした懲戒事由は無視、弁護士法も無視して懲戒請求は不受理、傘下弁護士の懲戒請求者への恐喝は容認のようだから、白兵戦もあるな。これも安倍シナリオだから策士安倍は怖いねえ...。

2174 諸悪の根源マンセー日弁連36

匿名希望
大阪府警察本部
本部長 舟本 馨 殿
警告書
日弁連総第9号 2010年(平成22年)4月22日
当連合会は,K外39名及び準学校法人S朝鮮学園の申立てに係る人権救済申立事件(2007年度第12号人権救済申立事件)につき,貴本部に対し,以下のとおり警告をする。

第1 警告の趣旨
貴本部は,2007年(平成19年)1月28日,被疑者A,同Bに対する電磁的公正証書原本不実記録・同供用被疑事件に関し,民族教育を行う教育機関である準学校法人S朝鮮学園を捜索場所として大規模な捜索・差押を行い,9件1 3点の押収を行った。
 しかしながら,この捜索差押は,教育機関である初中級学校を対象とする第三者方捜索であるにもかかわらず,被疑事実との関連性は必ずしも明白ではなく,差押の必要性を欠き,第三者方捜索の特別の要件も充たしていない違法なものであり,実際の押収物も証拠請求すらされない,被疑事実と無関係の物であった。
 この捜索差押が行われた背景には,朝鮮民主主義人民共和国政府に圧力をかける という政治的目的の存在が疑われるといわざるを得ない。
このような違法な捜索差押の実施は,憲法35条,同13条,同14条,国際人権(自由権)規約17条1項,子どもの権利条約30条及び人種差別撤廃条約 2条1項(a)等に抵触する重大な人権侵犯行為であったことから,当連合会は,貴本部に対し,今後違憲・違法の捜索・差押を実施して基本的人権を侵害することのないよう,強く警告するものである。
第2 警告の理由 別紙「調査報告書」記載のとおり
日本弁護士連合会
会長 宇都宮 健 児
.....これを見ると日弁連の背景は北朝鮮なんだね。

 

匿名希望
文部科学大臣 平 野 博 文 殿
勧告書
日弁連総第170号 2012年(平成24年)3月6日
日本弁護士連合会
会長 宇都宮 健 児
当連合会は,X氏申立てに係る外国籍教諭の役職任用撤回に関する人権救済申立事件(2008年第35号及び同年第37号)につき,貴省に対し,以下のとおり勧告する。
第 1 勧告の趣旨 文部科学大臣は1991年3月22日付の文部省教育助成局長通知(以下
「本件通知」という。)により,各都道府県に対して,在日韓国人など日本国籍を有しない者について教員採用選考試験受験を認めるべく適切に対処すべき旨を通知したが,その身分は「公務員における当然の法理」に基づき,通常の日本人教員に適用される「教諭」ではなく,「任用の期限を附さない常勤講師」とすべきものとされた。その結果,在日韓国人等が公立小中学校,高等学校の教員となる道が広く開かれたが,他方,多くの自治体においてこれらの者の身分は「常勤講師」とされ,校長,教頭,学年主任,教務主任等 の管理職者となる道が閉ざされている。
上記通知に基づく取扱いは,憲法14条に反する在日韓国人等の外国籍の 公立小中学校,高等学校の教員に対する不合理な差別的取扱いであり,また, 公立小中学校,高等学校の教員になろうとする在日韓国人等の外国籍者の憲 法22条が保障する職業選択の自由を侵害するものである。
よって,当連合会は,文部科学大臣に対して,以下の対応を求める。 1 本件通知中の,在日韓国人など日本国籍を有しない者については,通 常の日本人教員に適用される「教諭」ではなく,「任用の期限を附さない常勤講師」とすべきとする部分を取り消すこと。
2 以下を内容とする通知を各都道府県及び指定市町村に対して発すること。
(1) 新たに任用する教員については,外国籍者であっても「教諭」として任用し,現在「期限の定めのない常勤講師」として任用されている外国籍教員については「教諭」とすべきこと。
(2) 外国籍教員でも校長を含む管理職に登用することに支障はないこと。
(3) 適性のある者であって,これまで外国籍故に管理職に昇進することが認められていなかった者については,管理職者に昇進すべきこと。
第2 勧告の理由 別紙「調査報告書」記載のとおり
以上
.....これはさすがに日本人なら怒るだろう。宇都宮君はアウトだね。

 

日弁連総第170号 2012年(平成24年)3月6日
神戸市教育委員会
委員長 山 口 芳 弘 殿
当連合会は,X氏申立てに係る外国籍教諭の役職任用撤回に関する人権救済 申立事件(2008年第35号及び同年第37号)につき,貴委員会に対し,以下のとおり勧告する。
第1 勧告の趣旨 貴委員会は,2007年4月2日,当時の神戸市立甲中学校の校長からの問合せに対して,
(1)「1991年3月22日付の文部省教育助成局長通知(以下「本件通
 知」という。)にあるように常勤講師は主任にあてることはできない。」,
(2) 「主任不在時に主任の代行をすることがあれば,副主任が校長の行う校務の運営に参画することになるから,副主任はできない。」という見解を伝え,その結果,同校長は,申立人に対する副主任の任命を撤回したものである。
しかしながら,本件通知に基づく取扱いは,憲法14条に反する在日韓国 人等の外国籍の公立小中学校及び高等学校の教員に対する不合理な差別的取扱いであり,また,公立小中学校及び高等学校の教員になろうとする在日韓国人等の外国籍者の憲法22条で保障された職業選択の自由を侵害するものである。
 貴委員会は,本件通知を無批判に受け入れて,これに沿った見解を同校長に伝え,よって申立人に対し,合理的な理由なく副主任の任命を取り消されるという差別的取扱いを生じさせたものであるから,貴委員会の対応は人権侵害に該当する。
よって当連合会は,貴委員会に対して,以下の対応を求める。
1 本件通知の存在に関わらず,市立小中学校の教員については,在日韓国 人など日本国籍を有しない者についても「教諭」として採用し,既に「常勤講師」として採用されている者については「教諭」に切り替え,さらに 適性のある者については校長,教頭,学年主任,教務主任等の管理職者と して採用されるよう兵庫県教育委員会に内申すること。
2 本件通知の存在に関わらず,市立高等学校の教員については,在日韓国 人など日本国籍を有しない者についても「教諭」として採用し,既に「常 勤講師」として採用されている者については「教諭」に切り替え,さらに 適性のある者については校長,教頭,学年主任,教務主任等の管理職者と して採用すること。
第2 勧告の理由 別紙「調査報告書」記載のとおり
以上

 

匿名希望
日本弁護士連合会と大韓弁護士協会の共同宣言
日本弁護士連合会(日弁連)と大韓弁護士協会(大韓弁協)は,2010年6月 21日にソウルで開催された共同シンポジウムにおいて,日本国による植民地支配下での韓国民に対する人権侵害,特にアジア太平洋戦争時の人権侵害による被害が,日韓両国政府によって十分に回復されないまま放置されていることに対し,両弁護士会が協働してその被害回復に取り組むことの重要性を確認した。
日弁連と大韓弁協は,現実的課題として,先ず日本軍「慰安婦」問題に対する立 法化とその実現に向けた取組が必要であるとの認識を共有化するとともに,196 5年日韓請求権協定において未解決とされている強制動員による被害を含む諸課題 について,法的問題と解決策を検討することとした。
日弁連と大韓弁協は,上記のシンポジウムとその後の検討及び本日東京で開催された共同シンポジウムの成果を踏まえ,アジア太平洋戦争時の韓国民に対する人権侵害による被害の回復を求めて,以下のとおり宣言する。
1 われわれは,韓国併合条約締結から100年を経たにもかかわらず,日韓両国 及び両国民が,韓国併合の過程や韓国併合条約の効力についての認識を共有して いない状況の下で,過去の歴史的事実の認識の共有に向けた努力を通じて,日韓 両国及び両国民の相互理解と相互信頼が深まることが,未来に向けて良好な日韓 関係を築くための礎であることを確認する。
2 われわれは,日本軍「慰安婦」問題の解決のための立法が,日本政府及び国会 により速やかになされるべきであることを確認する。
この立法には,日本軍が直接的あるいは間接的な関与のもとに設置運営した「慰 安所」等における女性に対する組織的かつ継続的な性的行為の強制が,当時の国 際法・国内法に違反する重大な人権侵害であり,女性に対する名誉と尊厳を深く 傷つけるものであったことを日本国が認め,被害者に対して謝罪し,その責任を 明らかにし,被害者の名誉と尊厳回復のための金銭の補償を含む措置を取ること,その事業実施にあたっては,内閣総理大臣及び関係閣僚を含む実施委員会を設置し,被害者及び被害者を代理する者の意見を聴取することなどが含まれなければならない。
また,日本政府は,日本軍「慰安婦」問題を歴史的教訓とするために,徹底した真相究明と,教育・広報のための方策を採用しなければならない。
日弁連と大韓弁協は,これらの内容を,「日本軍『慰安婦』問題の最終的解決に関する提言」としてまとめ,共同して公表することとした。
3 われわれは,1965年の日韓請求権協定の完全最終解決条項の内容と範囲に関する両国政府の一貫性がない解釈・対応が,被害者らへの正当な権利救済を妨げ,被害者の不信感を助長してきたことを確認する。 このような事態を解消するために,日韓基本条約等の締結過程に関する関係文書を完全に公開して認識を共有し,実現可能な解決案の策定をめざすべきであり, 韓国政府と同様に,日本政府も自発的に関係文書を全面的に公開すべきことが重 要であるという認識に達した。
4 韓国においては,強制動員による被害の救済のために,強制動員被害の真相糾明及び支援のための法律が制定されたが,日本政府においても真相究明と謝罪と 賠償を目的とした措置をとるべきである。
さらにわれわれは,2007年4月27日に日本の最高裁判所が,強制動員に 関わった企業及びその関係者に対し,強制動員の被害者らに対する自発的な補償 のための努力を促したことに留意しつつ,既に自発的な努力を行っている企業を 評価するともに,他の企業に対しても同様の努力を行うよう訴える。
この際,想起されるべきは,ドイツにおいて,同様の強制労働被害に関し,ドイツ政府とドイツ企業が共同で「記憶・責任・未来」基金を設立し,被害者の被害回復を図ったことである。韓国では,真相究明委員会が被害者からの被害申告 を受け被害事実を審査していることから,同委員会とも連携し,日韓両国政府の 共同作業により強制動員被害者の被害回復を進めることも検討すべきである。
5 われわれは,戦没者・戦傷者に対する援護制度及び国民年金制度の対象から在日韓国人高齢者を除外している問題や,供託金や郵便貯金の返還問題,在日韓国人の法的地位・権利,韓国人軍人軍属や強制動員による被害者の遺骨の発掘・収 集・返還,韓国文化財の返還等,植民地支配や強制動員に由来する問題が他にも残存しているところ,その解決のために協働することが重要であることを確認する。
日弁連と大韓弁協は,被害者らの被害回復が,日本と韓国の未来のために必ず解決されなければならない課題であり,解決のための日韓相互の努力自体が未来指向的な作業であることをあらためて確認するとともに,今後,既に指摘されている個別的争点を調査・検討するための共同の委員会を設立するなど,持続的な調査研究及び交流を通して,被害者らの被害が回復されるその日まで協働することを宣言する。
2010年12月11日
日本弁護士連合会
会長 宇都宮 健 児
大韓弁護士協会 会長金 平祐
.....なんてことはない。慰安婦その他賠償請求は全部、韓国と一緒に日弁連がやっているということだ。 「諸悪の根源マンセー日弁連」がそろそろわかってきたかな。

 

匿名希望
警察庁 D N A 型データベース・システムに関する意見書
2007(平成 19)年 12 月 21 日
日本弁護士連合会
意見の趣旨
現在警察庁が運用する DNA 型情報データベース・システムは, プライバシー権ないし自己情報コントロール権を侵害することがないよう,規則ではなく法律によって, 構築・運用されなければならない。
よって, 国家公安委員会規則第15号は廃止されるべきである。 法律を制定するに当たっては, DNA 型情報が「個人の究極のプライバシー」である ことに鑑み, 以下のとおり,採取,登録対象, 保管, 利用, 抹消, 品質保証, 監督・救済機関について定めるべきである。 (1) 採取
1 DNA 型情報は具体的な事件捜査の必要性がある場合に限り採取できるものとすべきであり,具体的な事件捜査の必要性と関係なくデータベースに登録するために DNA 型情報を採取することは許されないものとすること。
2 被疑者からの DNA 型情報の採取は原則として令状によるべきであり,例外的 に任意の採取を行う場合は,書面により,採取の意味,利用方法などの説明を十分に行うべきこと。
(2) 登録対象
1 登録する DNA 型情報は現行の遺留 DNA 型情報, 変死者 DNA 型情報及び被疑者 DNA 型情報に限り, かつ, 遺伝子情報を含むものであってはならないとすること。
2 登録する被疑者 DNA 型情報は, 強盗・殺人などの生命・身体に対する重大な犯罪・性犯罪などの一定の犯罪類型に限るべきこと。
3 被疑者から任意に採取した DNA 型情報をデータベースに登録する場合は, あらためて書面による同意が必要であるとすること。
4 被疑者が少年の場合は, 原則として登録対象から除外するものとすること。
(3) 保管
1 不正アクセス, 情報漏洩を防止するため, 情報管理者を明確に定め, かつ, その権限と責任を明示すること。
2 データベースにアクセスできる主体を限定すること。
3 データベースの不正利用に対する罰則を定めること。
4 データの保管期間を限定すること。
(4) 利用
1 利用目的を具体的な捜査に限定し, 目的外使用を禁止すること。
2 無罪を立証する場合や再審請求を行っている場合において、冤罪を解明するた
めの利用を許し, その利用は目的外利用ではないとすること。
3 他の行政機関の情報とのマッチングを禁止すること。
(5) 抹消
1 無罪・公訴棄却・免訴の裁判が確定した場合, 嫌疑なし・嫌疑不十分により不起訴となった場合, 違法収集証拠と認定された場合,登録対象者の保管期間内の死亡の場合には,抹消を義務づけること。
2 誤ってデータベースに登録されている者について, その抹消等を求める権利があることを明らかにすること。
(6) 品質保証
DNA 型情報の基礎となった DNA 型鑑定の品質保証(信頼度ないし精度)を確 保する方策を定めること。
(7) 監督・救済機関
DNA 型検査の方法, 品質保証などを含むデータベース・システムの構築・運用の状況を監督するとともに,人格権・プライバシー権侵害の有無を調査し, 救済するための第三者機関を設置すること。

2173 諸悪の根源マンセー日弁連35

もう余命の処理と読者投稿のバトルである。
弁護士会会長声明は国際テロリストとしての指定が高そうなので、外患誘致罪→死刑、便衣兵処理まで考えてあぶり出しを急いでいる。今日中には終わる。そのあとはその関係の論客投稿の処理ということになる。通常に戻るには数日かかるだろう。

 

匿名希望
人種等を理由とする差別の撤廃に向けた速やかな施策を求める意見書
2015年(平成27年)5月7日 日本弁護士連合会
第1 意見の趣旨 当連合会は,あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約(以下「人種差別撤廃条約」という。)の理念に基づき,次のとおり,人種等(人種,皮膚の色,世系,民族的若しくは種族的出身,国籍)を理由とする差別(以下「人種的差別」 という。)の撤廃に向けた速やかな施策を行うことを求める。
1 国に対し,人種的差別を理由とする入店・入居拒否等の差別的取扱いや,人種的憎悪や人種的差別を扇動又は助長する言動(以下「ヘイトスピーチ」という。)等の人種的差別に関する実態調査を行うことを求める。
2 国に対し,人種的差別禁止の理念並びに国及び地方自治体が人種的差別撤廃 に向けた施策を実施するに当たっての基本的枠組みを定める法律(以下「基本 法」という。)の制定を求める。また,この基本法では,以下の内容を定める
べきである。 (1) 目的
憲法13条及び憲法14条とともに,人種差別撤廃条約の理念を実現する ことを目的とするものであること。
(2) 人種的差別の定義 包括的な人種的差別の定義として,人種,皮膚の色,世系,民族的若しくは種族的出身,国籍に基づく差別を含めること。 (3) 不当な差別行為等の禁止
あらゆる日常生活又は社会生活における個々人に対する不当な差別的取扱いとともに,ヘイトスピーチを公然と行うことが許されないこと。
(4) 基本方針の策定 国及び地方自治体が人種的差別の撤廃に向けた施策を遂行するための指針
となる基本方針を策定すること及び人種的差別に関する実態を踏まえ,これを定期的に見直すこと。
(5) 国及び地方自治体の行うべき施策
国及び地方自治体が,人種的差別を受けた者に対する効果的な保護及び救 済,寛容及び相互の理解を促進するための啓発活動を含む人種的差別撤廃に向けたあらゆる施策を総合的かつ一体的に実施する責務を負うこと。
(6) 人権教育の実施
国及び地方自治体が,人種的差別及びその原因を解消するため,人権教育を充実させる責務を負うこと。
(7) 人種的差別の撤廃に向けた政策の提言等を行う機関の設置 人種的差別の実態に関する調査を行い関係行政機関に対して意見を述べる とともに,国及び地方自治体が人種的差別の撤廃に向けた施策を遂行するための指針となる基本方針の案を提示し,差別を受けた者に対する効果的な保 護及び救済を確保するための政策を提言する,一定の独立性を有する機関を 設置すること及びこの機関の委員の構成が,人種的差別を受けた者の意見を 適切に反映し,差別の実情を踏まえた審議ができるよう構成されなければならないこと。
3 国に対し,人種的差別を防止し差別による被害から救済するための制度的枠組みを充実させるべく,政府から独立した国内人権機関を早急に設置し,個人 通報制度の利用を可能とするための措置を講ずることを求める。
8 おわりに―日弁連として― 既に述べてきたように,日本においては,在日コリアン等の民族的少数者に向けられた言動を始めとする激しい人種的差別が,これまで繰り返し行われて きた。近時ヘイトスピーチとして問題となっている一連の行為・事態も,その一環として理解されるべきものである。
しかし,国が,これらの人たちに対する差別の実態を正式に調査したことはなく,ましてや,人種的差別を背景・原因とする過去の事件や歴史,人種的差別を増悪させた過去の政策を検証することもなかった。
そのため,多くの人が,これらの人種的差別の構造的な背景や深刻さを正確に理解することができなかったといわざるを得ない。
当連合会は,10年以上前から,多民族・多文化の共生する社会の構築や外 国人・民族的少数者の人権基本法の制定等を求めてきたが,現時点においても なお人種的差別が許されない旨の理念を定めた基本法はなく,差別を解消する ための具体的な施策も実施されていない。国内人権機関も設置されず,個人通 報制度も利用できない。差別を解消するために必要な制度や政策が何一つ実現 していないといわざるを得ない状況である。
他方,これも既に指摘したとおり,日本は,この間,国連の各種委員会から 再三勧告を受けている。このような勧告等を受けていること自体,極めて恥ず べきことと受け止めなければならない。また,これまで述べてきた被害の実態 に鑑みれば,人種的差別の解消に向けて一刻の猶予も許されない。
よって,当連合会は,人種的差別が許されない旨の理念と,人種的差別の撤廃に向けた国及び地方自治体による施策の枠組みを定める基本法を早期に成立させるよう,国に強く求めるものである。
以上
匿名希望
外国籍調停委員・司法委員の採用を求める意見書
2009年3月18日 日本弁護士連合会
意見の趣旨
当連合会は,最高裁判所が,「弁護士となる資格を有する者,民事もしくは家事の紛争の解決に有用な専門的知識を有する者または社会生活の上で豊富な知識経験を有する者で,人格識見の高い年齢四十年以上七十年未満の者」であれば,日本国籍の有無にかかわらず,等しく民事調停委員及び家事調停委員に任命することを求める。
また,司法委員についても,各地裁に対し,日本国籍の有無にかかわらず任命できる旨を通達することを求める。
意見の理由
1 問題の背景 2003年,兵庫県弁護士会が,神戸家庭裁判所からの家事調停委員推薦依 頼に対して,韓国籍の会員を候補者として推薦したところ,同家庭裁判所から「調停委員は,公権力の行使又は国家意思の形成への参画にたずさわる公務員に 該当するため,日本国籍を必要とするものと解すべきであるので,最高裁判所には上申しないこととなった。」という説明がなされ,同弁護士会は当該会員の推薦を撤回せざるを得なくなった。
これに対して,近畿弁護士会連合会は2005年11月25日開催の大会において満場一致で「外国籍の調停委員任命を求める決議」を採択した。
 その後,2006年3月に仙台弁護士会が韓国籍の会員を家事調停委員の候補 者に推薦したところ,同じ理由で採用できないとして拒否された。さらに,同年 3月に東京弁護士会が韓国籍の男性会員を司法委員に推薦したところ,この採用も拒否されている。これについては,同年3月31日付で東京弁護士会,仙台弁護士会がそれぞれ意見書,申入書を裁判所に提出している。
 2007年秋に仙台弁護士会,東京弁護士会,大阪弁護士会,兵庫県弁護士会がそれぞれ韓国籍の弁護士を推薦したところ(東京弁護士会は民事調停委員,その他の弁護士会は家事調停委員),同年12月から2008年3月にかけて,いずれも最高裁に上申しない旨の回答が各地方乃至家庭裁判所からなされた。これに対し,仙台弁護士会は総会決議,その他の弁護士会は会長声明あるいは意見書を最高裁に送付している。
2 最高裁判所の見解 民事調停委員及び家事調停委員規則(以下,「調停委員規則」という)は,調停委員の採用について以下のように定めている。第1条(任命)「民事調停委員 及び家事調停委員は,弁護士となる資格を有する者,民事若しくは家事の紛争の解決に必要な専門的知識経験を有する者又は社会生活の上で豊富な知識経験を有する者で,人格識見の高い年齢四十年以上七十年未満の者の中から,最高裁判所が任命する。ただし,特に必要がある場合においては,年齢四十年以上七十年未満であることを要しない。」また,同第2条では,欠格事由を定めているが,ここでも国籍等を欠格事由とする規定はない。すなわち,法律にも最高裁判所規則 にも,民事調停委員および家事調停委員について,国籍を要求する条項はない。
司法委員についても,国籍要件の規定はなく,「良識ある者その他適当と認められる者であること(司法委員規則第1条)。」が唯一の規定要件である。
弁護士登録をしている者を調停委員にすることについては,各家庭裁判所又は地方裁判所の推薦依頼に基づいて,各弁護士会が調停委員候補を推薦し,各家庭裁判所又は地方裁判所より調停委員候補を最高裁判所に上申し,その上申を受けて最高裁判所が任命する扱いがなされている。司法委員については各地方裁判所からの推薦依頼を受けて,各弁護士会が司法委員候補を推薦し,各地方裁判所が 任命する扱いになっている。日弁連より,調停委員・司法委員の採用について日本国籍を必要とする理由について最高裁判所に照会したところ,2008年10 月14日付で最高裁判所事務総局人事局任用課より,「照会事項について,最高裁判所として回答することは差し控えたいが,事務部門の取扱は以下の通りである。」として,法令等の名文上の根拠規定はないとしながらも,「公権力の行使 に当たる行為を行い,もしくは重要な施策に関する決定を行い,又はこれらに参 画することを職務とする公務員には,日本国籍を有する者が就任することが想定されていると考えられるところ,調停委員・司法委員はこれらの公務員に該当するため,その就任のためには日本国籍が必要と考えている。」との回答があった。
3 外国籍者についても等しく調停委員・司法委員となる権利があると解される。
(1) 外国人の基本的人権の保障 憲法第3章に規定している基本的人権の保障の諸規定は,権利の性質上日本国民のみをその対象としていると解されるものを除き,我が国に在留する 外国人に対しても等しく及ぶと解すべきである(最高裁判所昭和50年(行 ツ)第120号,同53年10月4日大法廷判決)。そして,憲法14条1項が保障する法の下の平等原則は外国人にも及ぶ(最高裁判所昭和37年( あ)第927号,同39年11月18日大法廷判決)。同じく,憲法22条 1号が保障する職業選択の自由も外国人に及ぶと解すべきである。調停委員 ・司法委員の採用について日本国籍を要件とすることは,外国人に保障されている憲法13条の幸福追求権,憲法14条の規定する不合理な差別を受けない権利,憲法22条の規定する職業選択の自由を侵害するものといわざる を得ない。また,法律上の制限規定がないにもかかわらず,その採用を認め ないのは法治主義に反するといわざるを得ない。
(2) 最高裁判所「東京都管理職選考国籍条項」判決の示した「公権力行使等公務員」概念の問題点
これに対し,前記最高裁判所の回答は,2005年1月26日の「東京都管 理職選考国籍条項訴訟」の最高裁判決が「住民の権利義務を直接形成し,その 範囲を確定するなどの公権力の行使に当たる行為を行い,もしくは普通地方公 共団体の重要な施策に関する決定を行い,又はこれに参画することを職務とするもの(以下「公権力行使等地方公務員という。)については,・・・公権力 行使等地方公務員の職務の遂行は,住民の権利義務や法的地位の内容を定め, あるいは,これらに事実上大きな影響を及ぼすなど,住民の生活に直接的及び 間接的に重大なかかわりを有すものである。それ故,国民主権の原理に基づき, 国及び普通地方公共団体による統治の在り方については日本国の当事者としての国民が最終的に責任を負うべきものであること(憲法1条,15条1項参照 )に照らし,原則として日本の国籍を有するものが公権力行使等地方公務員に就任することが想定されていると見るべきである。」としていることに依拠しているものと思われる。
しかしながら,前記最高裁判決には,滝井繁雄裁判官および泉徳治裁判官の 少数意見が付されており,日弁連も2005年1月28日付日弁連会長談話において「本判決がいう『公権力行使等地方公務員』とはそれだけでは必ずしもその範囲を明確にすることができないだけでなく,都が一律に管理職への就任の道を閉ざしたことを是認することは,在日外国人,特に特別永住者の法の下 の平等,職業選択の自由を軽視するものであるといわざるを得ない。」と指摘しているところである。
前記滝井裁判官の少数意見は,「外国籍を有する者が我が国の公務員に就任するについては,国民主権の原理から一定の制約があるほか,一定の職に就任するにつき日本国籍を有することを要件と定めることも,法律においてこれを許容し,かつ,合理的な理由がある限り,認めるものである。」とした上,「国民主権の見地からの当然の帰結として日本国籍を有する者でなければならないものとされるのは,国の主体性の維持及び独立の見地から,統 治権の重要な担い手になる職だけであって,地方行政機関については,その 首長など地方公共団体における機関責任者に限られる。」と述べ,さらに「その職務の性質を問うことなく,すべての管理職から一律に外国人を排除することには合理性がない。」としている。
すなわち,国民主権原理に基づいて,これに抵触するような結果となる一定の職務について外国人の職業選択等の自由が当然に制約されることがあり得るとしても,その範囲は,当該個別の職務の内容に照らして,当該職種への外国籍者の就任を認めることが国民主権原理と本質的に両立しないものに限定されると解するべきである。このような職種以外については仮に国籍による制限が認められるとしても,特別永住者等の外国籍者がわが国において置かれている 立場を十分考慮した上でなおかつ真にやむ得ない理由が認められる場合であって,法律によって制限する場合にのみ正当化される。この点,前記最高裁判決は,広範な範囲の公務員について,その具体的職務内容を問題とすることなく 公権力等行使等公務員として当然に外国人の就任を拒絶することを認めるものであり不当である。
4 多民族・多文化共生社会形成の視点 日本には,在日コリアン等の,サンフランシスコ平和条約の発効に伴う通達によって日本国籍を失ったまま日本での生活を余儀なくされた旧植民地出身者 及びその子孫などの特別永住者,定住外国人をはじめとする外国人が,日本社 会の構成員として,多数暮らしている。
これらの外国人が日本の調停制度を利用する機会も多い。このような事件の中には,当該永住及び定住外国人独自の文化的背景について知識を有する調停委員が調停に関与することが有益な事案も数多く存在する。同様に,司法委員が関与するような裁判事件の当事者に,外国人がなることも多い。職業選択の自由,平等原則の視点からは,外国籍の調停委員・司法委員が日本国籍の調停委員・司法委員と平等に事件に関与できることが当然の帰結であり,前記有益 性を過度に強調すべきでない。しかしながら,日本にいる外国籍者がより多く の社会組織に平等に参画できることは,多民族・多文化共生社会形成のための基本的要請である。日本に定住している外国人が調停委員・司法委員に就任し,他の調停委員・司法委員,裁判所の職員と交流し,よりよい制度を築くために共に活動することは,多民族・多文化共生社会形成の視点からも積極的意義を有するということができる。
5 まとめ 以上の通り,外国籍の調停委員・司法委員就任を排除する合理的理由は認めら
れず,日本に定住する外国人の不合理な差別を受けない権利,職業選択の自由の 観点からこれを排除することは不当である。かえって,多民族・多文化共生社会 形成の視点から,外国籍者を等しく調停委員・司法委員に任命するべきである。
また,日本弁護士連合会は2004年10月8日に宮崎で開催された第47回人権擁護大会で「多民族・多文化の共生する社会の構築と外国人・民族的少数者の人権基本法の制定を求める宣言」を採択し,「永住外国人等の地方参政権付与をはじめとする立法への参画,公務員への就任などの行政への参画,司法への参画 を広く保障すること。」とし,その趣旨の実現を求めてきたところであるが,外国籍調停委員・司法委員についてもその採用を実現することを求めるものである。
以上
匿名希望
定住外国人生活保護申請却下事件最高裁判決に関する会長談話
本年7月18日、最高裁判所は、永住者の在留資格を有する外国人が生活保護申請の却下処分取消を請求した事件において、当該外国人の請求を認めた福岡高等裁判所の判決を破棄し、請求を認めないとする判決を言い渡した。
 生活保護法は、貧困に陥り、自力では生計を維持できない人々に対して、国の責任において、健康で文化的な最低限度の生活を保障すること等を目的としており、その対象は形式的には国民とされているものの、運用上、永住者等の定住外国人については、行政措置として日本国民に対する取扱いに準ずるものとして、生活保護の対象とされてきた。
当連合会はこれまでも、宣言等により、社会保障制度全般について、外国人に対しても可能な限り日本人と同様の保障を及ぼすことなどを提言してきた。多民族・多文化の傾向が急速に進展する日本にあって、健康で文化的な生活を営む生存権を保障する憲法25条、個人の尊厳原理に立脚する憲法13条、全ての者に自己及び家族のための相当な生活水準についての権利を認め、締約国にこの実現を確保するための適当な措置を求めている国際人権(社会権)規約11条等に照らせば、国及び地方自治体には、貧困の連鎖を断ち切り、全ての人の尊厳に値する生存を実現する責務がある。この観点からは、国及び地方自治体は、外国人に対しても、できる限り日本国民と同様の保障を及ぼすべきである。
本判決は、外国人は現行の生活保護法の適用の対象には含まれず、同法に基づく受給権を有しないとしたものではあるが、他方、永住者等の定住外国人に対し、行政措置による保護を実施することを否定したものではなく、この判決によって、定住外国人に対する行政措置による保護が後退することがあってはならない。
 当連合会は、国及び地方自治体に対し、今後も、貧困に陥り、自力では生活できない定住外国人に対する生活保護の措置を行うこと、及び、生活保護法をはじめとする法令の改正により、外国人を含む全ての人を生存権の享有主体として明記することを要望するものである。
2014年(平成26年)7月25日
日本弁護士連合会
会長 村 越  進

2172 諸悪の根源マンセー日弁連34

匿名希望
警察法改正案に対する意見書
第1 意見の趣旨 当連合会は、2004(平成16)年2月6日に国会に提出された「警察法の一部を改正する法律案」(以下「改正案」という。)については、警察の目的、責務に照らして、以下の疑問を有するものであり、憲法の理念を基礎に、国民の間で徹底した議論を 重ねること、国会における審議が慎重になされることを望むものである。
第2 警察法改正案の概要 政府が、2004(平成16)年2月6日に、国会に提出した警察法改正案の内容の
1 警察庁の組織に関する規定の整備 (1)刑事局に組織犯罪対策部を設置し、同部の所掌事務を定める(同局暴力団対策部
を廃止)。 (2)警備局に外事情報部を設置し、同部の所掌事務を定める(長官官房国際部を廃止)。
(3)サイバー犯罪捜査への技術支援を効果的に推進するため、本庁情報通信局、管区 警察局、東京都警察通信部及び北海道警察通信部の所掌事務に犯罪取締りのための情 報技術の解析を加える。
2 国の治安責任の明確化に関する規定の整備 国家公安委員会(警察庁)がつかさどる事務として以下を追加する。
ア 爆発物に係る事案など重大なテロ事案に係る警察運営に関すること。
イ 国外において日本国民の生命、身体及び財産並びに日本国の重大な利益を害し、又
は害するおそれのある事案に対処するための警察の態勢に関すること。
ウ 国際刑事警察機構、外国の警察行政機関その他国際的な警察に関する関係機関との
皇宮護衛官の職務の執行について、警察官職務執行法による質問、犯罪制止等に関する規定を準用。
第3 警察のあり方を考える基本的視点 1 警察法の定める警察の目的、責務
警察法は、その目的として「個人の権利と自由を保護し、公共の安全と秩序を維持する」(1条)ことを掲げ、警察の責務として、「警察は、個人の生命、身体及び財 産の保護に任じ、犯罪の予防、鎮圧及び捜査、被疑者の逮捕、交通の取締その他公共 の安全と秩序の維持に当ることをもつてその責務とする。」(2条)と定めている。 ここにいう「公共の安全と秩序」は、個人の権利と自由の保護を前提として想定されているものであり、あくまでも、個人の権利と自由の保護が警察の責務であると解すべきことはつとに当連合会が指摘してきたところである。 改正案を検討するにあたっては、それがそうした警察の目的、責務とどのような整合性をもつといえるのか、をみていく必要がある。
2 警察権限の拡大には慎重であるべき 2000年5月26日、当連合会は、全国各地における警察の不祥事が相次いだことから、「警察制度の抜本的改革を求める決議」において、1国家公安委員会及び都 道府県公安委員会の抜本的改革、2警察情報の公開、3警察官に対する人権教育の徹 底と警察官自身の人権保障、4警察におけるキャリアシステムのあり方についての検討の4点にわたっての警察改革の方策を提示し、市民参加による警察から独立した監視システムの創設を求めた。
また、警察庁も、2000(平成12)年に警察刷新会議を発足させ、同年7月に同会議がまとめた「警察刷新に関する緊急提言」にもとづく警察改革に着手した。
しかし、その後も警察の不祥事は絶えず、最近では、北海道警の捜査報償費を使った裏金作りが発覚し、静岡県警ではカラ出張問題が浮上したほか、福岡県警でも裏金作りが発覚して、警察に対する国民の信頼はまたもや著しく損なわれるに至っている。
今警察に求められているのは、組織拡大に走ることではなく、この間の警察改革の 実践的総括とその結果を踏まえ、警察法の目的、責務に照らした警察改革のありようと組織整備に踏み出すことである。かかる見地からして、警察権限の拡大には慎重な議論が必要である。
ところが、今回の改正案は、こうした警察の改革がなされないまま、これまでに進められてきた警察権限の拡大をさらに一層進めようとするものである。
以下具体的に改正案について検討してみる。
第4 改正案の問題点
1 警察法の目的、責務の変容
すでに述べたように、警察法は、個人の権利と自由の保護と公共の安全と秩序の維持を警察の目的、責務であるとしている。ここでいう公共の安全と秩序の維持が国内のそれであることはいうまでもない。ところが、今回の改正案は、こうした従前の警察法の枠組みを大きく超えて、「国外において日本国民の生命、身体及び財産並びに 日本国の重大な利益を害し、又は害するおそれのある事案」を所掌事務に追加した(改 正案5条2項6号ロ)。ここでは、「個人」ではなく、「日本国民」という用語が用い られ、しかも「日本国の重大な利益」という用語が用いられている。
そもそも「日本国民」という用語は、従来の警察法には存在しなかった概念である。 また「日本国の重大な利益を害し、又は害するおそれ」に近似した用語としては、「国 の重大な利益を著しく害するおそれ」という用語が警察法5条2項4号ハに存在するが、それはあくまでも「国際関係に重大な影響を与え」る航空機強取、人質強要等に限定してのものにすぎず、「著しく」という限定も加えられている。ところが、今回の改正案は、こうした限定はなく、広く一般化した形で「国外において」「日本国の重大な利益を害し、害するおそれ」に関する事案を警察庁の所掌事務に追加しようとしているのである。日本国内の「公共の安全と秩序」とは別の、「日本国の重大な利益」とは一体何を指すものであろうか。「国外において」の「日本国民の生命、身体及び財産」と並列して規定されていることをみると、これが、日本国民の生命、身体及び財産とは切り離された、国外における日本国の利益を想定していることは文理上明らかである。それは具体的には、外国(たとえばイラク)で活動中の自衛隊や日本大使館や企業にとっての利益(たとえば、石油資源の確保等)をさすものであろう。
このように、今回の改正案は、警察活動の海外展開の体制を作ることによって警察の目的そのものを拡大し、変質させ、警察法の性格を一変させてしまう重大な内容を含んでいるということができよう。
2 情報機関「外事情報部」の設置 今回の改正案は、1994(平成6)年改正以来の大規模な組織改正であるといえるが、中でもその最大の特徴は、有事立法の整備やイラクへの自衛隊派遣を前提として、警察が有事体制やイラクでの自衛隊の活動支援に即応できる体制作りを行えるよう警察権限を拡大しようとするところにある。いわば、有事立法の警察版である。
改正案は、長官官房国際部を廃止して、警備局に「外事情報部」を設置し(改正案 19条2項)、その所掌事務として、「外事情報部においては、前項第1号に掲げる事務(警備局の事務)のうち外国人又はその活動の本拠が外国に在る日本人に係るものをつかさどる」と定める(改正案24条2項)。
「外事情報部」がどのような任務を担うのかは、改正案それ自体からはすぐには分かりにくいが、政府が国会議員に配布した「警察法の一部を改正する法律案の概要」 (以下「概要ペーパー」という。)をみれば、その一端をかいま見ることができる。
概要ペーパーによれば、「外事情報部」の任務は「外国治安機関とのハイレベルの折衝」、「緊密・迅速な情報交換」とされている。ここにいう「外国治安機関」とは、たとえばアメリカ合衆国のFBIやCIAのような組織も含まれるものと思われる。
そして、「概要ペーパー」によれば、この「外事情報部」のもとに、「外事課」と「国際テロ対策課」の二つの課が置かれるものとされる。
これらの課の設置は法律事項ではなく政令事項とされており、今回の警察法改正案自体には全く触れられておらず、そのため国会審議の直接の対象とされていない。このことは、きわめて不当である。
もっとも、その点をさておくとしても、これらの課の設置には、以下のとおり、重大な問題が含まれている。
(1)「外事課」について
「外事課」の任務は「諜報活動の取締り」とされる(「概要ペーパー」)。これは、いわゆるスパイ活動の摘発ということであるが、こうした活動の取締りのためには、その前提として広く警察による情報収集が不可欠となる。
 そうなると、まず、わが国に居住する定住外国人の団体が諜報活動をしているのではないかとの疑いをかけられ、日常的な監視下におかれ、取締りの対象となるおそれがある。また、国内の平和、環境、労働、人権その他の各種問題に係わる団体やこれらの活動に携わるNPOなども、こうした監視の対象となるおそれがある。これらの団体の中には、インターナショナルな組織形態をとっているところもあるし、そうで なくても、近年、外国人や外国の運動団体と連携して活動する活動形態は増えているところである。そこでは、しばしばわが国における政治、経済、社会の実情やその問題点に関する情報・意見の交換が行われる(当連合会も、テーマに応じて、外国人や外国の団体を招聘してシンポジウムを開催するなどの活動を行っているところである)。ところが、こうした活動が政府ないし警察の考える「日本国の重大な 利益」と一致しない場合、こうした国際連帯活動も、広く「諜報活動」として、監視や取締りの対象となるおそれがある。
このように、外国人や外国人と連携して活動する日本国民を日常的かつ不断に監視するものとなる「外事情報部」によってなされる「諜報活動の取り締まり」は、外国人や日本国民の活動及びこれらに係るジャーナリズムの取材、報道に対して萎縮的効果をもたらし、その思想信条の自由、表現の自由、報道の自由、集会結社の自由などに多大の影響をもたらしかねない。
さらに、2003(平成15)年6月に成立した有事3法を受けて、近く国会で 審議される予定の「国民保護法制」等7法案を含む有事10案件との関連をも指摘 せざるをえない。これらの法案は、その特徴として、罰則規定が非常に多いことが 指摘できる。国民を有事体制に協力させるためには、数多くの罰則による担保が必要であることを物語っている。しかし、こうした罰則による強制も、警察が必要に 応じ、即座にこれを十分活用できるだけの態勢を常にもたない場合には実効性に乏しいことになるであろう。そうなると、こうした罰則規定に関連する不断の情報収集を行う体制の組織が必要だということになる。
このように、「外事課」を、警備局の他部課と切り離して、新設する「国際テロ 対策課」とともに、「外事情報部」に集約するという今回の組織変更は、有事法制を効果的に機能させるために不可欠といってよい組織作りとなるものである。
(2)「国際テロ対策課」について「国際テロ対策課」の任務は、「国際テロ情報の集約・分析」とされ、「国際テロ特別機動展開部隊」の設置が予定されている(「概要ペーパー」)。 この「国際テロ特別機動展開部隊」はいかなる活動が想定されているのであろうか。「日本国の重大な利益を害し、または害するおそれのある事案」が警察庁の所掌事務とされていること、上記「展開部隊」が「国際テロ情報の集約・分析」と並 列的に掲げられているところからすれば、その活動範囲は単に国内にとどまらず、 外国で活動する日本人、日本企業へのテロ事案への対処(情報収集、警備等)をもその視野に入れているのであろう。さらには、外国(たとえばイラク)に派遣された自衛隊の機能をカバーすることも想定されているものと考えられる。
そもそも、自衛隊は、治安出動時(自衛隊法89条)、自衛隊の施設等の警護出 動時(同法91条の2)および自衛官の犯した犯罪又は職務従事中の隊員に対する 犯罪、自衛隊施設内の犯罪、自衛隊関係施設等に対する犯罪等について司法警察職員としての職務を行うことができる(同法96条)、とされているとおり、司法警察職員としての活動はきわめて限定されている。また、情報収集活動については、 治安出動下令前に行う情報収集活動(同法79条の2)が規定されているほか自衛隊法には特段の権限規定はなく、イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法にも情報収集の権限規定は存在していない。したがって、派遣されたイラク国内で予定されている自衛隊の活動に必要な情報収集活 動等も自衛隊が直接行うことは困難である。それらを補完するものとして警察が海外で情報収集等の活動を展開する体制を作り、自衛隊の外国における活動をバック アップするための組織整備が今回の「国際テロ特別機動展開部隊」の設置のねらい の一つと考えられるのである。
今回の外事情報部の設置は、国内における情報収集活動のみならず、外国における情報収集、警備活動までをも警察が行おうというものである。これは、従前の警察活動の範囲を大きく超えるものであり、警察活動の質的転換をもたらすものとなるおそれがある。
(3)刑法の国外犯に関する新設規定との関係 「外事課」の設置は、2003(平成15)年の刑法改正により追加された国外犯に関する規定とも関係している。
この刑法改正により、国民以外の者が日本国外において日本国民に対して犯した犯罪(強制わいせつ罪、強姦罪、殺人罪、傷害罪、逮捕監禁罪、略取誘拐罪、強盗 罪等)に刑法が適用されることとなった(刑法3条の2)。
上記条項と同趣旨のものは、刑法3条2項に規定されていたのであるが、国家主義的色彩をもつ規定として、日本国憲法の施行にともない削除された経緯がある。法制審議会刑事法部会において、当連合会の推薦した委員は、削除の経緯を指摘しつつ、対案を提示し、上記改正に反対したところである。
今回の警察法改正により設置される「外事情報部」は、まさにこれに対応した警 察権限の拡大ともなるものである。
3 警備局の権限拡大 警備局の所掌事務には、「外事情報部」設置のほかにも、従前から定められていた警備警察、警衛(24条1,2号)に加えて、「警護に関すること」、「警備実施に関 すること」を追加し、その領域を拡大している(改正案24条1項3,4号)。
これは、警察庁が都道府県警察が行う警護や警備の実施面についても指揮・介入をする権限を認めたものであり、中央集権的な国家警察化を進めるものとなるおそれが大である。
4 刑事局の強化
今回の改正案には、刑事局の強化という特徴もある。 改正案は、刑事局の暴力団対策部を廃止して、「組織犯罪対策部」を設置しようとしている(改正案19条2項)。そして、刑事局の所掌事務として、従来からの刑事警察、犯罪鑑識、犯罪統計、暴力団対策に加えて、薬物・銃器の取締まり(改正23条1項5号)、組織犯罪の取締り(他局の所掌に属するものを除く)(同項6号)を追加するとともに、国際捜査共 助(同項7号)をも追加している。
さらに、これらの所掌事務のうち、刑事警察に関すること(同項1号)のうちの「国際的な犯罪捜査に関すること」(改正案23条2項1号)、「国際刑事警察機構との連絡に関すること」(同項2号)と、暴力団対策、薬物・銃器の取締まり、組織犯罪の取締り、国際捜査共助が「組織犯罪対策部」の所掌事務とされている。
さらに国会議員への説明資料である「概要ペーパー」によれば、この「組織犯罪対策部」のもとに「企画分析課」、「暴力団対策課」、「薬物銃器対策課」、「国際捜査統括官」が置かれるものとされている。
これは刑事警察、特に「組織犯罪対策部」の機能と組織の著しい強化である。
確かに、ヤミ金、架空請求等暴力団が背後に隠れた形態での組織犯罪が広がり、暴力団が外国人の犯罪組織と組んでの悪質な犯罪行為が横行している現情勢下において、組織犯罪への対応強化の必要性は認められる。しかし、1999(平成11)年 に制定された組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律には、構成要件の曖昧さや重罰化、従来の刑事法の原則を侵害するおそれのある没収・追徴に関する保全規定の新設が規定され、犯罪捜査のための通信傍受に関する法律には、通信の秘 密や自由を侵害する通信傍受という新たな捜査方法の導入を認めるなど、多くの問題点を含んだ立法であったことについては、これまで当連合会の意見書でも明らかにし てきたところである。
また、国際捜査共助を追加したのは、今国会で国際捜査共助法を改正し、これまで外務省を経由して外国の警察機関等との捜査共助のための情報交換を行ってきたものを、直接、警察庁が窓口となって行えるようにすることを先取りしようとするものであるが、これにより、直接外国の捜査機関と連携して、容易に捜査権を行使しうるようになるものと考えられる。
今回の改正案は、このように問題の多い組織犯罪対策立法とかかわる側面をももつ組織整備であり、それは国民の基本的人権と鋭い緊張関係をもたらし、それを増大させるおそれがある。
5 重要な任務と位置づけられた情報技術の解析 今回の改正案は、従前、警察庁情報通信局の所掌事務として定められていた「電磁的記録…の解析その他情報通信の技術を利用する犯罪の取締りのための情報通信の技 術に関すること」(現25条3号)を、国家公安委員会の任務として格上げするとと もに(改正案5条1項)、それを国家公安委員会と警察庁の所掌事務としても定め、 そこに「犯罪の取締りのための電子情報処理組織」を追加し、さらに「情報通信の技術」を「情報技術の解析」に改めている(同条2項17号)。同時に、警察庁情報通 信局の所掌事務を「犯罪の取締りのための情報技術の解析に関すること」としている (改正25条3号)。
こうした改正後の「情報技術の解析」とは、単なるコンピュータ犯罪への対応を想定しているだけのものではない。すなわち、それは、その情報を取り扱う主体を問わず、これを解読・分析することであり、わが国のものであると否とを問わず、また、情報衛星から得られる画像情報の分析や、盗聴技術の向上もその内容に含むものといえよう。
すでに述べたように、警察活動が、いわゆる国益に反する事案の取締りに向けられるとすれば、それは単に犯罪組織やテロ組織だけが対象となるわけではない。むしろ、国益に反するとみられる個人や団体の取り扱う情報のすべてが解析の対象とされるおそれがあることになる。
6 皇宮護衛官の権限拡大 皇宮護衛官は、これまで武器使用に関しては警察官職務執行法7条の権限は認められていたが(警察法69条5項)、質問や犯罪の制止等、警察官職務執行法に定める その他の警察官の権限は認められていなかった。警察法69条6項は、「皇宮護衛官 及び警察官は、その職務の執行に関し、相互に協力しなければならない。」と規定して、警察官の協力を得て行うことになっていた。今回の改正案は、皇宮護衛官が単独で警職法で警察官に認められた権限を行使できるようにするものである(改正案69 条5項)。
しかしながら、上記権限拡大と改正案の提案理由とされている「国の治安強化の明 確化」との関連性は明らかにされていない。この点の明確化を求めるものである。
第5 結 論 以上述べたとおり、今回の改正案は、警察の本来の目的、責務を大きく踏みこえるおそれがある。およそ民主国家における警察の任務とは、警察法が定めているとおり、個人の権利と自由の保護である。これを超越した国益を観念し始めると、国益の名のもとに個人の権利と自由の侵害が歯止めなく進むことになる。あらゆる表現活動はもちろんのこと、宗教、思想・信条といった人間の内面活動までもがこうした国益と緊張関係に立つことは自明である。戦前の警察のあり方に対する反省からも、警察が個人を超越した国益擁護を目的とすることは厳に戒められなければならない。
特に、「外事情報部」の設置については、その前提の一つとみられる自衛隊のイラク 派遣につき憲法に抵触する可能性が大きく、これをめぐる国論は二分され、世論調査で は反対意見が多数を占めている。また、すでに成立した有事3法についても国民の反対 意見は根強い。
しかるに、既成事実を先行させるがごとく、海外における自衛隊の活動を前提とした 警察活動を遂行するため組織整備を進めることは、あまりにも問題が大きく、わが国の 将来にとって禍根を残すことになりかねない。
今なされるべきことは、警察に国民の目が行き届くようにし、組織を透明化し、内部 の規律を正し、国民の信頼を回復するような努力をすることである。
よって、当連合会は、拙速に警察の組織整備を進め、警察権限の拡大をはかるのでは なく、あくまでも憲法の理念を基礎にして、警察改革の方向を見出し、国民が信頼できる警察への道を確立し、ふさわしい警察のあり方について国民の間で徹底した論議がな されることを望むものである。
...重度の被害妄想だな。強制入院させて別途に縛り付けておく必要がある。

2171 諸悪の根源マンセー日弁連33

匿名希望
国際人権(自由権)規約に基づき提出された第4回日本政府報告書に対する日弁連報告書
第2章 外国人・少数者問題
Ⅰ 在日韓国・朝鮮人と少数民族の権利(規約27条)
結論と提言
 日本政府は、在日韓国・朝鮮人を始めとする日本在住の外国人について、これらの人々が規約27条の少数民族であることを認めず、「自己の文化を享有し、自己の宗教を信仰しかつ実践し又は自己の言語を使用する権利」を認めることなく放置していることは、規約27条に違反するものであり、直ちに是正措置がとられるべきである。
国際人権(自由権)規約委員会の懸念事項・勧告内容
 国際人権(自由権)規約委員会は、第3回報告書審査において、「在日韓国・朝鮮人が少数者に関する日本政府の概念から除外されていることを留意し、これを懸念するものである。少数者の概念を、締約国の国籍をもつ者に限定しない規約からみて、このことは正当化されない。」と述べ(コメント15項)、日本政府に対して懸念を表明している。
政府の対応と第4回政府報告書の記述(和文56頁、英文99―100頁)
 第4回政府報告書は、規約27条(少数者の権利)に関して、「アイヌの人々に関する施策」に言及するのみで(和文56頁)、在日韓国・朝鮮人を始めとして、日本に在留し少数民族を構成する在日外国人については何らの報告を行ってはいない。この事実は、日本政府が、未だに在日韓国・朝鮮人を含む在日外国人を規約27条の「少数者」の概念に含めていないことを示している。
もとより、国際人権(自由権)規約委員会の前記コメントに対して、何らの具体的措置もとってはいない。
日弁連の意見
1996年12月末日現在の国籍別外国人登録者数によれば、「韓国・朝鮮」は、657,159人にのぼっており、他方、帰化によって日本国籍を保有する韓国・朝鮮人は現在約20万人に及んでいる。このように、日本国には、約85万人を超える韓国・朝鮮民族が居住しており、彼(女)らは、その国籍のいかんを問わず、規約27条が保障する民族的少数者として、「自己の文化を享有し、自己の宗教を信仰しかつ実践し又は自己の言語を使用する権利」を保有する人々である。
 日本政府は、「少数者」の概念について、日本国籍を保有する「アイヌ民族」のみを摘示しているが、このことは、日本に居住する韓国・朝鮮民族を無視するのみか、少数者は「国民又は市民である必要がないばかりでなく、永住者である必要もない。」とする国際人権(自由権)規約委員会の少数民族の権利に関する一般的意見23(5.2項)をも無視するものであって、明らかに規約27条に違反している。
 そして、日本政府の規約27条に関する報告の姿勢は、第1に、日本に居住する韓国・朝鮮人の多くが、法制度の差別や民族的偏見に基づく社会的差別のために、民族名を名乗って働き、生活するといった民族性の表現が困難である現状に対して、積極的に是正しようとはしないことにも表れている。第2に、在日韓国・朝鮮人は、日本の植民地支配のもと、皇民化政策によって、自己の言語と文化を否定され、民族名も奪われた歴史があるにもかかわらず、今だに、民族教育を制度的に保障するための積極的な措置すら行おうとはしていないことにも表れている。
 一般的意見23は、少数民族の権利の保護のために、積極的措置が必要である旨を明らかにしているが(6.2 項)、日本政府はかかる義務を何ら履行していない。
Ⅱ 外国人登録証明書の常時携帯義務(規約2、3、12、26条)
結論と提言
 永住・定住外国人に対して外国人登録証明書の常時携帯を義務づけること、並びにこの違反に刑事罰を科すことは、規約12条(移動の自由)、26条(法の前の平等に反する。日本政府は直ちにこの制度を廃止すべきである。
国際人権(自由権)規約委員会の懸念事項・勧告内容
 国際人権(自由権)規約委員会は第3回報告書審査において、「永住的外国人であっても、証明書を常時携帯しなければならず、また刑罰の適用対象とされ、同様のことが、日本国籍を有する者には適用されないことは、規約に反するものである。」と述べている(コメント9項)。
また、「日本に未だに存続しているすべての差別的な法律や取扱いは、規約2条、3条及び26条に適合するように、廃止されなければならない。」と述べている(コメント17項)。
政府の対応と第4回政府報告書の記述(和文6頁、英文11頁)
 前記コメントが出されて以降、具体的な措置はとられていない。又、これに先立ち、改定外国人登録法(1993年1月8日施行)の国会審議の際の衆議院法務委員会において、「外国人の人権を尊重して諸制度の在り方について検討し、その結果に基づいて、この法律の施行後5年を経た後の速やかな時期までに適切な措置を講ずること。」との附帯決議がなされたが、未だに、外国人登録制度の抜本的見直しは具体化していない。第4回政府報告書では、「外国人登録証明書の携帯制度の在り方も含めて、外国人登録制度の抜本的な見直しについて現在日本政府において検討が行われている。」と報告されているが(和文6頁)、いつまでも人権侵害を放置することは許されない。
日弁連の意見
 外国人登録証明書の常時携帯を義務づけ、その違反に対しては、20万円以下の罰金を課するという刑事罰をもって臨むことは(外国人登録法第18条の2第4号)、外国人に加重な負担を強いるものである。特に日本人と身分関係・居住関係の明確性において異なるところのない在日韓国・朝鮮人などの永住・定住的外国人に対し、常時携帯を義務づけることには、合理性がなく、規約26条に違反する。又、自由な移動を阻害する点において、規約12条にも違反するというべきである。
かかる制度は直ちに廃止されなければならない。
Ⅲ 再入国許可制度の問題点(規約12条)
結論と提言
 出入国管理法上の再入国許可制度を在日韓国・朝鮮人などの永住者に適用することは、規約12条が保障する自国を離れ、自国に戻る権利を侵害するものであるので、これを直ちに是正すべきである。
国際人権(自由権)規約委員会の懸念事項・勧告内容
 国際人権(自由権)規約委員会の前記コメントでは、再入国許可制度について特定的な言及はない。しかし、在日韓国・朝鮮人などの社会集団に対する差別的な取扱いが存続していることに対する懸念が表明されており(コメント9項)、再入国許可制度も、そうした人権侵害の一つである。
政府の対応と第4回政府報告書の記述
政府はこの問題につき、何らの措置も取っていないし、又、第4回政府報告書にも何ら言及はない。
日弁連の意見
規約12条は、「すべての者は、いずれの国(自国を含む。)からも自由に離れることができる」と規定し(同2項)、また「何人も、自国に戻る権利を恣意的に奪われない」と規定している(同4項)。
ところで日本の出入国管理及び難民認定法は、事前に再入国の許可を受けて出国した外国人に限って、当該外国人の有していた在留資格を失うことなく、再び日本に入国することを認めている(入管法26条)。そして再入国を許可するか否かは、法務大臣の自由裁量に委ねられている。外国人にとっては、再入国の許可を受けずに出国すれば、それまで有していた在留資格を失うことになり、再び日本に入国できる保障はなくなるので、日本に生活の本拠を有している外国人にとっては、再入国の許可が得られるか否かは、日本国外に一時旅行することができるか否かを事実上左右する事項となっている。
永住者、とりわけ在日韓国・朝鮮人の大多数は、日本で生まれ、日本で育ち、終生日本で生活することを予定している人々である。こうした永住者に対して、再入国の許否を法務大臣の自由裁量にかからしめる取扱いは、実質的にこれら永住者の出国及び入国の自由を著しく阻害する。永住者の生活の本拠は日本社会に存在しているのであり、規約12条4項にいう「自国に戻る権利」には「永住国に戻る権利」が含まれると解せられるのであるから、永住者には自由に出国し、再入国する権利があるというべきである。再入国の許可を法務大臣の自由裁量にかからしめることは、「自国に戻る権利」に対する侵害となる。
特に、日本に生まれ、日本で育ち、終生日本を生活の本拠とすることを事実上予定している大多数の韓国・朝鮮人にとっては、日本は国籍国以上に規約12条4項にいう「自国」であり、「自国に戻る権利」について、日本国籍を有する者と別異の取扱いをすべき合理的な理由はない。
ところが、ごく最近であるが、こうした日本生まれで日本育ちの永住権を有する韓国人に対して、同人が指紋押なつ拒否をしたことを理由に再入国許可申請に対する不許可処分がなされた事例につき、最高裁判所は、同人が日本に戻るについては規約12条4項の「自国に戻る権利」の適用はなく、再入国を許可するか否かは法務大臣の広範な裁量に属するとした上で、同人に対する再入国不許可処分は、いまだ裁量権の範囲を越え、またはその濫用があったものとして違法であるとはいえないと判示している(最高裁1998年4月10日判決)。
在日韓国・朝鮮人らの永住者に対して、かかる取扱いをする日本政府の対応は規約12条に違反するというべきであり、直ちに是正されるべきである。
Ⅳ 戦後補償に関連する差別的取扱い(規約26条)
結論と提言
日本の旧植民地出身者である旧日本軍人・軍属に対し、日本国籍のないことを理由に、恩給法、戦傷病者等援護法に基づく給付をしないのは、規約26条に違反する。
日本政府は直ちに、これらの人々に対する国籍による差別を止め、恩給法、援護法に基づく給付をなすべきである。
国際人権(自由権)規約委員会の懸念事項・勧告内容
 国際人権(自由権)規約委員会は、前記コメントにおいて、「旧日本軍において軍務についたが、もはや日本国籍を有していない韓国・朝鮮や台湾の出身者は、その恩給に関して差別されている。」と指摘している(コメント9項)。
政府の対応と第4回政府報告書の記述
政府は前記のコメント以降も、これらの人々に対する恩給法、援護法の給付を拒否し続けている。既に高齢となった多くの人は、何らの補償も受けないままに、次々と亡くなっている。
訴訟を起こした人たちもいるが、裁判所は、不合理な差別とは認められないとか、差別の疑いはあっても、立法措置によることなく司法的救済をなすことはできない、などとして、訴えをすべて退けている(最高裁1992年4月28日判決、東京地裁1994年7月15日判決、大阪地裁1995年10月11日判決)。
ところが、第4回政府報告書は、この問題について何らの報告も行っていない。
日弁連の意見
旧植民地出身者の旧軍人・軍属は、アジア・太平洋戦争において、日本帝国の軍人又は
軍属として、日本人と同じく軍務に服し、死亡または傷害などの犠牲を受けたにもかかわらず、戦後自らの意思によらず、一方的に日本国籍を喪失せしめられた。そして、恩給法や援護法には「国籍条項」、「戸籍条項」が設けられ、国籍のない、あるいは日本の戸籍を持たない外国籍者には恩給や年金が支給されないこととなっており、これら旧植民地出身の旧軍人・軍属は何らの補償も受けることなく今日に至っている。しかし、規約26条が禁止している差別は、「公的機関が規制しかつ保護しているあらゆる分野において、法律上、事実上の差別を禁止するものである。」と解されている(一般的意見18)。また、ゲイエら対フランス事件(国際人権(自由権)規約委員会の見解──申立番号196/1985)の見解においても、年金支給時の国籍に基づく別異の取扱いは26条が禁止している差別であると判断されている。
したがって、日本の旧植民地出身の元軍人又は軍属に対して、現在日本国籍を有しないことを理由として、恩給法、援護法等の補償立法を適用せず、何らの給付も補償も拒否し続けることは、明らかに規約26条が禁止する差別である。
かかる差別は直ちに是正されなければならない。
Ⅴ 朝鮮学校の資格問題(規約26、27条)
結論と提言
日本政府は、朝鮮学校の在学生・卒業生に対し、これに相応する日本の小中高校、大学の在学・卒業資格を認めていないが、これは規約26条に違反する差別であり、また、少数民族の権利を侵害するものとして規約27条にも違反する。かかる差別的取扱いは直ちに是正されるべきである。
国際人権(自由権)規約委員会の懸念事項・勧告内容
国際人権(自由権)規約委員会の前記コメントでは、直接に朝鮮学校には言及していないが、韓国・朝鮮人に対する差別、及びこれらの人々が少数民族として認められていないことにつき、懸念が表明され(コメント9項、15項)、差別の解消が勧告されている(コメント17項)。
政府の対応と第4回政府報告書の記述
政府は何らこの問題を是正しようとしていないし、第4回政府報告書にも何らの言及はない。
日弁連の意見
日本の各地には、民族の文化・歴史・言語等民族教育を承継発展させる目的で学校法人として設立されている朝鮮学校がある。これらの学校は、日本の小中高校および大学教育に準じてほぼ同科目同程度の内容をもってその教育を実施しているにもかかわらず、日本政府は、学校教育法第1条の規定に該当しない学校であるとして、これら朝鮮学校の在学生と卒業生にその相応する小中高校および大学と同等の在学および卒業資格を認めず、法律に根拠を持つ公的資格を認定する試験を受験させない。
 大学を例にとると、朝鮮学校の高校を卒業した者に対して、日本の多くの大学は入学受験資格を認めていない。国立大学は95校中受験資格を認めるものはゼロ、公立大学の場合は57校中30校、私立大学の場合は431校中220校が、受験資格を認めているが、国立大学、その他受験資格を認めていない公立・私立の大学を目指す朝鮮学校の生徒は、その受験資格を得るために、朝鮮学校に通いながら日本の通信制や定時制高校に在籍し、その通信制や定時制高校を卒業して大学受験資格を取得するか、大学入学資格検定(大検)を取得するかを余儀なくされている。近時、朝鮮学校などの小中高校生を対象とした通学定期券の平等取扱いや高校体育祭参加が認められるなど一定の改善も認められるが、朝鮮学校の在学生・卒業生に対して、実質的には日本の学校と差異がないにも拘らず、形式的理由により、相応する資格を認めないことは、規約26条に反する差別という外なく、又、民族教育を阻害するものとして、規約27条にも反するものである。
 日弁連では、1997年12月に人権擁護委員会による調査報告書を採択し、これに基づき1998年2月政府に対し、かかる事態を速やかに解消するよう勧告書を出したが、未だ改善の動きは見られない。
また、1998年6月国連の子どもの権利委員会は、日本政府の第1回報告書の審査後に採択した所見の中で、在日韓国・朝鮮人の子ども達が高等教育機関へのアクセスにおいて不平等な取扱いを受けていることに懸念を表明し(*9)、彼らを含む少数民族の子ども達に対するあらゆる差別的取扱いを除去するよう勧告している(*10)。
政府は速やかに実質的理由に欠ける不合理な差別的取扱いを改めるべきである。
Ⅵ 外国人の退去強制手続(規約9、13条)
結論と提言
日本における退去強制手続は、先ず収容後、遅滞なく裁判所の審査が保障されていない点において規約9条4項に違反し、その後の手続においても、退去強制の当否を争う途が保障されているとはいえず、規約13条に違反している。
また、被収容者と代理人との秘密交通権がないことは、規約13条に違反する。政府はこれらの点につき、早急に規約に適合するよう是正措置を講じるべきである。
政府の対応と第4回政府報告書の記述(和文42―43頁、英文74―75頁)
 政府は、これまでこれらの点に関し、何らの改善措置をとったことはない。第4回政府報告書によれば、外国人の退去強制は、その事由及び手続が、出入国管理及び難民認定法に規定されており、同法に基づいて行われていると述べると共に、退去強制の決定手続は、入国審査官による認定、特別審理官による口頭審理、法務大臣の最終判断の三段階の手厚い事前手続保障があることに加え、更に司法審査を求めて、訴訟を提起し、行政の決定の適否を争うことができると説明している(和文42~43頁)。
日弁連の意見
 外国人を退去強制に付する場合、先ず収容令書により身柄が収容されるが、裁判官はこの収容手続に全く関与していない。
 政府報告書は、前記のとおり、退去強制の決定手続は、入国審査官、特別審理官法務大臣と三段階の手厚い事前手続の保障があるとしているが、これらの手続はいずれも同じ行政庁である法務省内の手続に過ぎず、司法手続ではないし、その他の公正な第三者機関による審査でもない。外国人は司法の救済を受けるためには、入管法上の手続とは全く別に、これら法務省の決定を争うべく、独自に裁判所に対して訴訟を提起しなければならないが、そのような方法があることが教示されるわけでもない。自らの判断でわざわざ訴訟を提起しない限り、外国人は裁判官に出会うことはない。 規約9条4項は刑事手続だけでなく、入管法上の手続にも適用されると解されているが(一般的意見8・1項)、日本の収容手続には、同項にいう「裁判所がその抑留が合法的であるかどうかを遅滞なく決定すること」との手続的保障はないといわなければならない。
 更に、上記の三段階の事前手続であるが、ここでは退去強制事由の有無が審査されるに止まる。例えば、在留期間の更新が法務大臣によって拒否された場合、期間を経過すればオーバーステイとなり退去強制事由に該当する。上記の三段階の手続では、在留期間を超過しているか否かは審査されるが、期間更新の拒否自体を争うことはできない。例外的に、法務大臣により、情状に照らして特別在留許可が恩恵的に付与されることはあるが、先になされた期間更新拒否の決定を覆すものではない。
 在留期間を超過しているか否かは形式的に明らかな事項であって、特段の審査を要するまでもない。期間更新の拒否自体を争うためには、これら三段階の手続ではなく、外国人において独自に訴訟を提起しなければならない。外国人がそのような方法を知らず、又、弁護士に会う機会や、弁護士に依頼する経済的能力がなければ、訴訟を提起することもなく、期間更新の拒否を争うこともできないまま、退去強制となる。
これでは、規約13条に規定する外国人の権利を実質的に保障したものとはいえない。退去強制手続の中で、退去強制決定の実体的内容を争う途が保障されなければならない。
 法務省令である被収容者処遇規則33条は、被収容者と代理人との面会を規定するが、立会人排除による秘密交通権は保障されていない。退去強制の決定が訴訟で争われている段階においてさえ、代理人との面会にはその訴訟の被告の立場にある入管当局の役人が立ち会う。
 規約13条は、退去強制の決定を争うために、代理人を出頭させる権利を規定する。 同条は「法律に基づいて行われた決定によって」行われる追放のみを認めると規定することにより、恣意的な追放を阻止することを目的とする(一般的意見15・10項)。この目的からすれば、単に代理人を出頭させることだけではなく、代理人との秘密交通権まで保障されるべきである。そうでなければ、被収容者は、退去強制手続を行っている入管当局の役人の面前で、代理人と面会しなければならないが、それでは実効的な弁護活動は期待できない。
被収容者と代理人との立会人なしでの面会を認めていないのは、規約13条に違反する。
 以上のとおり、日本における退去強制手続は規約に適合していない部分があるので、早急に是正措置が取られなければならない。
....官邸メール余命二号が難民認定法も口利き法も共謀罪の中に入ったね。

2170 諸悪の根源マンセー日弁連32

匿名希望
第23回定期総会・裁判官の再任・新任拒否等に関する決議
1970年代の次の項目へ
(決議)
昨年4月、最高裁判所がとった一連の措置に対する裁判所内外からの批判の高まりの中で、最高裁判所は本年3月、14期出身裁判官全員の再任を決定した。しかしながら、今回の再任決定の経過をみるに、最高裁判所は依然として裁判官の思想・信条・団体加入を問題視していることがうかがわれる。われわれは、最高裁判所が昨年5月8日の臨時総会決議によるわれわれの要望にこたえようとしないことや、宮本康昭裁判官の再度の再任願が容れられなかったこと、また、24期司法修習生任官志望者の新任決定の経過などをあわせ考えるとき、最高裁判所の基本的な態度について、なおひきつづき深い危惧の念を払拭することができない。
 このときにあたり、われわれは、最高裁判所が、何よりも先ずすみやかに宮本康昭裁判官を再任し、再・新任基準の明確化など適正手続を確立して、いやしくも思想・信条・団体加入を実質的理由とした再任・新任拒否を今後絶対行なわないようにするとともに、昨年の新任拒否に関連して処分を受けた阪口徳雄君にすみやかに法曹資格を認める措置をとるよう強く要望する。
右決議する。
1972年(昭和47年)5月20日
第23回定期総会
理由
昨年4月、最高裁判所によってなされた宮本康昭裁判官の再任拒否、23期司法修習生7名に対する任官拒否とこれに関連する阪口徳雄君の罷免処分という事態は、われわれ在野法曹をはじめ国民各層の間に、裁判官の身分保障と司法の独立をおびやかす重大問題であり、国民の基本的人権と民主主義の危機ともいうべきものであるとの認識を広めた。
 われわれは昨年5月8日の日本弁護士連合会臨時総会決議、5月29日の同定時総会宣言等において、最高裁判所のこれらの措置を批判し、すみやかに再・新任すべきことを要望した。また、本年4月の再任期を前に、最高裁判所に対し、宮本裁判官の再任と、思想・信条・団体加入を実質的な理由とする14期裁判官、24期任官志望者の再・新任拒否反対・並びに阪口君の法曹資格を認める措置を求める弁護士の署名は4,000名をこえるにいたった。
 この間、司法の独立と民主主義を守る国民運動はかつてない広がりと高まりをみせ、裁判所内部においても宮本裁判官に対する再任拒否の再考、再任拒否理由の公開、再任基準の明確化等を求めて500名をこえる裁判官が最高裁判所に要望書を提出し、250名をこえる裁判官が二度にわたって集会をもった。
 このような裁判所内外の世論の高まりの中で、本年3月最高裁判所は再任を希望した14期裁判官については全員再任の決定をした。
 しかしながら宮本裁判官の再任拒否、23期修習生の新任拒否、阪口君の罷免処分については、多くの批判・要望にもかかわらず、最高裁判所は依然として態度を変えていないばかりか、昨年以来の最高裁判所の措置が司法の独立に関して国民にあたえる大きな疑惑・裁判官の身分保障に及ぼした深刻な影響等については、今日なお解決の措置がとられず、再任基準は何ら明確化されていない。
 このような事態のもとで、われわれはあらためて日本弁護士連合会がこれまでに行なってきた司法の独立に関する諸決議・宣言の趣旨を再確認し、最高裁判所に対して、裁判官の再新任基準の明確化など適正手続を確立して、いやしくも思想・信条・団体加入を実質的理由とする再任・新任拒否を今後絶対に行なわないこと、並びにすみやかに宮本裁判官を再任し、阪口君に法曹資格を認める措置をとるよう要望すべく本決議案を提案するものである。
右請求する。
昭和47年4月10日
発議者 会員 津谷 信治
外 1,165名(連署)
匿名希望
13期裁判官の再任拒否問題に関する談話
新聞の報道によると、最高裁判所は10年間の任期を終える13期裁判官の熊本地方・家庭裁判所宮本康昭判事補を再任しないことに決め、更に、23期司法修習生で裁判官希望者のうち7名を採用しないことに決めた。そして、その理由は公表されていない。
この宮本判事補と任官拒否された7名のうち6名は、青年法律家協会の会員であり、又、1名は、同会の同調者とのことであり、再任と任官の拒否は、青法協の会員であることが理由とされた疑いが強い。
 そうだとすると、裁判官の思想・信条・団体加入を理由に再任と任官を拒否したものであり、該当者の基本的人権を侵すばかりか、裁判官の身分保障ひいては司法権の独立をおびやかすことになり、重大問題であると言わなければならない。
 日本弁護士連合会は、去る1月27日、13期裁判官再任、23期司法修習生の任官採用にあたり、最高裁判所は思想・信条や団体加入によって差別することがないよう毅然たる態度を持して欲しいとの要望書を最高裁判所長官に提出し、この点に関して、最高裁判所は国会において、青法協会員であることを理由に再任及び任官を拒否しないと答弁している。しかるに、前記の事実は、前記要望を無視して右国会の答弁に反することになる。
 最高裁判所は、本人の希望に従がい、再任及び任官拒否の理由をすみやかに公表し、国民の疑惑にこたえるべきである。
1971年(昭和46年)4月3日
日本弁護士合会
会長 渡部 喜十郎

 

青年法律家協会とは
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□ 青年法律家協会
□ 弁護士学者合同部会
青年法律家協会は、1954年、憲法を擁護し平和と民主主義および基本的人権を守ることを目的に、若手の法律研究者や弁護士、裁判官などによって設立された団体です。現在は、弁護士と研究者によって構成される弁護士学者合同部会と、司法修習生の各期部会があります。弁学合同部会の会員数は約2500名、日弁連や単位弁護士会以外の任意団体としては最も幅広い層が参加し、人権活動と情報ネットワークの場となっています。
青年法律家協会 弁護士学者合同部会
司法修習生各期部会
法科大学院生部会
なお修習生部会各期会はこちら  法科大学院生部会はこちら
設 立 趣 意 書
【設立趣意書】
「平和」それは、つねに人類の渇望してやまないものであります。もっとも貴重な青春の数年間をあの太平洋戦争の渦中ですごしこの戦争で多くのすぐれた先輩、友人をうしなったわたくしたちは特に平和にたいして強い関心を持っております。
「民主主義」これこそ平和をまもるとりでであります。民主的諸制度の否定されるところに自由もなければ人権もなく、自由と人権のないところに戦争の暗いかげがさしこむことをわたくしたちは身を以て体験しました。戦争から敗戦の過程をへて、わたくしたちはあまりにも多くのものをうしないましたが、その高価な代価をはらって、ようやく平和と民主主義の原則を獲得しました。平和と民主主義を標ぼうする日本国憲法はこのようにして、制定されたものであると考えます。
ところが、その後何年もたたないうちに、再軍備が課題となり、これと関連して思想、言論、集会、結社の自由や団体行動の自由がふたたび否定しさられようとしています。もしもこのまま自由と人権が否定されていくならば、またあの暗い時代がくることはだれがみてもあきらかでありましょう。
わたくしたちは、おなじ時代にそだった人間としてすべての政治的立場をはなれて、なお共通の考えと立場をもつことが多く、また法律家としては、その職能をとおして、憲法を擁護する権利と義務と責任をもっております。わたくしたち全国の若い法律家があつまって平和と民主主義をまもる会を設立しようとしているのはこのような趣旨であります。
【設立発起人】
木下明(茨城大学)▼田中実(慶応義塾大学)▼松下輝雄(静岡大学)▼伊藤道保(高崎大学)▼広中俊雄(千葉大学)▼川村泰啓・木川統一郎・下村康正・戸田修三・橋本公亘(以上中央大学)楢崎二郎・星野安三郎(以上東京学芸大学)▼芦部信喜・潮見俊隆・加藤一郎・小林直樹・高柳信一・平野竜一・三ケ月章・藤田若雄・渡辺洋三(以上東京大学)▼石村善助・千葉正士・唄孝一(以上東京都立大学)▼山主正幸(日本大学)▼蓼沼謙一(一橋大学)▼青木宗也・池田浩一・内山尚三・吉川経夫・舟橋尚道(以上法政大学)▼立石竜彦・和田英夫(以上明治大学)▼宮川澄(立教大学)▼杉山晴康(早稲田大学)▼青柳洋・朝比純一・池田輝孝・石島泰・井手正敏・上野久徳・鵜沼武輝・内谷銀之助・江口保夫・大野泰重・大浜勝三・萩津貞則・笈川義雄・音喜多賢次・金綱正己・鍛治千鶴子・鎌形寛之・小島成一・小林澄男・斎藤一好・崎信太郎・佐藤義弥・沢荘一・下山田行雄・鈴木紀男・関原勇・妹尾修一郎・高橋高男・竹沢哲夫・玉置久弥・田中義之助・萩原四郎・原田政義・馬場正夫・平本祐二・樋口俊二・藤川幸吉・堀内祟・蒔田太郎・松井康浩・増岡章三・真室光春・宮崎繁樹・柳原武男・渡部卓郎(以上東京弁護士会)栗田吉雄・井上準一郎・田倉整・田中常治・橋本基一・藤本猛・山本晃夫・依田敬一郎(以上第一東京弁護士会) 芦田浩志・一瀬英矢・江橋英五郎・大島英一・鹿野琢見・柏木薫・坂野滋・柴田博・高橋守雄・竹下甫・戸田謙・東城守一・中村稔・野口恵三・堀之内直人・前田茂(以上第二東京弁護士会)
(1954年創立総会)
青年法律家協会弁護士学者合同部会の紹介
■日本最大の法律家ネットワーク!
弁護士学者合同部会は、約2500名の会員を擁し、全国35支部10地域に分かれて、多様な分野で活動しています。任意的法律家団体としては日本で最大の人権活動と情報のネットワークです。
機関紙「青年法律家」では、全国各地の人権課題や会員の活動を報告しています。
本部には憲法委員会、司法問題対策委員会、修習生委員会、広報委員会、国際委員会を設けているほか、東日本大震災問題対策プロジェクトチームを設置して、多様な分野について情報収集、情報発信をしています。
現在の役員は、議長北村栄(44期)、事務局長蟹江鬼太郎(60期)です(2017年6月定時

 

匿名希望
弁護士任官の推進(弁護士任官等推進センター)
弁護士任官とは
1 弁護士任官とは
弁護士経験を積んだ人が裁判官又は検察官になることを「弁護士任官」と呼んでいます。
裁判官への任官には、常勤任官と非常勤任官があります。
icon_pdf.gif 「弁護士になった後裁判官になる道があることを知っていますか(2015年改訂版)」 (PDFファイル;832KB)
2 常勤任官とは
常勤で勤務する裁判官になることを常勤任官といいます。現在の日本の裁判官は、司法試験合格後、司法研修所で司法修習という一定の研修を受けた後、直ちに「判事補」という身分で裁判官に任官し、そしてそのほとんどが10年後にそのまま「判事」になっていきます。これに対し、弁護士経験のある者から裁判官を任用することを常勤任官(狭義では弁護士任官といえばこの常勤任官を指します。)といいます。幅広い社会経験を持つ弁護士が裁判官になることによって、司法がより身近で頼りがいのあるものとなっていくことを期待しています。
2017年9月1日現在62名の弁護士任官者が全国で活躍しています。
icon_pdf.gif 弁護士任官Q&A(常 勤) (PDFファイル;609KB)
3 非常勤任官とは
常勤任官に対して、非常勤裁判官になることを非常勤任官といいます。「非常勤裁判官」とは、弁護士としての身分をもったまま、週1日裁判所に登庁して、民事調停又は家事調停に関し、裁判官と同等の権限をもって調停手続を主宰する者のことです。正式には、民事調停官(民事調停法第23条の2)、家事調停官(家事事件手続法第250条)といいますが、これら2つをあわせて「非常勤裁判官」という通称で呼んでいます。非常勤裁判官に対し、上記2のフルタイム勤務の裁判官を「常勤裁判官」と呼んでいます。
icon_pdf.gif 弁護士任官Q&A(非常勤) (PDFファイル;324KB)
4 検事任官とは
2001年6月の司法制度改革審議会意見書で、「弁護士から検察官に任官する例は皆無に近いなど、人材の相互交流は極めて低調である。」(100頁)と指摘されたことを受け、日弁連と法務省が協議した結果、法務省において、icon_pdf.gif「弁護士からの検事採用選考要領」 (PDFファイル;118KB)が制定されました。この選考要領に基づいて弁護士から検察官に任官することも、「弁護士任官」の一形態であり、日弁連としては、より良い検察を実現するために、会員のみなさまに対して推奨しています。
検事任官の手続の流れ
弁護士からの検事任官は、現状では、日弁連内で特別な審査を行っておらず、申込書類を法務省大臣官房人事課に、直接又は日弁連を経由して、提出していただいています。関心をお持ちの方は、日弁連法制部法制第一課までお問い合わせください。
弁護士任官等推進センターの活動
日弁連では、2002年10月に弁護士任官を推進する「弁護士任官等推進センター」を設置し、常勤任官・非常勤任官を推進するための地道な活動をしています。また、2005年から開始された弁護士職務経験制度(判事補および検事が、一定期間(原則2年)その身分を離れ、弁護士となってその職務を経験する制度)を支援する活動もしています。
主な活動内容
① 全国各地で弁護士任官推進のための集会や懇談会を開催し、また、弁護士任官およびこれを支える体制についてのパンフレットを作成する等の広報活動を行っています。
② 市民にとってより親しみやすく頼りがいのある弁護士が任官できるように、任官希望者を募集し、支援しています。
③ 弁護士任官した弁護士が、裁判所の中で、市民感覚を鋭く持ち続けながら実力を発揮できるように、激励をしたり、弁護士任官者相互の交流を図る機会を設けています。
④ 弁護士任官推進のための各種の仕組みづくりをしています。
⑤ 多様な弁護士の中から、市民にとって必要な人材が裁判官に採用されるように、定期的に最高裁判所と話し合いをしています。
⑥ 弁護士職務経験制度を支援するため、受入事務所を募ったり、弁護士職務経験者相互の交流を図る機会を設けています。
弁護士任官を希望する方へ
任官について詳しく知りたい弁護士の方はこちら
任官支援事務所について詳しく知りたい弁護士の方はこちら
弁護士任官について詳しく知りたい修習生の方はこちら
都市型公設事務所を活用した弁護士任官推進制度について
2017年9月1日から、都市型公設事務所を活用した弁護士任官推進制度が発足しました。
1 制度の概要
裁判官への弁護士任官を目指す会員を受け入れて、2年以上執務させ、その間の所得(年額450万円以上)を保障する都市型公設事務所(これを「任官支援都市型公設事務所」といい、日弁連への登録を要します。)に対し、次の2つの援助を行います。
(1) 任官支援補助金:支援対象弁護士1人当たり100万円を給付(ただし、他の補助金等と重ねて受けることはできません。)
(2) 事務所拡張支援補助金:支援対象弁護士を採用し、又は採用することを予定している任官支援都市型公設事務所が、採用のため事務所の施設の改装、拡張若しくは移転をし、又は備品を購入するために出捐したとき、その出捐額を限度として本会が定める額を給付(ただし、1つの事務所について、本会の1会計年度当たり200万円までとし、他の補助金等と重ねて受けることはできません。)
2 応募の方法
(1) 時期:随時
(2) 提出書類:
① 支援対象指定申出書(日弁連所定のもの)
② 経歴書
③ 司法修習生考試(二回試験)の成績表(申出者が司法修習生である場合は追完)
④ 分野別・選択型・集合修習の各成績(同上)
⑤ 質問票兼回答書
⑥ その他日弁連が必要と認める書類
(3) 応募書類請求先および提出先:本会法制第一部法制第一課 (電話 03-3580-9978)
3 指定までの手続
この制度は、日弁連が任官支援都市型公設事務所に経済的支援をするものですので、支援対象弁護士として指定を受けた会員には、ほぼ確実に最高裁判所で常勤裁判官に採用されるであろうと見込まれるだけの資質が要求されます。
そこで、前項の書類が提出された後は、日弁連において筆記試験(小論文)と面接試験を実施します。書類の提出から決定まで、およそ2か月程度を要します。
4 その他の留意点
応募をする際は、予め任官支援都市型公設事務所から採用の内定を得ておくと、その後の手続がスムーズに進みます。ただし、内定が必須ではありません。
任官支援都市型公設事務所」および「支援対象弁護士」に応募を検討されている場合は、応募書類等をお送りいたしますので、上記担当課までご連絡ください。
icon_pdf.gif 都市型公設事務所を活用した弁護士任官推進制度(会員の方) (PDFファイル;438KB)
icon_pdf.gif 都市型公設事務所を活用した弁護士任官推進制度(法曹を目指す方) (PDFファイル;600KB)